2021年12月定例月議会報告

2021年12月定例月議会報告

【質問骨子】
1.来年度予算における歳入確保について
2.ガス事業・発電事業譲渡に係る問題について
(1)発電所譲渡に係る河川法手続きについて
(2)企業局職員の退職派遣及び業務引き継ぎの進捗について
3.文化財保存活用地域計画について
(1)地域公民館等からの登録申請の概要について
(2)金沢市文化財保存活用地域計画について
(3)戦争体験継承と平和意識醸成に資する戦争遺跡保存支援について
    「豊川海軍工廠殉難乙女の像」の保存継承に関して
4.市民のつぶやきから
   市営住宅における若年住宅困窮者の住居確保支援について

=本会議質問映像は以下=

=本会議一問一答 議事録=

2021年12月定例月議会 一般質問     森 一敏   2021.12.13

森議員:みらい金沢の一員として、以下数点にわたってご質問させていただきます。なお、後ほど、質問の関係で、議長の許可をいただきましてパネルを使用させていただきますので、ご了解よろしくお願いします。

1.来年度予算における歳入確保について
 それでは、まず第一点目。来年度予算における歳入確保についてご質問いたします。新型コロナ感染症第六波をくい止め、広範囲に及んだ地域経済、家計の疲弊から立ち上がるべく、新年度予算編成に対する市民の期待は、極めて高いものがあります。政府が六日、国会に提出をした補正予算案は、一般会計の歳出総額が過去最大の約36億円というものの、歳入の6割を新たな国債発行でまかなう財政出動です。本市補正予算案にも関連する子育て世帯臨時給付事業は先ほどご答弁がありましたとおりの二転三転の経過を、現在はたどっております。他方、長引くコロナ禍で増大した財政需要と税収減により、あの京都市が財政調整基金を使い切り、財政再建団体に陥る危機に瀕しているとの衝撃的な報道もありました。通貨発行権のない地方自治体には、地方の固有財源である地方交付税交付金の確実な配分をはじめ、歳入となる財源確保が喫緊の課題です。本市においても交付税として配分された臨時財政対策債の償還が気になるところです。改めて本市の財政環境を市長はどう見ておられるのか伺うとともに、歳入予算の確保に向けた取り組みをお尋ねいたします。

山野市長:ご指摘のように、特に新型コロナウイルスの影響で市税収入が減少しているところであります。また、これもご指摘のようにコロナ対策の需要というものが求められてきます。また、少子高齢化が進む中で、社会保障費も増えてきます。高度成長時代を中心に建てられた公共施設の建替であったり、大規模修繕が差し迫っているところであります。多額の財政需要が見込まれる中で、財政環境は厳しくなってくると思います。こうした中において、歳入確保のためにも市税収入の確保はもちろんのこと、国の地方創生臨時交付金や基金の有効活用、事業の年度間調整等にこれまで以上に知恵を絞っていかなければいけないというふうに思っています。地方の行政運営に必要な一般財源総額が確保されるよう国にも要望していきたいと考えています。

森議員:今後予算編成が本格化して、来年の2月の末には我々議会にも予算案が内示される、大変重要な時期にこれからさしかかっていきますし、予算編成における市長の責任という非常な大きなものがある。そう思います。昨今いろいろと取りざたをされている案件について、私はやはり市長の責任というものを鑑みて、言動にはくれぐれも慎重を期されるのがよかろうかと、老婆心ながら申し添えさせていただいておきます。

2.ガス事業・発電事業譲渡に係る問題について
(1)発電所譲渡に係る河川法手続きについて
 二点目の質問に移ります。ガス事業,発電事業譲渡にかかる問題についてです。その第一。発電所譲渡かかる河川法手続きについてご質問いたします。先の建設企業常任委員会で、河川法第23条流水の占用許可に基づく条件以外の取水口への対応、是正計画書、確約書の提出が求められましたし、第24条土地の占用許可に基づく申請が行われて、11月10日、河川管理者である石川県がこれを許可したと報告を受けました。これをもって河川法第34条に基づく譲渡の申請を提出しましたが、疑問は拭えません。
①まず、第一点。河川法に係る県との協議の過程で、県河川課長は9月1日付けの通知で 不適切事案の自主点検に基づく是正手続きを求めました。第23条に基づく取水口への対応として行った手続きの内容、併せて26条工作物について、第24条土地の占用許可により行った申請内容を明らかにしてください。

