放つ光彩に心開かれ KANTA&KAEDE作品展

放つ光彩に心開かれ

 新任校での先輩から誘いがあり、北陸中日新聞ビルで開催中のKANTA&KAEDE作品展に参加した。自閉症の兄妹が巧まずして生み出したアート作品が、金沢アートディレクターズクラブ(ADC)の協力で眼を見張るアート空間になり、観る者の心に、柔らかで温かい光を照射している。
画像では伝わりきれないと思うが、想像してみてほしい。

 子育ての戸惑いから、障がいを特性ではなく二つとして同じではない個性、多様性として認められ、互いが尊重される社会へと願うオッペケ母さんこと輪島満貴子さん。アートの持続可能性を発信して社会的な価値観を揺り動かしたいと金沢アートディレクターズクラブの橋本謙次郎さん。いずれも、今後の展開に眼をやりながら、行政とのパートナーシップの在り方を模索している。
 ポレポレ造形活動から様々に学んできた者としては、輪島さんちの兄妹をはじめユニークな価値創造は、人々が触れ、異なる価値を受け入れ、文化的価値観を多面化させる社会の力になっていくことを確信する。
その道のりを公共がどう支えていくのか、体感した私に生じた責任をも自覚するひとときでもあった。