共に住民自治にかかわる問題

説得力ある要約陳述

 11月最終日、午前中、市庁舎前広場不許可違憲訴訟控訴審口頭弁論を傍聴。高裁裁判官忌避を経て、原告代理人の小島弁護士が口頭要約陳述。呉市が敗訴した最高裁判例と榊原南山大教授の意見書を踏まえた。

1-2「原則自由使用の広場の許可制限は、主義主張の違い、抽象的支障は理由にならない。」

 地裁判決の不当性を論理的に明らかにする説得力ある陳述に、逆転勝利の可能性を信じる。

地域ディという財産

 午後は、金沢市社会福祉協議会地域ディサービス部会が、議員向けの勉強会を開いた。ディサービスを経営してきた地区を地元にしている市議会議員に声をかけ、地域ディの窮状に理解を求めた。こうした取り組みが考えられていることは、側聞していた。
 私が多少なりとも関わってきた2つのディサービスセンターが、相次いで廃止を余儀なくされたこともあり、9月に地域包括ケアを質問に取り上げ、何とかしたいと思っていたところだった。

2 2000年に介護保険制度が導入される以前の1980年代から、金沢独特の地域福祉事業が地区の善隣館で担われてきた。身近な困窮者を助ける善隣思想とは、明治の時代から金沢に根付いてきた福祉思想だが、救貧活動や保育所開設から、託老所という名で高齢者通所事業に活動を広げてきた。その数は15事業所を数えるまでになっていた。
これは、金沢市行政からのたっての要請があってのことだ。今日は、開設のエピソードや苦労話がそれぞれの所長から語られた。

 ところが、こうして金沢市の委託事業としてスタートしたものが、介護保険制度のスタートにより、競争原理に投げ込まれた。どこも規模の小さなディサービスセンターだ。大手のチェーン的介護事業者がどんどん開設され、利用者の取り合いの中で、経営が厳しくなった。皮肉にも介護事業者の処遇加算が追い打ちをかけ、止めのように介護報酬切り下げが廃業へと追い込んできた。
 地域の利用者を中心に地域の住民がヘルパーとしてケアする。経営難を何とか給与カット、細切れ勤務など献身して事業の継続に腐心しながら、きめ細やかなサービス提供に汗をかいてきた。「利用者のために努力すればするほど赤字が膨らむ」が、善隣思想で何とか持ちこたえようと頑張ってきた。しかし、限界は近い。単年度赤字が200万円以上など自助努力の域を超えている。
 

 地域包括ケアの医療介護総合事業が来年度から本格スタートする。新たな地域支えあいの拠点に、善隣館、地区社協のディを位置づけ直し、地域コミュニティ再生に志をかける地域住民を支えてほしい。これが今日の勉強会の開催趣旨だ。

 すでに昨年、部会として市に統一的な要望書を提出している。個別のディ固有の課題を解決するための支援施策もあろう。それらを本市の地域包括ケア推進の地域資源、財産として下支えする市の明確な姿勢が不可欠だ。
営利ではない地域ディである。
 介護保険の枠だけではない特別な意義付けを与えることから、とりわけ財政措置を案出できないかと考える。