2021年3月定例月議会(当初議会)一般質問報告

2021年3月定例月議会(当初議会)一般質問

【質問事項】
1.ガス事業・発電事業の民間譲渡について
(1)優先交渉権者選定について
(2)両事業を社会的共通資本として生かす道について
(3)市民への説明責任に関して
2.交通ネットワークのまちづくりについて
(1)路線バスの運転手不足について
(2)新型コロナ禍の下での交通ネットワークの課題について
(3)新交通システムの機種選定と交通ネットワークの課題について
3.市民のつぶやきから  
(1)ラブホテル・レジャーホテルの支援事業からの除外への嘆きから
(2)学校給食の公会計化を切望する現場の声に

■本会議一般質問(3月11日 一問一答)
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森 一敏議員:東日本大震災と福島原発過酷事故から10年に当たり、全ての犠牲者に深甚なる哀悼の意をささげますとともに、今日までの被災者の御苦労に思いをはせます。一日も早い生活復興と脱原発社会の構築に邁進することをお誓いし、みらい金沢の一員として、以下質問させていただきます。

1.ガス事業・発電事業の民間譲渡について
(1)優先交渉権者選定について
 最初に、1番、ガス事業・発電事業の民間譲渡について。その1番、優先交渉権者の選定について伺います。
 優先交渉権者が公表されましたが、富山市に本店を持つ北陸電力と名古屋市に本社がある東邦ガスの2社が出資比率の91%を占める、6事業者から成る企業グループが選定をされました。まず、審査において、応募事業者それぞれの提案内容にどのような違いがあり、それをどう評価した結果なのか、公営企業管理者に伺います。また、そもそも第1次審査の段階で幾つの応募数があったのか伺います。

平嶋公営企業管理者:第1次の資格審査には、2者の応募がありまして、この2者から提案があったものでございます。譲渡先選定委員会では、全体計画、経営計画、保安体制・維持管理計画、それから顧客サービスの4つの項目で、提案書類及びプレゼンテーションによる審査を行いまして、優先交渉権者から提案されました全てのガス料金メニューでの値下げ、電力小売による新サービスに加えまして、地域雇用の拡大や地元業者の活用、環境エネルギー施策への地域貢献など、地域重視の発想が前面に出た経営戦略が高く評価されたものでございます。

森 一敏議員:1次審査の段階から2者という御答弁でした。これは、当初から予想されたことでしょうか。どうでしょう。

平嶋正実公営企業管理者:それぞれの事業体において御判断されたものと考えております。

森 一敏議員:競争によって、より優良な事業体が譲渡を引き受けていくという文脈から考えますと、私、いささか疑問を感じました。新メニューの提案について、私も読みました。一部シミュレーションもしたりしておりますけれども、これはまだ提案の段階ですから、ここで突っ込んだ、踏み込んだ議論はまだちょっとなじまないなと私自身は思っております。ただ、その割引、そう大きな額にならないんですね。割引が多くなるのは、やはりたくさん使う大口需要、こういう傾向があるようです。それにしましても、その原資というものがどのようにつくられていくんだろうか、ここがやはり疑問に思うところがあります。この間も議論がありましたけれども、県税、国税、市税、そして道路占用料など公租公課、PwCのコンサルが試算をした段階では、合わせて5億7,000万円ほどの数字になっておりました。そして、何よりも株式会社になりますから、投資家への配当優先、あるいは経営者の、かなり高くなるんじゃないかと思いますが、役員報酬、こういうものを優先的に出していかなければならないという民間株式会社の宿命からしますと、このサービスが一体どうやって提供され続けていくんだろうか、ここにいささか疑問を感じざるを得ません。そのことは申し上げておきたいと思います。 
 ところで、この選定について、経済全国紙は、北陸のエネルギー市場での主導権維持、大手ガス会社の電力事業参入への対抗力の意味、さらには有力ガス会社が少なく、北陸電力があえてガス事業を始める理由はなかったと報じております。経済紙らしく、市場獲得の主導権争いという参入構図は説得力があります。提案されている多様な割引サービス、これが色あせてさえ見えてくるんです。本市自らが両事業を先の見えない市場争奪戦に投げ込もうとしているんじゃないですか。市長の御所見を伺います。

