ガス・発電事業譲渡慎重審議を求める陳情書継続審査に

ガス・発電事業譲渡慎重審議を求める陳情書継続審査に

 本日6月18日、議会は委員会審査。建設企業常任委員会は、開議10時から、昼食と議会運営委のため休憩を挟み16時まで厳しい追及を続けた。公営堅持の「経営戦略2016」から譲渡へ転換の意思形成過程が依然不透明だからだ。一体だれが主導して転換したのか?局内合意があったのか?

 前回委員会で提出をも求めた経営会議ならぬ局議の関係資料は、見事に表紙(案件表という)のみをつづったもの。前回提出された経営会議資料は、2016年度のみ。エネルギー自由化環境の下での向こう10年間の経営戦略の具体化は、「経営戦略2016」では経営会議による「全庁体制」で推進と記しているにも拘わらずだ。経営会議に準じるという「局議」なるものの詳細も明らかにされない。

 公文書管理条例に結実した「文書により起案から決裁過程を残し、市民への説明責任、検証に供しなければならない」との規範がないがしろにされて今日に至っている。譲渡方針の民主的正当性が揺らいでいる。ゆえに、新谷委員、森尾委員、そして私は、議員の職務責任から不問に付すことはできないのだ。

 来春譲渡のスケジュールに当局が拘泥する中、ガス・発電民営化を考える市民連絡会から提出されていた慎重審議を求める陳情書は、この議論が続く中、全会一致で継続審査となった。審議すべき問題はより積みあがっているのだ。

 企業局は、残り三回の市民説明会を終えると、6月30日に譲渡先予定企業「金沢ガス・電気株式会社」(5月13日登記済み)との仮契約締結を目指す。今日は、その仮契約内容となる協議骨子を報告した。いくつも疑義があるが、特に、今回質したのは、「禁止事項」としての第3者との合併、会社分割、事業譲渡等の期間10年に「原則」がついていること。この原則の意味。そして、関連して、経営確認(監視)期間概ね5年見直し。契約の義務規定はいつまでこの会社を縛れるのか?という点だ。

 これは、エネルギーライフラインの公共性の担保に深くかかわる問題だ。市場が全面自由化してのエネルギー事業者の公共性の維持や安定性は、これから試されていく。

 利潤追求を旨とする民間会社だ。エネルギーインフラという社会的使命を帯びているとしてもだ。欧米の民営化破綻は、20年間以上の時間軸の中で明らかになった。そして再公営化の自治体市民運動に火が付いた。

 譲渡先選定委員会でも、民間企業の自由度と公的縛りとの関係は、利害が相反する課題であることは、事務局である企業局側が選定委員に説明している。経営監視が、市民サイドに立ってのことか、民間企業サイドに立ってのことかを問うているのだ。

「会社がある限り契約は生きる」と繰り返すが、法的拘束力・法的根拠は示されていない。明示してもらわねば先に進めない。

 委員要求により、7月15日に常任委員会において参考人招致を行う。あり方検討委員会の高橋元委員長、譲渡先選定委員会の草薙委員長の二人だ。その翌週には、企業局所管のみの集中審査も予定する。
                         
 (スナップは15日本会議質問時のもの)