平嶋公営企業管理者:今回の事業譲渡にあたりまして、河川管理者である県とともに、まず直接現地におきまして、治水上の安全を確認したところでございまして、9月の定例月議会での議決後、河川管理者と協議の上、流水の占用、いわゆる法23条の関係ですが、におきましては平成20年8月に提出いたしましたものを基本に再度是正計画書を提出いたしますとともに、消火装置などの非常用設備の使用に係る確約書の提出を行ったものでございます。また、土地の占用、法24条の関係ですが、そこに係る工作物につきましては、既に許可を受けている土地の区域内に追加するため、工作物の写真、図面などを添えまして、申請手続きを行ったものでございます。

②森議員:県の照会により再点検報告書を提出した平成20年以降の状態をも平嶋公営企業管理者は、「違法な状態とは認識していない」と答弁を繰り返しておられます。では、今回の是正手続きはなぜ行われたのか。是正すべき不適切事案は違法ではないのか、改めて見解を伺います。

平嶋公営企業管理者:ご指摘の事案につきましては、いずれも河川管理者である県に事前の相談や工事計画の説明をした上で、設置をしたものでございまして、違法な状態にあるものではないと認識をしております。発電事業の譲渡にあたりまして、河川管理者である県と協議の上、今回の手続きを行いまして、許可等を得たものでございます。

森議員:河川法という法体系、その目的、趣旨、これに照らして、まさにその実態と全体として規定されている法手続き、これを切り離して対応してこられた。これは本当の意味で、法に基づく行政対応であったか。この疑問はやはり拭えないんですね。

③質問続けます。河川法第26条の規定にかかる無許可工作物の許可申請です。これは河川法第24条、土地の占用許可に基づいて行われました。今の答弁のとおりです。この間、管理者は県の指導によるとしか答えていませんけれども、いかなる法的根拠によるものと、市長は理解をなさっているのか伺います。

山野市長:企業局からは、「河川管理者である県と協議の上、河川法第24条の規定に従って申請した」と報告を受けているところであり、適切に対応したものとして認識をしています。

森議員:パネルを見ていただいているわけですが、是正を求められたのは第26条で手続きをしなければならない工作物。平成20年の3月4日の再点検報告書。その時点では13か所。今回の申請、詳細に事前に伺った所によればですね、新たに手続きをしなければならない箇所がさらに増えて、調整の結果、最終的には19か所の是正箇所。そして、それの手続きを行ったということになっております。本来26条で申請をし、許可を得ていなければならなかったものをなぜこの24条の土地の占用、この条文に則って、申請手続きを行ったのか、これが理解できないんです。再答弁を求めます。

平嶋公営企業管理者:事業譲渡にあたりまして、発電施設を新会社に引き継ぐということになりますので、そのために24条の許可手続きが必要であるということで、最終的に県のご判断によるものでございます。

森:仮契約6月30日。そして、議案の上程は8月の27でしたかね、内示の段階。そして議決は9月の17日、この過程で新たな手続きが必要だという説明を我々は受けてはおりません。かつその内容が24条だと。なぜ、26条はスルーするんでしょうか、見解を求めます。

平嶋公営企業管理者:今ほども申し上げましたが、事業譲渡にあたりまして、発電施設を引き継ぐということになりますので、第24条の許可手続きが必要であるということになります。一部手続き上整理が必要なものが分かりましたので、それについて県と手続きの協議をし、24条による許可手続きを行ったものでございまして、既に許可を得ているという状況でございます。

森議員:24条の土地の占用でもって、手続きをし、許可を得る。これいかなる法的根拠に基づく対応なんでしょうか。これが説明されていないんです。26条じゃないんですか。