山野之義市長:私も、その記事を拝見いたしました。森議員がおっしゃるように、経済紙らしく、事業者側の視点での記事でありました。その中には、利用者、市民目線というものはない記事でありました。また、併せて、恐らくスペースの関係があったと思うのですけれども、事業者の短期的な視点だけの記事でありました。そこには、残念ながら、長期的な視点はありませんでした。これはスペースの関係があって仕方がなかったんだというふうに思っていますけれども、やはり企業は、ゴーイングコンサーンという言葉がありますように、継続性というものが第一になってきます。特にこの事業の場合は、安全が第一で、安定して、できる限り安価な形で供給をするということは、まさしく継続性、長期的な視点が大切になってきます。この記事自体は、短期的な事業者側だけの視点で書かれているものでありますので、そういう意味では、市場経済に投げ出すという表現はありましたけれども、利用者や市民側ではなく、長期的な視点ではなく、短期的な視点ではそういう見方があるんだろうというふうに記事を拝見いたしました。

森 一敏議員:まさに短期的な視点、そして市民生活を支えるエネルギーインフラなので、これの安定性、これは何よりも重要なテーマだと思います。そこに、この市場争奪戦というものが影を落とすんじゃないのかなという心配を私はこの記事から抱いているので、このことをぜひお考えいただきたいと、こう思っているわけです。
 そして、昨年、何人もの参考人の方から特別委員会で御意見を伺いましたけれども、自由競争でスタートした市場でも、いずれ民間独占に移行するケースがほとんどなんだということをおっしゃっているわけですね。今回、最初から、これ民間独占に移るという譲渡になるんじゃないでしょうか。そういう点でも、本当に自由化によってサービスが向上し、安定性、安全性、これが担保されていく、本当にそういうふうになるんだろうか、なかなか得心いきません。両事業の公共的ガバナンスについて、市出資は募集要項範囲内、最低3%と、このままになるんでしょうか。そうならば、代表企業と筆頭構成企業で91%、経営に問題が生じた際、どんな統制が利かせられるのか、公営企業管理者に改めて伺います。

平嶋正実公営企業管理者:譲渡先選定委員会におきましては、両事業に対します国の厳しい監督体制を踏まえまして、市の関与につきまして、出資条件並びに契約条件との組合せによることが適切とされたところでございます。具体的には、市の出資を3%以上10%未満といたしまして、そのことにより会計帳簿閲覧謄写請求権を担保いたしますとともに、経営状況確認の義務づけを譲渡契約書に明文化することによりまして、経理や経営計画、事業実績等の詳細な把握が可能となります。また、今般の優先交渉権者からは、市との情報交換会等を開催いたしまして、経営体制や法令遵守、保安措置等の状況について開示するといったことも提案されているという、そういう状況でございます。

森 一敏議員:出資だけではない、様々な担保をする、ルールをつくれると、そういう御答弁です。経営関係、その財務状況とか、そういうものの閲覧の請求ができるということなんですが、その先に何ができるんでしょうか。この仮に3%だとすると、その先に何ができますでしょうか。

平嶋正実公営企業管理者:今回提案がありました様々な事柄につきまして、そういった帳簿関係、あるいは経営者の考え方、会社の動向、そういったものを市として十分把握をし、見極めることで、市として何らかの物申すことも可能になってくるというふうに考えております。

