2019年3月定例月議会報告

前任期最後の定例月当初議会の質問を報告する。選挙期間を挟み、遅ればせながらの投稿となるが、ご高覧のほどをお願いしたい。

 

金沢市議会 2019年3月定例月議会(2019年3月13日)
              森 一敏 一般質問(一問一答)
                 ー動画配信はこちらからー

1.宿泊税の施行に関して
(1)事業予算案について
(2)宿泊事業者の包括的な危機感について
(3)導入環境の見極めと見直しについて
2.第2次交通戦略の進捗について
3.学校の長時間労働と人手不足の解消について
4.市民のつぶやきから 
   「フェアトレードタウン」のすすめ 

最終常任委員会(市民福祉)を終えて 

昨日の一般質問を地元紙はこう伝えた
  宿泊税への危機感
  学校の働き方改革
  学力テスト自校採点取りやめ

                                    

【一般質問(一問一答)】
1.宿泊税の施行に関して
(1)事業予算案について

森:みらい金沢の一員として、以下ご質問させていただきます。早速質問に入りたいと思います。
 まず第一は、宿泊税の施行に関して、ご質問いたします。まず、事業予算案です。
 6億6千万円の税収を見込む宿泊税の予算案が、提案されております。「市民生活と調和した持続可能な観光の振興」の総事業規模は、9億1400万円余。ここに一般財源として、投入されるものと受け止めております。特定財源である宿泊税財源は、税法の原則に従い、一般財源とは区別し、特別会計や基金を創設して、明瞭に位置付けるべきではないんでしょうか。また、上記事業費に占める宿泊税の割合は、約72%程度となっておりますが、この使途への充当割合と税額はどのような根拠で算定されたのか、併せてお伺いいたします。

山野市長:法定外目的税であります宿泊税は、その使途を明確にしなければなりません。え~、そういうことから、条例で基本的な考え方を明記するとともに、活用策につきましては事前に概要を議会にお示しをしながら、議論を重ね、明年度予算の中で活用策をとりまとめたものであります。仰せの宿泊税に特化した特別会計や基金の設置につきましては、先行自治体においても例がありません。本市としては、本市としても、考えてはいないところであります。
 なお、宿泊税を有効に活用していきたいという思いから、国庫補助金等の特定財源が活用できる場合は財源として、充当しているものであり、その結果として宿泊税の充当割合に特段の意味はないということをご理解をいただきたいと思ってます。
 一方、200円、500円という税率の設定につきましては、あ~、「北陸新幹線開業による影響検証会議」からも「京都市の制度を基本に検討する必要がある」というご提言もいただきました。あ~、京都市は、東京都や大阪府と違いまして、金沢と同じ問題意識、市民生活の影響にも配慮した形で活用していきたいという思いを持っていらっしゃる。そんなことからもやはり、京都市の制度を参考にさしていただきました。あ~、宿泊事業者のご意見やご要望を踏まえたうえで、現在の簡素でわかりやすい制度といたしましたこともご理解をいただければと思います。

森:さて、示された歳出予算案ですが、やはり宿泊税の課税が、一般財源の振り替えであると。このことは否めないんではないでしょうか。これら使途と既存の、例えば地域経済の振興の中の誘客推進、あるいは受け入れ環境の充実強化、あるいは本物の文化の継承発信、まあ、等々、との関係は納税者や市民に判然としないと思います。消費税や入湯税との重複課税との批判がある中、どのようにこれらの使途の正当性を説明なさるんでしょうか。

