9月定例月議会 一般質問と答弁記録全文

9月定例月議会での一般質問と答弁の記録にたどり着いた。以下掲載して報告させて頂く。

 

◆9月定例月議会 一般質問と答弁記録     2016.9.16  森 一敏

                       ー動画はこちらから

1.津久井やまゆり園事件が投げかけているもの
1-2:この夏、相模原市の津久井やまゆり園で知的に障がいのある入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負わされるという許し難い事件が起こりました。理不尽にも命を絶たれた方々に深甚から哀悼の言葉を捧げます。心身に深い傷を受けた方々には、一日も早い回復と平穏な暮らしが戻るよう祈らずにはいられません。
 市長は、提案理由説明でこの事件に触れ、緊急通報体制整備に係る研修を実施し、障害者差別解消支援地域協議会などを開設して、権利擁護と虐待防止に向けた取り組みを強化するとされました。この事件を受けて改めて取り組みに込められた市長の思いを伺います。

山野市長:まずは、私の方からも今回の事件で犠牲になられた方々に。心からご冥福と負傷された方々の一日も早い回復を心より祈念を申し上げたい。議員時代から、障害のある方への施策については、格段に思いを持って取り組んできたつもりでいます。今回の事件はたいへん残念な事件だと思っていますし、二度とあってはならないことだと思っています。今般、提案説明の中でも申し上げましたが、緊急通報体制整備に係る研修を行うことにさせて頂いています。あってはならないことですけれども、万が一のことがあったときに緊急通報の体制を執っていかねばならないことを改めて感じさせて頂きました。また障害者差別解消支援地域協議会、これは障害者差別解消法の施行に当たりまして、一義的には、市職員がその意識を持って研修を行うと同時に、やはり地域全体にとっても大切なテーマであるので、金沢はコミュニティがしっかりしたまちでもありますので、支援協議会をつくらせて頂いて、意識を高めていくことができればと思っています。また、障害のある方の施設に携わっている方達にいろんな悩み思いがあるかとも思います。障害者基幹相談支援センターを通じまして、様々な施策のフォローアップに努めていかれればと考えています。

:事件により、障がいのある人や家族に、存在が否定される差別助長への怖れが強まったのに、政府の再発防止策は、国民の管理強化に傾斜し、問題の本質からそれています。
 容疑者が振りかざした「正義」とは、国家や社会に利益をもたらせない存在は不幸であり、安楽死させることは本人のため、国家社会の利益になるとされます。人間には優劣があり、劣ったものは存在価値がないと断定する考えです。断じて容認できませんが、しかし、ネット上で彼の言説に共感の投稿が多く発せられた事実や、出生前診断の結果で9割の妊婦が出産をあきらめたという調査結果もあることなどから、ナチス時代そして日本にも法律として存在していた優生思想が、これを差別と自覚できないまま社会の深層で引き継がれているように思えてなりません。
 言うまでもなく、他者を殺傷した者は、生涯をかけて罪を償わなければなりません。そのうえで、問題を個人の性向のみに矮小化するのではなく、ひょっとすると、私たちも容疑者の側にいるのではないかと自らを問う必要を感じます。
 共に生きるインクルーシヴな社会を目指し、障害者差別解消法を施行した年に事件が起こったことは極めて重く、社会全体で問題の根源を見つめ直さねばなりません。本市としても、個人の尊厳を軽視し、命の価値に優劣をつけるような誤った考えが潜んでいないか、障害のある人を社会から切り離すような施策になっていないか、あらゆる施策領域での検証を求めたいと思います。市長のお考えを伺います。

山野市長:今ほど森議員がおっしゃったことと全く同感です。当然、金沢市が行う施策はそうした差別がないことを前提にしておりますが、これも森議員がおっしゃって頂いたように、もしかしたら私たち自身も無意識のうちにそっちの側に立っているのではないかと常にその謙虚な思いを持たねばいけないと思っていますし、施策を遂行していくに当たっては、常にそのことに自問自答をしながら取り組んでいかなければならない、私もその思いを強く持っておりますし、職員とも改めてその思いを共有しながら取り組んで参ります。

