金沢市議会2024年9月定例月議会報告

◪9月定例月議会一般質問項目
                2024年9月12日
1.国連子どもの権利に関する条約批准30年に当たって
(1)子どもの権利に関する条約批准30年をどう受け   止めるのか
(2)金沢の子どもたちの状況から
(3)意見表明と参加の権利保障からの学校変革について
(4)本市子ども条例の見直しと権利条例化について
2.金沢市における緑の保全と生物多様性について
(1)金沢市緑の都市宣言50周年記念事業について
(2)金沢市緑のまちづくり計画について
(3)大乗寺丘陵公園の整備と子どもプレーパークの設置について
3.市民のつぶやきから
  「クーリングシェルターを身近な地域に」の声

◪一般質問と答弁の全文
        みらい金沢 議席番号32 森 一敏
 

1.国連子どもの権利に関する条約批准30年に当たって
(1)子どもの権利に関する条約批准30年をどう受け止めるのか
森 一敏議員:みらい金沢の最終質問者として以下ご質問をさせていただきます。お疲れのことと思いますけれども、鋭意、ご答弁をお願いいたします。まず第一点目ですが、国連の子どもの権利に関する条約批准30年にあたりまして、まずこれをどう受け止めるのかということについてお尋ねをいたします。
 子どもの権利に関する条約は1989年11月20日、第44回国連総会で採択をされ、翌年に発行しております。ナチスドイツによってユダヤ人孤児たちとともにワルシャワゲットーで殺害されたコルチャック先生の子どもの権利思想を根底に据えたものとされております。日本では四年後の1984年4月22日に世界で158番目に批准、5月22日に発行。本年批准から30年を迎えました。その今日、子どもの生きづらさについて識者から様々な懸念が出されております。その一例を挙げれば、全国の18歳未満の自殺者が500人を超えて過去最多。金沢でも20歳未満の自殺者数ですが、昨年度4件と上昇傾向が見られております。富山国際大学の研究チームは小学生の1割前後、中学生の2割以上に高い抑うつ状態があるとの研究報告をすでに十年前に紹介しております。
 他方国連子どもの権利委員会は、2019年の日本政府報告に対する総括所見で、教育分野を含め社会全体の競争的性格の影響を指摘し、社会の競争性に害されないで子ども時代を過ごせるよう勧告しました。そこで、条約を批准から条約批准から30年を経て日本の子どもたちの人権状況はどう変わったか、その認識を市長並びに教育長に伺います。

村山 卓市長:子どもの人権を取り巻く状況について、特に直近では昨年4月に子どもの権利条約の精神に沿った子ども基本法が施行され、子ども政策の司令塔となる子ども家庭庁が発足したほか、本年6月には子どもの貧困解消法が成立を致しました。この30年間で、子どもを権利の主体として捉え、その権利を保障するための取り組みが着実に進んで前に進んでいるというように認識しております。なお、児童虐待や不登校の増加、ヤングケアラーの存在等が社会的な課題となっております。困難を抱える子どもを必要な支援につなげるため、市としても引き続き、教育プラザや児童相談所、また子ども家庭センターなどの機能を活かしながら、すべての子どもが健やかに成長できる環境を整えたいと存じます。

