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森一敏
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 E 新設高齢者ケア住宅「ストランドホイ」訪問
 
 4月22日(木)午前 晴れ
 昨夜のブンゴードさんの講義の熱も覚めやらぬ朝、エルシノアを離れる荷づくろいを済ませて、高齢者ケア住宅「ストランドホイ」への視察に出掛けた。
 2002年8月にオープンしたこの新しい高齢者ケア住宅は、昨晩のブンゴードさんの講義に出てきた多目的統合福祉センターの一つである。1億クローネ(20億円)という真新しく明るい建物で施設長のギッテ・ユストさんが出迎えてくれた。

【施設の概要】(ギッテ・ユストさんの説明より)
 エルシノアは高齢者福祉を重視している。こうした新しいセンターへと切り換えをすすめている。ここを含め6カ所に設置されている。施設の構造は、一階のこのサービスセンター部にカフェテリアがあり、地域の人も自由に利用できる。デイサービスセンターも設置され、トレーニングルーム、アクティビティセンターを備えている。入所を待っている人含め30人ほどが在宅で利用している。市と住宅公社が管理している。
 居住エリアは、住宅(後の見学で一見部屋だが、一つ一つが住宅と見なされ、郵便受けが取り付けられていることが分かる)と共同スペースからなる4つのユニットで構成されている。このエリアには38人が入居しており、内8人が男性である。ここは、基本的にオープンで、万が一の徘徊に備え、くつの中にチップを入れておくことは許されている。
 障害度の重い痴呆高齢者用エリアは、同じ敷地内にグループホームとしてつくられている。ここには12人が入居している。共同スペースが広くとられており、マンパワーを多く配置している。やむを得ないことだが、入居者の行動には厳しい管理がある。この施設は、重度痴呆者にとっての切り札的な施設としてつくられた。
 また、介護サービスに当たる地域担当チーム、市の夜間担当チーム、実習生の教育担当者の詰め所として、敷地内の旧ケアセンターの建物が利用されている。
ー介護の体制ー
 入居者は、1ユニットあたり8人から9人。それぞれのプライベートスペース(住まい)は39平方メートルである。(この倍ぐらいの広さが欲しいということだが・・・)共同スペースにはキッチンと居間風食堂があり、常にスタッフがついている。食事のメニューや時間は住人が相談して決める。一人ひとりの家庭という雰囲気づくりに留意している。
 スタッフには職能的な能力と共に人格的な資質が要求される。正規のパートタイマーを含め82人のスタッフのうち2人が男性である。同姓介護の考え方はない。フルタイム換算すると、55人ほどのスタッフ体制(マンパワー)である。スタッフの内訳は、ナース、社会保険ヘルパー、社会保険アシスタント、作業療法士、理学療法士である。22:00まで、フルスタッフ体制を敷いている。
 スタッフは皆公務員である。市が給与負担し、施設長が雇用を決定する。
ーサービス決定のシステムー
 利用希望者は、ビジテータとして市の判定委員会に登録され、判定委員会の判断により入居が決定される。判定員会はサービス提供者にオーダーをかけ、契約が成立するとサービス提供が開始される。民間の参入は今は在宅サービスのみで、利用者も市のサービスを求めることが多い。利用者と家族からなる委員会があって、よく意見交換している。

【質疑・意見交換より】
Q:地域に開かれているというが、交流は。
A:地域の年金受給者20〜30人が入居者との交流に訪れている。その交流によってセ  ンターが活気づいている。 
Q:他市の市民が入居を希望したら、受け入れるのか。
A:その市が許可した場合だけ入居できる。
Q:経費について
A:国の高齢者住宅法に加えて、エルシノア市には高齢者福祉局に建設課がある。スペ  ースに応じた家賃で月平均6313クローネ(これは聞き間違いか)、敷金は26000ク  ローネである。国からの援助が収入に応じてあり、低所得者ほど割合が大きい。     ケアは無料だが、食費、飲み物、シーツ、ペーパーなど生活必需品は月3212クロー  ネ必要である。
Q:病気にはどう対応するのか。
A:必要があれば、家庭医に診て貰う。
Q:セクシャルハラスメントはないか。
A:セクハラ等には、オープンに職員協力して対処する。
Q:スタッフに男性が少ないようだが。
A:公務部門には女性が多く進出している。棲み分けのような経過がある。若いスタッフ  も採用するようにしているが、旧施設以来の熟練スタッフもいる。

【施設内参観】
 確かに施設なのだが、こぢんまりとして落ち着きがあり、何気ない配慮が施されているのを見ることができた。中庭の雰囲気がもう違う。施設の中に自分の家がある。隣近所と近所づきあいをする感覚で暮らす。この発想自体がデンマークらしい独創性であるが、こんな発想を具現化することは簡単ではないと思う。
 快く中を見せて頂けた住居スペースは、中に入ってしまうと、一軒家の一部屋に案内されたような錯覚をおぼえるようにしつらえられている。部屋がベッドで占領されているのではなく、くつろぎのペースが確保されているし、共同スペースも含めて家財道具は使い慣れたものが持ち込まれている。夫婦の一方が入居している場合、パートナーがやってきて泊まっていくことも認められている。また、所外にすむ恋人がやってきても同様である。日本ではこのあたりどうなっているだろうか。プライバシーに配慮し、ユニット間にカーテンのしきりがあるのも印象に残っている。
 車いすに乗った元気そうな老人がしきりにギッテさんの所にやってきてなにやらしきりに話しかけている。団の女性メンバーにも声をかけている。ギッテさんによれば、ディサービスを受けに来ている人で、女性にとても関心がある有名な方だそうだ。いくつになっても生命の元気の源は異性への憧憬。やるなあという感じ。しかし、日本ではやっかいな人扱いされるのかも知れない。
 
住居スペースには、リフト用のレールがつけられている。これは、入居者が自力で移動できない状態になっても、スタッフは腰痛にならないようにあらかじめ配慮されているとのことだ。日本では介護保険を当て込んで介護事業に参入が相次いでいるが、介護マインドの確立と共に、放置されている職員jの労働条件向上が大きな課題である。労働の軽減のための配慮と投資はここでは当然視されている。それが介護の質をも高めることが認識されているのだろう。
 重度痴呆の住居は参観できなかったが、ここにも日本との違いがどのようにあるのか気にかかるところではあった。


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