:市長のお考えはたいへんよく理解できます。老婆心になりますけれども、どうしてもこの議場を通じて議員各位にも市民の皆様にもお伝えしたい。かつて金沢大学で教鞭を執られた福島智先生です。この方がこの事件に対して%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e6%8a%95%e7%a8%bf「障害者を襲った二重の殺人」というタイトルで投稿していらっしゃいます。この中で特に私は注目しなければならないと思いますのは、「今回被害に遭われたのは知的に重度の障害を持つ方々でありました。こうした無抵抗の障害者を殺すということは、二重の意味での殺人と考える。ひとつは生物学的殺人、もう一つは人間の尊厳や生存の意味そのものを優生思想によって否定する実存的殺人である。後者は被害者に止まらず、人々の思想、価値観、意識に浸透し、むしばみ、社会に広く波及するという意味で人の魂にとってコンピュータウイルスのような危険をはらむ大量殺人だと思う。」厳しい言葉です。「こうした思想や行動の源泉がどこにあるのかは定かではないけれども、今の日本を覆う、真珠佑主義的な人間観と無縁ではないだろう。経済的価値や能力で人間を序列化する社会、そこでは、重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない。しかしそれだけではない。生産性や労働能力に基づく人間の価値の序列化、人の存在意義を軽視否定する論理メカニズムは徐々に拡大し、最終的には大多数の人を覆い尽くすに違いない。極一握りの勝者、強者だけが報われる社会、既に事実上、日本も世界もその傾向にあるのではないか。すべての生存を軽視否定する思想。私たちの社会の底流にこうした思想を生み出す要因はないか真剣に考えたい。」こう自問自答されているわけですね。
    市長が答弁なさいました市が関係する施策の中にこうした問題意識を持って問い返し続けることはたいへん大事だと思います。もう一点、社会全体のメカニズムからくる思想的傾向、こういうものが底流にあるんじゃないか、これも考えなければいけない。その意味では地域社会とかあるいは経済社会に対して、市長として発すべきメッセージ、これもたいへん重要ではないかと思っているんですね。お考えはどうでしょうか。

山野市長:福島先生には私もご縁がありまして、一度だけですけれどもお会いをして意見交換もありましてたいへん感銘を持ったことを憶えています。今お読み頂いたものは申し訳ございませんが私は呼んでなかったんですが、今初めて森議員に教えて頂きました。機会がありましたら、私も読まさせて頂きたいと思っています。市長という立場ですから、影響力もあると思っています。地域の方はもちろん、経済界、当然議会の皆さんにも発言させて頂く機会がより多くありますので、今一度胸に刻みながら、言葉にしてお伝えするときにはどういう言葉にしてお伝えしていくのが適切なのかも含めて少し勉強させて頂ければと思います。

:私は、この議会で例えば統合保育のあり方とか或いは学校におけるエレベーターの設置とか、今は学校看護師の導入を求めているわけですが、それらも共通する施策上の課題ではないかと思っていますので、どうかよろしくお願い致します。

2.地域包括ケアシステムについて
22 地域包括ケアシステムは、「社会保障制度改革プログラム法」を受けて2014年に成立した医療・介護総合法が、団塊の世代が75歳を迎える2025年度までを視野に、構築を求めているものです。本市が策定した金沢市地域包括ケアシステム推進基本構想は、行動計画である「長寿安心プラン2015」の中で実施されていくものと認識しています。
(1)在宅医療と介護の連携について
:まず、高齢者を住み慣れた地域、在宅で支えるケアシステムは、医療と介護の切れ目のない連携が十分に確保される必要がありますが、そこにある課題をどう捉え、本市行政としてどのような役割を担っていこうとしているのかお聞かせ下さい。

山野市長:本市は病院や診療所の数も多くありまして、医師の数も比較的他都市と比べても多いのではないかと思っています。ただ、在宅診療を行う医師となりますと、まだまだ少ないとお聞きしているところでもあります。ご指摘ありましたように、医療と介護の連携、地域においての顔の見える関係ということが大きな課題であると思っています。医療や介護に関わる方たちが相互に連携し、相談をし、支援をし合える環境をつくっていくためにも、在宅医療介護連携支援センターを開設したいと思っています。金沢市医師会とも協力し、準備を進めているところでありまして、今後とも在宅医療と介護の円滑な連携を図っていくように取り組んで参ります。

(2)介護予防・日常生活支援総合事業の検討状況について
: さて、連動する2015年の介護保険法の改正で、要支援1、2に対する介護予防サービスが市町村が所管する新総合事業に移管されました。そこで、来年4月から実施される介護予防・日常生活支援総合事業の検討は、どのような進捗状況にあるのかお聞かせください。また、その財源はどう構成されるのかも伺います。

山野市長:今年5月に開催されました金沢市介護保険運営協議会におきまして、現在提供しているサービスに加えまして、一つには人員基準を緩和した利用者負担の少ないサービス、二つには生活機能の維持改善を図る短期集中サービスの提供が了承を頂いたところです。各サービスの内容や報酬単価、人員基準等につきましては、協議会に設置しました介護予防生活支援専門部会において検討を現在頂いているところであります。財源ですけれども、介護保険給付と変わらず、半分を保険料、後の半分を国県市で負担することになっています。