野口 弘教育長:批准からもう30年が経ったんですね。あのこの30年間、私は社会全体が大きく変化したなと思ってるんですが、30年前、振り返ってみますと、その30年前から十年間、学校離れてキゴ山の方で天体観察センター等を作る仕事をやっておりました。十年経て学校に戻って一番感じたのが、これはちょっと自分の中で違和感を感じたことあるんですが、それは何かと言いますと、学校で教職員の方々が子どもと向き合う時間が本当に少なくなってきているなということを感じました。そうした時間の確保を図るためにも、やはりここは教職員の働き方改革が必要であると思ってまして、なぜそう思ったのかと言いますと、このことを通すことが子どもの一人ひとりの人権を尊重する教育活動につながっていくんだとそのことを感じました。ですから、あの今もこのことについては全力で取り組んでいるつもりでありますけれども、この職にあるある間は最後の日までこれ一生懸命やっていかなきゃいけないと、そんなふうにして思っています。で、そこであのこの子どもの権利条約に関係する国からの通知等につきましては、これまでもずっと各学校に確実に伝えておりまして、学校では先生方教職員が子どもの権利に関する条約の趣旨などを学びながら、そしてその趣旨を踏まえて、子ども一人ひとりの人権を尊重し、日々の授業とか、また学級経営や生徒指導などの教育活動全体を通じて、児童生徒が自らの大切さを認められて、認められていることを実感できるように、私は努めていると思っています。また、いじめとか性の多様性など、子どもの人権が絶対に脅かされてはならない問題を未然に防ぐために相談しやすい環境整備具体的に言いますと、担任またはええ教育相談担当者または養護教諭、養護教諭、またスクールカウンセラーなどによる教育相談体制づくりでありますが、こうした環境整備、また人権講話の開催などさまざまな取り組みを行っております。その結果として、全国学力学習状況調査において、自分の良さを認められていると感じている児童生徒は年々増加をしてるんではないのかなと捉えております。これからも子どもの権利条約、ここは大事なポイントになりますので、国からの推進等につきましては確実に学校に伝え、そして学校では児童生徒理解や子ども主体の授業づくりの推進などによって、子ども一人一人の人権がさらに尊重されるように継続をして指導していかなくてはならない。そのことを強く思っています。

森 一敏議員:ご丁寧にご答弁をいただいたと思います。で、こども基本法の制定、こども大綱、これに関わって後ほど触れたいと思っておりますけれども、この私たちが子どもあるいは広く人々全体の人権をどう評価するかという時の物差し。これはいささか国際水準からするとまだ遅れをとっているのではないか。こういう感じが私はずっとしております。で、これがあの今回も総括所見でいくつかの点で継続的に改善の指摘これを受けているんですね。これを踏まえなきゃいけないと思うんですけれども、長い目で国連が児童の権利条約だけではありませんが、権利条約に関わって、それぞれの権利委員会が日本に対して勧告や改善の指摘をした事柄というのは多岐にわたっていまして、その中の一つあげるだけでもですね。いくつかあげるだけでも女性差別撤廃条約。まあ、これの選択的議定書、これまだ批准してないんですね。それから子どもの権利条約、これに関わる内容、それから障害者の権利条約、これもそうです。個人通報制度というものがありますよね。国内で解決できない場合に、個人が直接国連機関に申し立てをすることができる。これも批准していないんですね。ですから、確かに国内の中で問題意識が高まってきたし、それに対する法整備も進みつつあるんですが、大元のところでまだ国際基準を物差しにした時の人権状況の評価というものはまだ甘さがあるのではないかと私は問題を感じていますが、この件について市長のご所見お願いできますか。

村山 卓市長:国の方での国連、あるいは国際的な条約の批准については、一自治体の主張として申し上げる立場にないというように思っております。様々な条件があり、批准ができないという状況なのかなというように推察をしております。

(2)金沢の子どもたちの状況から
森 一敏議員:時間がありますので、先へ進みたいと思います。二点目に金沢の子どもたちの状況からなんですが、2022年度、全国で29.9万人。過去最多となった不登校児童生徒は、本市においても小学校で441人、1.97%、中学校では751人、6.75%と、過去最多比率では全国平均を上回ってしまいました。私はこの間の全国学力学習状況調査における質問紙調査に注目をしてきました。教育長は先ほどお触れになったんですけど、子どもたちは学校生活をひじょうに頑張っていますね。そして、教職員も指導に大へん奮闘している。これが見て取れます。子どもからの回答の中から見て取れるんですが、しかし疲れていると思うんです。将来の夢や目標を持っている学校に行くのが楽しいと答えた児童生徒の比率が全国平均よりも低位にある、幸せな気持ちになれる頻度、自分に良いところがあると思える比率が、小学生から中学生に進むに従って目立って下落していくんですね。子どもたちの前向きに生きる意欲、自己肯定感この減退傾向は私には心配なんです。子どもたちの心理的傾向教育長はどう受け止めておられますか。