森 一敏議員:この経営監視、これについては料金設定については10年、それから5年たった時点で出資を含めて継続するかどうか、そこで判断する、そういう内容になっていますね。それから、10年は転売しない、こういうのは募集要項で入っております。これは履行しなきゃならないでしょう、10年。しかし、経済大変動でそれが不能になるという可能性は、これは否定できないですね。そうすると、金沢からエネルギー事業がなくなっちゃうと、もう戻せないと、こういうことになりかねんと。その10年以降、その先ですよ。欧米の再公営の問題というのは、20年たって、そうせざるを得なくなっていったんです。10年先の担保がない、今の御答弁を聞いたら、やはりそういう問題のように思います。金沢市は、北陸電力の大株主ですね。まさに公営復元運動を戦後、懸命にやって、議場で紹介しましたが、北陸電力は離さなかったんですよね。それで、別の方策で資金提供する、その中に株があった、それが現在、金沢市が保有している北陸電力の株ですね。そこが出資をする会社に、また改めて金沢市が出資をすると、こういう形になります。そして、悲願の水力発電所が北陸電力の一番出資する会社の所有物になる、非常に歴史の皮肉を私、感じます。

(2)両事業を社会的共通資本として生かす道について
 次にいきます。ですから、両事業を似て非なる、エネルギー供給という点では同じかもしれませんが、その本質において似て非なる社会的共通資本として生かす道について御提案申し上げます。一口に300億円と、譲受け希望価格、言いますけれども、両事業は歴史的・文化的資産であり、全国まれな市民資産の価値です。これは計り知れません。数字にできません。利潤追求の市場条件に左右されてはならない、これ社会的共通資本の定義です。金銭的利益ばかりにとらわれず、公共社会の便益のために生かす道がふさわしいんです。気候変動対策が急務の中、過渡的な役割とはいえ、都市ガスは、災害時の電力代替エネルギーや避難所への優先的供給といった防災機能、教育や保育など、福祉施設への優先供給や子育て世代・困窮者支援料金の設定、NGOからの、これ燃やすだけじゃありませんね、水素・燃料電池、LNGからできます。公共施設への配備といった社会政策に貢献できるんです。今からでも具体的に検討しようじゃないですか。公営企業管理者、いかがですか。

平嶋正実公営企業管理者:ガス事業者、それから電気事業者は、法律によりまして、使用者利益の保護、事業の健全な発達、公共の安全確保や環境保全といった大きな役割を求められております。公営、民営を問わず、それぞれの立場で社会的使命を果たし、社会的共通資本の維持、発展に努めることが重要であると認識をしております。このたび決定した優先交渉権者からは、ガス事業について、教育機関や病院の災害時の業務継続に資するサービス、子育てや高齢者を支援する料金割引や見守りサービスの導入など、災害対策や福祉施策への貢献に資する多様なサービスの展開に関する提案もあったところでございます。これらが着実に実践をされ、また、本市施策との連携を図ることによりまして、地域社会のさらなる発展が期待できるものと考えております。

森 一敏議員:そうしたことが履行できる基本的な条件、これが失われたときに、それが水泡になってしまうんではないかということを、似て非なるものという言い方で私は指摘をしているつもりです。
 一方、水力は完全なる再生可能エネルギーです。再生エネルギー電力をつくり出すのに懸命になっている自治体から見ると、4万世帯分もの再生可能エネルギーの生産能力を持つ金沢市がいかに恵まれているか、先人の先見の明を思う。今から持ちたくても多分できない。こう語る世田谷区保坂展人区長は、長野県営水力と区内の保育・こども園とを電力供給によって結んでいます。本市発電事業も、積極的な小売主体となって、エコツーリズムなど、政策的な営業戦略が描けます。水力電力と豊富な水を活用し、電気分解により水素を生産させる未来事業に一役買うことも夢があります。環境政策や農林水産業部門と連携すれば、再エネ政策が拡充できます。金銭的メリットを超えた次元の高い幸福を市民に提供できると思いますが、管理者、どうですか。

平嶋正実公営企業管理者:このたびの決定いたしました優先交渉権者からは、限りある水力発電の電気を市内の需要家へ販売することに加えまして、市民参加型による小水力発電の導入拡大、また、利益の一部を地域貢献予算として地域に還元するなど、多様な取組の提案があったところでございます。新会社が両事業を一体的に経営することによりまして、市民生活のさらなる向上につながるものと考えております。

