施策はミスマッチ 金沢の家庭系ごみ有料化をめぐって(拡散希望)

施策はミスマッチ
金沢の家庭系ごみ有料化をめぐって(拡散希望)

 3月15日の一般質問の動画から私と市長とのやりとりを文字起こしした。残る論戦の場は、22日10時から終日の連合審査会、23日10時からの経済環境常任委員会を経て24日13時からの最終本会議となる。まだ遅くはない、議会、議員に声を届けよう。

1.市民のつぶやきから 家庭ごみ有料化の「経済的インセンティブ」に関して
 
13森:今回は市民のつぶやきを先頭に持ってきました。まず、家庭ごみの有料化についてご質問します。今回の3月定例月議会では、多くの議員がこの問題に触れられておりましけれども、昨日も市長のご答弁の中に「センターピン」という言葉が出て参りました。私いろいろ伺ってきましたが、この「センターピン」の打ちどころがどうもずれているんではないかということを率直に感じております。で、この問題につきましては、所管の委員会がありますからそこで掘り下げさせて頂きたいと思っております。今日は、直接市長に伺いたいことに絞って質問したいと思います。
(1)まず、有料化の目的等で使われる「経済的なインセンティブ」この言葉には、どのような意味を込めていますか。

山野市長:様々な行政だけではなくて、社会一般において経済的インセンティブは大変大きいものがあると思っています。特に今回の場合は、ごみを減らす動機づけに間違いなくなるというふうに思っています。また、資源化率を高めるための動機づけにもなってくると思っています。また、金沢市では、古くから古紙回収は地域の皆さんが汗をかいていただいておりますけれども、奨励金を増やすことによって、これもまた動機づけになると思っています。奨励金を基にして様々な地域活動をより活発に行いやすくなる環境にもつながっていくと思っています。そういう意味から、動機づけと使わせていただきました。

森:私も 「インセンティブ」という言葉を辞書で繰ったりしまして調べました。仰るように刺激、動機づけ、また一方では報奨金こういう言葉が出てくるんですね。そうしますと、これは市が市民を動機づけする、こういう考え方に立った経済的インセンティブの導入ということになるんでしょうか。

山野市長:政策というものは、仮説を立ててその方向に向かっていくという形でやらなければいけません。大きな話でいえば、私は世界の交流拠点都市という目標、仮説を立ててその仮説に向かって様々な施策を進めているところであります。で、ごみの有料化を今回は提案させていただきました。一番大きな目標は将来の子どもたちに負担を少しでも残さないということ。これも何度も申し上げてきましたからこれ以上は詳しくは申しませんけれども、それに向かって一緒に進んでいかなければなりません。その動機付けとして提案させていただいたところであります。

森:市民の様々な意見を聞いておりますと、この市が市民に対してこういう形で動機づけする、このことに対する違和感、これがあるんですね。
(2)次に、手数料を含む有料化は、税外負担を市民に課すということですね。これ確認させてください。

山野市長:地方財政小事典、私共もよくこれを見ながら財政でいろんなことをしていますが、税外負担とは、地方公共団体に対する法令の根拠に基づかない住民等の負担を言うとなされています。今回の手数料は、地方自治法の第227条の規定によるものでありますし、判例にも従っておりますので、税外負担とは考えてはおりません。

森:今触れられました地方自治法227条ですね、これに基づくんだと。そうすればこれは適正な負担なんだと仰ったんですが、私もこの法律を読みました。ここには、特定の者のために行う事業、これについてのみ手数料が徴収できる、こういう書きぶりになっているんですね。このことが過去の裁判でも問題になったと私は認識をしている訳です。今回の有料化導入に当たって、この「特定の者」という考え方はどんなふうに吟味されているんでしょうか。

山野市長:住民の皆さんが生活をされている中で排出される廃棄物でありますんで、そういう意味では、金沢市民だと思っています。で、法律的な解釈はいろいろあったんだと思いますが、私共としましては、判例も出ておりますし、法令に則ったものだという理解で進めているところでありますし、これは私も全国市長会でも確認をさせていただいているところでもありますし、全国市長会でも当然法令に則っているとの前提のもとで、昨日から何度も申し上げておりますけれども、全国市長会も何度も家庭ごみの有料化を推進する提言をなされているということであります。

森:厳密にね、この部分大事なので、確認をさせて頂きたいんですけれども、地方自治法の第227条はこう書いてあります。「普通地方公共団体は当該普通公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき手数料を徴収することができる。」こう書いてあるんですね。で、最近では、藤沢市が有料化を行ったことに伴って、裁判になりました。これ確定判決になっています。 その判決でどう書いてあるか。これ判例ですね。「排出者の排出行為と収集運搬者の収集行運搬為が一対一の関係で対応させることが可能であるなら、受益者に対してのみ負担を課すことが可能となる。その負担をもって手数料の概念に当てはまると解釈することは可能である。」こういう判例なんですよ。「一対一」でそれが対応関係が明確であれば課すことができる。こういうふうに判例述べているんですよ。今回の有料化は、ステーション収集前提じゃあないですか。ここに私は法的な疑念が生じる。このことを指摘しておきます。
(3)次に、行きます。本市は、1961(昭和36年)から4年間、家庭系ごみを有料化しましたが、1966年に徳田市長がこれを廃止して無料化しました。以来、歴代市長は半世紀に亘り家庭系ごみは原則無料収集を踏襲してきました。この経緯をどう受け止めておられますか。

