21世紀日本の平和と民主主義を基調とした社会の進展を展望するとき、キーワードが地方分権であり、地方自治の実質を高め住民自治を基礎にした地方政治を実現することにあることは、もはや異論のないところです。
1999年の地方分権一括法の成立には、行き詰まった中央集権体制と決別し、社会の状況を活性化させ、本来の憲法理念に基づいた地方自治に道を開く制度改革が期待されてきました。その意味で、先般の地方分権改革推進会議の意見書に対しては、私も地方分権の推進に対して極めて無責任な内容と失望しました。肝心の財源保障を先送りしようとする姿勢は、国が進めようとする地方分権が、単に国の財政危機を地方に転嫁することにより財政再建しようとするものに過ぎず、住民自治を基礎に地方の主体性で地方政治を創造していくという真の分権を目指すものではないと言わざるを得ないからです。地方分権一括法により、351もの法律が改正され、機関委任事務は確かに廃止されました。しかしその中の主要な事務は法定受諾事務として残され、自治事務においては事実上自治体への関与が強化されている上、有事法制との関連から地方自治権が逆に制限される流れも生まれていることを踏まえておきたいと思います。
さて、市長は、全国市長会長に就任されました際に、報道のインタビューに答えて「権限の委譲もまだ十分ではなく、税源委譲を伴った三位一体改革の推進を国に求めてとりくみたい。」との旨述べられました。私も、地方分権は緒に就いたばかりであり、今後、本来地方が独自性と主体性を持って行うべき行政施策について、中央政府が握って離さない権限と財源を一体的に地方に移譲させる更なる改革を求めて声を上げなければならないと思うものです。先日の経済財政諮問会議において、小泉首相は地方からの批判に押されるように委譲税源の割合を8割に高めるよう首相判断を示しました。市長の国へのもの申しに期待を寄せると共に、今後の国への働きかけの方針、プロセスを市長に伺います。
また、市長は「地方に任されれば、地方も努力し、力を付ける。」とも述べておられます。私は、地方の力とは市民・地域住民の力であると常々考えております。国との関係ばかりではなく、市政においても職員間あるいは市民との間の垂直方向の関係を見直し、水平的な関係へと転換する。平たく言えば、縦割りの弊害を取り除き、部局の枠や上司部下の別なく職員間の自由な論議や発想の交流が行われ、活かされる政策立案が行われる行政。「専門家」「有識者」と呼ばれる方々や組織の代表者ばかりではなく、一般市民の意見や思い、ノウハウが政策立案・企画運営に吸収され、活かされるシステムがより必要ではないかと考えます。井戸端会議で交わされる会話の中に、率直な市民の思い、行政への批判も含めた期待が語られるものです。現在本市に設置されている各種審議会の構成を専門家・有識者・代表者中心から一般市民中心に切り換える、そのための公募制度を充実する。あるいは、課題毎の市民委員会制度を創設するなど思い切った改革を考えてみては如何でしょう。そういった市民の共同参画のあり方について、本市の現状、とりくみも踏まえ、市長の見解をお尋ねします。 |