山野市長:あの~、私はこれまでもこの本会議でも何度も申し上げておりますけれども、何と言っても、金沢にいらっしゃる方は、いい日常を求めていらっしゃると思っています。金沢の日常生活に磨きをかける、金沢の個性に磨きをかけるということが一義的な施策であり、そのことが観光施策に大いに寄与するものだというふうに思ってますし、宿泊税もそういうことを常に念頭において取り組んでいかなければならないというふうに思いますし、そのことについては、皆さん方のご理解をいただけるものだというふうに思っています。あの~、宿泊税は、消費税や入湯税の例を出して、重複課税ではないかということでありましたけれども、お~、それらとは目的も課税客体も異なるものであり、ご指摘の重複課税にはあたりません。え~、すでに先行自治体も導入もされていらっしゃいます。今、報道等でご存知かと思いますけど、多くの自治体でも今議論をされています。全国知事会においても、法制化についての今議論がなされてということも報道で触れられているところでありますので、え~、重複課税にはならないということをご理解をいただければと思います。

森:え~、全国知事会で法制化の動き、まあ、これ、私も知っているわけですけれども、え~、まあそういう方向性で新しい財源を確保しようという動きがある中で、それが税の原則からやっぱり逸脱するんじゃないかという意見があるということは、この間申し上げてきましたので、私は改めて、まあ、そのことを指摘しておきたいと思っております。で、まあ、いろいろと何度も何度もご質問の中でご答弁いただいてきましたから、今日の段階に至りましてもね、法定外目的税という形はとってるけれども、新たな一般財源を宿泊税において確保していると。このような構図にやっぱり見えて仕方がないんですね。これが税の本来の原則に照らして、どうなのかと。まあ、この問題がまだ払拭できていないということを、私申し上げておきたいと思います。

(2)宿泊事業者の包括的な危機感について

森: 続きまして、宿泊事業者の包括的な危機感について、これについてご質問いたします。
  まず、京都の簡易宿所連盟が、この2月に宿泊税に関する調査第一回報告書を公表しました。私も持っております。最も注目すべきは、厳しい市場環境と値下げ競争のため、四割で実質、宿が税を自己負担、税額に対して、アジアからの客、特に長期滞在者に不満が多く、京都市での宿泊者減少のリスクが既に顕在化している。既に外国人旅行者の京都離れが一部で起こっている。宿泊客の大阪への流出により京都経済への影響は無視できなくなるとの実態報告内容になっております。先行自治体で悪影響はないと、お~、聞いていないと答えてこられた山野市長に、この調査結果をどう受け止めるか、さらには対応策はあるのか、お伺いします。

山野市長:あの~、その資料を私も拝見もさせていただきました。京都に知り合いもいます。確認もいたしました。あ~、京都簡易宿所連盟、まあ、概ね、え、宿泊税に対して批判的な方たちが作られてる会だということもお聞きをいたしました。回答数が五十件ということもお聞きをいたしました。京都は月ごとに簡易宿泊所が増えていまして、現在三千弱、二千八百五十一施設、今、手元にある資料では、そのうちの五十件の皆さんのご意見であります。私は少数意見であったとしても、ご意見は尊重をしなければいけないというふうに思っています。ただ、あ~、ただ、こういう議会であり、オフィシャルな場で、エビデンスとして議論をするということに対しては、少し慎重にあるべきではないかというふうに思っています。ただ、少数意見であったとしても、他の自治体のご意見であったとしても、参考にすべきところは参考にしながら取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。本市といたしましては、宿泊事業者が、宿泊税を実質的に負担することのないように、宿泊者への周知や宿泊事業者への支援に努めていくことによりましてご理解をいただけるように引き続き、努力を重ねて参りたいと考えています。

森:え~、市長はこのデータ、エビデンス性はまだ持ち得ないと。まあ、そのように捉えている。私も、これで全てを語れるというデータではないと思いますよ、もちろん。だけども、これから発生していくリスクというものを予見して、それに対して、現在の制度を導入して運用していってはたしていいのかということに対しては、これは非常に重要な一つのシグナルを持っている。そういうデータだと、私は受け止めるべきだと思います。その意味で今回質問で取り上げているわけです。そのようにご理解下さい。で、これらがひとつの、今後予見される、発生する可能性のある、こういう実態のシグナルだということであれば、これは事業者さんにとっては、大変死活的な意味があると思いますね。改めて、対応策をお伺いします。