森 一敏議員:地方公営企業であっても、企業債償還後に増加が見込まれる利益の活用、発電利益の長期貸付け、政策的な投資は可能とされております。さらに、企業局がそのまま株式会社化すれば、日本型シュタットベルケ第1号となります。市民出資、社会的企業の参画、市民団体と連携すれば、平成元年に調査計画された後、立ち消えになった出力1万1,000キロワット、上寺津発電所に次ぐ規模を擁する新倉谷水力発電所の実現も夢でなくなるかもしれません。LRTの導入を視野に入れるならば、その電力供給事業を担うこともできるんです。まさに公営両事業を核に、SDGs、RE100、ゼロカーボンシティとエネルギー安全保障を両立させる創造都市、環境未来都市として、世界の中で輝きを増す金沢が見えてきませんでしょうか。経営責任を放棄して譲渡するのではなく、こうしたもう1つの道を市民の英知を集めて展望するのが責任あるエネルギー自治ではありませんか。どうでしょうか、市長、やりませんか。

山野之義市長:森議員がおっしゃった環境未来都市という言葉になるかと思いますけれども、私は、この実現は大変大切だと思っています。これは、公であろうが、民間であろうが、目指すべき方向であると、そんな思いからゼロカーボンシティというものも掲げさせていただきましたし、SDGs未来都市にも選定もいただきながら、その施策を進めていっているところでもあります。この事業は進めていきながらも、目的である環境未来都市に向けては精いっぱい取り組んでいきたいというふうに思っています。

森 一敏議員:今回の3月定例月議会になりまして、市長は答弁の中で1回、都市格という言葉を使われましたね。まさに、私も金沢の都市格、これにこの2つの事業、このインフラというものが大きく貢献すると、そういう意味で非常に重要な核をなすものです。これをみすみす手放す、そんな本当に選択はあるんでしょうか、深い疑問を持ちます。

(3)市民への説明責任に関して
 3番目へ移ります。市民への説明責任に関して。今般の優先交渉権者のマスコミ公表は、この3月定例月議会を間近に控えた中で、議会報告に先んじて行ったものです。そうしなければならない理由はどこにあったか、公営企業管理者から明らかにしてください。

平嶋正実公営企業管理者:募集要項の中では、最優秀提案者の選定、優先交渉権者の決定を令和3年2月から3月に行うこととしております。2月18日開催の第6回選定委員会での審査結果に基づきまして、庁内手続を経た上で、優先交渉権者を決定したことから、速やかに公表したものでございます。

森 一敏議員:速やかにということと、議会に対する説明、この重要性、これ別の話ではないでしょうか。議会軽視じゃないでしょうか。市民には意見があります。1,269筆、605のコメントが記された市民の手によるパブリックコメント、この署名を受け取った経営企画課は、提出した市民団体と約束した見解の回答は必要がないと考えているやに報じられました。真意を伺います。
 あわせて、5月に開催を予定している市民説明会は、新会社設立と基本協定を取り交わした後となるのか、この時期の説明会とはいかなる目的と位置づけるものか、管理者に所見を伺います。

平嶋正実公営企業管理者:事業譲渡につきましては、これまでも、あり方検討委員会や譲渡先選定委員会の検討状況等を随時、議会へ報告、また、ホームページにも公表いたしますとともに、昨年度、条例で定められた手続に基づきまして市で実施しましたパブリックコメントの際には、都市ガス、簡易ガスの全てのお客様に対してダイレクトメールを送付し、幅広く意見募集に努めたところでございます。また、今ほどございました市民団体からの、これまでも、市民団体から求めに応じまして、譲渡基本方針について説明もしてきている状況でございます。今回、署名で寄せられました中には、民営化に不安を感じるとの御意見もありますことから、今後、優先交渉権者との協議を行い、市民の安全・安心の確保と円滑な譲渡に向けて準備を進めてまいります。以上でございます。
 すみません、もう1つお答えいたします。市民説明会ですけれども、4月中に優先交渉権者と基本協定を締結をし、5月には優先交渉権者が設立する新会社と事業譲渡の仮契約を締結する見込みでございます。今後、優先交渉権者の提案概要につきまして、議会への報告、また、ホームページでの掲載のほか、これは基本協定締結後になりますが、市主催の説明会を開催をし、提案のあった料金、サービスの内容等につきまして広く周知したいと考えております。