平嶋公営企業管理者:最終的に河川管理者である県のご判断によるものでございます。

森議員:すべからく行政は法に則って行われる。例えば、私も先だって上寺津の発電所、そして逆調整ダム、これを見てきました。大変なご苦労で、少なくともあれが設置をされてから、1966年からですかね、50年、半世紀にわたって大変な努力がはらわれてきました。それ非常に実感しました。そして、設置をされたものにはそれぞれ理由がある。これも私は理解をしているんです。しかし、再点検報告を行ってから、少なくとも13年間何にもしてない。譲渡をするから26条で申請しなきゃいけないものを、24条でやった。これ理屈に合わないんですよ。公営企業管理者も公務員として法に則った事務執行しなきゃいけない立場です。県の指導、県の指導と言いながら、県の指導が適切なのか、理屈に合ってるのか、河川法に本当の意味で準拠しているのか、この判断を行ってしかるべきではないですか。これは管理者も市長も同様です。ここについての明確な答弁がないんです。再答弁を求めます。  
平嶋公営企業管理者:ご指摘の工作物でございますけども、いずれもですね、河川管理者である県に事前の相談、それから工事計画の説明をした上で、設置をしたものでございますので、今回事業譲渡にあたりまして、必要な手続きで一部整理が必要ということになりましたので、協議の上、今回の24条による申請手続きを行い、認められたものでございます。

森:県が指導し、県が許可をした、この内容、この対応については当然県議会でも真剣に議論していただければならない、大きなテーマだと思いますが、何度ご答弁をいただいても、なぜ26条をスルーしたのか、この答がないんですよ。もう一回聞きます。なぜ26条をスルーしているんですか。

平嶋公営企業管理者:新会社への事業譲渡にあたりまして、発電施設につきまして一部手続き上の整理を行うということになりまして、そのことを県と協議をし、今回24条の申請にいたったということでございます。先般の県議会におきましても、所管の県の部長の方から法的に問題はないといったようなご見解も示してられておりますので、私としては許可いただきましたので、手続きに沿って今後適切に進めてまいります。

森議員:このままやり続けるわけにはいきませんので、先へ進まなきゃなりませんが、県の河川課長の答弁も、私、動画で確認しました。「存置されているもの」という言い方でしたね。「存置」、既にあるもの。しかし、その既にあるものは自然の樹木であるとか、岩石であるとか、あるいはそういう石を利用した工作物であるとか、そういうものとは違うんですよ、人為的に作ったものです、すべて。これを設置するには、第26条で事前に申請をして、許可を得た上で、着工しなきゃいけないものなんです。これ行われていないんですよ、現時点においても。これはっきりしたと思います。おかしいです。納得いきません。

④6月30日譲渡仮契約、先ほども申しました。17日議決。これにともなって本契約へ移行したその時点では、なされるべき所定の法手続きが行われていなかった。これは事実です。これを否定する答弁はありません。契約行為ならびに議会議決の正当性、これ棄損されてます。契約という法的行為、議会議決は無効となるべきです。市長の見解を伺います。

山野市長:事業譲渡関連議案の議決後、企業局において、河川管理者である県と協議の上、所要の手続きを終え、11月16日県に対し、河川法第34条に基づく水利権譲渡の承認申請書を提出したところであります。事業譲渡までには河川法にかかるすべての手続きが完了する見込みでありますことから手続き上問題ないというふうに理解しています。

森議員:河川法の第一章総則。ここに目的が書かれています。この法律は災害の発生をもちろん防がなきゃなりません。河川は適正に利用されなきゃいけません。流水の正常な機能が維持されなきゃいけません。これは当然のことです。総合的にこれらを管理することによって、公共の安全と公共の福祉を増進する。これを目的として掲げているんですね。この手続きは厳正を期すことを求められているんですよ。この法の趣旨からして。これから逸脱をしている。それから民法第90条です。これ、公序良俗です。公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効、無効とすると規定されております。これは具体的な法条文では対応できない問題が起こったときに、社会通念に照らして許されるかどうか、これを幅広く判断しなきゃいけません、こういう意味です。無効なんです。無効を無理やり上から糊塗するようにして、法手続きをご都合主義にやって、そして譲渡する。これは許されません。このことをもう一度言っておきます。

(2)企業局職員の退職派遣および業務引継ぎの進捗について
 二番目。企業局職員の退職派遣および業務引継ぎの進捗について伺います。円滑で安心な事業引継ぎに不可欠とされる、職員の退職派遣について伺います。
①まず、当局と公営企業労働組合と交渉の過程で交わされた覚え書き。この内容とその意義についてお聞かせ下さい。