山野市長:あの、申し訳ない、質問の意図がよく理解できませんでしたけれども、お~、少数事業者であったとしても、私は真摯に耳を傾けるべきだというふうに思っていますし、そうしてきたつもりでいますし、そのことによって取らなければいけない手立てというものはしっかりとっていかなければいけないという、そんな思いで取り組んでいます。   

森:ですから、対応策はあるんですかということを、対応策は何ですかということを伺っているわけです。

山野市長:あの~、丁寧な説明を繰り返すことによって、また、ご意見をお聞きする中で、活用策等々を図っていくことが対応策だというふうに理解をしています。引き続き、引き続き、ご意見をお聞きしながら、丁寧な対応に努めて参りたいと考えています。、

森:今、対応策ということを伺ったわけですけれど、まあ、それは今回の予算事業というものが、対応策だと。先ほど、野本議員が質問なさった、その答弁の中に、おそらくその意図が込められているんだろうというふうには解釈しておりますけれども、もうちょっと具体的にね、この間指摘をされてきた問題で言うと、例えば、京都の簡易宿所連盟の調査結果では、特にアジア、海外からからのお客さん。これに非常に批判が高い。これ六百数十人のアンケートをとっていますね。ですから、海外からの誘客というものに、これ、影響を与える可能性が非常にあるということですね。簡易宿所を経営されている事業者の方からは、これまでに例えば海外の旅行者、あるいは紹介サイト、ここへの事前周知、これをちゃんとやってほしいと。これどこまで進んでいるんですかということが問われてます。それから、海外旅行者がやってきたときの対応マニュアル、特に受付でトラブルが起こることを非常に危惧している。そこで説明が理解されていかなけりゃなりませんから。その対応マニュアルというものは既に示されてきたんでしょうかね、事業者に対して。もし示されているとすれば、いつ示されたのか。これ、ちょっと、伺っておきたいと思います。お答えできるでしょうか、どうですか。

山野市長:あの~、発言通告にありませんからお答えできません。

森:あの~、宿泊事業者がリスクのあるということをずっと申したてておられるわけですから、その辺に対する対策はあるのかということを、私聞いているから、発言通告してないということはあたりません。

山野市長:あの~、いろんなご意見に対しては真摯にお答えするのは、それ、当然のことだというふうに思っています。

森:次いきます。12月定例月議会での私の質問に、山野市長は「ホテルの料金徴収システムについては、システム事業者が、先般、京都市の宿泊税に対応した改修プログラムを開発したと聞くと。本市においても基本的には多額の費用をかけずに同様の改修を行うことができるものと考えている。」と答えておられますが、現段階でそのような運用の状況にはありません。人数把握も困難な上、システム改修が仮に可能となっても、場合によっては、過大な設備投資に加え、料金プランの変更までが強いられると、事業者は無理な導入は延期するよう、切実に求め続けているわけです。改めて、市長の認識を、このことについての市長の認識を伺うとともに、特別徴収事務支援交付金で、これらの問題に対応できるのか、認識を伺います。

山野市長:え~、特別徴収事務交付金は、あ~、宿泊税の納期内納入額の2.5%を交付することとしています。制度導入後5年間は、これを3%に増額するほか、月額一千円を加算することとしており、宿泊税にかかる様々な対応に活かせるものというふうに考えています。なお、この月額一千円の加算ですけれども、制度導入時における申告書作成、金融機関への宿泊税の納入にかかわる事務負担を考慮して、本市独自に設けたものであり、先行自治体よりも手厚い制度となっていますことをご理解下さい。

森:私が12月にご質問をしたことに対する答弁に関することなので、システム上、宿泊税の徴収、特別徴収、これがシステム上、本当に可能な状態で4月1日が迎えられるんですかっていう、その認識を、私伺っているんです。これは、どうですか。