(3)介護報酬引き下げの影響について
:昨年の介護報酬改定で、処遇改善加算などを除いて介護報酬が4.48%引き下げられました。この影響で、2015年の事業所倒産は過去最多の66件、特にディなど通所・短期入所介護事業所の倒産は2倍増になったという全国調査データもあります。本市として、介護事業所への影響をどのように受け止めていますか。 

山野市長:現時点においてでありますけれども、その制度改正後に本市において倒産した事業所があるとは聞いてはいません。ただ、介護報酬改定を理由に、事業を廃止をしたという通所介護事業所が二カ所あったところであります。廃止の理由をお聞きしますと、介護報酬の問題だけではなくて、利用者不足等が複合的に影響したものとお聞きをしたところであります。ただ今回の改定におきましては、介護職員の処遇改善加算さらには、グループホーム等における一部加算の充実、また通所介護における新たな加算等も盛り込まれているところであります。今後とも、事業者と研修や実地指導を通じて制度の周知を行い、さらなる経営の安定化とサービスの向上を図って参ります。

(4)介護従事者の処遇引き上げの実態把握は
:喫緊の課題は、介護従事者の処遇引き上げです。2012年度から加算制度に切り替わった国の処遇改善により、本市での処遇改善がどれほど進んでいるのか気になります。その実態と実態把握の方法についてお聞かせください。     

太田福祉局長
:本市の平成27年度に処遇改善加算に係る申請はサービスを提供しております1086事業所の内963事業所であります。処遇加算で得ました介護報酬とその使途につきましては、制度として保険者である本市に対し報告する義務がございます。現在提出された実績報告書の内容を精査しているところでございます。

:現在精査中というご答弁でしたけれども、これ今年始まったわけではありませんので、これ加算制度になってからの報告の評価というものが当然行われてきているんではないかと思いますが、それはどうなっているでしょうか。

太田福祉局長:おっしゃるように、この処遇改善加算制度が開始されたのは、平成24年の4月以降でございます。今回平成27年度分を精査していると答弁させて頂きましたが、
その結果不適切な内容がございますれば、保険者として個別に指導していきます。なお、平成24年4月以降、不適切使途については見受けられてはおりません。

:適正に配分されていなければなりませんので、不適切なケースはなかったということは信じたいと思いますけれども、実際に事業所のお話を聞く機会がありますと、或いは従事者の方の話を聞きますと、制度の意図するほどの処遇改善はなかなか働いていないんじゃないかとの心配を私は持たざるを得ないんです。これ把握されているかどうか分からないんですが、加算によって実際に労働分配が従事者側で向上しているという成果があるのか把握されているのかお伺いします。

太田福祉局長:一般に労働分配率の算定に当たりましては、各事業所の活動によって生じました利益をはじめとした付加価値の総額というものを把握する必要がございます。保険者である金沢市は、個々の事業者につきましてそのような情報は持ち合わせておりませんので、ご指摘の点につきまして対応することはできないことをご理解頂きたいと思っております。

:私ももちろんすべての事業所を把握することはできませんので、ご当局にしっかりと
労働分配率も把握できるようなチェック体制を構築して頂く必要があるのじゃないかと思います。これ私から申し上げておきます。ワンユニット、これ最終単位ですけれど、このワンユニットでグループホームを経営されている事業者さんからお話を伺いましたが、理事長の報酬を規定よりも相当抑制をして従事者に配分を高めるように努力をしたというのが非常に印象的でした。それから先ほど申し上げた介護報酬の引き下げによって、年間150万円から160万円の減収になっている。で、さらに報酬が引き下げになるようなことになると、低廉に抑えていた利用料金を引き上げをお願いせざるを得なくなる。こういう複合的な問題の中で従事者に適正に配分が行くというのはなかなかに難しい面があろうと思いますので、答弁はいりませんので、是非、労働分配率がどうなっているのか把握できるようなチェック体制をお願いしたいと思います。

(5)地域のマンパワーと資源を活用した住民参加の課題
:「新竪そくさいネット」など地域安心生活支えあいモデル事業をはじめ、各地域でも、支え合いの地域社会を作ろうとする住民の活動も始まっています。これらは、推進基本構想でも目指している小学校単位のネットワーク構築につながる大切な動きです。
 こうした地域では、近年の経営環境悪化の中で立ち行かなくなった善隣館や地区社会福祉協議会経営のディサービスセンター跡地利用や活動資金の調達など持続可能なしくみをどう創るのかといった課題に向き合ってもいます。地域の創意ある自発的な活動を本市がいかなるパートナーシップを結んで支えていくのか、市長のご所見を伺います。