平嶋公営企業管理者:この度の覚え書きでございますけども、職員が安心して派遣に応じられるよう、組合からの要請内容を踏まえ、双方が合意したことを確認したものでございます。その内容ですが、まず、職員の派遣に関しましては、一つに本人の同意を得る、二つに派遣要請に応じないことをもって、不利な取り扱いはしない、三つに派遣終了後は市への復職を保障する、この各事項を遵守をすること。それから新会社との協議にあたりまして、一つに派遣職員の勤務条件等が不利な取り扱いとならない、二つに派遣職員が携わる業務、あくまでも事業承継を目的とする、三つに派遣職員に関わる人事評価は市の制度に準拠する、四つに派遣期間中も昇任試験等を受験できる、こういった各事項について最大限努力をするということとしております。以上でございます。

②森議員:一方、新会社との間で進めている職員派遣に関する協定が締結されたと報告を受けております。退職派遣職員の処遇は新会社提案通り現行水準保障の方向で進んでいるのか、明らかにして下さい。

平嶋公営企業管理者:処遇につきましては譲渡契約書の中味に一部規定がございまして、派遣対象職員が引き続き、市の職員であった場合に比べて不利な取り扱いとならないよう、必要な措置を講ずるという規定がございますので、その規定に基づき、新会社と具体的な内容につきまして、現在協議を進めているところでございます。

森議員:この問題は非常に重要な問題でありまして、議決に対応したそれぞれの各議員の皆さんの中にも、このことに対しては非常に重要なことであると、しっかりやってもらわないといけないという思い、皆さん共通して持っていらっしゃるテーマです。今ご答弁があったことを大原則にして、今後さらに詰められていくんだろうと思いますけれども、私が側聞をした限りの中で、休日出勤の対応、これが変わる。つまり、手当てが減額になるという提案が新会社からすでに行われているやに聞いておるんですが、これは事実でしょうか。

平嶋公営企業管理者:今ほどご指摘の休日の手当て、あるいは時間外の手当て等、あるいは勤務ローテーション、そういったような、仕事する上で必要となってくる、そういったものをすべて含めて現在協議をしております。今後新会社と慎重かつ職員の不利にならいよう処遇をきちっと整理をしていきたい、そういうふうに考えております。

森議員:新会社からそのような提起があったかということを確認したいんです。再答弁お願いします。

平嶋公営企業管理者:現在の協議の途中でございますので、それについては控えさせていただきます。

森議員:否定されなかったと理解をいたします。
 次に進みます。既に行われたと聞く職員への意向調査の結果です。委員会答弁を差し控えられたんですけれど、これも側聞情報ですが、芳しくないという情報を受けております。新会社が計画する初年度81人の退職派遣者を確保できない場合、来年4月1日に予定する譲渡におよぶ影響についてご所見を伺っておきます。

平嶋公営企業管理者:現在、優先交渉権者から提案がありました81人を基本に、企業局の全職員を対象に意向を確認をしているところでございます。明年2月末までには目途をつけたいというふうに考えております。

森議員:先ほどもご答弁ありましたように本人同意が大原則。そして、同意しなかったからといって、不利益な対応は行わない。これに厳密にですね、則って対応していた場合に81人が本当に確保できるか、このことは誰もがそう思うんです。その場合に、確保できなかった場合への影響、これについてのお答えが今ありませんでしたが、もう一度、伺いたいと思います。

平嶋公営企業管理者:優先交渉権者から提案ございました81人を基本に、現在職員の意向というものを確認をしております。これは今後も引き続き、その意向というものを逐次確認をしながら来年の2月末までには体制を整えていきたいというふうに考えております。

森議員:特にガス事業については、保安、安全確保、これも至上命題ですので、これに精通した職員が必要だというのが、新会社の考えるところだと思います。しかし、本人同意、同意しなくても不利益を与えてはならない、このことの誓約。その中で、私はたいへんむつかしい局面があるんではないかと、推察をしております。このことは申し上げておきたいと思います。
 ②同様に重要なのは引継ぎです。現在、新会社との業務引継ぎはどのような分野でどの程度進んでいるのか、お伺いするとともに、残り実質3か月での事業譲渡は本当に可能なのか。これは、市長の認識も伺っておきたいと思います。