野口 弘教育長:森議員と同じように私も心配をしている一人であります。あの全国学力学習状況調査におけます、挑戦心または達成感自己肯定感等に関します。質問に対するこれまでの本市の児童生徒の回答状況につきましては、私も繰り返しになりますが、森議員と同じように全国と比べて低いし、やはりこの点に課題があると捉えています。そのために校長会議や学校訪問や担当者の連絡会等で改善の重要性とか、また、そのための対応のあり方について継続をして先生方にお話をして改善を図っていただいております。具体的にどんなことをお話をしたかということをお伝えしたいと思います。各学校において、児童生徒の自己肯定感が高まるよう教育活動の様々な場面において、その子なりの伸びや挑戦、また他者を尊重する言動などについて褒める認める励ますとともに、最後までやり抜くことを重視した学習や活動を行ってほしい、このことをお伝えいたしました。各学校ではそのことを実践していただいていると思っておりまして、その結果として少しずつでありますけれども、数値的には改善が見られているんではないのかなと思っています。ただ、このことについて現状でこれでよしと全く思っていません。これをさらに改善をしていかなくちゃいけないと思っています。
 そのためにもこれから私は大事かなと思っているのが三つあります。それは主に授業に関わることが中心になってしまうかもしれませんが、教育活動全体にも関わる部分もあると思います。一つは感動とか喜びを大事にした創意工夫のある教育活動。これを積み重ねていくこと。2つ目には、自分自身の成長や良さを自覚する場というものを設定してあげること。そして3つ目には。発達段階に応じたキャリア教育というものを実践する。こういったことに取り組みながら、生徒、児童生徒が今の自分というものに自信を持って、様々なことに前向きに挑戦できるように、学校生活の充実を図っていきたい、かように思っています。子ども主体の教育活動を展開していくことが、子どもたちの幸せにつながっていくものと考えています。

森 一敏議員:私は子どもたちの心理的傾向ということを、例えば学テ調査質問紙の回答の中から、そのシグナルを受け取っていかねばということでご質問したんですが、金沢でも懸案になっているこの不登校に陥る子どもたち、非常に数が多くなっているんですが、昨日の質問の中で引きこもりの質問の中で荒木議員がおっしゃっておられましたが、その不登校も重なる部分があると思いますが、学校に来ない、あるいは来れないというものは、自分にとっての危機からの避難であると。ですから、その子に変化を求めるということではなくて、学校なら学校が変わっていかなきゃならない。そうしないと自分がそこにいるという居場所がないとか、あるいは自分が消えてしまうかのようだというような感覚を感ずるんですね。先だって、オンラインでしたが、現在不登校になっている中学生高校生でしたかね、直接の話を伺っていたんですが、その中であり、そうした言葉が出てきましたね。ですから、金沢の学校の教育のあり方というものはさらに変わっていかなければならないのではないかということを、教育長とぜひ共有しておきたいと思うんですが、頷いていらっしゃいますのでね。三点目、意見表明と参加の権利保障からの学校変革についてです。

