憲法施行74周年の憲法記念日

憲法施行74周年の憲法記念日

 5月3日、憲法施行74周年の憲法記念日。12:30からは憲法を守る会の護憲集会を音楽祭で使えない市庁舎前広場ではなく、いしかわ四高記念公園で開催。

 新型コロナウイルス感染症拡大の長期化が、緊急事態条項創設改憲を支持する世論を拡大させている。尖閣諸島領土問題と「台湾有事」日米共同宣言から9条に自衛隊付記の改憲支持をも増加しているとの世論調査結果が報じられる中だ。

 見誤ってはいけない。権力の利益のために世情を煽っていることを。感染防止と経済対策両面で重ねる政治の失敗を外敵転嫁で目を外にそらせる権力の常套手段だ。

 万が一の「台湾有事」には自衛隊が参戦させられる。米国の海を越える資本主義権益に中国台頭は邪魔になっている。日本列島要塞化は私たちの地域を戦地にすることを覚悟することだ。そこまで考えて改憲を支持するのか市民は?

 14:00からは学術会議会員任命拒否とたたかう岡田正則さんをオンライン講演に迎えて、平和憲法施行74周年記念県民集会。

 岡田さんは、日本国憲法も国際社会復帰の方便として日本の支配層は受け入れて見せたと喝破する。人権無き大日本帝国憲法もそうだった。日本国憲法もブルジョワ私権憲法である。それが経済権力(財界)の勝手気ままを押さえられず、その代理人の自民党私権政治を止められない。今日まで続く利権政治の制度的必然が憲法にあるとは・・ 

 岡田さんは冷厳に日本国憲法の出自にある弱点を説く。そのうえで、私見を本来の市民権に置き換え、人々が対等に構成する市民社会(社会権の発展)を獲得する努力を提起する。この憲法があっても、私たちは社会権を手にする道半ばにあると、平和憲法と私たちとの相互作用を意識化させた。

 戦後補償に取り組む生涯かけてとりくむ内田雅敏弁護士が、「日本が植民地支配・戦争責任を履行したときにはじめて平和憲法が人々に獲得される」と提示していることを思い起こす。本日の岡田さんの指摘もこれに根底で相通じ、市民社会獲得が平和・人権憲法を本来の所有者たる市民が自らのものとすることであると腑に落ちる。憲法認識を深めて頂き、感謝申し上げる。

 週明けに衆議院憲法審査会で国民投票法改正法案が採決されるとの報道がある。人々が苦しむ中、究極の「火事場泥棒」を国権の最高機関が演じるなど、国民を愚弄するにもほどがある。怒れよ国民よ! 

 事務局長として起案した両集会アピールに決意を代弁した。

 「ソーシャルディスタンス」によるサイレントパレードの予定が、行進につれて怒りのシュプレッヒコールに。