森 一敏議員:順番が違うと思うのですね。私たち議員としても、これは多数決によって、譲渡準備のための予算は確かに承認されておりますよ。しかし、どういうふうに売却に至るか、売却をするということ自体も、私たちはまだ承認していないんですよ。市長、私たちの後ろにいる市民もそういう意識です。だから、意見があるんですよ。その意見をきちっと双方向で対話的に議論して、何で決めていかれないんでしょうかね。よく分かりません。協定は後にするべきです。意見として言っておきます。

 時間がありませんので、交通ネットワークのまちづくりに移ります。

2.交通ネットワークのまちづくりについて
(1)路線バスの運転手不足について
 路線バスの運転手不足についてです。先頃、路線バスの運転手不足対策検討委員会が答申を発表しました。まず、市長は、この問題をどのように認識しておられるか伺います。

山野之義市長:深刻な問題だと思っています。多くの市民の皆さんから評価をいただいておりますふらっとバスにおきましても、運転手不足の中から、新たなやり方というものも工夫をしていかなければならないというふうに思っています。路線バスも同様であります。今現在は、コロナ禍の中で、観光バスの運転手が一時的に回ってはいますけれども、今後も大きな問題になってくるというふうに思います。問題意識を共有をしながら、どんなことができるのか、その御意見もお聞きをしながら、具体的な取組について、交通事業者と共に取り組んでいきたいと思っています。

森 一敏議員:こうした運転手不足問題、これがさらに進めば、さらなる路線バスの減便、路線見直しといった懸念が生じます。今後の路線バス運転手の確保に向けて、交通事業者側とどういう意思の疎通を図って協働していくのかお聞かせください。

山野之義市長:コロナ禍ということもありまして、今、交通事業者のほうでは採用を控えていらっしゃるということ、採用も採用活動を行っていないということをお聞きをしています。さらに、将来的、近い将来、深刻な状況に陥る可能性もあるというふうに思っていますので、今、我々のほうで状況もお聞きをしながら、交通事業者とも話合いをし、採用者の確保、離職者の抑制、バス事業の生産性向上の観点から、今、話合いを進めているところです。

森 一敏議員:生産性向上というお言葉も入っておりましたが、もう少し、この後でそのことに少し意見をさせていただきたいと思っております。ふらっとバスの運行サービスですけれども、4月から変更になります。変更内容と市民への周知についてお尋ねします。

鳥倉俊雄都市政策局長:ふらっとバスの運行につきまして、その内容変更、それから周知についてお答えを申し上げます。金沢ふらっとバス、本年4月1日からの運行計画でございますが、運転不足への対応といたしまして、現行の15分間隔の運行を20分間隔に変更することといたしております。また、此花ルートと長町ルートでは、一部経路を変更を行うとともに、全ルートでキャッシュレスへの対応など、利用者の利便性向上策を講じることといたしております。今回の変更につきましては、市民の皆様方への周知が重要と考えております。そうしたことから、1月下旬から、沿線の校下ですとか町会へのパンフレットの配布、それからバス車内での掲示も行っておるところでございます。また、今月からは、新聞、テレビ、SNS等のメディアを活用しました広報に加えまして、沿線の公共施設ですとか商業施設のほうへも新しいバスの時刻表の配布を開始するなど、様々な手段を用いまして、市民の方へ丁寧な周知に努めているところでございます。以上です。

