2021年6月定例月議会一般質問 速報

2021年6月定例月議会一般質問

             ースナップはケーブルテレビ生中継視聴の市民からの提供(謝)ー

本日6月15日午前の一般質問を以下に速報する。傍聴、生中継視聴の方々に感謝する。
掲載は各質問事項の初発の質問と答弁、再質問のメモ
            

一問一答 24番 森 一敏

1.市民のつぶやきから 新型コロナウイルス感染症対策について

(1)誰をも取り残さない経済的支援について

 内閣府の発表では、昨年度の国内総生産・GDPの伸び率は実質マイナス4.6%、比較できる25年間で最大の下落です。本市は種々の経済的支援策を講じてきましたが、対象業種の設定、営業時間帯や減収幅による線引きなどにより、支援が行き届かず苦しんでいる事業者の声を聴いてきました。ラブホテル除外の問題もあります。5月24日には、まん延防止等重点措置の下、県内の飲食業4団体が市長に要望書を提出しました。そこでは、料飲業界は壊滅的、貸しビル業、酒類販売、食品、氷販売、生花店など料飲業につながる業界全てが窮地にあり、周辺産業を含めた支援を切実に求めています。市長は、支援の平等性を高める施策をどのようにお考えか伺います。また、申請を促す情報の届け方にも、保健所など本市が指導監督権限を持つことを活用した積極的な情報提供など窮地にある個別店などに寄り添った漏れのない配慮と工夫が望まれます。併せてご所見を伺います。

「現場の声を踏まえ県市連携、棲み分けて支援したい」(市長)
「報道、業界団体、その他可能な方法で情報を」(市長)
「ラブホ除外問題 福岡市独自支援給付で適用 さらに検討せよ」(森)

(2)生活困窮者救済施策について

 生活支援課によれば、本市社会福祉協議会が受け付けている新型コロナ特例貸付、即ち緊急小口資金、総合生活支援資金の申請受理件数は、この一年間でそれぞれ4,335件、3,646件に上り、総合資金の貸付延長の受理件数が2,414件、さらに再貸付は1,844人と高い割合です。住居確保給付金の運用状況とも併せ、生活困窮者の置かれた状況をどのように分析し、今後の課題を考慮しているのか市長に伺います。

「延長、再延長 この厳しさは今後も」〔市長)

 他方、最後のセイフティネットである生活保護の申請状況です。5月12日の報道によれば、全国的に6か月連続して前年同月から増加しており、厚労省は、さらに深刻化のおそれに言及しています。本市の申請件数の年度間推移からは目立った増加がないようですが、生活保護の運用状況と今後の推移をどのようにみているのか伺います。         

厚労省は、昨年末異例にも生活保護は権利であり、ためらわずに申請をと呼びかけましたが、厳しすぎる資産基準、自動車保有の禁止、扶養照会などが人びとの利用を躊躇させていることも改めて指摘されています。本市としての運用の留意点を伺っておきます。

「丁寧に対応したい」〔市長)

 また、表に現れないホームレス状態の人が、温浴施設、インターネットカフェや駐車スペースでの車内泊でしのいでいるとの指摘もあります。これらの関係施設の調査や連携に関する取り組みはどうなっているでしょうか?先日、福祉的支援の立場から住居斡旋に努める市内の不動産事業者からお話を伺いました。派遣切りや雇い止めから生活保護を申請するための住居確保やNPO法人と連携して確保している部屋への一時入室支援などに奔走しておられ感銘を受けました。私も、ホームレス支援の経験からその必要性を提案してきましたが、改めて、本市としての公的シェルター確保について見解を伺います。

「施設への調査はしていないが、年に2度実情を調査し、支援に繋げている」(市長)
「安定した住居は大切 実態を把握しどんな支援がができるか研究検討したい」(市長)

2.ガス事業・発電事業の売却問題について

(1)譲渡を巡る本市の公共的・道義的な責任について

 4月13日、東邦ガスが独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けたことに衝撃を受けました。市長はこの立入検査をどのように受け止めておられるのか、また東邦ガスに対し、抗議を含め如何なる対応をとってきたのかお答えください。加えて、問題とされる「価格協定」とは、どのような意味を持つことなのか市長のご所見を伺います。

「調査中案件には答弁は差し控えたい」(市長)
「カルテルは価格協定で引き上げを意味する 名分の自由化の恩恵とは逆行 事実なら市民への裏切りに等しい」(森)
 

 市長は、4月30日に譲渡予定企業6社と基本協定を締結し、期限延長後の6月30日または代表企業と合意する日に仮契約を結ぶとしています。今後調査の結果、排除措置命令など罰則が適用された場合、譲渡手続きを先行させた本市の道義的責任が厳しく問われることになります。この問題を軽視していませんか。見解を伺います。

「残念 調査を注視」(市長)
「資格喪失事案ではない 契約問題なし」(市長)
「43%株主予定 配当が支払われる 社会通念に照らし調査結果以前の契約は市民に理解されない」〔森)
 