山野市長:地域包括ケアシステムの推進に当たりましては、一つには地域の自主性に委ねる部分、そしてもう一つは、市が主導的な役割を担う部分、この二つの適切な役割分担の元に進めていくことが必要だと考えています。本市としてもその地域の活動がより広く市民の皆さんに理解を頂き、そのことによって参加意識を持って頂けるように地域の好事例、うまく行っている事例などを周知紹介、知って頂くようにしていかなければいけないと思っています。あわせて、法令であったりとか、援助技術などの助言等も行って行くことが必要なんだと思っています。さらには、官民共同で自主財源確保のあり方を研究をするということも含めて持続可能な制度となるよう支援を進めていきたいと考えています。

:金沢市には伝統的に「金沢方式」といわれる地域住民参加によって支え合っていく社会が形成されてきました。ただ、それが時代の推移と共にいろいろとほころびも出てきたということで、新たな志を持って地域をもう一度つくり直して行こうという住民の活動がいくつも始まっていると私は承知しています。今お話があった自主財源の捻出とか地域の自発的な活動をどう支えて導いていくかと、専門的な見地から見て導いていくということもあっていい。そういうものが地域に伝わっていくような関わり方を具体的にこれからして頂きたいと思っているところです。

(6)自治体から国への意見の表明を
:国への意見の表明が必要であると地域包括ケアに関わって思っております。高齢者の「住み慣れた地域、在宅で最期まで」の願いを逆手に取るように、本来、経費がかさむ在宅ケアを医療・介護費の抑制を目的にした安上がりのケアシステムとして実施する矛盾が指摘されています。1970年代に公立みつぎ病院が町、地域と結んで生み出した地域包括ケアから導かれた教訓は、予算、物的・人的基盤の整備、それらへの国の責任ある政策の必要性です。今後、真の地域包括ケアシステムの構築のために声を上げることも自治体の責任だと思います。市長のお考えを伺います。

山野市長:議員ご指摘のように、金沢は長年培われた強固なコミュニティがあります。この地域包括ケアシステムというものは、まさにその地域の特性に応じて創り上げていくものだと私は理解しています。ただ、現実、地域ということになりますと、財政的な面であったり人的な面であったり課題も多くあります。生活支援、認知症対策、在宅医療等々具体的なテーマも目の前に迫っていることでもありまして、それに対応して行くには、今も申し上げましたように、国からの財政的なもの、人的な支援というものが欠かせないと思っていまして、全国市長会等を通じて、国にこれまでも意見を申し上げてきたところではありますけれども、さらに引き続き強く申し上げる中でしくみをつくっていくことができればと考えています。

3.児童虐待防止への対応について
55:4月15日に地元紙で、長女に一か月のやけどを負わせたとして父親が逮捕された事件が報じられました。逮捕に至るまでの本市児童相談所の対応に問題がなかったのかとの疑問が市民から寄せられています。
 私が抱く疑問の一つは、虐待の懸念からこの3年間に二度の一時保護を含む当該家庭への介入が行われてきたにも拘わらず、なぜ、重いやけどを負わせるような虐待を防ぐことができなかったのかという点です。見解を伺います。

山野市長
:まずご理解頂きたいのは、この案件に対しては、ご存じの通り裁判で審理中ということもありますので、個別の案件につきましては、答弁は控えさせて頂ければと思います。一般論になりますけれどもご理解を頂ければと思います。まず、児童相談所が行います虐待対応につきましては、定期的な通所指導や家庭訪問の実施等保護者に対する虐待防止指導を行うと共に、関係機関とケース会議を定期的に開催し対処家庭への支援策を協議するなど、虐待の未然防止に最善を尽くしているところでありますし、引き続きその思い出しっかりと取り組んで参ります。

:もう一点は、批判のあった警察への通報の遅れです。やけどを負わせた時点で逮捕されていれば、一か月後の次女への保育所内での虐待は防ぐことができたはずです。児童福祉法には、児童の最善の利益の優先考慮、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、児童の保護者を支援する責務が謳われています。しかし、児童虐待を再発させないためには、厳正に犯罪として処罰することも時には必要です。この「空白の一か月」をどのように総括し、今後の対処に生かそうとしているのでしょうか。

