1.はじめに、小中一貫英語教育特区の実施からお尋ねいたします。
「学校教育金沢モデル」の中核施策として、小中一貫英語教育特区事業が始まって半年が経過しました。学校では、手探りのなかを懸命な教育実践がとりくまれてきました。この間、小学校3年生から教科として早期英語教育を実施し、英会話能力を育成しようとするとりくみに期待が寄せられる一方、実践が進められるにつれて教育現場には子どもたちや教職員の戸惑い・悩みもまた少なくないことが浮かび上がっています。
その1に、小学校の子どもたちに、副読本或いは教科書に沿った授業への戸惑いがあり、身につけなければならないことへの抵抗感が増し、英語活動に比べ意欲が減退傾向にある。その2に、理解において子どもの間に、早くも格差が見られる。その3に、途中転入した子どもへの対応が十分にできない。その4に、休憩時間や講師の勤務時間後に行うなど打ち合わせ時間の確保に苦慮している。その5に、小学校で英語の実施が優先され、時間を確保するため他教科を削る、朝自習などで行っていた漢字練習や計算練習を英語に充てるなど、他教科の習熟に影響が現れている。中学校では、4時間に英語が増えたものの教科書前倒しのために進度を上げなければならず、基礎基本の定着が心配である。その6に、中学校での4時間化、選択科目義務化が教材研究の時間もとれないなど、全般的に学校、教職員の教育活動の過密化に拍車をかけている。小学校でも同様であり、子どもたちもまた生活のゆとりがなくなっている。等々の現場の声を聞いています。
質問の第1に、今ほど紹介した教育現場の状況は教育委員会に伝わっているのでしょうか。教育委員会として英語教育半年の状況についてどのような評価をお持ちですか。
第2に、職員配置の現況では、とりわけ小学校において不可欠な存在である指導講師、インストラクターがパートタイマーである上、複数校掛け持ちが多いことなどから教育活動に様々な支障が生まれています。また、32人のインストラクターの雇用財源が今年度で期限切れとなる国の緊急雇用対策費であることも不安視されています。講師の身分保障、契約の再検討、増員、中学校での英語教員の増配がどうしても必要と思いますが、人的体制の整備拡充に関して見解をお聞きします。
第3に、評価の導入と教科書の前倒し使用の問題です。小学校では評価主体として担任が、子どもたちの英語力を客観的に評価できるのか大きな不安とためらいをもっています。そもそも中学校の教科書で指導することが免許の上から妥当なことなのか釈然としない思いがあるのです。また、子どもたちに新たな学力競争や能力意識が持ち込まれ、心理的な負担、学校の敷居が高まるなどマイナスが懸念されます。
中学校教科書の前倒し使用は、公教育の機会均等保障の大原則に触れる問題を内包しています。特に他市町村からの転入中学生生にとり、仮に補習が十分なされたとしても、授業を受ける権利が失われてしまっていること自体、法の趣旨から逸脱してはいませんか。小学校での評価は廃止するか、総合的学習並みのコメント評価に統一するなど配慮が必要です。中学校教科書の前倒し並びにカリキュラムの先行実施はやめるべきです。見解をお尋ねします。
第4に、保護者への説明責任が果たされてきたのかという点です。県教委が通学区域の全県一区化を打ち出したことと相俟って、他市町村の保護者をも巻き込んで、高校受験対策としての英語教育の拡充を求める声が非常に高まってきたと聞き及んでいます。英語塾に通う子どもが増えるなど、受験英語教育競争の低年齢化と保護者の家計負担が進むのではないかと危惧するところです。教育長は、受験英語は目指さない旨表明されましたが、一般的な受け止めはそうではありません。目的の説明が不十分なためか、或いは特区事業の内容から不可避なのか、これもご所見を伺います。
第5に、より根本的な問題として、早期英語教育は本当に大丈夫なのかという点です。
『子どもに英語を教えるな』に代表されるように、この10年来の英語教育の方向には、英語教育学者、言語学者などから強い批判も加えられています。それらの要旨は、一般に日本人の英語コミュニケーションは、やはり頭の中で日本語と英語を置き換えながら行われるものである以上、思考力の基盤としての日本語力が必須である。所謂「ハンバーガーショップ英語」など安直な会話英語に小学生から馴染むより、分析力が高まる中学生の段階から語彙や文法学習を積み上げ、その基礎の上で英会話能力をつけることが理にかなっている。このままではせいぜい発音はうまいが、中身のない対話しかできないと軽蔑される日本人が輩出されるのが落ちであると。また、近年「トーフル」のスコアを低めているのが若者であったり、対韓国、中国との比較では、文法・作文そして読解で差がついているという皮肉な結果も紹介されています。その意味で、小学校で現実化している他教科への影響は看過できないものと思いますが、いかがお考えでしょうか。
