2025年12月定例月議会報告
◪一般質問の骨子 (2025年12月10日 本会議)
1.市長の政治姿勢に関して
(1)市政1期目の自己評価について
(2)生活保護基準引き下げ取り消し最高裁判決に関して
(3)都心軸の再整備について
(4)自治体の平和施策について
2.学びの多様化学校整備費について
3.金沢の農業と森づくりプランの改定について
4.市民のつぶやきから
障害があるからと遠足送迎や合宿時の付き添いを親が求められるのは理不尽の声
◪一般質問の全文 (一問一答方式)
議席番号32 みらい金沢 森 一敏
1.市長の政治姿勢に関して
(1)市政1期目の自己評価について
森 一敏議員:みらい金沢の一員として、以下数点にわたってご質問させていただきます。まず、青森県沖で大きな地震が発生いたしました。被害の全貌については、これからまだ明らかになってくるものと思いますけれども、まずは被害に遭われた方、怪我をなさった方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。それでは一点目、市長の政治姿勢に関して、まずご質問いたします。その1は、市政一期目の自己評価についてお伺いいたします。村山市長は2期目の市長選挙に立候補を表明されました。2022年3月に就任された市長は、2023年12月に都市像を「未来を拓く世界の共創文化都市」と定め、翌年2月に最上位計画として「未来共創計画」を策定し、市政運営に当たってこられました。就任から3年9か月を振り返っての所感、自己評価及び続投を目指す市政への思いを伺います。
村山 卓市長:私の市長就任当時については、コロナ禍の最中でありました。また、令和6年の能登半島地震、さらには大雨災害も含めて未曾有の事態が続きましたけれども、日々変わる目の前の新たな課題に対して、市民生活の安全安心と地域経済の再生を最優先にして、成し得る限りの対策を講じてきたと考えています。これに加えまして、市政を未来へつないでいくため、新たな都市像を掲げるとともに、その具現化に向けた未来共創計画を取りまとめまして、都市再生緊急整備地域の指定のほか、アーツカウンシル金沢の充実であるとか、子どもの情操教育の推進、第2子保育料の無償化、あるいは中小企業等の振興条例の制定など、持続可能な社会の実現に向けて、全力で取り組んできたところであります。市民の皆様のご理解が、ご支援がいただけるのであれば、引き続き、市政の舵取り役として全身全霊を傾けていきたいというふうに思っています。なお、自己評価についてであります。これまで目の前の課題に対して真摯に取り組んできたというように思ってはおりますけれども、あくまで評価については市民の皆様が行うべきものであるというふうに思っておりますので、私から申し述べることは差し控えさせていただければと思います。 再び市民の審判を受けようということでありますので、評価については、こういうことかと思います。
(2)生活保護基準引き下げ取り消し最高裁判決に関して
森 一敏議員:今、ご答弁になりました点につきまして、以下、具体的に関わってくる部分がありますので、先に質問を進めさせていただきたいと思います。
まず、市民生活を第一に考えていきたいということでありました。2点目として、生活保護基準引き下げ取り消し最高裁判決に関してお伺いをします。今年6月27日に最高裁は、2013年8月から実施された自治体による保護費の引き下げ変更処分を、生活保護法違反として取り消しました。続いて、9月17日、金沢訴訟でも、お一人がお亡くなりになったため、原告3人に対して、最高裁判決と同様の控訴審判決が、名古屋高等裁判所を金沢支部で下され、これ確定をいたしました。生活保護基準は、住民税、課税最低限、就学援助など47の社会保障制度のものさしとなっておりますから、生活保護世帯だけではなく、広く市民生活に影響が及んだものと思います。被告であり、国の法定受託事務を執行する本市市長として、本判決をどのように受け止めておられるのか。
村山 卓市長:ただいまおっしゃられたとおり、生活保護については、国の法定受託事務であります。国と本市が被告となった今回の判決の内容について、重く受け止めております。
森 一敏議員:国の謝罪、減額分の全額支給の要求に対し、ようやく11月7日の衆議院予算委員会で、高市首相は深く反省し、お詫びしたいと政府として初めて謝罪し、一部補償に言及しました。私は混乱が及んだ自治体へも国から謝罪があってしかるべきと考えるんですけれども、村山市長からも、減額に苦しんできた原告被保護世帯に対し、謝罪の意を表明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
村山 卓市長:今回の判決でありますけれども、平成25年の生活保護基準改定における国の手続き上の問題に起因しております。生活保護は法定受託事務でありますために、一義的には国の責任と考えておりますけれども、国と本市が被告となった高裁判決について敗訴しております。この判決内容については重く受け止めております。ですので、支給決定を行ったという事実について、本市としてお詫びを申し上げたいと思っています。