山野市長:やはり個別の案件につきましては裁判中ということ控えさせて頂きたい。虐待事案対応につきましては、児童安全を最優先に考慮し、一時保護する等迅速かつ適切対応に努めると共に、警察とは通報を含め一層の連携強化を努めて参ります。私自身も、児童相談所に足を運んだことも何度もありますし、その現場の職員の方との意見交換もあります。また議員時代は視察の中で他自治体の児童相談所に訪問し、直接意見もお聞きしているところです。決して逃げるわけではありませんけれども、本当に想定外と言いますか、そういうことが起き、勿論今言ったようなマニュアルはきちんとありますが、想定外のことが起き、その都度職員がこれまでの経験を生かしながら迅速に対応しているところでありますし、多くの場合は、悲惨なことになる前の段階で職員が関係機関と連携をしながら、対応をしているところであります。ただ、そうは言っても、現実に起きた案件でありますので、裁判中でありますから中止しながら、二度とそういうことがないような対応策というものも話し合っていかなければいけないと考えています。

:地方分権一括推進法が制定されまして、中核市に児童相談所が設置できるということになりましたね。その時私も議員でおりましたので、金沢市が横須賀市と共に児童相談所を開設して、その開設式に臨ませて頂いたことも鮮明に憶えております。その当時、県の中央児童相談所が金沢を管轄しておられました。果たして金沢で児童相談所十分機能できるかどうか関係方面からいろいろとご心配の声もありました。この分野は、時として本当に想定外、時には人の命が奪われるというようなことも起きかねない極めて厳しい世界なんだと、そのことに対する覚悟とキャリアを厳しい経験から積んでいかなければ、児童相談所としての機能は果たせないんだと、長く児相を(児童養護施設が正しい)牽引してこられた方も、非常に厳しいお言葉でもって、期待をしながらなんですが、お話を伺ったんだと受け止めています。
    児童虐待防止法の目的が掲げられていて、児童に対する虐待の禁止、予防、早期発見が掲げられていています。それから自治体の責務ですけれども、早期発見、虐待を受けた児童の保護、自立支援。で、並びに、保護者に対する親子の再統合の促進への配慮というのが規定されています。私は恐らく、この「空白の一ヶ月」の中で、児相は非常に努力されていたんだろうと思います。そしてその中で、保護、再発の防止、それから家族の再統合ですね。このことと、警察との対応で相当揺れたんではないかと推察は致します。
    けれども、優先すべきは、児童の命であり、保護でありますので、今後再発防止のために検討しなければならないことの中で、その優先順位を現実の措置に生かしていくのか、具現化していくか是非後議論頂きたいと思っていますが、もう一度市長に伺います。

山野市長:児童の安全が一番なんだという思いは私も同じです。残念な事件が起きてしまいました。このことにつきましては今審理中でありますが、二度とそういうことがないような体制をしっかりと組んでいきたいと思っています。職員は先ほどおっしゃって頂いたように覚悟を持って取り組んでいるところでありますので、私の立場と致しましても、その覚悟を持って取り組んでいる職員をしっかりと守っていきながら取り組んで参ります。

4.市民のつぶやきから ブックバンクモデル事業に一考を
66:それでは最後の質問に映らせて頂きます。市立図書館が、余剰本を地区公民館に提供するブックバンク事業をモデル事業として実施します。これを新聞報道で知った市民が、以下の提案を寄せてきました。「その一部を市立病院に回してもらえないかな。病院には親子でお世話になってきましたが、待合室や入院病棟の各フロアーの本棚がもう少し何とかならないものかと思っていました。」
 医療機関や福祉施設が多く立地している本市において、市立図書館の余剰本が有効に共有され、読書の楽しみが支援を必要としている市民の心を支える事業として展開できればいいなと私も共感しました。ブックバンクモデル事業を展開するにあたり、市立病院をはじめ医療機関や福祉施設でも実施できないか検討を求めますが、市長のご所見を伺います。

山野市長:金沢ブックバンクモデル事業は、読書活動の促進にもつながればという思いの中から取り組んでいるところであります。ただ、本年度はまず、実験的モデル的に行い始めた事業でありまして、まずは市公民館連合会にご協力を頂いて、地区公民館五つでモデル的に行っているところであります。今年度、図書館機能充実検討会立ち上げさせて頂きまして、今後の図書館活動の強化について検討を進めているところでありまして、その中でご提案頂きましたことにつきましても、行政と市民の適正な役割分担も考慮しながら、検討させて頂ければと思います。

:モデル事業としてスタートしたというご事情は理解できますので、是非、市民の素朴な思いですので、これから制度がより拡充されて定着していくことを期待致しますので、鋭意ご検討をお願い致します。以上で、私の質問は終わらせて頂きます。