(3)意見表明と参加の権利保障からの学校変革について
 本市においても不登校特例校、学びの多様化学校の検討を始めておられます。その対策を否定するつもりはないんですが、それ以上に必要なことは学校そのものが思い切って変わることではないかと、今申し上げたんです。で、能力主義のもと、成績によって序列化する過度な競争主義は、本市においても学力テストを基軸にした学力向上対策に色濃く現れているように思います。世田谷区立桜丘中学校が定期テストと校則を廃止するという大胆な学校変革で注目をされましたが、都立高校のブラック校則の廃止、これをはじめ、全国に今波及しだしているんですね。定期テストを廃止し、自学を重視する本市西南部中学校での教育改革は大きな話題となりました。すべての子どもたちが三年間を楽しく過ごせること、子どもたちが自ら考え、導き出したやりたいこと、実現させるために、私たち教員はサポートを惜しまずやってきたと、そうしてたどり着いたのが、校則や定期テストの廃止、服装の自由化など中学校では当たり前とされていることからの解放だったと、これは桜丘高校の当時の校長先生の述懐したお言葉です。共通する思いではないかと思うんですね。原則は子どもの意見の尊重です。意見表明と参加の権利、保障の観点に立つ学校変革現場との対話について、教育長のご所見を伺います。

野口 弘教育長:今ほどのことですが、仰せのように児童生徒の意見を反映させた学校教育というものは、子ども主体の学校づくりにおいて、私も大変大切な視点であるし、これまで以上に発達段階または年齢、それから特性に応じた配慮を行いながら、児童生徒が意見表明する場とか、機会というものを意図的計画的に設けていく必要があるんではないのかなと思っています。そのことを本市におきましても、学校と話をしながら少しずつでありますけれども、進めてきたつもりであります。少し本市の取り組みについてお話をさせていただこうと思いますけれども、あの令和4年に改定されました。生徒指導提要。このことにおきまして、学校とこれに内容について共有をしておりますけれども、学校ではこのこととして変革が進んできているのではないかと思っています。あの令和7年の7月。昨年あごめんなさい、令和5年の7月ですの調査では、小学校で18校、中学校で17校で児童生徒や保護者の意見を聞き取って校則の見直しが行われておりますし、その後の年度末におきましても、新しい年度に向けて、さらに多くの学校で校則の見直しが図られたということの報告も頂戴をしております。それからええ、制服のことにつきまして、これにつきましても、長町中学校の開校にあたりましては、ええ、制服のサンプルを示して生徒や保護者の意見を踏まえて決定をいたしておりますし、野田中学校におきましても、今年度より新たにブレーサーを導入し、スラックスとスカートのどっちかを生徒が自由に選べるようにしております。こうしたように、これらの校則とか制服の見直しとかいや、先ほど森議員がお触れになりましたが、定期テストの見直しなどにつきましては、これ、最終的には校長により適切に判断される事柄ではありますけども、当事者である児童生徒やその保護者の意見を踏まえて、学校は常に変更する必要はないのか。また本当にこれは必要なのかなど絶えず見直す必要があると考えており、これからも常に子どもの声に耳を傾けながら、より良い教育実践に反映させていきたいと思っています。以上です。

森 一敏議員:学校現場が子どもたちと向き合って内省し、そして自ら変革をしていくという動きが始まっているというご答弁ですからね。私は大へん心強く思いますが、まだ道は遠いと思います。私、二度デンマークへ視察に行く機会をいただいているんですが、最も驚いたのは、デンマークでは九年から十年の一貫教育ですかね。生徒会の代表者が職員会議のメンバーなんですよね。ですから、その生徒会の中で、学校の中で実現してほしいことという意見を全部募集して、それを代表して職員会議で提案をし、議論をし、そしてそのことによって学校を実際に変えていくと、このことが意見は言ってもいい、意見によってよりよく変えられる。これがデンマークでの高い選挙率、投票率にもつながっていっているとこのようにも言われているわけです。まあ、老婆心ながら一言申し上げたいと思います。