森 一敏議員:市長から、法定受託事務としての執行にあたる本市としての謝罪の言葉が表明されたと、私もそれを受け止めておきたいと思います。国の一部補償の方針ですが、様々な問題をはらんでおります。問題をはらみつつも、11月28日に閣議決定された政府補正予算案に,追加給付と原告への特別給付として、これが盛り込まれました。そのように聞いております。その執行に当たるべく、本市としての受け止めと、これからの対応について、ご所見を伺います。
村山 卓市長:今後行われる追加給付について、その制度設計と算定方法に関しましては、国に権限があると受け止めています。本市は法定受託事務として、国の決定に基づいて必要な支給手続きを執行する立場であります。今後、国から示される詳細な事務執行手続き等に従って対応してまいりたいと存じます。
森 一敏議員:今臨時国会で、これを含む補正予算が確定をするということを見守らなければいけないわけですけれども、当然、首相謝罪があって、そして何らか補正の中でこれが含まれる。その手続きを待つということですが、現段階で国が自治体に対して,どのような情報提供しているか、それは市長のところに届いておりますか。
村山 卓市長:いまだ制度設計上の内容でありますので、その国からの指示を待って、詳細、今後の支給を行いたいと思っています。
森 一敏議員:長い年月にわたって、この減額の処分によって大きな被害を被った、中には途中で不幸にしてお亡くなりになった方も少ないという問題でありますので、この補償、追加支給、そして原告に限りますが特別給付。これは一日も早く速やかに実施をされなければならないものと思います。そういう立場に立って、所管の福祉事務所とも十分に協議をして、ことにあたっていただかなければならないと思いますので、その動向をこれからも注視してまいりたいと思います。
今回の政府の一部補償という考え方の中には、伝え聞くところによれば、いわゆるデフレ調整の減額基準引き下げ、これについては、すべての最高裁の裁判官の方々が一致して、これは問題があり、違法であると、こういう判決を下されました。しかし、ゆがみ補正というものについては、これは違法ではないというのが多数意見になったわけですが、宇賀裁判長お一人、裁判長でありながら、少数意見として反対意見を明確に述べられまして、ゆがみ補正についても違法だと。さらに、国の過誤を認めた以上は、経済的な損失補償だけではなくて、慰謝料も支払うべきだと。ここまで裁判長が、個人の立場を少数意見として明確に述べられたという問題でありますので、相当この長い年月さかのぼって、どなたにも間違いなく、正確にこの補償を行っていくのかということは、なかなかたいへんな作業ではないかなと、私も拝察するんですけれども、これをやっぱりきちっとやっていくということが、市長は冒頭におっしゃいましたが、何よりも市民生活に寄り添っていくと。これは守ると。やっぱり将来にわたって生活を持続していくために、これはきちっとやっていただかないといけませんので、改めて、そこに向けての市長の決意を再度伺っておきたいと思います。
村山 卓市長:現時点でまだ詳細な事務執行手続きの通知が来ておりませんけれども、この国の補正予算の内容の中で、専門委員会報告書等を踏まえた対応の予算が組まれております。そうしたことも参考にしながら、手続きに遺漏がないように進めていきたいというふうに思います。
森 一敏議員:問いとしては繰り返しませんけれども、今回の内容、報道で伝えられていること、所管の方へ国からもたらされている経過報告とか情報、そういうものを見ますと、原告になった人とそうでない被保護世帯が分けられた対応をどうも考えているということで、私、これが新たな問題にならないかということをたいへん心配をするものでもあります。そうしたことも念頭において、国とのやりとりをぜひ行っていただきたいということを思います。
(3)都心軸の再整備について
森 一敏議員:それでは3番目、都心塾の再整備について。この質問を考えますと、やはり私も亡くなられました山出保元市長が、この分野にたいへんな情熱を込めておられた在りし日のお姿がまざまざと思い起こされます。都心軸の再整備事業について、日本銀行金沢支店跡地先行利活用準備費、プレーゴの解体及び片町4番組山側地区の再整備に係る事業費が補正予算に計上されました。この両地については、整備・利活用に関する見通しや方針の軌道修正に迫られる事態が目につきました。改めて、これらの経過に本市としての教訓があるのか、また、今後の事業展開で後手に回ることがないようどう留意するのか、市長のご所見を伺います。
村山 卓市長:私の都市像、そしてそれに基づく未来共創計画、共創という言葉も使わせていただいております。若い方々や民間の事業者、移住者も含めた多様な方々とも意見交換をしながら進めていく、そのことがまちづくりの一つのあり方であろうというように思っております。