森 一敏議員:まさに、住民と育てていくふらっとバスという立場で、十分に周知をして、理解を得ていただきたいと思います。

(2)新型コロナ禍の下での交通ネットワークの課題について
 時間が迫っておりますので、次、新型コロナ禍の下での交通ネットワークの課題について伺います。感染症拡大により、路線バスや鉄道線が厳しい減収に苦しんでおります。特に、石川中央都市圏を結ぶ軸線である石川線と浅野川線が恒常的な赤字に加え、大幅な旅客収入の減少で、例年の3倍近くの採算割れに陥るおそれがあると聞いております。支援事業案が計上されておりますが、鉄道線の維持、存続に向けての本市の基本的な考え方をお聞かせください。また、あわせて、中長期的に広域的な取組が検討されなければなりませんが、鉄道線が抱えている経営上の構造的な問題、これどう解決していくのか、併せて伺います。

山野之義市長:石川中央都市圏にとって大切な足であるというふうに思っています。沿線の市町、それから県も大変大きな危機感、関心を持っていただいています。交通事業者と協力をしながら取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。今申し上げたように、県・市・町で協力して様々な事業を行っていると同時に、ただ、車両更新や安全に係る施設整備等への支援や利用促進の啓発事業も行っていますけれども、やはり根本的には、これ金沢、この地域だけ、全国的にも同様な課題を抱えているところでもありますので、市長会を通して、国のほうでもその赤字路線への運行の支援のメニューをつくっていただくようにお願いをしているところでもあります。交通に関するこの石川中央都市圏における協議会におきましても、今後、このテーマでしっかり、今までもしてきましたけれども、これからも取り組んでいかなければならないと思っています。なお、先般ですけれども、北陸鉄道さんがいらっしゃいました。お越しいただきまして、鉄道線が今後も地域の社会インフラとしての機能を発揮するためにも、来年度以降の施設整備等に対する財政支援を求める要望でお越しをいただきました。私といたしましては、近隣沿線の市町・県と連携をしながら支援を行っていきたいというふうに考えています。

森 一敏議員:これは、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。

(3)新交通システムの機種選定と交通ネットワークの課題について
 新交通システムの機種選定と交通ネットワークの課題について伺います。都心軸に導入を検討している新交通システムの機種選定まで、あと2年です。新交通システム導入検討において、機種選定の決め手となる観点をどうお考えか、市長に伺います。

山野之義市長:明年度ですけれども、有識者にも集まっていただき、関係者にも集まっていただきながら、検討委員会で議論もいただきまして、これまでの調査や技術的検討結果を改めて精査をし、費用便益分析などについても確認をすることとしています。まちづくり、市民生活、交通機能などの観点から、比較をしながら総合的な評価を行い、導入機種に関する方向性を決定したいと考えています。

森 一敏議員:ちょっと時間がありませんので、この後の質問、少し飛ばさせていただくんですが、ただ、今、国の赤字支援メニューの要望をしているということ、これは重要なことだと思いますし、それからやはり民間の交通事業者だけで、このまちづくりとか公共社会に利する、資するということを任せてしまうということは無理があると思うのですね。まず、その基本的な考えに立った上で、機種選定に当たっては、まちをいかに元気にするかという、この目的を明確にして機種選定に当たっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 3点目、市民のつぶやきに移らせていただきます。

3.市民のつぶやきから  
(1)ラブホテル・レジャーホテルの支援事業からの除外への嘆きから
 その1点目、ラブホテル・レジャーホテルの支援事業からの除外への嘆きから伺います。さきの緊急議会で議決した宿泊施設環境向上等奨励金からも、いわゆるラブホテル・レジャーホテルは除外されております。立地規制や建物基準を守り、全ての納税の義務を果たしてきた事業者が新型コロナ感染拡大によって経営上の危機的な状況に直面しても、一切の支援が受けられないのは不条理です。除外判断の理由と、その根拠についてお答えください。