山野市長:繰り返しになりますけれども、特別徴収事務交付金は、宿泊税の納期内納付額の2.5%を交付することとしています。その制度導入後5年間は3%ということを申し上げました。あ、月額千円を加算することにより、様々な対応に活かせるものだというふうに考えています。

森:その、交付金というものによって、これは、まあ、料金徴収システムですから、ラブホテルということになりますけれど、そこの経営リスクというものをカバーしきれるとは、私はとても思えないんですね。で、そのように事業者側も受け止めていらっしゃるわけです。ですから、このようなシステムに関わる問題が、まだ未解決の状態で導入に入っていくということは非常に問題が大きんじゃないかと。私はそのように考えているわけです。で、人数の把握も困難だということを私申し上げました。正しく人数を知ることができず、結果的に過少申告であれば、脱税と金沢市より疑われる。過大徴収であれば、使用客から詐欺と疑われる。どちらになれども、ラブホテル経営者は告発されやすいリスクが背負い込まされるんだと。まあ、こんな切実なお言葉が私に届いているんですね。こういう主張に対してどんなふうにご説明できますでしょうか。

山野市長:あの~、個別のご意見につきましても、丁寧に対応をすることによって、ご理解をいただけるように取り組んでいるところであります。

森:一年以上、この問題は解決できていない問題ですね。これに事務支援交付金ですかね、これを、昨日のご答弁でいうと、特別徴収義務者としての登録申請した人だけ、その理由もおっしゃいましたけど、私は、これ、信賞必罰、アメムチと、こういふうに言葉変えたいと思います。信賞必罰って、必ずしも悪いことでありません。これ師弟関係ではそういうこともあるでしょう。だけど、市当局と市民は対等ですよ。対等の関係において、信賞必罰とか、アメムチということで、事業を進めるということは、これは避けなきゃならないと思います。そういう問題を、これ、はらんでいると。大変残念に私思います。やはり、4月1日の導入、少なくとも、この徴収システムに課題を抱えたまま、その業者さんが対応に追われるということにならないような配慮というものが、私は必要だと思います。そのことは求めておきます。これは答弁、今、要りません。

(3)導入環境の見極めと見直しについて

 三番目いきます。導入環境の見極めと見直しについてです。
 まず、金沢の状況に目を向けると、新規ホテル等の進出により、まあ先ほどのお話ありましたとおりです、一万一千室を超えるレベルへと客室が増加する一方で、宿泊客の減少が見られますね。客室稼働率は低下していると聞いております。宿泊税の導入は、10月予定の消費税引き上げと相まって、客離れによる値引き競争から、宿泊事業者に深刻なダメージをもたらすとの見方が広がっております。改めて、導入時期の慎重な再検討を求めますが、いかがでしょうか。

山野市長:あの~、これまで述べてきた通り、先行自治体におきましても、宿泊税の導入により、宿泊客減少はなかったというふうに思っておりますし、慎重に考えてもそういうことは、私はあり得ないというふうに思っています。いただいた税を有効に使うことによって、さらに金沢の魅力に磨きをかけることによって、より多くの方がお越しいただける、そんな風に使っていきたいと。そうすることによってご理解をいただけるようにこれからも取り組んでまいりたいと考えています。

森:え~、昨日出た地元の報道によりましたら、北陸三県全体として、やはり、宿泊客が減少ていると。ちなみに京都と大阪の関係を見てみましたら、大阪は大幅に増えて、京都が減少していると。まあ、こういうデータも示されております。本当にこのまんま突っ込んでいって、本当によろしいんでしょうか。私は非常に懸念を感じております。京都のこの簡易宿所連盟の、この調査報告は貴重な警鐘として、受け取るべきだと思います。市長は何度も先行自治体とおっしゃるんですけれども、先行自治体の実績というものを、それなりにそれとして受け止めることができるものというのが、東京、大阪だと思うんですね。東京、大阪は非課税価格帯があるんですよ。ですから、規模の小さい事業者の影響ってのは、あまり発生しない課税方式をとってるんです。規模の大小にかかわらず、あまねく課税するという形式は、京都が初めてなんですよ。その京都で中小が非常に経営リスクの兆しをひしひし感じているということなんですよ。これは軽視すべきでありません。実施を私は再検討してもらいたいと思っておりますけれど、少なくとも、制度の見直し、これについての考え方は明確していただきたいと思います。私は少しでもはやく見直しに着手をするということを表明をしていただく必要があると思っておりますが、いかがでしょうか。