山野市長:企業局と新会社において、確実な引継ぎに向けた討議を精力的に行っているというふうにお聞きをしています。明年4月の事業譲渡に支障はないというふうに理解をしています。

森議員:見切り発車だけはなさらないでいただきたいと、このことを申し上げておきます。

3.文化財保存活用地域計画について
 質問の三点目に移ります。文化財保存活用地域計画について平成30年の文化財保護法の改正により、新たに市町村による文化財保存活用地域計画を策定することになり、本市は今年度中の国認定を目指すと伺っております。この間、地域の歴史を伝える遺構や戦争遺跡の保存継承について考え方をお尋ねしてきたんですけれども、本地域計画が事業化されることで、これらの課題に道筋が開かれることを期待するものです。

(1)地域公民館等からの登録申請の概要について
 まず、第一点。地域公民館等からの登録申請の概要について、お伺いします。本市は地域計画に位置付ける歴史的文化的所産となりうる地域の遺構を公民館や地域団体からアンケート集約をしてこられました。報告の件数、その主な内容についてお伺いします。

山森文化スポーツ局長:昨年12月から行われました地域のお宝の募集に対しまして、各地区の公民館から126件、市民等から321件、合計447件の提案がございました。内容は神社やお寺といった建造物や旗源平などの遊び、どじょうのかば焼きなどの食文化、雪つりやこもかけの風物詩まで極めて多岐にわたっております。

森議員:非常に多様ですね。

(2)金沢市文化財保存活用地域計画について
 続いて、認定を目指す本市の地域計画の概要およびその特色はどのようなものかお答え下さい。

山野市長:金沢市文化財保存活用地域計画ですけれども、文化財保護法に位置付けられた文化財の保存と活用に関する本市の総合的な計画であります。中・長期的な基本方針を定めたマスタープランと具体的な事業を記載したアクションプランの両方の役割を担うものであります。地域計画の特徴としては歴史的、地域的な関連性に基づく、一定のまとまりをもった文化財保存活用区域と一連のテーマで結びつく歴史文化遺産である関連文化財群の二つの柱を定め、重点的に歴史文化遺産を保存、活用することとしている点であります。

森議員:パブリックコメントが行われております。その際、ジェンダー、社会的に形成された性差観念、このジェンダー平等の視点を盛り込むべきだという意見が出されておりました。これをどう具体化していくのか、ご所見を伺います。

山野市長:このジェンダー平等につきましては、これまでも本計画の策定にあたり、地域計画協議会委員、さらには文化財ボランティアで活躍する女性の意見も生かしてきているところであります。男性、女性関係なく、果たしてきた功績にも光が当たるようにしていかなければいけないというふうに考えています。

森議員:この観点は近年とみに重要性を増しているということです。固有の金沢的な特色、当然出てくると思いますけれど、これにおとらずしっかりと具体的な計画にしていただきたい。このことをお願いいたします。

(3)戦争体験継承と平和意識醸成に資する戦争遺跡保存支援について
   「豊川海軍工廠殉難乙女の像」の保存継承に関して

 三点目。パネルを見ていただきます。戦争体験継承と平和意識醸成に資する、戦争遺構、遺跡保存支援について伺います。豊川海軍工廠殉難おとめの像、ご覧いただいています。この保存、継承に関して伺います。私は昨年の9月定例月議会で戦争体験を継承する戦争遺跡の保存への憂慮について関係者である市民のつぶやきを紹介しました。具体的には、豊川海軍工廠殉難おとめの像の保存継承のための支援について、今日関与している方々の意見も積極的に聞きながら、ぜひ地域計画を策定してほしいと求めてきました。先般、管理に苦労を重ねてこられた元豊友会の役員が来庁し、この平和記念像保存継承への支援の要望書を提出したところです。そこで提出された要望書をどのように受け止めておられるのか、まずお伺いします。

山野市長:ご指摘の殉難おとめの像に関しましては、県内外の多くの方が犠牲となった悲劇を今に伝えるものだと思っています。今まで像を守り育ててこられた関係者の皆様に深く敬意を表するものであります。

