あったか~い♬ ウインター・コミュニティコンサート2020

あったか~い
ウインター・コミュニティコンサート2020

 第7回を迎えたウインター・コミュニティコンサート2020は、一段とあったか~い コンサートになりました。2020年2月8日は、135人を超える市民参加者とボランティア出演してくださった演奏者の皆様のお気持ちの賜物です。

今回の通しテーマは 音楽を通じた「平和と尊厳」

第1部は日韓親善祈念リサイタル
 対立が深刻化した日韓の友好親善を祈念し、ソプラノの韓錦玉さんが三度の来演。ロシアの文豪プーシキンの詩をキム・ヒョグン氏が訳詞作曲した「もし人生が君を裏切っても」。そして、韓さんの依頼で西大樹氏が作曲した「アリラン峠の赤とんぼ」を私との二重奏でお届けしました。哀切な情感をたたえるそれぞれの国民的な歌が、かくも協調するものかと歌いながら感銘を受けました。韓錦玉さんとのデュエットは、光栄の極みでした。

韓さんのご了解のもと動画を掲載します。

第2部「バリエーション」
 初登場の簔口正美さんは、新舞踊から新春を寿ぐ「大吉」を凛として優美に舞いました。ジャズトリオ「ミルキーウエイ」は、教育現場のジャズメン谷さん、中川さんペアに尺八師範盛本環童(芳久)さんが加わって、粋な洋邦セッションで現代曲を披露しました。
 ところで、これまで参加型音楽レクをリードしてきた野村泰裕さんは、東京オリンピック・パラリンピック開催年を記念して、オリンピックと平和をめざした情熱~金沢出身の「大島鎌吉物語」をパワーポイント紙芝居で語りました。自身がランナーであり、尊敬する郷土の先達を研究した野村さんの成果の披露により、私たちの足元の歴史に平和の種がまかれていたことを知りました。
 

第3部「市民のステージ」
 初登場の結城病院バンド「ハントンライス バニー」。メンバーは看護師勤務の傍ら、患者さんとも時にバンド活動を共にし、回復への音楽の力を発揮してきました。ステージでは、明るく闊達で子どもたちが跳ねる素晴らしい演出で会場を沸かせました。意義ある活動をご紹介する意味でも動画を掲載します。

 筑前琵琶の高桑旭蓉さんは再々演。「湖水渡り」を弾き語り、武勇を切なくも幽玄な古典の世界として再現してくれました。

 もう一人の初登場は、トランペット独奏の大竹宏さん。「音楽を通じた社会貢献」をモットーに、輝かしいトランペットの音色で各地域へ出向いて人々を魅了しています。3曲はいずれも知る人ぞ知るスタンダードナンバーで、やわらかいトランペットの美音に会場が大喝采となりました。

 そして、私も、末席から。昨年は韓国の独立運動から100年。ドイツでも独創的な建築文化教育のバウハウス創立100年の節目でした。しかし、その後、ナチスドイツのファッシズムに飲み込まれていきました。ヴァーグナーの「マイスタージンガー」は、ナチス独裁に最も利用された音楽です。その歴史を肝に銘じ、現在の社会の状況にも感性を研ぎ澄ませたいとのメッセージでもありました。
 昨年1月10日に92歳で逝去した敬愛するヴァーグナーバスバリトン テオ・アダムを追悼して。

  いつものように、ふるさとの大合唱で幕を閉じた第7回ウインター・コミュニティコンサート2020。
 「楽しみにカレンダーに書いてやってきました。」との声。懐かしい人との再会。出演者同士の交流・・・
 次回の開催日時は未定ですが、続けたいと思っています。実行委員会代表世話人として。