今日6月14日は、いしかわ教育総研平和教育部会が活動した。
まず午前中、いしかわ教育総研が軍都金沢をテーマにフィールドワークを行った。私がガイドを務め、若い世代の現場教職員と共に歴史博物館で県史を概観した後、第9師団司令部と将校クラブだった偕行社、そして大東亜聖戦大碑を視察した。午後の総研平和教育公開講座では、元海軍特別年少兵、金沢在住の星野啓次郎さんの講演を聴いた。
金沢は戦災は受けなかったが、明治維新後、大陸侵略の主力となった第9師団の本拠地をもつ軍都であった。天皇制帝国主義国家として拡張する過程で、いかに教育が思想動員に統制利用されたか、今ほど認識が求められる時はない。
安保法制に違憲立法が画策され、国軍を保持する改憲が意図される時代だ。教科書への政治介入、道徳の教科化は差し迫っている。戦争美化に与してはならない。まなじりを決して子どもたちの側に立ち切ろう。
語り尽くせない怒り
午後の総研平和教育公開講座では、元海軍特別年少兵、金沢在住の星野啓次郎さん(86歳)の講演を聴いた。ずいぶん長いおつきあいを頂いてきたが、衰えることのない戦争責任追及の姿勢に襟を正させられる方だ。
徹底した軍国主義教育によって、わずか14歳で海軍特別年少兵に志願した星野さんは、初年兵教育と称するイジメ、鉄拳やバットによる殴打制裁の日々に投げ込まれた。
「アジア解放」の美名に飾られた戦争の実態は、他国での他民族殺戮合戦であった。これを陸軍と海軍が競い合った。その駒は兵士たちであり、命令を下した高級上官たちは、生き残り、戦後に政財界に復権した。
星野さんは、彼らをゾンビと呼び、戦争をしてでも、権勢と金儲けを得ようと蠢いていると厳しく糾弾した。
語っても語り尽くせない星野啓次郎さんの心から学び取るのは私たちの戦後責任でもあろう。戦争立法を阻止する声は、全国から、自民党の長老政治家まで広範な層から上がり出している。星野さんの痛苦の体験を最後にしなければならない。