今回の都心軸の再整備に当たりましても、本市の考え方をお示しするとともに、市民の声を聞きながら丁寧に進めていくということが大切であるというように考えています。日本銀行金沢支店跡地につきましては、金沢21世紀美術館の仮移転先としての活用、また地下金庫室の公開といったご意見がございました。改めて検証を重ねた結果、追加の改修工事によって対応することができると確認できましたので、今回必要な設計費等を計上させていただきました。
また、片町四番組山側地区につきましては、プレーゴの新たな所有者である株式会社フジタが単独で施設整備を行うということでありますので、地域整備方針に沿った開発をこちらから要請する。これとともに、残る敷地における建物の更新の在り方、手法について、権利者であるまちづくり協議会と協議を進めているところであります。
森 一敏議員:私も片町と犀川の川向いの千日町というところで、育まれ育ったものですので、この片町の姿がどのように変貌していくのかということには関心を持たずにはいられないという者でもあります。金沢市が行政としてのリーダーシップをとっていこうとするときに、途中の軌道修正というものがたびたび目につくということになりますと、見通しをどの程度持って全体的なあるべき姿、そこに至る道を構想しているんだろうかというところに、やはり一抹の不安を感じるということがありますので、そこを十分に調査力、あるいは関係する様々な方々と、どのようにあらかじめ情報共有や意見調整した上で、今後のことに当たっていくかということについて、まさに後手に回ることがないように対応を進めていただきたいと重ねて意見をさせていただきます。
他方、金沢都ホテルは跡地の再整備について、近鉄不動産との実務者間協議を始めているとのことです。9月に、先ほどもありましたが地元市に160メートル級日本海側トップの見出しで、近鉄不動産の官民複合ビル構想が報じられ、市民に少なからぬ驚き、あるいは衝撃が走ったことと思います。私もあのあべのハルカスの姿を想起さえいたしました。近鉄不動産からの計画が正式に提案されれば、策定した都市再生特別地区運用指針に沿って検討、審査をし、金沢市の都市計画として決定の上、石川県に都市再生特別地区の設定を求めることになります。記事によると、同席した市長はワクワク感。馳知事は相手もいるんで、コメントを控えると、慎重姿勢だったということです。
私は思います。この構想を実現するとしたら、本当に大丈夫なのかと。本市の歴史的風情と、近代的センスが高く評価される金沢駅東口の目の前に、天を突くようなのっぽビルがそそり立つ光景。これ金沢らしいものなのか、周辺環境への影響、他県でいわゆる指摘される投資目的がもたらす結果としてゴーストタウン化、過大投資のツケが回らないのか、一口に言えばまちづくりの規範、保全と開発の調和が、高度規制も容積率規制も撤廃する中で、果たして確保されるのかという懸念です。相当にタフな交渉が待ち構えているように思いますが、総合的判断を手続き上下すことになる市長にまちづくりの規範を保持する覚悟のほどを伺っておきたいと思います。
村山 卓市長:都市再生緊急整備地域の地域整備方針でありますが、本市のまちづくりの規範である保全と開発の調和、これは、この地域整備方針全体にかかっているものであります。そして、その中で、金沢駅周辺区域と都心軸区域の特性を際立たせた都市づくりを進めるということを目的に取りまとめたものであります。金沢都ホテル跡地について、何より大切なのは開発の中身であると捉えております。近鉄不動産に対しましては、これまで一貫して地域整備方針に沿った開発を求めておりますし、9月に策定した都市再生特別地区の運用指針に沿って、整備方針との整合、都市再生への貢献などを個別に協議をしております。高度地区の規定を適用除外とする都市再生特別地区の決定権者については、石川県になりますが、この石川県とも連携を密にしながら、近鉄不動産との具体的な協議を進めて、県都金沢の玄関口にふさわしい開発を誘導していきたいと考えています。
森 一敏議員:先ほど市長自ら答弁なさった、金沢は金沢だと、あるいは金沢は小京都ではないとか、さまざまな山出語録というものが思い出されてくるわけですけれども、民間の業者さんの開発行為にどう行政が公的な立場で関与していくかということはなかなか難しいと。このようにもおっしゃっておられました。相当の覚悟が私はいると思いますので、今後、具体的な協議が進んで、私たちにもその姿というのは、現れてくる時期が来るのかと思いますので、またその時に、より具体的な議論をさせていただきたいと思っております。
(4)自治体の平和施策について
森 一敏議員:4番目、自治体の平和施策についてです。議論を交わしてきた自治体の平和施策。本年、本市は戦後80周年平和都市宣言40周年記念事業「広島原爆平和展in金沢」を開催しました。私ももてなしドーム地下広場の会場で、被爆者の講和を拝聴し、被爆の実相を伝える展示品に目を凝らし、VRを体験いたしました。若い世代や親子連れの参加が目立ちました。市長はこの取り組みをどう振り返り、所感をお持ちかお聞かせください。