森議員:認定を目指す本市地域計画では、市民提案型の歴史文化遺産登録制度を地域のお宝と位置づけ、そこに支援制度を導入するとしております。こうした事業化を念頭に置くならば、像の保存継承支援についてどのような方策が検討できるか、基本的なお考えをお伺いします。

山野市長:計画に定めます市民提案型の歴史文化遺産登録制度、いわゆる地域のお宝の登録等につきましては地域計画協議会の審査を得て、その価値を登録し、その保存活動を検証したり、支援することを現在検討をしているところであります。ただ、像であったりとか、記念碑等の維持管理に関しましては、やはり一義的には所有者が行うことが基本であるというふうに考えてます。

森議員:基本的な考え方、これはよく理解しております。この間長きにわたって献身的にこの像の保存や維持に努力をされてきた団体が現在もまだ活動を続けていらっしゃいます。文化庁のこの地域計画の内容を見ても、団体を支援するという、こういう規定が盛り込まれておりますので、これが今回具体的な施策として運用されていくということを私は期待をしております。さらに、検討を進めていただきたいということを思います。

4.市民のつぶやきから
   市営住宅における若年住宅困窮者の住居確保支援について

 それでは四点目に移ります。市民のつぶやきから市営住宅における若年住宅困窮者の住居確保支援についてお伺いします。新型コロナ禍の長期化により、この秋も職とともに住まいも失う危機に直面をする人の出会いがありました。生活困窮者の緊急時住居確保のあり方をめぐり、私も提案を申し上げてきたところですけれども、急を要する住居確保支援のために、リーマンショック直後の2008年12月に国土交通省住宅局長が通知「解雇等により住居の退去を余儀なくされるものの公営住宅の入居について」を発出しております。その主な内容は「公営住宅の目的外使用」「離職退去者の優先入居」となっております。本市市営住宅では緊急対応を要する離職退去者をどのように救済するしくみを整えているのか、お伺いします。

山野市長:解雇や雇い止めにより居住している住宅から退去を余儀なくされている方などにつきましては、平成20年の国からの通知に基づき、目的外使用により対応をしてきたところであります。ただ、平成24年12月に条例を改正をし、収入や税の滞納などの条件を満たせば随時募集している住戸へ正式入居できることとしています。

森議員:その実績ならびに入居可能数もお尋ねするとともに、必要としている人が、本制度を迅速に利用できるように、どのような手立てを講じるのか、お答え下さい。

山野市長:正式入居を定めた条例改正以降につきましては、今般のコロナ禍の状況においても利用実績はありませんでした。入居可能数につきましては、空き住戸のうち、修繕完了のもの、または予定しているもの40戸程度をご指摘の離職退去者を含め、随時募集用として用意をしているところであります。住宅に困窮する離職退去者が市営住宅を速やかに利用できるように入居住戸の整備を進めているところであります。また、住宅に困窮する離職退去者から生活支援等福祉に係る相談があった場合には、空き室の状況や入居資格の要件等、市営住宅の情報が伝わるよう部局間の連携を密にしているところであります。

森議員:その入居実績がまだないということです。この間はご質問でもご紹介してきましたけれども民間の不動産事業者さん、NPO法人に参加をして一時避難シェルター、これを数部屋確保して身銭を切りながら、これを維持しておられる。あるいは、一時的に入居ができるような施設を運営されている市民団体の方。いろいろな対応がこの間行われているんですね。ニーズがあったはずだと思うんですけれども、残念ながらまだ入居実績がないということであります。これはやはり金沢市としての対応に課題があったのではないかと私は思わざるを得ないんですが、そのあたりの認識いかがでしょうか。

山野市長:民間NPOの皆さんの状況を私は詳しく分かるわけでありませんので、今ここで申し上げることはできませんけれども、市としてはほんとにお困りの方が利用しやすい環境をつくっていかなければいけないというふうに思っています。

森議員:これから年末年始を迎えますし、コロナの影響が、今経済上向きになってきているという状況もありますけれども、雇止め、これ3か月ごとに登録をするかしないか、派遣労働者の場合は必ずそういう周期が回ってきますので、今後もまた必要な方が出てくると、このように私は想定しております。ぜひとも、これから入居実績が実際に発生をしていくように対応をぜひお願いをしたいと。このことを最後に申し述べまして以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)