山野市長:あの、宿泊税につきましては、あ、条例の附則におきまして、5年ごとに検討を加え、所用の措置を講じるというふうにしています。検討にあたりましては、条例の施行状況や社会経済情勢の変化、宿泊税を活用した施策の効果などを見極めるため、一定の期間経過が必要なことから条例に規定された5年ごとが適当だというふうに考えています。ただ、検討の際には、その時点での状況や課題等を踏まえ、適切な体制を構築していかなければいけないというふうに思ってます。なお、国の税制改正等々が行われたり、また大きな社会情勢の変化があった場合には、その時点で当然見直しも検討しなければいけないというふうに考えています。

森:特に影響が懸念されるのは、規模の小さい事業者です。ですから、世界情勢云々ということもありますけれども、当然、世界情勢の変化によって、海外からのお客さんが大幅に減少するということも、当然起こる可能性があります。それから、あってはなりませんが、経営危機の連鎖みたいなものが発生するとか、こりゃ、ローカルであってもですね、そういうものはしっかりと見直しの一つの条件として、当然念頭においときゃなかいけないと、私は思います。で、モデルにした京都は、一年半で見直すんですよ。これは議会で付帯決議があげられたということの結果ですけれども、私はモデルとするならば、京都の見直しというものを範にすべきではないかと思いますし、その時に中小の現場の事業者の声がちゃんと反映できるような仕組みにすると、そのことを私は改めて求めますが、もう一度、ご所見お願いします。

山野市長:あの~、様々な施策、私は検討する際には、やはり、一定の期間というものが必要になってきます。ごみ収集のことについても、そうであります。少なくとも、一年ということは申し上げてきましたけれども、天候によって影響をします。今しばらく様子を見させてほしいということも申し上げています。私はこの宿泊税もそうだというふうに思っています。拙速な変更を加えることは、かえって、事業者に負担、また不安を抱かせることになるというふうに思っています。やはり、一定の期間、5年がめどだというふうに思っています。ただ、今森議員ご指摘ありましたように、大きな社会情勢の変化が起こりうるかもしれません。今、全国知事会で法制化に向けての議論がなされています。国の方で、それを受け止めて法制化ということに取り組むかもしれません。その段階ではすみやかに対応しなければいけないというふうに思ってます。

森:消費税と宿泊税の違い、ま、全国知事会が全都道府県で一斉にやりますよと。仮にそういう話になれば、金沢で導入しようとしている宿泊税に起因する問題のどれだけかは、払拭されるでしょう。金沢だけが導入するから、問題が生まれるという面。これ、申し上げておきたいと思います。

2.第2次交通戦略の進捗について

森:二点目、第二次交通戦略の進捗について伺います。2016年4月から適用が始まった金沢市第二次交通戦略は来年度2022年3月までの7年間の行動計画の中間年にさしかかります。全市域における市民の移動権を保障し、街の活性化と福祉の増進を支える都市の装置として、体系的な交通街づくりは時代の要請であるとの考えに立って、以下お尋ねします。
 まずは、新交通システム導入検討に関する3年間の取り組みの進捗をどう評価しておられますか。その上で、来年度の連接バス走行実験、金沢駅東西接続ルートやバス路線再編などの検討調査はどのような位置づけと内容で行われるのか、伺います。