ところで、私は、戦後中学校に外国語が導入された目的が、第2次世界大戦の教訓から異文化を学び、他民族を理解し、もって国際友好精神を培って戦争を防止することにあったと聞き、大へん感銘を受けたことがあります。それ以来、外国語学習は単に学力をつけるばかりではなく、まさに大きな意味でのコミュニケーションそのものであると考えるようになりました。アメリカ一極支配の下、なお紛争の絶えない今日こそ、実際の国際社会には多言語主義の動きが力強く展開していること、欧米礼賛ではなくアジア、第3世界地域に目を向け、多くの人種や異文化の独自の価値に気づく学習が重要になっています。松川禮子岐阜大教授は、小学校英語活動を「早期英語教育でも中学校英語の前倒しでもない。子どもと教師が共に英語や外国人という未知の世界との出会いを重ねるという新しい教育内容を盛り込むこと」であり、「共生能力を養うことである。」と定義しています。むしろ総合的な学習の時間に芽吹いていた「国際共生教育」としての教育活動を豊かにすることこそが求められているのです。
拙速導入の批判があった早期英語教育について、そのあり方を幅広い立場から論議し、適切な方向を探るために有識者、保護者、教職員、一般市民らからなる懇談会を設置するなどして研究を深めるべきではないでしょうか。市長並びに教育長のご所見を伺います。
2.質問の2項目目は、これからの市民参画のあり方についてです。
(1)その1として、市民参画推進条例制定に当たってお尋ねします。
本市が政令市、中核市の中でも先行し、来春を目指して仮称「市民参画推進条例」の制定に取り組んでいることは、地方分権の時代における市民主体の市政を具現化する上で時宜にかなったことと評価します。市民の主権行使たる選挙を通じ付託を受け、条例案の議決に携わる議会人として、新時代の行政と市民のパートナーシップをいかに構築するか、当事者意識を十分に持ちながら論議に参画していきたいと考えております。
@まず質問の第1に、1985年市基本構想以来、「市民主体」を掲げ、諸審議会を設置、諸条例に市民参画の理念、参加規定を盛り込み、複数の参画手法を実施してきた本市が、市民参画の推進に関する条例を新たに策定する目的とは何か、これまでの市民参画にどんな問題点と課題を見いだしているのかについても併せてお伺いします。
A関連して2点目に、新条例にいかなる基本理念を打ち立てようとするのかについて質問致します。条例は施策・事業の実施内容や手続きの基本を規定する法的な規範である以上、条例全体を貫く基本理念が極めて重要なことは言うまでもありません。例えば福井市は、「市民協働の推進」、神戸市は、「協働・参画」の表現を関連条例に織り込んでいます。いずれも強調されているのが、行政と市民との「協働(協力して働く)」の概念であり、対等、自主・自立の尊重を核としたパートナーシップの確立です。当然、議会との協働のあり方も検討されなければならないでしょう。
基本理念について本市として条例検討委員会にどのような提起を行っているのか、また交わされている議論を市当局としてどう受け止めておられるのかお答えください。
(2)次に、市民活動団体との連携についてお尋ねします。
1998年に施行されたいわゆるNPO法の誕生は、市民意識の高まりと新たな社会的な担い手の登場を意味します。その活動は非営利・自主的であり、福祉・介護、環境、国際協力、社会教育、子育て、学術文化、まちづくり他広範な公益的な領域に亘っております。金沢市においても、NPO法人として64団体、県ボランティア名簿に登録されている任意団体は120、また、金沢コミュニティ情報ネットへは268団体の登録があるとのことです。法人数をとっても、人口規模からして決して少ない数字ではありません。私は、こうした市民活動団体は協働のパートナーとして役割を増しているものと認識します。
@まず、本市として、こうした市民活動団体の活動についてどのような評価をしているのか、また市政参画にどのような位置づけをイメージしているのか伺います。
A次に、行政と市民活動団体との連携に関してお尋ねします。今夏、厚生消防常任委員会で札幌市を訪れ、市民活動サポートセンターを視察しました。当サポートセンターは、昨年9月に開設され、行政と市民代表からなる事業運営協議会が運営に携わっています。2年間の期限付きで賃貸する事務ブースを活用して、新たな市民活動グループが急速に育ってきており、市民活動の促進に大きく寄与しているとのことでした。
行政として具体的な支援・連携の一歩として、本市に於いても市民活動支援センターの設置を改めて提言します。既存施設或いは空きテナントの利用など、低コストでの開設は現実的に可能でしょう。見解を伺います。
(3)3点目に、金沢地域コミュニティについてお尋ねします。
金沢市における市民参画を考える上で、公民館や町会をはじめとする既存の地域コミュニティの存在を無視することはできません。長年、市民の日常生活に根を張り、相互扶助、子育てや見守り、行政施策の実行を地域で支えるなど重要な役割を果たしてきました。しかし、同時に、現在その崩壊・衰退が言われ、第一線で奮闘する町会長さんたちの中には、業務が多種煩雑だ、防犯他危険業務があるのに保険の一つも市はかけてくれない、行政の下請けばかりといった不満も少なくありません。また、本来地域における民主主義実践の場でなければならない地域コミュニティの運営が民主的でない、事業がマンネリ化、自立性が感じられないなどという住民の声も聞かれるのです。市民参画を進めるには、こうした地域コミュニティの課題も視野に入れる必要がありましょう。実態をどう捉えておられますか。
