速報として質問書(初発)と議場スナップ、地元紙報道

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                                         12月14日

12月定例月議会本会議問  森 一敏 (2016.12.13)

1-21.本市景観政策と第2庁舎建設問題について
・先日、景観委員のご意見を直接伺う機会がありました。「上空通路の真下に金沢城西外惣構の遺構がきれいに残っている。行政自らがまちに埋もれていたこうした遺構を明らかにするのに努力してきたのに、それが踏みにじられるのは黙っていられなかった。」そして、この金沢の文化的景観は、古くは一向一揆の拠点金沢御堂の寺内町時代から営々と形成されたものであり、その独自性に高い価値があると強調されました。
 本市は、1964年長町武家屋敷補助事業に始まり、実に半世紀、全国に先駆け、国をもリードする先駆的な景観政策の歴史を刻んできました。今日、景観まちづくり関連条例にもとづき、年間800件から1000件近くの建築等の事前届け出がなされ、その中の7割は市との協議対象となり、ほとんどの施主は設計や計画の変更に同意しています。即ち、景観まちづくりの規制基準を市民が理解し、一定の私権制限を受け入れることで、金沢の景観政策が成り立ってきた訳です。上空通路案で一度は了承した議会に、この景観政策の重みに対する認識が十分でなく、市民の意識との遊離があったことは反省しなければならないと思います。私自身も議員の一人として責任があり、自己批判を表明します。
 他方、市当局において上空通路案に変更する際に、本市の景観政策との整合性に対する認識がどうだったのか、この点について市長の認識を伺います。
4 さて、市長は、報道によれば、この間の迷走とも言える経過について、繰り返し議会からの要望、了承を理由に釈明しておられます。第2庁舎建設は、本市の事務事業であり、計画策定段階から当然市長に大きな責任が伴っていると思いますが、提案理由説明にもそうした責任意識の言及がありません。市長の認識を伺います。
・その上で、第2庁舎建設計画がリセットされるという前提で伺います。まず、プロポーザルで選定し、既に設計業務に入っている設計事業者との契約への影響はどうなりますか。
・次に、議会の第2庁舎への移転も撤回された以上は、新たに第2庁舎の在り方、適切な部局の配置の在り方を再考することになります。市長は2020年供用開始方針は変えないとお考えのようですが、私は2020年共用開始予定に拘るのではなく、市民も含めた議論の場を保障しながら、じっくりと再検討することが大切ではないかと思います。計画見直しの進め方についてのご所見を伺います。

2.入札監理と公契約条例の制定について
(1)本市の公共事業入札の監理について伺います。
・今年度に入り、5つの工事の開札日が延期されました。いずれも学校や市営住宅の外壁改良工事です。これは談合情報が寄せられたことが理由ですか。本市として談合があったとの認識はありますか。
・こうした談合情報が相次いで寄せられる入札の落札結果をどう受け止めていますか。
・談合情報があったときの本市の対応について伺っておきます。
(2)工事の質への懸念
・入札資格者の数を見ると、他業種に比べで寡占化と共に、Cランクが極めて少ない逆ピラミッドは際だっています。かつては百以上あったという小規模な事業者が現場の塗装作業を担い、経験と共に技術を高め成長していくよう、入札制度が機能しないできたとは言えませんか。
・公共施設の長寿命化が課題となっている今日、塗装技術は極めて重要な役割を持つと思います。こうした逆ピラミッドは職人技術の熟練と継承を困難にしていないか懸念します。それを促すのが工事検査の厳密さだと言われます。本市の検査体制と手法を伺います。 
(3)公契約条例制定の必要性
・熟練工の消失は、小規模事業者の下請け化に伴う賃金低下に起因すると言われます。私は、全国に先駆けて賃金の最低額を定める公契約条例を制定した野田市を制定直後に訪れました。条例の目的に、「労働者の適正な労働条件を確保、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図り、もって市民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会を実現すること」を謳い、対象を拡大しながら今日に至っています。相模原市でも、契約事業者に責務として従事者の労働環境確保を求め、労働報酬下限額を規定しています。 本市においてもこの公契約条例の制定を改めて求めるものですが、見解を伺います。

3.金沢プールについて
5・来春の供用開始を控え、私も先日内見させて頂き、最新鋭の大規模な施設に驚きました。改めて、設計及び総工費額をプールの基本コンセプトと併せて伺います。
・今定例月議会に指定管理者の指定議案が提出されました。指定管理者選定の経過を伺うと共に、ランニングコストがどう見積もられているかお尋ねします。
・金沢プールの指定管理者には、本格的な利用料金制度が導入されると伺いますが、その目的と制度の運用についてお聞きします。
・富樫にあって長年市民に親しまれてきた市営総合プールについて、存続を求める声が私にも届いていますが、この存続についてどのように検討されているのか伺います。

4.20周年からの市民芸術村の展望について
3・金沢市民芸術村が開村20周年を迎えました。ドラマ工房では、金沢版リージョナルシアターとして、金沢近郊で活動する劇団が各々制作するドラマが11週に亘って上演されました。この「劇処」と名付けられた記念演劇祭をどのように評価していますか。
・この市民芸術村の開村は、全国に衝撃を与え、反響を呼びました。条例に込められた開村の精神は、文化創造における市民自治をめざすことにあると思いますが、その鍵を握るのが民間人ディレクター制度です。ところが、ディレクター制度が十分に機能せず、市民参加と自主的運営が形骸化していると担い手の方々から度々聞くことがありました。それは整理すると、ディレクター選任をはじめディレクター権限の尊重への管理者側の理解不足、芸術村自主事業の企画運営や事業の自立化に際する担い手市民側との合意形成の不備、処遇の不安定さと負担の集中によるディレクターの機能低下などに集約されます。市長は、こうした問題が提起されていることを認識されていますか。
・「劇処」は、私も観ましたが、地域の演劇団体が主体となって協働して多様な演劇作品を市民に提供した全国的にかなり希有な取り組みであったと聞きます。今ほど指摘した課題の克服と街へ出かける芸術村、公共交通との結節といった新たな課題も含め、21年目以降の市民芸術村の在り方を開村の原点から展望するために、この「劇処」に集った担い手達を基盤にして熟議を行うしくみをつくってはどうでしょう。市長のご所見を伺います。

5.市民のつぶやきから
(1)市庁舎前広場の改修で懸念
 夏に市庁舎前広場の改修工事現場を通った複数の市民から、広場の床面が反射でまぶしくて目も開けられないとの苦情を受けました。私自身も同感でした。このまま来春から供用され、市民から多くの苦情が寄せられる事態を懸念します。対応をお聞かせ下さい。
(2)金沢市の地域デイについて
 「善隣思想の元で、地域住民のためにきめ細かいサービスを提供するのに職員は献身的に努力してきたが、やればやるほど赤字が雪だるま式に増えてしまう。もう限界は近い。」 
26年前に介護保険制度に組み込まれ、市場競争と近年の介護報酬削減などの影響を受けて、その窮状は待ったなしです。地域デイは、介護保険制度の枠にありますが、それに止まらず、地域福祉、支え合いのまちづくりの拠点でもあります。福祉とまちづくり分野の住民財産としての地域デイをつぶしてはなりません。昨年末に、地域デイサービス部会から地域デイ支援を求める要望書が提出されていますが、地域デイの窮状への認識と要望内容が施策にどう反映されてきたのか今後の方策も含めてお答え下さい。