新竪町公民館まちづくり勉強会

歴史的・文化的景観の深い価値

 11月28日、新竪町公民館がまちづくり勉強会をスタートさせた。その第一回は「新竪町校下の文化的景観を知ろう」と設定された。第二庁舎を繋ぐ上空通路計画に、景観破壊を見て取った地域住民有志が大きな一石を投じたことがきっかけだ。
 歴史的景観として残されてきた惣構の遺構が如何なる価値を持つのか、住民が認識しておく必要がある。これが公民館長の課題意識だ。これなくして、市の施策を評価できないからだ。

1-2 講師は、上空通路案に強く異議を唱えた景観審議会委員でもある民俗学者小林忠雄さん。先生から、惣構えに代表される金沢城下まちの形成過程が絵図を詳しく見ながら解説された。まちの骨格は、今に通じ、京都に匹敵し江戸に先んじると。その起点は一向一揆の金沢御堂にあり、お抱え武士団を場内に住まわせ、町人が街道を闊歩していた。惣構のルーツは、寺内町を守る土塁、石垣に見出せるのだ。
2 また、藩制期の町家の屋根瓦の色彩と生産地の関連、石置きやねの融雪機能、コバふき職人の金石・宮ノ越との地縁… まち形成の歴史は、興味が尽きない。壊したら取り返しがつかない500年間かかって造られてきた景観なのである。私も、極めて重く深い価値を持つことをより得心することができた。

 

 会場では、当初予定だった市総務課が、市長の方針転換で説明を断ってきたことに憤りの声が上がった。あまりに無責任ではないかと。その意見を聴きながら、やはり議会の責任も問われていると考えずにはいられなかった。それは、市民の側に立った真摯な反省と市民の共有財産に相応しい庁舎の在り方を深めていく議論ではないかと思う。

山岸 淑子山岸 淑子 昨夜大変意義ある勉強会に参加いたしました。参加住民からは迷走第2庁舎問題責任を問う意見、行政の街づくりにたいする疑問など、真剣に問う意見が出ました。しかし、今朝の朝刊、金沢市第2庁舎問題「山野市長・一問一答」での取材のやりとりの記事からは、市長としての当事者意識を感じさせる発言が読み取れず、他人事のような発言に思えた。毎日登庁され、我々以上に情報が入るお立場のはずなのに・・・週に1回ほど登庁していた、もと東京都知事のような発言では困りますね。昨夜の民俗学者小林忠雄先生のお話から、金沢市民は「観光都市」である前に、京都に次ぐ「歴史都市」であることに誇りをもち、まちづくりを共有する大切さを学ばせていただきました。このことから議員諸氏、当局共にぜひ歴史から学び、緊張するなかで、第2庁舎構想はじめ、その他のまちづくりにあたりじっくり時間を掛けて取り組んでいただきたい。そして新竪町公民館での勉強会、諸活動にあらためて感謝申し上げます。

森 かずとし森 かずとし お疲れ様でした。お陰様で私の認識も深まりました。心して取り組んでいかねば。