五期目最初の6月定例月議会報告

6月定例月議会 一般質問 森 一敏 

          2019年6月24日(月) 
               一問一答方式 ー動画配信はこちらから

1.宿泊税の施行に関して
 ・京都市宿泊税実施後の状況に関する調査に関して 他
2.ガス事業・電力事業のあり方検討について
 ・あり方検討委員会の設置の趣旨について 他
3.教職員の働き方改革に関して
 ・学校事務職員の36協定、教員の時間外勤務法  的規制について
 ・会計年度任用職員への移行に当たって
4.市民のつぶやきから 本市の雨量計の設置について

 

森:まず最初に、新潟加越・山形県境で起こった地震で被災されました皆様方に、お見舞いを申し上げます。

みらい金沢の最初の質問者としてひと言申し上げます。改選での市民の付託を受け、私たちは6人の議員でみらい金沢を結成いたしました。低下の一途をたどる投票率を深刻に受け止め、地方議会への信頼を取り戻すべく、奮闘する所存です。私たちは憲法の理念をふまえ、議会基本条例に基づき、とりわけ、声を上げられないでいる、弱い立場の市民の声に耳を傾け、議決に対する重い責任を自覚して、民意の反映に全力を尽くす決意を表明して、以下質問をいたします。

 1 宿泊税の施行に関して

(1)実施後の状況について

森:まず、宿泊税の施行に関してご質問いたします。実施後の状況についてお尋ねします。4月より宿泊税が施行されました。滑り出し順調との報とは裏腹に、旅館・ビジネスホテルや、簡易宿所などでトラブルも生じております。6月初めに私が、一部事業者からアンケートした結果をご紹介いたします。
 国内外からのカード決済の客が多く、宿泊税の支払いには顔色を変えられた。「仕事に来たのになぜ取られるのか。」と支払いを拒まれた。それを避けて、事実上事業者が自己負担している。さらにはビジネス客の会社から契約更新を断られ、のべ数百人の客を失った。料金徴収システムの対応ができないラブホテルでは宿泊の扱いを巡って客に困惑をされている。いずれもフロント対応などにストレスがあるようです。市長は宿泊税スタート時から生じた現場のこうした状況に、どのように向き合うおつもりか、まずお願いします。

山野市長:宿泊税につきましては、さる5月末に最初の申告納入期限を迎えたところであり、概ね順調に徴収及び申告納入の手続きが行われていると認識をしております。ただ、今、森議員お話がありましたように、様々なご意見もあるというふうにお聞きをしております。順調に進みながらも、いろいろな意見に引き続き耳を傾けていきながら、引き続き制度の周知を図ると共に、宿泊事業者からのお問い合わせには可能な限り丁寧に対応し、円滑に事務手続きが行われるように努めて参ります。

森:金沢で新規に開業するホテル・宿泊事業者の方と市長は直接面談なさっていろんな意見を聴かれている。それは大変けっこうなことなんですけれども、やはりこの宿泊税に対していろいろと異論を唱えてこられた、あるいは危機感を表明してこられた方々は、やはり一度直接自分たちの状況を聴いてほしいという切なる思いがあるんですね。そういうものにやはりお答えになるということがそろそろあってもいいのかなと思うんですが、その辺いかがでしょうか。

山野市長:何度かあります。何度かあります。さすがに全員、全てのゲストハウスのみなさんというわけにはいきませんけれども、直接市役所にお越しいただいて何人かの方と意見交換をしたこともあります。また、お食事をしながら、一献傾けながらの意見交換、厳しいご意見もいただきながら、また金沢市の思いもお聞きいただきました。何度か行っているところではありますけれども、森議員おっしゃるように、残念ながら全ての皆さんと意見交換できているというわけではありません。私の日程と合ったならば、あるいは事前にお話を聞きながら機会があればいろいろな方のご意見をお聞きをしていきたいと思っています。ただ、今大きな方向として動いているところでもあります。いろんな声をお聞きをさせていただきたいとは思っておりますけれども、概ね順調に推移はしているというふうに思っておりますので、引き続きご理解をいただくべく、丁寧な説明を重ねていくことがまずは大切なのではないかと思っております。