また、地域コミュニティの活性化に、NPO等市民活動団体との交流や共同事業を取り入れることも有意義ではないでしょうか。市行政が市民活動団体側と協力して、講師や協力者を紹介するための人材バンクを立ち上げるなど、とりくみを具体化してはどうでしょう。併せて見解をお尋ねします。
3.質問の3項目目は、都市生活空間における薬害防止についてです。
条件付きで一部薬剤散布を認めるアメシロ等樹木害虫防除助成事業が初年度の防除時期を終えました。この間、産業技術総合研究所と国立環境衛生研究所が化学物質の脳神経発達への影響を突き止めた動物実験、千葉大学医学部が環境健康指導士養成講座を開設、東京都が化学物質の子どもガイドラインを策定、日弁連人権擁護大会で化学物質政策の策定を求める決議を採択する等環境化学物質が人体に及ぼす悪影響やその防止策について、国内でも研究、認識がまた一歩進んでいます。そうした状況をも踏まえ、以下質問します。
(1)第1に樹木害虫防除新方式初年度の総括についてです。捕殺防除以前の2000年に比べ総散布量は2.4%に抑えられたとのことですが、町会において散布することへの合意形成や周辺住民への配慮は十分に行われたのでしょうか。また、助成制度の枠外とは言え、町会によっては単独で一斉薬剤防除を行っているとの情報も耳にします。薬害防止、環境保全の観点から今年度の実績をどのように受け止め、どう今後の課題を認識しているのかお聞きします。
(2)第2に、農薬の影響を特に危惧されている子どもたちが通う学校での散布量にかなりの格差が見られるようですが、その要因等把握されているのでしょうか。また、高齢者施設、水質管理センター、図書館他広範な公共施設で除草剤散布、学校農園付近での除草剤使用の実態も耳にします。安易な薬剤散布の防止、散布量削減、散布方法の見直しなどについて庁内連絡会として十分な把握・検討・周知は図られているのでしょうか。お尋ねします。
(3)第3に、市立病院を含む医療機関、保健施設内における害虫駆除薬剤の使用についてです。今年11月17日付けで、各都道府県宛に厚生労働省医政局指導課長名で「医療機関におけるねずみ及び昆虫等の防除に関する安全管理について」通知が出されました。そこでは、殺鼠、殺虫剤使用による患者等への健康影響防止の必要性、薬剤による駆除は必須ではなく、発生、生息、被害等の定期的統一的な調査を踏まえ、薬剤散布以外の方法を採用することや薬剤散布を最小限に抑える旨通知されています。報道によれば、市内には、以前から防除業者と連携の上通知の趣旨にあるような配慮をもって防除を実施してきた民間病院もあるようです。本市市立病院、保健衛生施設における施設内防除の現状についてお伺いします。
(4)第4に、化学物質過敏症対策についてです。潜在患者も含めると、全人口中10%程度の化学物質過敏症患者が存在すると言われます。地域保健法第6条の趣旨に則り、環境汚染を要因とする化学物質過敏症患者の生命、生活を支える上で、保健所の役割は極めて大きいと思われます。患者個人への支援はもとより、患者数の把握、情報収集、研修、医療機関、学校、公共施設等への働きかけなど積極的な役割が期待されます。また、呼吸器、循環器系に特色をもつ市立病院において、化学物質過敏症治療を研究・実践するプロジェクトを立ち上げるなど、総合病院であることを活かした具体的な施策を展開すべきと考えます。ご所見をお伺いします。
4,質問の最後に、市民のつぶやきを紹介し、お尋ね致します。
(1)一つ目は、徴税事務への苦情です。
指定口座に不足があり、振り替えできなかった場合の市民・県民税の振り替え不能通知書の表現が、企業局や電力会社のそれと比べて表現がきつい上、金融機関への直接納付を求めているのは、悪質な滞納者扱いを受けているようで腹立たしい、お上意識が抜けていないと立腹する市民の声を聞きます。表現の見直し、口座再振り替え制度の導入はできないのでしょうか。
(2)二つ目は、21世紀美術館のバリアフリーにある死角です。
広大な敷地をもつ美術館にどうしてあんなにトイレが少なく、かつ狭いのかとの市民の参観第一印象を耳にしました。さらに障害者用のトイレが少ないのはバリアフリー時代には致命的な欠陥だとの指摘さえあります。改修を含め対応は検討されているのですか。
(3)三つ目は、バス停です。風雨、風雪、炎天の酷暑時のバス待ちは誰にとっても楽ではありません。ましてやバス利用が多い高齢者にとって、立ってバス待ちするのは厳しいものがあります。せめてもっとベンチがあったらとの声です。ベンチないしはイスの設置拡充を市としてバス事業者へ働きかけてはどうでしょう。
(4)最後に切実な地震避難時の生活物資・食料備蓄への危惧です。金沢市は、地震等自然災害時の避難を想定した食料、生活必需品等の備蓄体制は万全なのでしょうか。
以上お伺いし、私の質問を終わります。 |