山野市長:え~、検討委員会からの提言で示された様々な課題の解決に向けまして、都心軸におけるバス専用レーン時間帯拡大実験、イベントフォーラム等の開催を通し、公共交通の利用促進に努めたところであります。今年度実施しましたモニタリング調査では、第二次金沢交通戦略の数値目標である公共交通の利用率が増加をし、街中の自動車分担率が減少するなど、公共交通に対する意識は高まりつつあるというふうに認識しています。また、交通シミュレーションや平面計画(?)の検討など導入機種の選定に必要な技術的検討を進めてきたところであり、事業は着実に進捗しているというふうに思っています。
 連接バスのことについてですけれども、バスの輸送力を高めることにより、現在も時間帯によっては見られます、乗りこぼしを解消できればと思っています。運転手不足の解消にもつなげていきたいと思っています。交通事業者と共同し、カーフリーデーのイベントに合わせ、実施するもので、実験を通じ、道路走行上の課題や効果を把握していきたいと考えています。また、う~ん、新しい交通システムの導入の選定に必要となってきます金沢駅の東西を結ぶルートなど技術的な検討を深めると共に、バス路線再編による公共交通ネットワークの充実について、事業者と検討を進めていきたいと考えています。

森:え~、これ、あの、複数答弁なさっておられますので、これ以上、私は伺うことをいたしません。で、今のご答弁の最後に「交通事業者と」というご答弁ありました。私は、民間の交通事業者と意見を交わす機会があるんですけれども、本市の新交通システムを含む交通戦略への積極的な賛意は未だ聞かれないんですね。交通事業者との意思疎通は、現段階でどの程度はかられ、何が課題となっているか、伺うとともに、今後の取り組みへの市長の決意をお聞きします。

山野市長:あの~、交通事業者と定期的に協議の場を設けることにより、二次交通の充実であったり、また、ラモーダ前のバス停のことについても、いろいろとご意見をいただいたところであります。同じ思いを持って取り組んでいます。あの、交通システムを変えてくという場合には、あ、バス路線網の再編という大きな、大きな仕事にもなってきますので、明年度、交通事業者と協議を進めていきたいというふうに考えています。引き続き、交通事業者と連携・協力体制を強化しながら、郊外におけるバス利用の促進に取り組み、交通ネットワークの充実に努めてまいります。

森:え、バス路線の再編成、大変重要なテーマだと、私も思っています。で、ま、過渡期であってくれればいいなと思いますけれども、いわゆる不採算になる、あるいは収益性が薄い路線に、新たな路線をつくるとか、あるいは、便数を増やすとか、ま、そういうことによって利便性を高めて乗っていただけるようにすると。当然、こういう考え方あると思うんですけど。その場合には、その収支不足というものを公的に支えていくというような考え方も必要になってくるんじゃないかなと思うんですけれど、広い意味で言うと、上下分離に近いようなもんですね。そこまで踏み込んでいくというような姿勢が私は必要だと思っているんですが、そのあたりについての協議っていうものは既に始まっているんでしょうか。

山野市長:あの~、様々な場面で交通事業者と意見交換をしているところであります。都心軸だけではなく、沿線のことについても議論を深めていますし、さらにいっそう議論を深めることによって、市民の皆さんの公共交通の利便性を高めていきたいと考えています。

3.学校の長時間労働と人手不足の解消について

森:それでは、三番目。学校の長時間労働と人手不足の解消について伺います。学校が壊れるとまで評される教職員の過労死ラインを超えた長時間勤務が常態化する学校現場。これを打開し、教職員が心身ともに健康で子どもと向き合える環境を整えるために学校の働き方改革がスタートしました。まず、その元年となった今年度の取り組みを野口教育長はどう評価しておられるのか、お尋ねします。

野口教育長:まさに、議員のおっしゃたとおり、え~、今年は働き方改革元年、学校における元年だと認識しております。あの、今年度、え~、4月から、今年ですね、4月から12月までの教職員の時間外勤務時間につきましては、昨年度同時期と比較をして小学校で5.3%、え、中学校で12.8%減少しております。え、これは、えー、学校閉庁日の設定や部活動休業日の拡充、また、学校での取り組みなど、取り組み方針に掲げる具体の取り組みを着実に進めてきた成果であると考えています。ただ、一方で、長時間の過重業務とされる月80時間を超える教職員の割合をこれからさらに減らしていくこと。これがまさに課題であると考えております。