森:関係している市の徴税を代行していらっしゃるわけですから、要望があればもれなく聴いていただきたいと、再度確認しておきたいと思い、申し上げました。

(2)京都市における宿泊税実施後の状況に関する調査に関して

森:2番目です。京都市における、宿泊税導入後の調査についてご質問いたします。まず一点目。昨年10月から宿泊税を施行している京都市では、当初予算に宿泊税導入実施後の状況に関する調査費1342万円余が計上されました。調査対象は宿泊事業者、宿泊客を含む市民、旅行業団体等広範で、宿泊料金、宿泊税の認知度、徴収事務の現状、使途に関する意向などを調査します。京都市がこの10月から年度内にかけて調査を実施することについて市長の所感を伺います。

山野市長:京都市では条例の議決の際の付帯決議により、条例施行の1年6か月後に、宿泊税に係る制度について検討を加えることとされていらっしゃいます。その基礎資料を得るための調査業務に着手したところとお聞きをしているところであります。金沢市も様々な皆さんのご意見をお聞きもし、先行自治体の事例も参考にしながら、今回の取り組みを始めました。当然、京都市の制度も基本とさせていただいたところであり、その調査結果については関心を持って参りたいと考えております。

森:京都は確かに議会の付帯決議がありまして、それが1年6か月という期限を付している、そういう制度上の環境の違いということが金沢にはあると言うことは私も認識していますが、同様に京都の基本的な課税方式、使途も含めて金沢市が学んで、そして制度化してきたということですから、その京都が1年半で見直しに着手するということは非常にこれ大きいと思うんですね。市長は注目していきたいとおっしゃっていますから、是非その結果についてまた議場で改めて議論させていただきたいということを思っています。
 ところで、かつてない10連休となったゴールデンウィークの賑わいぶりは話題になりました。旅行紹介サイトの一つは、上半期の市内入り込み客数は昨年度より9.5%伸びたとしております。その一方で宿泊事業者の独自調査によりますと、平日を中心に客室稼働率が低下している。そのために値引き競争が京都同様に始まっているとされております。予定通り消費税の引き上げが行われるならば、ビジネス客を中心とする地元の中小宿泊事業者はさらに厳しい経営環境になっていくのではないかと思います。いわば宿泊税の源泉となる宿泊事業と事業者の状況を含め、宿泊税の影響を広範かつ精緻に把握し、対策に後れを取らないよう対応すべきだと思います。本市においてもできるだけ早期に宿泊税実施後の状況調査を実施するべきだと考えますが、市長のご所見をお伺いします。

山野市長:私もこの間何人も都市型ホテル、ビジネスホテル、ゲストハウスの方とこの2か月3か月いろんな場面で意見交換をしています。例年ゴールデンウィーク明けは激しく落ち込むとみなさん口をそろえておっしゃられています。特に今年は10連休ということもありましたので、10連休の盛り上げは例年以上、その代わりその落ち込みも例年以上であったということもお聞きしているところでもあります。そういう状況は全体の状況でありますので、そういう状況もふまえながら様々な施策を考えていかなければいけないと思っています。
 まず宿泊税は、金沢市の宿泊税はこの4月に施行されたばかりでありますので、いろんなご意見をお聞きをしながら対応していくのは当然のことではありますけれども、まずはその周知徹底、申告と納入を円滑に行っていただくことを最優先に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。現時点で実施状況を調査するところまでは考えてはおりません。5年ごとに検討を加え、所要の措置を講ずるということを条例でもさせていただいています。ただこれはこの議論の中で申し上げていますけれども、社会経済情勢の変化であったりとか、条例の施行状況等々も勘案しながら適切に対応していかなければいけないと思っています。

森:スタートしたばっかりであると。これは事実であります。ですから私が伺っていることも全体状況とは言えないと思うんですね。そういう意味では絶えず、できるだけ全体的な状況がどうなっているのか、それを把握しながらこの制度が進んでいくということでなければ、やはり対応に遅れが出るだろうと思います。そして消費税の動向、これ非常に大きなファクターですね。それから来年オリンピック、その後の景気動向、これはやっぱり事業者が先を見て非常に懸念を感じていることなんです。そういう意味では経済全体の大きな変化というものが5年を待たずに起こってくる可能性は十分にあると思います。円安がいつまで継続できるかということも大きなファクターの一つかもしれません。そういう意味では京都が1年半というふうにしたのはやはりそれなりの議会の良識というか、そういう問題意識をふまえて発揮されたんではないかと私は思っているわけです。ですからそんな意味で今のご答弁の中で、その状況に後れを取らないためには京都に倣った広範な調査というものが非常に効力を発揮すると思いますし、そのことによって見直しというものについてコンセンサスをとっていかなければならない、ということも考えられますので、ぜひ私は、再度ですけれども精緻かつ広範な全体状況を把握する、制度の状況はどうなっているのか、そしてその担い手たちはどうなっているのか、市民はどう受け止めているのか、やってきてくださる方はどうなのか、これについての状況把握をするという方向性はぜひ示していただきたいと思っておりますがいかがでしょうか。

