議会の責任、私の責任

議会の責任、私の責任

cxnrqbxuqaa3pvu1 報道が先行しているが、11月25日午前中第二庁舎建設特別委員会が開かれ、議会として、上空通路案支持を撤回し、議会棟移転も白紙に戻すと決定した。

 経過資料の記憶では2013年に議会総意で第二庁舎に議会棟移転を要望し、昨年からは地下通路で繋ぐことを概ね意見集約してきた。今度はコストと安全性の問題から、総務課から上空通路案が示されると、これも多数意見で了承してきた。これらが経過の事実だ。
 ここでは市長のことはうんぬん言うまい。議会は形式上は議事手続きを積んできたが、それが民意と離れたものであったために、立往生せざるを得なくなったのだ。この迷走から、今一度議会とは何か、反省を込めて学びなおさねばならないと思う。

 私は、議会が議会要望を提出した時は、議員を退いていた。しかし、昨年復帰後、一時期特別委員会副座長の任にあった。地下通路を前提に実施設計に入るのを了承する取りまとめに関わった。その意味で私も迷走の一員たるを免れない。議会の形式上の手続きを私的な疑問点や市民の疑問の上に置いてきたと自己批判しなければならないと思う。
 今日の特別委員会で、正副委員長の役職責任問題が論議されたようだが、議会の責任とは、自己批判からではないかと思う。

 上空通路案が示されたとき、新たな転換が内在されたようだ。私は、市の先駆的な景観政策、市民が私権の一部制約を受け入れて成り立ってきた景観政策を、行政、議会の自己都合なら曲げられるとなれば、景観政策は崩壊すると感じた。
 会派での長い議論の末、上空通路の前提は景観政策との齟齬がないものでなければならないとの条件を付すことでまとまった。付近の住民から、何とかならないかの声も受け止めてきた。そこでの景観審議会だった。本来は、景観審議会以前に議会が良識を示さねばならなかった。この点でも自己批判しなければならない。

 今回の特別委員会に我が会派から提出した意見は、以下の要旨だ。
1、地上通路を採用すべき。上空通路は景観政策に矛盾する。有識者、市民の声にも真摯に耳を傾ける必要がある。コスト、安全性から地下通路も市民の理解は得られない。
2、議会としての意見取りまとめの経過を軽視するものではないが、その内容は今日の市民の意識から遊離している。議会棟を本庁舎に残すことを前提に、本庁舎と第二庁舎との部局配置の在り方を慎重に再検討することもあってよい。市民が納得でき、かつ効率的な第二庁舎建設をじっくりと考えてよい。
3、危機管理機能がどう強化されるのか詳細説明も受けたい。

 当たり前のことだが、本来、地方自治体の行政・議会庁舎は、主権者市民の共有財産であり、暮らしの拠り所でなければならない。ここから、市民のために何が生み出せるのか、そのための器の機能はどうあるべきか、改めて議論し直したい。私自身の反省を込めて。