山野市長:先ほどの質問ではお尋ねになりませんでしたので、お答えしませんが答えを持っていますのでお伝えしておきます。それは事実ですが、50数年間何度も議会で議論もされてきました。昨日一昨日も何度も申し上げましたから繰り返しはしませんけれども、全国市長会や国のほうでも議論がなされてその方向で進めるべきだと。平成15年に金沢市は家庭ごみの有料化に踏み切りました。いろんな議論がありました。議員をしておりましたから私も知っております。粗大ごみの有料化に踏み切りました。そして平成22年度のごみ処理基本計画に燃やすごみが多いということでその中に入って、27年度私の判断で施策として掲げさせていただきました。先輩方は議会での議論や国の動向、石川県内の動向を見ながら手続きを丁寧に丁寧に取りながら進めてきたところであります。

森:山野市長は自らの政策判断でこの有料化を導入する議案を出されたとご説明されました。私は、歴代市長のまさに政策判断、そこが異なるんではないかと考えている訳です。その判断ですね。歴代市長の判断のもとになる原則的な考え方はどういうものであったかということについては市長はどうお考えでしょうか。

山野市長:すべての市長さんの議事録を読んですべてを把握している訳ではありませんが、私が議員の時代、また平成に入ってからの議事録を読ませていただきました。当然山出市長ですけれども、常に家庭ごみ有料化についてはしっかり研究させてほしいと仰っておられました。私は議場でもそれをよくお聞きをしていたところでありまして、で、平成15年に家庭ごみの中の粗大ごみの有料化に踏み切られたというふうに理解しています。これは当然、時代の流れもあったというふうに思います。一昨日申し上げましたけれども、平成15年全国市長会も国も明確にやらなければならないという方向を示されました。これ以降、何度か国も全国市長会もその方向が示されました。当然、議会においても何度も議論がなされました。その議論の中で私は、山出市長は平成15年に決断をされたんだと思いますし、平成22年度のごみ処理基本計画の中でまずは検討していこうと丁寧に慎重に手続きをお進めになったんだと理解をしています。

森:今、山出元市長のお話もありましたけれども、慎重に研究されたんだと思うんですね。その結果として家庭系ごみへの有料化導入は見送ってきたということだと思います。粗大ごみは確かに有料化されています。金沢でいえば、事業系と粗大ごみですね。ただ、粗大ごみは有料の時点で戸別収集のシステムをとっているんじゃないでしょうか。この問題は、先ほど冒頭に私が指摘した問題に関わると思います。そして徳田当時の市長は、無料化するときに税外負担の解消ということを仰って、当時は戸別収集であったにも拘わらず、税外負担の解消のために無料化にした。こういう経緯なんですよ。この部分のまさに研究とうのですか、それが山野市長の中ではどうなっているのかなということ、もう一度尋ねます。

山野市長:60年前、70年前いろんな議論があったと思いますし、その時の市長さんのご判断もあったというふうに思いますし、市長さんがご判断されるに際して、当時全国市長会なるものがあったかどうかはわかりませんが、国の動向や全国の動向、石川県内の動向等々を勘案されてご判断をされたと思っています。繰り返しになりますが、平成5年以降時代が大きく変わったと、廃棄物処理の考え方も全国で変わったということは一昨日詳しく申し上げましたので、ここは詳しく申し上げませんが、その中で私は先輩方が何度も何度も議論をされていきながら、平成15年に決断をされて、平成22年に検討項目に入れたというのも、私はその段階で大きな仮説があったうえで、検討していくという意思表示をされたんだというふうに思っています。で、5年後に第5期ごみ処理基本計画の段階で私が市長でしたので、先輩方のその議論、その思い石川県内の動向、全国の動向、国の動向を見ながら総合的に判断を致しました。

森:(4)地域コミュニティ活性化基金との絡みについてご質問することにしておりましたが、時間が進んでいるようなので、別の機会にさせていただきます。
(5)有料化に併せ、古紙回収の拡充、資源回収拠点の拡充、事業系の手数料引き上げと排出指導強化、ふれあい収集モデル事業に取り組む方針が示されています。行政が責任ある収集体制をもって地域と連携すれば、大きな効果を上げるんではないかと思っているんです。因みに、人口118万人を超える政令指定都市広島市は、一日一人あたりのごみ排出量が政令指定都市中最下位を10年間連続して維持しています。2014年度で856グラムと環境省が掲げる2020年度の達成目標888グラムを既に達成しています。視察では、この広島市は家庭ごみは有料化せず、事業系ごみへ指定ごみ袋を導入し、紙類の分別を促し、今後は食品ロスの減量にも取り組むとのことなんです。
ーグラフパネル提示ー
11 これは上段が家庭系ごみの推移です。2001年度以降2015年度までです。下は事業系ごみの推移です。このことを今市民は認識をするようになってきていると思います。
 今問題があるのは、有料化を導入しようとする家庭系ごみなのか、事業系のごみに対してなのかこのことが問われているわけです。改めて、家庭系ごみに有料化する合理的理由はあるのでしょうか。

