社民党金沢主催 金沢市政を考える市民集会 いのち・くらし
福島県いわき市から、社民党福島県連合代表狩野光明さんを講師にお招きして、開催しました。充実した集会の主な日程です。
■講 演
講師 狩野 光昭 さん(社民党福島県連合代表 いわき市議会議員)
演題「3.11、新型コロナ禍 いのちと暮らしの尊厳をどう実現するのか」~憲法の生存権をカタチにする福島の挑戦から~
講演要旨 3.11以後の福島の現状と地域生活保障の課題について
福島県内の地域での活動について
ミニグループ討議(質疑含む)と狩野さんのコメント
■地元報告
今井 公子代表、山本由起子社民党金沢代表
かなざわ夜回りの会 森 一敏社民党金沢幹事長
居住支援法人不動産エリンク 谷村 麻奈美社長
■会場内意見交換
狩野光昭さんの報告は、福島原発事故からの復興が、ゼネコンの復興なのか人間の尊厳ある暮らしの復興なのかを根底から問い直すものでした。そして未だに2万人以上の帰還できない住民を生み出している原発事故の深刻さを再認識させるものでもありました。除染、汚染処理水放出、小児甲状腺がん訴訟支援など、福島県連合は、労働組合、市民団体との連携で粘り強く闘っています。
加えて新型コロナ禍の下での生活支援活動も、多面的です。党としての食材提供活動とリンクした暮らし労働何でも相談は、公営住宅へのチラシ配布に地域住民との協力など実践しながら必要としている困窮世帯に情報が届く工夫を編み出していました。支援される側から支援に加わる人たちの存在は、支援とは、生き方に深くエンパワーメントすることにあることを教えてくれています。
特に、いわき市で動き出した「官民連携プラットホーム」は、制度の隙間、行政組織・勤務時間制約から公務の及ばない領域を埋める自治的な舞台を生み出していました。金沢でも求められる困窮者支援の共同拠点のモデルになるものと思います。
地元報告の円光寺こども食堂6年の取組は、子どもを仲立ちとしつつ、困窮世帯への支援、子どもの人権保障のしくみを生み出す連携活動の場として役割を発揮してきました。
人の善意の力を引き出しながら、支援することが生きがいや尊厳を高める事業であることが今井代表から語られました。
ホームレス支援夜回りも、救おうとする側と救われる側から救う側に転じた坂優さんが動いたことで、多様な参画者を求心してきました。この現場に立つ仕事は、生活保護行政に影響を与えてきました。偏見と烙印により抑圧される被生活保護から、生活保障制度として堂々と受けることができるものへと制度理念、運用共に変革が必要です。公営住宅の緊急時利用や公的シェルターの必要性も議論になりました。
「金沢市においても公的シェルターが必要です。」
エリンクの谷村社長は、不動産事業の枠を飛び越え、居住権保障、生活支援の社会活動を展開するに至っています。従来型の支援制度は、それぞれがばらばらに切り離されており、誰をどのように救い、支えていくのかが見えてこないと手厳しい。居住支援の官民連携は、形骸化して機能不全。これを必要としている人のための制度として動かすには、いわき市のような官民連携のプラットホームが有効ではないかと課題を提起しました。
今日は、議会発言通告を明日に控える中、遠く福島から狩野さんをお招きしました。そのおかげで、地元の活動にも深い意味付けを得ることができました。講師を引き受けて下さった狩野さんに感謝申し上げます。
現場は地方にあります。社民党はさまざまな方々と力を合わせ、生存権保障を進めます。自治の力を高めて生存権を獲得しよう!
生存権を抑圧する軍拡改憲策動には、断固立ちはだかります。