山野市長:旅館ホテル協同組合であったりとか、ホテル懇話会であったりとか、観光協会であったりとか、旅行社であったりとか、また、担当部局が直接関係者の意見を聴くと言うことであったりとか、そういう形をしながらできるだけ現場の声を敏感に受け止めていかなければいけないと思っています。また、ご指摘ありましたように消費税であったりオリンピック後であったり、そういう全体のトレンドも把握しながらしっかりと状況を把握していかなければならないというふうに思っております。そこはしっかりとやっていきたいと考えております。

2 ガス事業及び発電事業のあり方検討について


(1)ガス事業・発電事業のあり方検討委員会の設置の趣旨について

森:それでは二つめの項目の質問に移ります。ガス事業・発電事業のあり方検討についてです。まずその1とします。ガス事業・発電事業のあり方検討委員会の設置の趣旨についてお伺いします。先般本市は有識者等による金沢市ガス事業・発電事業のあり方検討委員会を設置し、本市のガス事業及び発電事業の今後の経営形態のあり方について諮問をしました。市長に、この諮問の趣旨についてご質問します。

山野市長:本市のガス・発電事業はこれまで都市ガスの安定供給、電力の地産地消を通し市民生活や産業活動発展に貢献をしてきたところであります。ただ、ご案内の通り、国のほうでは平成28年には電力の全面自由化、平成29年にはガス小売りの全面自由化に舵を切りました。電力とガスを合わせた総合的なエネルギー市場が創出され、全国的にも料金メニューやサービスが多様化するとともに、新規参入や企業間連携が進むなど事業環境が大きく変化をしてきているところであります。そういうものを踏まえた上で、こちらはやはり有識者、また実際に利用される方のご意見をお聞きするためにもこの委員会を設置をし、本市のガス事業・発電事業の今後の経営形態のあり方について諮問を行ったところであります。

(2)ガス事業及び発電事業に対する経営主体としての評価について

森:2点目になりますが、ガス事業及び発電事業に対する経営主体としての評価についてお伺いします。 
 私は昨年12月の定例月議会で、企業局内で行われているあり方研究に関してお尋ねしました。公営企業管理者は自由化が進むエネルギー市場の現況や他事業者の動向、また本市の経営状況についてお聞きし、今後の事業環境の変化を予測しながら、もっとも適した経営形態のあり方を研究していくと答弁されております。その研究を通じ企業局はガス事業及び発電事業に対して経営主体としてどのように評価を行ったのか、お聞かせを願います。

平嶋公営企業管理者:まずガス事業についてでございますけれども、近年効率化によりまして利益は計上しておりますけれども、家庭用需要が大きく減少いたしますとともに、過去に行いました熱量変更事業、それによりまして生じた多額の累積欠損金や企業債残高を抱えておりまして、経営改善はまだ途上にあります。加えまして、人口減少や自由化の進展によりましてさらなる競争の激化が予測されますことから、より一層のサービス充実や経営効率化が求められるというふうに評価をいたしたところでございます。また発電事業についてでございますけれども、現在のところ経営は安定しておりますけれども、北陸電力との売電に係る長期契約終了後は一般競争入札へ移行となりますので、価格の変動が予測されますことから、経営力の強化が求められるところでございます。以上でございます。

森:私も企業局がとりまとめてこられたいくつかの数値を見ました。これまでの市民のエネルギー需要、これに応えなければいけない使命をに担って、いろいろと難しい経営努力を進めてこられて、現時点で見るとそれが功を奏している、決して企業局の経営全体が危機的状況に直面しているというような評価ではないというのは私もそんなふうに評価しているわけですね。
 で、そういうことを踏まえて企業局の経営戦略2016との整合性についてご質問いたします。
 ガス事業・発電事業のあり方検討委員会への諮問を報じた地元紙、「事業民間譲渡も」の見出しが躍りました。金沢市企業局経営戦略2016、7ページに企業局の経営方針が掲げられております。5つの事業には公共性及び公益性の確保が求められるため、今後も引き続き企業局が経営するものとし、市民生活や産業を支える水とエネルギーを総合的に担う総合ライフライン事業者として市民に貢献していく責務を永続的に目指すという使命を謳っております。民間譲渡も選択肢にあるとすれば、2025年までの経営戦略である金沢市企業局の経営戦略2016との整合性が問われることとなります。市長の真意を伺うとともに、年内にとりまとめられるあり方検討委員会答申は市民的議論にどう寄与されていくのか、今後の手順をお聞かせ願います。