山野市長:家庭系ごみに今議会で提案させていただいたのは、なんといっても東部環境エネルギーセンターの改築が控えているということであります。やはりこれは少しでもコンパクトなものにすることによって、建築費そのものを抑えることができますし、またその維持費というものも抑制することができます。事業系ごみについても今般議会にお諮りさせていただいているところでありまして、事業系ごみも処理料の料金改定を上程させていただいておりまして、共に取り組んでいかないといけない課題だと思っています。

森:廃棄物の処理、それから清掃法これ法律ですけれども、それによると、事業系ごみは業者が自分で処理しなければならないという責務規定になっているんですよ。家庭系のごみについては、市が収集し処理しなければならないという規定になっているんです。ですから、家庭系ごみには当然料金を払ってもらわなけれならない、市の施設を利用すんですから、あ、事業系ごみですね。これは当然払ってもらわなければならない。その価格が今本当に適正か、或いは様々な計画書の提出とか搬入実態、これをきちっと調べて、不適正であれば公表とか或いは搬入を拒否するとか権限が行政に法的に与えられているんですよね。そういうことを総がかりでやって、全体のごみの排出量を抑制していく、資源化率を上げる、それは十分可能なんじゃないですか。広島はそれをやっているんです。ですから、これは本当に合理的な理由があるのかと私は再三聞いているんです。

山野市長:先般、廃棄物処理審議会で事業系ごみのことについても指摘を受けました。料金改定のことも受けました。森議員も仰っていただいたように適切な指導につきましても議論をいただいているところでありますので、そこもしっかりと併せてやっていかなければいけないというふうに思っています。

森:金沢市民は、「経済的インセンティブ」などというものが課されなくても、これだけごみの減量を実現してきているということなんですよ。このことはとても重いですよ。有料化によってそれが損なわれるんじゃないかという市民の声が出始めていますよ。インセンティブなどという上からの動機づけなくして、金沢市には、生活を向上させて環境に資しようとの市民の美風のようなものがあるんですよ。これこそが後世に引き継いでいくべきものではないんでしょうかね。

山野市長:金沢市民は環境を守ろうという強い意識をもっていらっしゃることは事実だと私は思います。それは大切にしなければいけないというふうに思っています。ただ、残念ながらすべての金沢市民がそうかというとそうじゃない方もいらっしゃるようにも感じます。 ただ、私共は政策として金沢市全体の中で取り組んでいくということが大切だというふうに思っています。先行自治体の事例も参考にしながら取り組んでいくところでありますので、ご理解を頂ければと思います。。

森:私は家庭系ごみにステーション収集のまま有料化するというこの問題、事業系、家庭系どちらに問題があるのかこの問題、この二点から家庭系ごみへの有料化導入はやはり政策としてはミスマッチであろうともう一度申し上げておきます。いや答弁はいりません。

〔以下は3月16日経済環境常任委員会審査で 再掲〕
センターピンの刺し間違い

 16日から議案が付託された委員会審査始まった。所属する経済環境常任委員会で、私は小一時間にもわたり、家庭系ごみ有料化は施策ミスマッチだと環境局長、リサイクル推進課長の認識を質した。

 かなざわ・ごみ事情資料室に協力頂き、写真のパネルを持ち込んだ。いずれも、金沢のごみ排出量の位置を客観的に共有し、有料化施策の適否を判断して欲しいとの他の委員へのメッセージでもあった。

 金沢市民の家庭系ごみは、有料化のインセンティブなど必要ない縮減を実現している。熊野議員の質問で市長が認めた環境省の家庭系の燃やすごみと燃やさないごみの目標値500グラム/日・人(2020年度)まであと40数グラム。この指標を市民に情報提供せず、有料化が最有効と説明してきた姿勢も批判した。昨年1月に環境省が初めて示した指標と言い訳したので、そうだとしても、一年も黙っていたではないかと反論した。

12 事業系ごみにこそ問題が多く、厳しい対策が必要だ。事業系ごみ排出に対する指導監督の不徹底も指摘した。
これに対し、今後、事業者への指導監督を強化する機構整備にも取り組むと答弁したが、事業系ごみの多さは他都市比較から明白だ。それを招いておいて、「家庭系ごみ有料化でごみ排出抑制」とは、あまりに辻褄が合わないご都合主義ではないか。

 今日の論争でハッキリしたのは、金沢市の家庭系ごみ有料化とは、家庭系ごみの実態を見ずに、有料化を自己目的にしているということだ。事業系ごみ対策は後付けだ。
「先に有料化ありき」は、市民には喝破されているが、一部始終を取材していた報道各社は、そこを抉ってもらいたい。
 23日が総括討論、採決となる。