(2)退職派遣への法的責任

 5月13日に設立された金沢ガス電気株式会社は、現在両部門で働く131人のうち、初年度81人もの派遣を求めています。この派遣は、公益的法人等への地方公務員の派遣等に関する法律にもとづく退職派遣であり、要請に応じた本人の意思に依らねばならないことは確認してきました。しかし、同時に、職員には、加入する金沢市公営企業労働組合員としての公営企業労働関係法に基づく法的権利が担保されています。これらの法律趣旨に則った手続きとはどのようなものでなければならないのか、市長にその認識を伺います。

「これまでも交渉してきたが、議案が議決後に団体交渉を再開する」(市長)
「本人の意思、労働協約締結権を制約する契約手続き先行はだめだ」 〔森)

(3)公共的な地域エネルギーの存在価値を踏まえて

さて、気候危機への対策は、低炭素、再生可能エネルギーの価値を飛躍的に高めると予測されています。菅政権のカーボンニュートラル政策(2030年に2013年比CO246%削減目標)急展開の下、国の次期エネルギー基本計画では低炭素・再生可能エネルギーの拡充方策が活発に議論されているようです。そうした中、にわかに高まっているのが自治体新電力への期待です。日本ガス協会から本市のあり方検討委員会にアドバイザーとして参加していた角田憲司さんは、エネルギーコンサルタントとして業界紙やネット情報に度々寄稿し、「地域脱炭素」の高まりに伴い、今後再エネの地産地消を軸にした需給一体型の自治体新電力が増えていくと予測しています。自治体主導は住民隅々にまで普及力を持ち、需要家と接点を持つ都市ガス事業は営業力を発揮すると述べています。まさに本市に既に存在する両事業がぴたりと当てはまるのです。改めて「企業局経営戦略2016」はもちろん、あり方検討委員会答申すらもこうした方向性を宿していたのではないか思うのです。

数ある自治体新電力の動きの中で注目するのが、今春地域新電力設立した宇都宮市です。宇都宮市は事業の公共性と公益性を担保するため51%を新会社に出資し、ごみ焼却熱や下水汚泥を使ったバイオマス電力のほか、一般家庭の太陽光電力の買い取りも視野に入れています。これらの電力をLRT等に供給し、沿線を低炭素化する政策を進めます。佐藤市長は、再生可能エネルギーの地産地消によるSDGs未来都市を目指すと述べています。

 実は、山野市長も、環境省のホームページ上で本年2月26日に配信された動画「ひろがる カーボンニュートラル〜トップが語る脱炭素〜」の中で「市内電力の20%を市の水力発電所で供給している」と高らかに発信しているではありませんか。もしやこれが市長の本音かと嬉しく思った次第です。各地で拡大する自治体新電力の動きをどう受け止めるのか、併せて「トップが語る脱炭素」でのご自身の発言の真意についてお聞かせ願います。

「自治体の状況による 高騰、破綻破綻に直面したケースも」(市長)

「現在を話した 譲渡しても民間との連携 」(市長)
「時代は急展開。自治体の地域エネルギー政策によるコントロールが求められるようになっている 
 時代遅れの売却ではいけない」(森)
 

(4)市民参加の地域エネルギー自治へと転換を求めて

 2回にとどまってはいますが、市が主催した市民説明会は意義がありました。地域エネルギーに対し強い関心を持つ市民の存在が確認できたからです。譲渡方針決定過程のブラックボックス、選定における情報の非開示などへの強い批判は、裏を返せばエネルギー政策への参加意識、シビックプライドの高まりでもあります。環境未来都市としての発展のチャンスです。「民間独占への橋渡し」ではなく市民に直接責任を果たしましょう。譲渡が拙速な「誤判断」となれば、あまりに責任が大きい。仮契約は6月30日にこだわらず、代表企業との合意により延長し、市民参加で地域エネルギーについてじっくりと協働するテーブルを設定しませんか。市長のご所見を伺います。

「譲渡の目的を引き続き丁寧に説明したい」(市長)
「仮契約は延期し、残り3回の市民説明会後も、対話せよ」(森)
 

3.35人学級の法制化に伴う本市教育行政の当面のとりくみについて

 公立小学校の学級編成を35人に引き下げる「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」が去る3月31日に成立しました。これにより、小学校において、本年度2年生を皮切りに、5年間に1学年ずつ学級定員の上限を40人から35人へと引き下げることになります。学級編成の標準を引き下げるのは、1980年以来実に40年ぶりのことです。教育長に、まず、この法改正をどのように受け止めておられるのか、また、本市にとり特に重要となる課題とは何かを伺います。併せて全国中核市教育長会会長の立場からの今後の決意をお聞かせ下さい。

「長年の悲願でありうれしい」
「教員配置と指導力向上が最重要」(教育長)
 

 ところで、石川県、本市とも小2から小4、そして中1に加配教員の転用による35人以下学級の運用実績があります。学級編成上の法制化の効果は向こう3年間は実感できないとの期待はずれ感がなきにしもあらずです。教育長は、加配転用による高学年以降の35人学級運用について前向きな答弁をされていますが、法制化を受けてその展望についてどのように考え、とりくんで行かれるのかお聞かせ下さい。

「中学校への一日も早い適用」
「不可欠な加配教員の配置を減らさないこと」
「高学年以降への習熟度別指導加配教員の少人数学級への転用を柔軟に認めるよう県教委に働きかける」(教育長)
「教員免許制度(更新制)見直し 時間外80時間ゼロに教員定数全体の増員を求める」〔森)