地域に遺す戦争体験

地域に遺す戦争体験

豊川海軍工廠殉難乙女の像(平和祈念像) 追悼のつどい

 昨日6日は広島原爆記念日。ロシア・ウクライナ戦争は、核抑止論を台頭させるも、究極においては核抑止は虚構に過ぎないことを想起させている。虚構の神話から抜け出し核廃絶という絶対的平和を選び取ろう。広島からのメッセージは、そう伝わってきます。

 今日7日、今年も卯辰山相撲場上部建つ豊川海軍工廠殉難乙女の像で、追悼のつどいに参列しました。

 97歳の生存者西村八重子さんは、今年も山道を自力で登って来られた。数日前にも一人でやってきて、爆死した若き工女の霊に、また会いに来るからねと挨拶されたそうです。

 その八重子さんは、宿舎の空襲で自分だけ生き残ったことを申し訳ないとよく口にされます。生存者が口にする言葉ですが、仲間は生きたかったろうとの深い悲しみの念が消えません。その白紙徴用の工女たちの寮は、兵器工場のすぐ隣だったそうです。標的に隣り合わせの若い命。戦争遂行の無情が招いた尊い命の犠牲です。

 軍事力増強による安全保障論が、改憲をも声高に叫んでいる昨今ですが、この歴史の結末が私たちに教えてくれることは、あまりに大きいのです。

 愚かな戦争に同意せず、平和思想を醸成していくには、この殉難乙女の像を将来にわたって継承していかねばなりません。

 金沢市には、文化財保存活用計画に位置付け、公的に支援する取組みを求めています。その道も半ばです。

 

    昨日は、大東亜聖戦大碑の撤去を求める集会も開きました。 

 右翼思想の研究者斎藤正美さんの講演を受けました。
        演題「国家主義者らの標的と『男女二元的な性別秩序と伝統的な家族』概念」

 旧統一教会など宗教右派が狙う国家主義による社会変革は、家族の中の男女秩序を復活させることに執拗な精力を注いでいるといいます。

 私たちは、個人の尊厳を基礎に、平たい対等の関係を結んで、民主的な社会を築くことで平和を創り出したい。その方向への私たちの意識改革も必要と改めて考えさせられました。