(4)本市子ども条例の見直しと権利条例化について
森 一敏議員:四点目ですが、本市子ども条例の見直しと権利条例化についてです。子どもの権利条約総合研究所の調査によれば、この5月現在で69自治体で子どもの権利に関する条例を制定しております。近年では武蔵野市で、また、町田市は子どもに優しいまち条例を制定しております。キーワードは子どもの意見表明と参加です。本市は2001年に子ども条例を制定しております。子どもを大切に思う地域住民も参加する熱心な検討から生まれた条例ですが、大人の側からの健全育成条例であるため、子どもを権利の主体とする考え方や、子どもの意見表明・参加についての規定はありません。かつてない困難に直面する学校教育現場、さらには社会を生き生きとしたものに再生する突破口に子どもの権利に関する条例へと本市の子ども条例を磨き上げ、その改定作業に子どもの参加を促すことを検討してはどうでしょうか?これは条例提案権のある市長にご所見を伺います。

村山 卓市長:今ほどご紹介がございました。金沢子ども条例の基本理念のところでも、子どもの人格を尊重し、子どもが社会で保障されるべき権利を有していることを認識すると明記しております。こちらは子どもの権利に配慮した内容を明記したということでありますが、その他条例に基づき、家庭や地域社会、企業、学校等がとるべき具体的な行動をまとめた金沢子どもを育む行動計画についても、子どもの人権や多様性を尊重するという視点を盛り込んで教育委員会において昨年3月に改訂をいたしました。こうしたことから、現在のところ、条例の改正や、あるいは新たな権利条例制定については考えておりません。今後とも子どもたちが健やかに育っていけるよう、子どもたちの意見を大切にしながら、教育委員会と連携を図り、学校教育活動、社会教育活動の充実に取り組んでいきたいと考えています。

森 一敏議員:市長がご指摘をされましたように、本市の子ども条例にも、子どもが社会において保障されるべき様々な権利を有していることを認識するとともに、その前に人格尊重っていうものが入っているんですね。先ほどご紹介をした町田市子どもに優しいまち条例。これは子どもたち自身が自分にとって大事なことを自分で決められるまちであること、意見を言い、実行しているまちであること、たとえうまくいかなくても、やり直すことができるまちであること、そのためにみんなが同じ思いでつながり、それぞれの立場で活動しているまち、何よりもお互いが支え合う子どもに優しいまち町田。こういうくだりがあるんですね。条文の中にも第六条に参加する権利という具体的な項目が規定をされているということで、市の子どもの政策の根底条例としてはかなりまだ開きがあるということを申し上げて、今後の調査検討を求めておきたいと思います。

2.金沢市における緑の保全と生物多様性について
(1)金沢市緑の都市宣言50周年記念事業について
森 一敏議員:質問の第二は、金沢市における緑の保全と生物多様性について。その第一は金沢市緑の都市宣言50周年記念事業についてです。緑の都市宣言50周年を記念して記念事業が行われます。まずは、記念事業をどのように意義づけておられるか伺います。

村山 卓市長:森の都金沢を守り続けるため、緑の都市宣言を提唱してから50年の間、地域のシンボルとなる保存樹の指定や卯辰山公園、大乗寺丘陵公園など特色のある緑の地形の継承に加えて、公園、緑地街路樹などの新しい緑を創出してまいりました。50周年の節目を迎える今年になりますが、市民と育んできた重層的な緑を守り続ける機運をさらに高めていくというために、ええ、来月20日ですが、市庁舎前広場などを緑と花の広場にしつらえるほか、記念イベントとして市民推奨花を追加選定いたしますとともに、造園の専門家と園芸デザイナーによる記念公園とトークセッションを開催することとしております。今後はこれまで培った緑の資産を生かしながら、生物多様性の保全など自然共生社会の実現も視野に入れて多様な主体と連携し、緑の質を高め、次の世代へと継承したいと考えております。

(2)金沢市緑のまちづくり計画について
森 一敏議員:金沢市緑のまちづくり計画についてお尋ねします。折り返し地点に差し掛かる金沢市緑のまちづくり計画に基本方針暮らしと営みが育んだ緑を守り、引き継ぐがあります。ところが近年では、東インター大通り東山交差点から森山北交差点までの街路樹30数本の伐採、主計町緑水園改修時の樹木伐採等を目にした市民から、本市の緑の保全はどうなっているのかとの疑問が寄せられました。街路樹や公園、樹木の更新を含め、緑の維持管理において最重視する判断基準は何に置かれているか。また、庁内や造園業者との課題共有、意思疎通はどのように図られているでしょうか。