森:え、勤務時間の測定に表れる数字というのは確かに。ただ、これくらいの減り方でいいかという課題意識ももちろんあるわけですけども、それに表れない持ち帰り残業という問題が、やはり、逆にこれは増えているんじゃないかという現場実態なんかも伺っておるところです。こうした勤務時間の全体の縮減ということに向けて新たな課題設定というものは考えていらっしゃいますか。

野口教育長:あの~、今、えー、持ち帰り業務のことに触れられましたけれども、あの~、いろんなご意見をお伺いしてます。私も現場に入って、先生方とお話しをするんですが、あの~、私が聞いているところでは、まあ、私だからっていう部分もあるかもしれませんけれども、持ち帰りがそんなに、あの、減って、あの、減っては、あの、増えてはいませんよとか、それから、いや、前とあんまり、あの、変わりませんよとか、いろんな、あの~、声を、え~、聞いとります。やはり、あの、しっかりと、あの、こういった持ち帰りの時間が、やはり、それでも減らしていかないといけない。そのことをやっぱり、これからも認識しながら、え~、これから、また、ご質問あるかと思いますが、今、これからやるべきことをしっかりとやっていく。それから、もう一つ、県教育委員会で今、この調査を行われると聞いておりますので、その結果を見ながら、しっかりと教育委員会で対応していきたいと思っています。

森:次に、まあ、関連しますけれども、今年度着手された取り組みを来年度どのように充実強化されていくのか。また、新たな取り組む改革はどのように予算化されているのか。お答えください。

野口教育長:あの~、大変大事なことですので、少し丁寧に、説明をさしていただきたいと思います。あの~、明年度は教育委員会における会議、それから文書の一そうの縮減、校長のリーダーシップによる業務の平準化、部活指導員の配置拡充などを進めていくこととしています。なお、あの~、教育委員会におけるいろんな取り組みにつきましては、この、先の校長会議の方で、え~、各校長に伝えてございます。あわせて、え~、コミュニティスクールの中学校への拡大に向けて、推進会議を設置するほか、え~、事務の効率化や事務職員の資質向上の方策を検討するモデル事業を、え、行っていくこととしております。
 加えて、え~、職員が活用しております、パソコン等の推進環境が業務に多くの影響を及ぼしていることから、今年度は通信速度等の向上を図ったところであります。明年度におきましても、え、通信回線の拡大等によって、さらなる通信速度の改善を行うことといたしております。さらには、もう一つ、成績や出欠のデータを一元管理する統合型校務支援システムの導入につきまして、市町教育長連合会において、検討することなっておりますので、本市としてもその実現に向けて協力をしていきたいと考えております。

森:子どもたちを巻き込んで、点数と順位を競う、ストレスを蔓延させている学力調査。ま、これについては、この間、何度か問題提起をしてまいりました。この抜本的な見直し。これについてお考えはありませんか。

野口教育長:あの~、私も現場が長かったもんですから、特に、あの、学級担任をするときが長かったです。で、あの、年度当初はやはり、あの~、教員と子どもが、それから子どもどうしが理解し合える学級づくり、やっぱり、大事です。そのためにも、児童生徒と向き合う時間の確保が必要であると考えております。あわせて、え~、今年度より国からの採点結果の返却時期が早まったことや教職員の業務適正化を図る観点からも、次年度から4月に行っていた全国学力学習状況調査および県基礎学力調査の自校採点を実施しないことといたしました。以上です。

森:時間がないので、急いでおります。すみません。次は、この項最後ですが、学校現場の状況を見聞きするに、学校から人手不足、産休・育休、病休の代替講師が来なかったとの深刻な訴えがたくさん寄せられました。一週間を超えて、所定の代替講師が配置できなかったケースがどれだけあったのか、お伺いいたします。あわせて、その原因と対応策をどのようにお考えかもお聞かせ下さい。

