4月21日午後
有名な中世の要塞クロンボー城のほど近くに、かつてのリゾートホテルを利用した高齢者住宅があり、そこにこの高齢者アクティティセンター「ハムレット」がある。
われわれは、視察の案内を務めて下さるニルス・モンクさんと挨拶を交わした後、この施設のレストランで高齢者の方々とセンター食を摂った。日本では高齢者用の食事は油分を控えるが、ここではメインは肉である。食文化の違いを改めて感じる。
87歳になるというかくしゃくとしたモンクさんからセンターの中を案内してもらい、説明を受けた。
【センターの概要】
(利用者代表ニルス・モンクさんの説明より)
施設は市の事業として行われており、自分の力でやってこれる高齢者を対象にしている。会員は600人で、男女比は2:8である。会員は月58クローネ(1160円程度)の会費を払い、食事、活動の材料費は別に自己負担である。設備にかかる費用は市の予算から出るが、一人月30クローネの活動費用は会費からまかなわている。活動で手作りした作品は陳列し、販売する。
市の事業だが、市の職員は指導員として3人配置されているだけで、50人が利用者自身ボランティアとなって58種の活動を企画運営している。このボランティアは利用者委員会を構成し、アクティティ小委員会、PR小委員会、行事小委員会に分かれて運営にあたっている。主要な活動は、会員が会員をお世話し、指導し、計画書作成などすべて自主的に行う。市は年に一度、ボランティアの慰労会をしてくれる。情報誌もあり、食事の献立や旅行行事などを掲載して地域にPRしている。
食事のことが話題になったが、センター食は、この施設の調理場でつくり、近隣のセンターにも配食している。合理化の波でセンター方式になってきたが、やはり食事は調理のにおいが漂うことが食欲を刺激し大切なことであるとの考えから、個別方式への流れが起こっている。
【センターの見学と質疑】
センターは中心となる活動スペースが広々としたオープンスペースで、手芸や洋服仕立て、絵画創作、小物づくりなど利用者たちはグループ毎に好きな活動に参加して いる。挨拶したり、言葉掛けすると、気さくに応じてくれ、我々とあちらこちらで談笑の輪が生まれていった。団の事務局長の平田さんは、上品なおばあちゃんと話が弾み、名刺を差し出すなどしているうちに、若い恋人が来てくれたとジョーク爆笑となった。梶川さんなどもすぐに高齢者の方々とコミュニケーションがとれて、さすが熟達した議員という感じであった。私も気に入った千代紙のようなペーパーでたくみに作った蝶の飾りを購入した。
利用者の年齢に質疑が及んだが、障害者年金受給者も参加資格があるということで、最年少はその47歳の方、そして最高齢は103歳であるという。その103歳の女性マルガレットさんがわざわざ会議室までやってこられた。彼女はさすがに活動には加われないが、みんなと一緒にいることが楽しいと語ってくれた。われわれが日本の議員の視察団だと聞き、「しっかり勉強して行きなさい。」と泰然とのべて活動室へと戻られた。いつも感じることだが、長く生き、人生のあらゆることを体験し乗り越えてきたお年寄りには、独特のユーモアがあり、まだまだ駆け出しの自分に力を与えてくれるような気持ちにさせてくれる。
利用者が集まれば相談事もあるのではとの質問には、ボランティア間で協力しあい対応しているが、看護婦とヘルパーの詰め所もあるので、できないことは任せるとのことだった。
また、子どもたちとの交流についても訊ねた。特にプログラムはないが、自分の孫を連れてきたり、家族がクリスマスパーティーにやってくる、近くの学校の子どもたちが来て活動に加わることもあるという。学校からの求めがあれば受けるが、あまり頻繁なのは困ると率直だ。誰かのためにある施設ではなく、自分たちの楽しみのための施設なのだから。 元気な高齢者が集う施設。その利点を活かしつつ、自助自立・相互扶助で誇り高く和気あいあいの空間がつくられていたのが印象に残っている。 |