高木陽一都市整備局長:まず緑の維持管理についてでございますけれども、ええ、道路沿いの景観や環境、交通安全など街路樹の機能と公園、樹木の良好な生育環境の維持、これが重要であると考えております。街路樹や公園の樹木につきましては、原則伐採を行わず剪定等で維持管理を行っておりますが、樹木が著しく衰弱している時や道路などの公共施設に重大な支障をきたしている時など、やむを得ない場合に限り伐採を行っております。なお、公共工事等で支障になった場合につきましては、移植を基本として樹木の保存に努めているところでございます。
 続きまして、庁内、造園業者との課題共有、意思疎通についてでございますが、施設の樹木管理等を行っている庁内の各部局に対しましては、本市全体の緑地保全と緑化推進を所管する緑と花の課におきまして、樹木等の良好な生育環境を保全していくため、それらの維持管理に関する仕様に基づいて適宜指導助言を行うことで、課題の整理など意思疎通を図っております。また、造園業者に対しましても、事業者説明会や意見交換会を通して、樹木等の維持管理に関する課題を共有しますとともに、意思疎通を図っておりまして、適正な履行を確保しているところでございます。以上でございます。

森 一敏議員:その真意が一般市民の方々にも十分に伝わるように、管理を適切にやっていただきたいなと思います。

(3)大乗寺丘陵公園の整備と子どもプレーパークの設置について
森 一敏議員:三点目ですが、大乗寺丘陵公園の整備と子どもプレーパークの設置についてお尋ねをします。都市近郊の自然の豊かさを保全するエリア大乗寺丘陵公園が多くの市民でにぎわっております。同公園の追加の整備について、当該エリアの地元富樫校区町会連合会会長並びに地区公民館長連名で要望書が提出されています。それは山科町の回遊路の山科側の整備、後の昭和天皇が摂政の時に立ち寄ったことを記念する摂政宮御埜立の地石碑の周囲整備との接続を趣旨とする内容です。その遊歩道の一部について、整備工事が実施される運びです。石碑の周囲整備と回遊性を持った遊歩道整備は要望の課題として残っているため、里山の自然環境に親しむとともに、刻まれた歴史に思いを馳せる場として引き続きの検討を要請しておきます。市長のご所見を伺います。

村山 卓市長:大乗寺丘陵公園は市街地を一望できる優れた眺望と四季折論の花木が楽しめる、既存の自然を生かした金沢市を代表する総合公園でございます。ご指摘ございました。石碑の周囲の整備と遊歩道の整備についてでありますが、地元からの要望を受け、検討を行っております。今年度はつつじ園からこの石碑までの園路整備を行うということとしております。整備後の園路を活用していただきたいと考えております。

森 一敏議員:今年度はというご答弁でありましたので、その後の残された要望方につきましては、鋭意ご対応をお願いしたいと思います。
 ところで私はこの豊かな森の残る環境に子どもの冒険遊び場、子どもプレーパークを開設できたら、どんなに素晴らしいとの思いを抱き続けてきました。全国初で子どもの権利条例を制定した川崎市が設置した公設民営の子ども夢パークは映画化され、全国から注目が集まっています。先駆である世田谷区が開設しているプレーパークは五つありますが、これを視察するたびに遊びを自由に主体的に創造し、人間関係を紡ぎ危険に対処するたくましい力を育んでいる子どもたちの姿に目を細めてきました。モアノート等にその子どもたちの様子を載せさせていただきましたので、ご覧頂ければと思います。
 人権としての遊びを保証し、経済成長と都市化の中で奪ってきた。子どもの居場所。子ども時代を取り戻してあげたい、こう思うんです。子どもの権利条約批准30年を機に大乗寺丘陵公園に拠点型の子どもプレーパーク設置の検討を始めませんか。市長のご所見を伺います。