山野市長:先ほど宿泊税の議論の時に、大きな社会状況の変化が生じた時には的確に対応していかなければいけないというふうに申し上げました。私はこの案件も同じだと思っています。経営戦略2016は平成27年の2月に策定・発表をいたしました。翌、平成28年の4月に国のほうが電力の小売り自由化を行いました。翌、平成29年4月ガス小売りの自由化を行いました。これは私は大きな社会情勢の変化であるというふうに思っております。
 先ほど企業局の経営のことについてご評価をいただきました。それを大切にしていきながらも、この時代を見据えた今後のこともしっかりと検討をしていかなければいけない、私はこれは大きな大きな変化だというふうに思っておりまして、そのことを踏まえてとりくんでいかなければいけないというふうに思う中で有識者による検討委員会を設置をしたところであります。まずは検討状況をしっかりと報告を受けながら、当然逐次議会のみなさんにもご報告申し、市民の皆さんにもホームページ等々を通じ会議資料の公開をしていかなければいけないと思っています。様々な視点で情報を、市民の代表である議会のみなさんをはじめ、多くの市民の皆さんに供するような形にしていかなければいけないと思っております。

森:まぁ大変このエネルギー市場の流動化・自由化、これが国レベルで進んでいる、もしかするとグローバルという状況判断をしなければいけない。そういう中にあって先ほども申しましたけれども、エネルギーの総合事業というものの自負と、これまでの実績というものが全て覆されるということであってはならないんだと思うんですね。で私、水とエネルギー総合ライフライン事業者というふうに企業局がおっしゃっている、そこで言うところの公共性、これについて市長ご自身の言葉でどういうふうな言葉になりますか。

山野市長:一番は市民のみなさんへの安全であります。そして安心感も持ってもらえる、そんな体制にしていかなければいけないというふうに思っています。その安全、そして安心感の中には私コストというものもあるんだというふうに思っています。安全・安心という形でエネルギー政策を展開していかなければいけないというふうに思っています。

森:あえて伺わせていただきましたけれども、経営形態のあり方について諮問されているのですから、諮問した主体の市としたら、その経営形態のあり方というものを具体的に言うとどういう経営形態を想定しているか、これはひとつではないと思いますよ、検討ですからいろんな選択肢がある、そのあるだろう選択肢これは具体的にどういう形態を想定して諮問されていますか。

山野市長:まさにこれから議論をされていくところでありますけれども、すでに他自治体、全国的な様子も拝見しておりますと、まさに報道になされたように民間もあるのかもしれません。空港などで行われておりますコンセッション方式もあるのかもしれません。現在の形態を維持しながら工夫をしていくということもあるのかもしれません。いずれにいたしましても市民の皆さんに安全に使っていただくということと、安心して使っていただくということ、そして全国的どころかグローバルという表現もありました、そんなことも踏まえた形で考えていかなければいけないと思っています。

森:まぁこれ今諮問を行ったばかりでありますから、その中で一体どういう議論が展開されていくか、私もしっかり注目していかなければならないと思っていますけれども、ただこの安全・安心、あるいはコスト、これらの大事な指標を当然踏まえて、イギリスなんか25年の経験がありまして、いずれも民間譲渡が、あるいは官民連携、これがその目的に逆行したとという評価が20数年かかって出ております。それが再公営化の流れというふうにヨーロッパ全体に流れ込んできた。
 水のことについて昨年末申し上げましたけれども、そういうやはり世界の現実というものもしっかり学んでいきながら間違いのない議論と選択というものをしていかなければならない、そのことを意見として申し上げておきます。

3 教職員の働き方改革に関して

(1)学校事務職員の36協定について

森:それでは三番目に移ります。教職員の働き方改革について学校事務職員の三六協定について質問します。まず一番目に、学校職場において労働基準法第36条、時間外・休日労働に関する協定、いわゆる三六協定の締結が県教委から促されていると聞いております。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、給特法です。この給特法の対象ではない学校事務職員や栄養職員について、学校職場単位で締結が促された経緯をまず伺います。

