国際声楽コンクール東京2023への挑戦

忙中閑ありならぬ忙中楽あり🎶

 主催者からの強い促しがあり、8月5日、金沢市アートホールで開催された田辺徹さん主宰の国際声楽コンクール東京・石川大会にエントリーしました。*国際声楽コンクール東京

私がエントリーしたのは、声楽愛好者部門男性B(61歳~73歳)です。

演奏曲は、リヒャルト・ヴァーグナー作曲 
 楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』より 
    ハンス・ザックスのモノローグ「にわとこの何と馥郁としたことか」
           *上記リンク オペラ対訳プロジェクトのサイトページ前半に該当歌詞

 バスバリトンの音域で、最も惚れ込んできた難曲でしたが、思いもよらぬ優秀賞をいただき、丹波篠山市で行われる西日本准本選に進むことになりました。伴奏者の労を快くお引き受け下さったたピアニスト宮下純子さんのお陰でもあります。ドラマ性、言葉のさばきなどなど課題は多いのですが、再びチャレンジいたします。

 丹波篠山市は、このコンクールに協力し、音楽文化のまちづくりに取り組んでいると聞きます。その行政の姿にも触れてこようと思います。

西日本準本選でも最高位 
 10月3日、里山の幸と音楽文化の街丹波篠山市で国際声楽コンクール東京西日本准本選 歌って交流してきました

 西日本准本選に出場するため、兵庫県丹波篠山市を初めて訪問しました。
 篠山城の城下町は、鄙びていて、のどかで人に優しい空気感を漂わせていました。商家の古い建物を保存し、ギャラリーや飲食店、ゲストハウスに活用し、但馬牛、イノシシ鍋、大きな焼栗の店が並んでいます。今シーズンは、特産の黒豆も高温障害で成りが悪く、たいへんだと聞きました。
 准本選は、私がエントリーする声楽愛好者部門男声Bと、歌い手が出るグランプリ部門が行われました。
 結果は、おかげさまで過分な評価をいただき、8人の審査員、800点満点の752点(平均94点)第一位で、東京での本選出場となりました。終了後に審査員の方々一人ひとりから講評を伺い、アドヴァイスもいただきました。
 演奏曲は、ヴァーグナー作曲楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』より、ハンス・ザックスのモノローグ「にわとこの何と馥郁(ふくいく)としたことか」
 
 音楽愛好者ではあっても、音楽教育では無学な私が、人の勧めに従って、思わぬ体験を重ねています。人の出会いに感謝。
 いつも素晴らしい伴奏で支えてくださるピアニスト宮下純子さん、同行してくれた妻に感謝します。
 この丹波篠山の大会には、音楽文化をまちづくりの柱に据えている丹波篠山市が、バックアップしていました。
 主宰者の田辺徹さんの計らいで、丹波篠山市音楽推進委員会のメンバーでもあるチェリスト堀毛宏章市議が会場に駆けつけてくださり、交流することができました。
 この素晴らしい田園交響ホールを本拠に市民室内オーケストラメロマンオーケストラが活躍しています。人口4万人台のこのまちに20の市民合唱団が活動しています。
 午前中最終練習に訪れた四季の森生涯学習センターでは、グランドピアノを520人収容の響きの良いホールステージで貸切り、1時間たったの500円!ピアノとホールの有効活用だそうです。それにしても驚きました。
 まさに田園都市と呼ぶに相応しい丹波篠山市にこうして来れたことは、稀有な引き合わせでした。金沢のまちづくりにも大いに参考になりました。♪♩
 
 
 
 
本選最高位

 11月3日に二つの憲法集会を終え、新幹線に飛び乗って東京行き。4日に、国際声楽コンクール東京声楽愛好者部門男声B本選に出場しました。
 主宰の田辺徹さんから、忙しい中でも3回歌う時間をつくって欲しいと強く勧められ、石川大会、丹波篠山での西日本准本選と進んで、東京まで出てきました。
 本選の曲は、新たな選曲が必要で、
 
ヴァーグナーの楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』より、
   「ハンス・ザックスの最終演説」*オペラ対訳プロジェクト最終盤に該当曲
 
を選びました。10月は多忙を極めましたが、ピアニストの宮下純子さんに時間を融通していただき、可能な日に1時間の合わせ練習時間を確保して臨みました。
 気がはやったか、伴奏とのずれが起きてしまって…💦 ギリギリの息合わせで何とか歌い納めることができました。🎶 3回歌うという約束は果たせたし悔いはなしと思っていたら、驚きの想定外でした。
 伴奏の宮下純子さんには、難曲でご苦労をおかけしました。支えて下さった方々に感謝の気持ちで一杯です。
 コンクール出場により、歌う上でドイツ語の言葉さばきという課題について、個人講評では貴重な教えを受けました。
 10月の准本選では、丹波篠山市の市民音楽文化によるまちおこしに触れることもできました。
 また、声楽界の指導者の方々にも繋いでいただけました。
 
 特筆したいのは、オメガ部門74歳以上の方々の、歌を愛し、生きる支えにして人生を謳歌している方々と出会ったことです。感銘を受けました。
 声楽愛好家Y(ヤング)部門第一位の関野祐平さん、オメガ部門第一位の林こと子さんは、共に石川県出身で、これをご縁にお友だちになりました。
 林さんは、コンクール前身から数えて13年、歌に生きて第一位を獲得されました。
 関野さんは、私と同じ独学の人。美しいテノール。素晴らしい高音の持ち主です。
 
 もうひとつのサプライズは、泉野小学校の教え子で、3年生の途中で関東に転校していったSさんが、SNSで見つけて、黙って会場に応援に駆けつけてくれたことです。20数年ぶりの再会でした(涙)

 
 その後、11月13日のことですが、コンクール結果をとても喜んで下さる支援者の方が、お仲間に声を掛けて、行きつけのお店でお祝いの会を開いて下さいました🎶
 新潟市での護憲大会から戻ったその足で、スナック「待合所もず」さんにお邪魔しました。初めてお目にかかる方がほとんどで驚きました。   
 しかも、そこでエントリー曲『マイスタージンガー』「ザックスの最終演説」を歌いなさいということですから… もちろんピアノはありませんからアカペラです。
 ほんとうに歌ってよろしいですか?と念を押してから、スジを簡単に紹介して歌わせていただきました。声がぶつかって圧迫されたんではないでしょうか。
 それでも、普段聞くことのない声と歌に喜んでくださいました。カラオケを磨きたいと志している若い女性方からは、どんなふうに声を出しているのかとか、鍛錬の仕方とかを熱心に訊ねられました。関心を持っていただきうれしかったです。
 これも思いもよらぬご厚情に感謝しきりです。誠にありがとうございました。
 
 さらにサプライズは、「二人で挑んだ証に」と、散々ご苦労をおかけした伴奏ピアニストの宮下純子さんが11月27日、拙宅を訪ねて来られました。

 国際声楽コンクール東京本選第一位のお祝いにと、こんな素敵なモニュメントを届けて下さったのです❣️
 金沢市アートホールでの石川大会、丹波篠山市の田園交響ホールでの西日本准本選、そして東京小金井市宮地楽器ホールでの本選と、軌跡が記されています。
 そして添えられているカードには、「二人で挑んだ記念として」と記されています。宝になります。これ以上ない有難さです。🙇🙇🙇
 多くの方々に応援されての道のりでした。本当にありがとうございました♪♪♫🎶
 
 さまざまなドラマがあった国際声楽コンクール東京。勧めてくださった主宰者田辺徹さんには、心より感謝申し上げます。