少数否決はされたが・・6月定例月議会終了

 金沢市議会6月定例月議会は、昨日7月3日で終了した。市長提出の補正予算案を賛成多数で可決して、請願と議会議案である国への意見書案の採決に入った。

6月定例月議会閉会記事

 請願では、戦争をさせない石川の会が提出し、共産党会派が紹介議員になった安保法制案の撤回を求める意見書採択を求める請願。私たちみらい金沢は、会派として統一態度をとるに至らず、私と山本議員のみが賛成に回り、採決では共産と私たちのみの賛成少数で否決された。

安保意見書 意見書案では、地元紙でも提出時に報道された「安全保障法制の慎重審議を求める意見書」。会派で長時間かけた議論から、表題は慎重審議だが、末尾に「今国会における採決を行わないことを求めるとともに、広く国民的議論を保障しながら慎重かつ丁寧に進めるよう強く求める。」との文言を加え、単なる時間的慎重審議ではなく、本来は撤回出直しすべきとのニュアンスを盛り込んだ。これには、共産党会派の議員に加え、熊野議員、元校長の小阪議員が同調したが、これも賛成少数で否決された。
少人数学級意見書 少人数学級の推進と教育予算の拡充を求める意見書は、今年も全会一致で採択されたが、共産党会派と調整した「雇用の安定を求める意見書」は、労働者派遣法改正、解雇の金銭解決制度導入、残業代ゼロ制度導入に反対する内容で、他会派の賛同が全く得られず少数否決された。

    これが金沢市議会の状況だ。しかし、否決はされたが、今議会では、国政の重要案件にはきちんと意思表明しようという会派内のコンセンサスがとれたことを評価したい。そして議会の外での市民の運動に連帯連携する一貫性を保つことができた。この夏、街頭での闘いが再開される。

 もう一点触れておきたいのは、採択された「適正な主権者教育の実施に関する意見書」への反対だ。
 選挙権年齢が18歳からに引き下げられたことを受けて、いわゆる主権者教育の重要性が指摘されている。ところが、この意見書案には、「生徒が偏った政治思想に影響されないよう、政治的中立の確保が重要な課題となっている」との一文が書かれている。この「政治的中立」を求める意見書は、戦後自民党が「政治的中立」の名で教職員組合等の自主編成教育実践や平和人権教育を弾圧してきた論理そのものである。日本の青年の政治的素養を育てる市民教育を著しく抑制させてきた考え方に他ならない。これは、改憲国民投票において、公務員の運動を禁止しようとする考え方にも通じている。
 今、推進すべきは、政治的批判力・判断力を身につけられる主権者教育であり、殊更に「偏向是正」や「中立」を強調して実質的に抑制することではない。物差しがずれているのである。意見書の調整段階で何度も会派の議員総会を開き、提出者の金沢保守議員会に修正を求めてきたが、最終的に否決に回らざるを得なかった。

 本会議終了後に、政務活動費等に関する検討会の最初の会合を行った。議員のお金に関わるテーマには、マスコミがよく集まる。テレビカメラも数社やってきて、閉会後座長である私をインタビューで取り囲んだ。
 議員の資質は厳しく問われて良い。しかし、議員は有権者の付託に応え、代弁する役割だ。その代弁力、志ある有為な担い手が政治の場に飛び出してこられるように条件を整えることも、市民の負託に応えることだと私は考えている。だから、安易に世論に迎合してはならない。市民の厳しい視線を意識し襟を正しながら、言うべきことも表明して、共同作業である地方自治の力を高めたい。第4の課題に「制度的課題の検討」を加えたのもその思いからだ。これらの考え方については、議長とも一致している。
 私はそう考えて、検討会でもインタビューでも発言を一貫させていく。それにしても、議会基本条例制定でもそうだったが、難しい役回りが私にはやってくる・・な。苦笑