野口教育長:公立学校におけます教育職員以外に学校事務職員や栄養職員につきましては、労働基準法の定めるところにより、校長と労働者の代表との書面による協定が必要であるとされております。今般、国におきまして働き方改革が進められる中で、働き方改革関連法案に対する付帯決議において、学校における三六協定の締結、届け出等の徹底を図ることが明記され、中央教育審議会の答申におきましても再度確認されたことから、協定締結が促されているものでございます。

森:私も学校現場出身ですので、学校の職場で三六協定を議論するという経験は私も正直言ってありませんでした。抜かっていたかもしれんなと個人的に思うところはあるのですけれども、さてこの協定締結によって、学校における行政職の時間外勤務、これはどう改善していくと見込まれるでしょうか。

野口教育長:今回の協定によりまして、それぞれの職員の、いわゆる時間外勤務時間の上限、これが定められることになりますので、それを守っていくことによって職員の働き方改革が推進されますとともに、健康保持等が保たれていくと思っております。

森:県教委が年度当初から締結を行うようにという指導を行ってきたというわけなんですが、年度当初からの県内の三六協定締結、いくつかの自治体ですでに締結となっていると聞いておりますが、本市ではまだその動きはないわけですね。立ち後れた理由とともに、締結に向けた基本的な考え方を伺います。

野口教育長:本市におきまして協定の原案の作成をするにあたりまして、各学校の時間外勤務の実績や他の市町の状況を調査し、実態に即した内容になるよう準備してきたところでございます。協定の締結にあたりましては、使用者と労働者が対等の立場で話し合いをし、合意のもとで締結することが必要でありますことから、校長には丁寧に説明するよう指導しております。

(2)教員の時間外勤務規制について

森:対等性を大切にしながら十分協議して合意を図っていってほしいと思います。それでは2番目ですが、教員の時間外勤務の規制についてお話しします。三六協定の対象ではない教員については法的には時間外勤務の規制はどうなっているのか改めてこの場で確認をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

野口教育長:教員につきましては原則として時間外勤務は命じないものとされており、時間外勤務を命ずる場合は政令で定められている業務に従事する場合であって、臨時または緊急の、やむを得ない必要のあるとき、4つありますが一つは校外実習その他生徒の実習に関する業務、二つめは修学旅行その他の学校行事に関する業務、三つ目には職員会議に関する業務、そして四つ目には非常災害等その他やむを得ない業務に携わる場合に限られております。また教員には時間外勤務及び休日給を支給せず、その職務と勤務様態の特殊性に基づいて、勤務時間の内外を問わず包括的に評価をして給与の4%が教職調整額として支給されております。

森:給特法に基づく教員の時間外勤務規制というものについてはあまり社会的に認知されていないだろうと思いますので、あえて確認させていただいた次第です。法律は1971年に制定されていますが、その当時4%というものの根拠は月8時間程度の時間延長がその当時あったということですから、教育委員会が3年間かかって80時間越えを0にしようということ、今とりくんでいらっしゃるわけですけれども、8時間と80時間では10倍もの時間外勤務が現場には常態化してきたというようなことになるわけでして、法の趣旨、給特法の趣旨ということからするとこれは看過できない状態になっているということだろうと思うんですね。
 で、今、臨時的なもの、急を要するもの、そして限定4項目ということですから、現在80時間前後もするような時間外勤務というものは、ほとんどはこの限定4項目以外の業務がそこで行われていると私はとらえるんですが、そこは教育長どういう認識なんですか。

野口教育長:この件につきましてはこれに関して政令が出されておりまして、この政令におきましては超勤を命ずるときに教員の本務的業務や健康に留意することも要請しながら、超勤に対して厳しい規制を設けているということを理解をしております。やはりこうした政令等もしっかり守りながら時間をしっかり守るということについてこれから徹底していかなければと思っておりますし、国におきましても月最大45時間、年間360時間をしっかり守るようにということで通知も出ておりますので、現場でしっかり守っていくように指導していきたいと思っております。

(3)会計年度任用職員への移行に当たって

森:三点目になりますが、会計年度任用職員、非常勤職員の会計年度任用職員への移行が10か月後に迫ってきました。この移行に際しては雇用と処遇の改善という制度趣旨に照らして、再度の任用に5年を単位とする上限を設けることはふさわしくないと申し上げました。勤務労働条件に関わる事柄でもあり、制度移行には職員団体との意思疎通も必要だと思います。制度移行への準備の進捗状況と合わせて、今後の手順をお伺いします。