村山 卓市長:今ほど申し上げた通り、大乗寺丘陵公園は既存の自然を生かしてあまり手を加えないということによって、自然と触れ合うことができる公園。その自然を保全していくことも大切であると考えております。今ほどご提案いただいたプレーパークは非常に資料の中でも夢のあるものだというように把握をいたしました。一方であの木を切ったり、火を使う穴を掘ると、まあ禁止事項がない、自由な遊び場ということなので、子どもの健全育成を図る上では有意義である一方でその運営については、プレーワーカースタッフの確保などの課題もあると認識しております。今後、公園以外での適地確保、あるいは運営を担う人材の確保などの課題についても整理をしていきながら研究していきたいと考えています。

森 一敏議員:子どもプレーパークは基本的にはありのままが子どもたちの冒険遊び場の場となるんですね。ですから、今、あの緑の保全という観点からという話があったのは、これはちょっと子どもプレーパークというものの性質とは若干ズレがありますので、ぜひまずは調査をしていただきたいな。このように思います。

3.市民のつぶやきから 「クーリングシェルターを身近な地域に」の声
森 一敏議員:お時間がありませんので、次行きます。市民のつぶやきからクーリングシェルターを身近な地域にの声です。このクーリングシェルターにつきましては、複数質問で振れられてきましたけれども、今年も酷暑の夏がようやく終わりをまた終わりを告げそうにありませんが、本市は初めて市内の公共施設にクーリングシェルターを設置しました。まず、その利用状況をどのように評価しているのかお聞かせください。そして、エアコンに関する悩みの相談を受ける夏でしたけど、このクーリングシェルターがもっと身近な地域にあったらなあと、こういう声も聞かれています。一方地域で営業している事業者の店舗をクーリングシェルターとして開放しても良いとの業界の声も届いてきております。本年の実施を踏まえ、こうした民間との連携も視野に入れたクーリングシェルター拡大についてお考えを伺います。

村山 卓市長:クーリングシェルターは、現在も開設しているところでありますので、まだ利用状況等の詳細な分析は行っておりません。一方で市役所第一本庁舎では7月1日から8月末までの二ヶ月間でございますが、約7700人の方が利用され、約3000杯のウォーターサーバーの冷水、また約2000個の冷却グッズの提供をしておりまして、多くの方にご利用いただき、熱中症対策に一定の効果があったのではないかと感じております。
 クリーリングシェルターについては、今年度初めて設置をしたものであります。また、実を申し上げると、当初の予定よりもかなり拡大をしてこの16カ所の公共施設をに設置するということをいたしました。他都市においては開設実績のある民間事業者等から他都市においての開設実績のある民間事業者等から本市での開設についての問い合わせもいただいたところでもあります。現在、本市のクーリングシェルター利用者に対してアンケート調査を実施しております。その結果や今年度の利用状況を検証した上で、次年度以降の民間施設等も含めた設置箇所の拡大について検討していきたいと考えています。

森 一敏議員:エネルギー問題への対応として、まあ、クールシェアという概念が先行して入りましたけれども、現在はもう命に関わるこの暑さ、そこからいかにして熱中症を防いでいくかという意味が非常に大きくなってきているという経過があると思います。ぜひ分析をしていただいて、そしてなかなかそのエアコンで進むことが難しいという少なくない市民に、決して熱中症による健康被害、最悪の事態そういうものに至らせないような手立てというものとして、クーリングシェルターの拡大に鋭意取り組んでいただきたい。そう思います。以上で質問終わります。

◪議会議案の動向について
・みらい金沢から提出し、全会一致で採択されたもの

・みらい金沢も提出者となって採択されたもの

・みらい金沢から提出し、否決されたもの

・みらい金沢も賛成し、否決されたもの

・みらい金沢も賛成し全会一致で採択されたもの