山野之義市長:まずは、緊急議会のお話がありました。このときにも申し上げましたけれども、観光であったり出張であったり、そういう方をターゲットにした旅館、ホテル、民泊を対象にしたものであります。御理解いただきたいのが、緊急議会でお認めいただきましたものも、持続化給付金の補完事業として、大きな枠組みをそれによってつくらさせていただきました。五感にごちそう宿泊キャンペーンも同様であります。GoToトラベルがあって、その中で金沢のインセンティブを高めていきたい、その中で、その大枠の中でつくらさせていただいたものでもあります。持続化給付金、GoToともに、ラブホテル等々が入っておりませんので、それに準じてさせていただいたという側面も御理解をいただければと思います。

森 一敏議員:これらの財源というのは、新型コロナ対策の地方創生臨時交付金ですね。この交付金の規定の中に、これらの施設の除外規定が、この第3次補正予算で決まった財源ですよ、これにこの除外規定はないということを確認されていますか。まず、それ伺います。

山野之義市長:除外規定はないと理解しています。

森 一敏議員:そうしますと、市の判断ということになりますね。私、今のお答えを聞きますと、真っ先に思い浮かびますのは、観光という概念、これが市の都合によって膨らんだり縮んだりしているんじゃないでしょうかね。ですから、宿泊税導入の際に、ビジネスホテルやラブホテルも観光に関連するという理屈で、観光と市民生活の調和という趣旨を持った宿泊税の徴収対象施設になりましたね。観光を主として、コロナの経済的な打撃を支援する、誘客を促進する、そういうときになるとラブホテル・レジャーホテルは観光という概念から外す、これダブルスタンダードと言うんではないんでしょうか。どうでしょうか。

山野之義市長:宿泊税は、市民であろうが、県民であろうが、宿泊した方にお払いをいただくものであります。ビジネス客であろうが、観光客であろうが、もう一度も言います、地元の方であろうが同じであります。

森 一敏議員:名前は宿泊税となっておりますが、宿泊税の目的、これは条例に書いてあります。観光と市民生活の調和を図る、これが目的なんですよ。ですから、広い意味でいうと観光税なんですよね。それを都合によって、それを除外したり、それを組み込んだりしているんです。これダブルスタンダードというんです。私、地方創生推進室に確認をいたしました。そうしましたら、特定の業態をもって除外をする規定はありませんと、まさにそう答えておられます。そして、新型コロナの感染防止、経済対策、そのために、合理的な理由がないまま特定の業態をもって除外をするということは好ましくないと、こういう推進室の見解をいただいているんですが、好ましくないんです。いかがお考えですか。

山野之義市長:政策というものは、政策目的を持った上でつくっていくものであります。繰り返しになりますけれども、これは持続化給付金の補完であり、GoToトラベル事業との補完の中でさせていただいたということも大きな理由であります。

森 一敏議員:合理的理由がない区別というのは、差別と申します。それを政策で行えば、政策差別となります。幾ら首を振られても、当事者がそのようにこの政策を受け取ってしまえば、残念ながら、それは政策差別なんです。いじめとか差別の問題というのは、みんな同じです。そのように捉えなきゃいけません。

(2)学校給食の公会計化を切望する現場の声に
 最後に、教育長に伺います。学校給食の公会計化を切望する現場の声。学校現場が待ち望んだ学校給食の公会計化が見えてきました。目的と実施手法、そして不幸にして未納の対策をしなきゃいけないとき、どのような考え方になりますか。

野口 弘教育長:まず、公会計化につきましては、本務に専念する時間、その確保をするということと、給食費の会計の一層の透明化を図る、これが目的であります。そして、しっかりとこの後、保護者から納入された経費を、給食費を管理しながら、まず一部の小学校になりますが、明年の1月から先行実施して、4月から全部で、全ての学校でやってまいります。

源野和清副議長 野口教育長に申し上げます。発言時間が経過しておりますので、この際、発言を簡潔かつ速やかに終了されますようお願いいたします。

野口 弘教育長:はい。この後……。それでは、よろしいですか。それでは、学校におきましては、給食数の把握とか食物アレルギー等の取りまとめを行ってもらうこととしてありますので、この後、学校との連携をしっかり図ってまいります。       (拍手)