山野市長:会計年度任用職員につきましては総務省の通知、他都市の対応等を見極めながら実態を調査し検討を行っているところであります。来年4月からの制度の開始に向けまして、9月議会に関係条例の制定についてお諮りをさせていただきたいと思っています。ご決議をいただいたならば職員への周知、任用の手続き等を行ってまいります。

森:9月に条例を提案されるということですから、もう時間はありません。質問でも申しましたけれども、職員団体との協議を含めて手だては怠りなく行っていただきたいと思います。

4 市民のつぶやきから  本市の雨量計の設置について

森:それでは4番目の質問、最後に市民のつぶやきから。本市の雨量計の設置についてご質問します。
➀梅雨の本格化と台風シーズンを迎え、昨今の亜熱帯的な雨の降り方から治水・防災に関心が高まっております。かねがねこの問題に精通している市民から、本市の雨量計の設置箇所のほとんどが不適切で測定精度に影響があるとの問題提起を受けてきました。そこでまず、国が示す設置の基準がどうなっているのかお答えください。

川島土木局長:雨量計の設置でございますが、国土交通省の定めた河川砂防技術基準におきましては、河川や砂防、地滑りなどの計画設計を目的とした雨量計の設置基準を示しておりますが、本市では降雨情報を把握し、災害の防止に活用するため、気象庁の気象観測ガイドブックに沿って雨量計を設置しており、このことをご理解願います。その上で国土交通省が定めた雨量計の設置場所は概ね10メートル超以上の広さがあり、気流の変化が少ないこと、降雨時に浸水や崖崩れの恐れがないことなどを基本としております。以上です。

②森:次に、現在本市が設置している雨量計は合計26カ所とのことですが、国が示す基準に合致していない設置箇所は何カ所と認識されていますか。
 今のご答弁に合わせまして、気象庁、これがまさにガイドブック的なものを自治体に対して示しておりますね。その中には木や建物との高さとの距離感、あるいは風の影響をあまり受けないように設置しなければいけないとか、水の跳ね返りというものが極力起こらないように設置の仕方いくつか示されております。で私が気になっているのは、そうした国が適切な設置ということで示した基準といいますか、これにどの程度金沢市の雨量計が適合しているんだろうかということへの見解をお答えいただきたいと思います。

川島土木局長:気象庁の気象観測ガイドブックでは浸水しそうな場所を避け、樹木や建物からできるだけ離すとともに、建物・屋上では屋上の端から離して設置するということとされておりまして、本市の雨量計は合致しているものと考えております。ただし、周辺の樹木の生育等により観測に支障が生じる場合もございますので、定期的に周辺状況を確認し、必要に応じ樹木の剪定など適切に対応してまいりたいと考えております。以上です。

③森:適合しているというふうにご答弁なさったんですが、私はちょっと納得いかないんです。それで、最近といいますか、大道割にある雨量計、これを移設をするという方向性を確認なさったということなんですけれども、これはどういう理由から移設をする予定になったんでしょうか。

川島土木局長:施設の老朽化でございましたり、周辺の状況など勘案いたしまして、より観測に合致しやすい場所に移設するということを検討しているところでございます。

森:私、内水整備課にお願いして市役所の屋上の雨量計を見させていただきました。確かに気象庁の示している建物の屋上の縁から3.5メートルから4メートルぐらい離れたところ、そこは滅多に人は来ませんから柵などもありませんでしたが、あれが適切な設置の仕方の一つの形なのではないかと思います。それから気象台のところにある雨量計、これも見てまいりましたけれども、かなり広い平面スペースに設置をされていて高さもどうでしょうか、1.5メートルぐらい地上から離れた場所という設置の仕方ではないかと。
 こういうものが、そのいわゆる標準の設置だと思うんですね。それからすると長土塀の中央公民館(体育館の間違い)の軒下のようなところに設置していましたり、いろんなちょっとあれっというような設置箇所がずいぶん見受けられました。それは不適切じゃないのかというのが市民のご提言なんですね。ですからそういう意味でもう一度見直していただいて、より適切な設置に向けてより改善していただけないかと思うのですが、再度ご答弁をお願いします。

川島土木局長:本市ではこれまで気象庁のガイドブックに沿って設置した雨量計の保守点検・周辺状況の確認を行うことで、市民の方々に降水量の情報を瞬時に提供するための適正な数値の把握に努めて参りたいと考えています。なお、雨量計の数値等に異常、周辺の状況に異常等があれば速やかに対処していきます。以上でございます。