野口教育長:え~、今年度、一週間を超えて、代替講師が配置できなかったのは、小中学校あわせて、欠員代替が一件、え~、産育休代替が七件、病休代替が十四件の合計二十二件でございました。え、代替講師は、え、県が配置するものではありますけれども、教職員の年齢構成の変化に伴いまして、産休や育児休業を取得する職員が増加していることや年度途中で配置するにあたり、条件に見合う講師候補者が少ないこと等より、一部に配置の遅れが生じている現状があります。引き続き、適切な時期に講師が配置されますよう、県に働きかけますとともに、本市としても協力していきたいと考えております。

森:え~、授業の持ちコマ時数が非常に多いという問題、これを、ね、定数改善によって、改善していかなきゃならないんですけど、今講師の配置が遅れることによって、さらに分担して授業を持つということで、やりくりをせざるを得ないという学校が、まあ、複数あると。この問題、学校に働きたいという、そういう若い人たちが増えるような環境をね、ぜひ、働き方改革を通じて、実現していただきたい。ま、このように申し添えておきます。

4.市民のつぶやきから 
   「フェアトレードタウン」のすすめ                                          

森:最後に市民のつぶやきから。フェアトレードタウンのすすめについてお伺いいたします。
  昨年夏に地元報道機関の招きで、金沢で講演した中部経済局の富吉賢一局長は「国連の持続可能な開発目標に関する取り組みで、金沢は北陸でその中心的な活動を担っている。」と評しました。この指摘で思い出されたのが、市民がつぶやいた「金沢市がもっとフェアトレードを支援してくれたらなあ」との言葉でした。フェアトレードは途上国で生産される農産物等を正当な価格で取引することで、生産者の生活向上や人の権利を守ることを目的とする活動です。奴隷的な労働、児童労働、貧困、環境破壊の上に成り立っていることへの問い返しから生まれてまいりました。山野市長にはフェアトレードをどう理解しておられるか、それから、併せて、このファエトレードを応援する街、フェアトレードタウン、これを私は、世界への交流拠点都市金沢として目指したら素敵だなと思うんですが、あ~、この二つの質問についてご所見を伺います。

山野市長:あの~、大へん大切な課題だと思ってますし、私事になりますけども、私や妻も時々そういうところで買い物をさしていただいてますし、いくつか経営者とも意見交換もさせていただているところであります。大切なテーマだというふうに思っています。あの~、フェアトレードタウンのことについてお尋ねがございました。あ~、様々な分野の人からなる推進組織の設立、個業や団体への支持層の拡大など、六つの基準を満たす必要があるということをお聞きをしています。あの、そういう活動に取り組む団体があることをよく理解をしておりますし、私は大変、大切なテーマだというふうに思っています。あの、異見交換をする場があれば、積極的に意見交換させていきたいというふうに思いますし、動向には大いに関心を持っていきたいと考えてます。(了)

◆最終常任委員会(市民福祉)を終えて 
 市民福祉常任委員会総括質疑。私が取り上げたのは、子どもの貧困対策基本計画に位置づけられた総合学習支援事業。小学生への学習支援を基軸にした子どもの居場所づくり事業を行う民間団体には、上限20万円を助成する。だが、ここには、学習支援を派生させてきたごども食堂が見えていない。
勉強を助けて欲しいのはニーズだが、食事の提供もまたニーズである。貧困連鎖を断つための福祉事業の基軸は、食にあると思う。ごども食堂の会場確保に苦労している市民団体にとり、施策の意味が理解されないと懸念する。居場所づくりを幅広く下支えする事業として展開するよう注文をつけた。

◆昨日の一般質問を地元紙はこう伝えた
  宿泊税への危機感
  学校の働き方改革
  学力テスト自校採点取りやめ