戦争と平和を見つめる8月またくる

戦争と平和を見つめる8月またくる

 今金沢では731部隊パネル展が開かれています。侵略戦争の史実を覆い隠そうとする勢力が加害の歴史を抹消させようと執拗です。

 だからこそ、目を背けてはならない。戦後世代の私たちには「忘れないで記憶する」責任があります。

 写真は2018年6月末から7月初めに、中国ハルビン市にある731部隊本部跡侵華日軍731部隊罪証陳列館を訪れた時のものです。

 

 

 

 石川県庁1階ロビースペースで、戦争と医学医療研究会北陸支部会が協賛する731部隊パネル展が開かれています。歴史検証と平和運動を共にしてきた金沢大学の古畑徹さんが講演するというので、駆けつけました。部屋に入りきれず廊下から立ち聴き(笑)しました。 

 古畑さんは、1993年私たちのいしかわ731部隊展を起点に、金沢大学50年史編さんに携わる中で金沢大学の歴史がどう関与したかを実証的に明らかにされました。

古畑徹講演「731部隊と石井四郎の金沢人脈」
  -金沢大学50年史調査より-

メモ
■石井四郎部隊長軍医中将は金沢の四高、京都大学出身
■金沢医科大学(金沢大学医学部前身)石川大刀雄は、満州から生体実験による8000枚の病理切片を持ち帰り、対米免責でこれを引き渡し
■陸軍・文部省・帝大、金沢医大
1942年 南方戦線に医学者 杉山後任として石川が金沢医大教授に 軍とのパイプ・医学の一体化が進む 
■敗戦処理の時期の教授会資料は見つかっていない
■1931年より反マルクス主義・国威発揚 1941年金沢医大日本文化講義に石井四郎が講義
「強い兵士を作るために医学は貢献をしなければならない。君たちがそれをやらねばならないのだ。」
■この石井講義を京都大学在学中の日野原重明が聴講し、見るに堪えない映画(人体実験)だったと記録
■医学研究が、人を殺しながらやられていることは言えないタブー 秘密の共有、共犯関係による石井機関拡大となっていった
■金沢医大が組織的に関与したとは言えない
 むしろ石井、谷、二木、石川の個人的人脈により動いた見られる
■隠さないことは自虐ではない 歴史反省なき未来はない
 学問と政治、軍との関わり 
 学術会議任命問題に同根の問題
 同じことを繰り返さないために これこそ未来志向 

 まったく同感です。過去を無かったことにしたり、都合よく解釈し、殊更に日本を褒め称えたりすることが日本の誇りを取り戻すことだなどという迷言が横行する日本です。不都合な真実を直視し、真摯に侵略戦争被害者に首を垂れ、再び愚行を繰り返さないように社会的責任を担いましょう。

■2018年夏に、部隊本部があったハルビン市を訪れました。その際の投稿を以下に再投稿します。ご覧ください。(4) Facebook