村山 卓市長:今年の8月に開催いたしました広島原爆平和展、私も会場に足を運びまして、VRゴーグルも体験させていただきました。このVRゴーグルによる原爆被害などの疑似体験を含みまして、その他、被爆体験講話、体験談の朗読会などによって、原爆による悲惨な状況や命の尊さを伝えることができたと考えております。今回、戦後80年を機に企画や内容を充実させて開催したことから、若い世代からお年寄りまで、2500名を超える方にご来場いただきまして、ご来場された皆様が、原爆による被害、戦争の悲惨さに触れて、平和を考えるきっかけになったと考えています。開催を通じまして、改めて平和の尊さ、戦争の悲惨さを後世に伝えていけなければならないという思いを強くしたところであります。
森 一敏議員:田中角栄元総理大臣。戦争体験者がいる間は大丈夫、戦争体験のない者が世の中の中心に出てきたときは危ないと、こういう言葉を残しておられるわけですね。従いまして、戦争の実相とか悲惨さとか、あるいは平和の尊さとか、これは,二度とそのような事態を招かせないために必要な歴史認識が、戦争や平和に対する一つの世界観ということではないかと思います。自治体もそれを体現して、自治体の平和力というものをいかに高めていくかということを考えなければならない。私はそう固く信念を持っています。
これに関連して、教育長にもお尋ねします。本平和展の会場内には、私もかつて教材として活用した漫画「はだしのゲン」が展示されていました。アメリカを含む世界25か国で翻訳されてきた「はだしのゲン」は、被爆の実相を伝え、戦火の悲しみ、戦時体制への怒り、抵抗、家族愛、平和の希求など多面的な内容が、この節目に再評価されています。NHK新プロジェクトXでは、アメリカに渡った漫画「はだしのゲン」が放映されました。劇場でも「はだしのゲンはまだ怒っている」が、この秋から全国で公開が始まっております。学校における被爆体験の継承、平和教育の推進に対し、積極的なシグナルを発してこられた野口教育長に、「はだしのゲン」の活用に関する思いを伺います。
野口 弘教育長:お答えいたします。私も広島原爆平和展in金沢の方に行ってまいりました。そこでは、私も久しぶりに「はだしのゲン」に接しました。私的には「はだしのゲン」につきましては、作者自身の被爆体験等をもとに、戦時中の人々の暮らしや被爆の惨禍、復興に向けて立ち上がる人々の様子を描いた全国で長く読み継がれてきた作品であり、二度と戦争を起こしてはならないという強い願いを読者に訴える内容であると思っております。報道等で世界で起こっている戦争で犠牲になられた方々とか、被害にあった方々の姿に接すると、深く心痛めております。
子どもたちには、「はだしんのゲン」だけではなく、金沢市遺族連合会が作成された「知っていますかこの国で戦争があったこと」など、戦争体験や被爆体験を扱った様々な作品を通して、平和について自分の考えを形成する能力や、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を身につけながら、二度と戦争の惨禍を起こしてはならないという心が、一人一人の子どもたちの心の中にしっかりと育ってほしいと願っております。私自身、これからも全力で平和教育の推進に取り組んでまいります。
森 一敏議員:子どもたちに経験、二度とさせてはならない戦争体験でありますので、体験せずして、二度とこれを体験してはならないという意識を育てるということは、なかなか難しいと思いますけれども、子どもたちにそうした学びの機会というものを積極的に提供するような、学校の営みというものをぜひ応援していただきたいと思います。
市長に、これは質問ではないんですが、この際、一点だけ申し上げておきたいと思います。今回の議会冒頭の提案理由説明の中で、高市首相の安全保障の強化はもとより、言葉ちょっと不正確かもしれませんが、その言及がありました。ご承知のとおり、今、日中関係最悪の状態に陥っております。金沢市の地域経済にも早晩の影響が及んでくるのではないかと思います。この存立危機事態というものの認識について、元内閣の法制局長官までもが最近、意見を表明しておられている。これは国際法の交戦規定という問題とか、あるいは国連を中心にした戦後の世界の平和の枠組み、これに深く関わってくる大きな問題なんだと。そのことをどれだけ認識をされているのかということに対するたいへん懸念も表明されております。
これはまた改めて議論させていただこうと思いますけれども、先ほどの金沢の広場展を振り返った市長の真摯な思いというものを受け止めるがゆえに、なおのごと非常に違和感を感じるということなんで、これはぜひ宿題として先に残させていただきたいと思います。
2.学びの多様化学校整備費について
森 一敏議員:では質問の2点目、学びの多様化学校の整備費についてご質問いたします。旧馬場小学校舎等の改修工事の実施設計費が補正計上されました。「学びの多様化学校」のコンセプトは、改修設計にどう盛り込まれるのでしょうか。
野口 弘教育長:旧馬場小学校の改修設計にあたりましては、「学びの多様化学校設置検討委員会」からの答申に基づきまして、個別スペースや集団スペースなどを設置するほか、オンライン事業等の設備を備えるなど、一人ひとりの自分の居場所を見つけ、環境面と心理面で安全・安心を実感できる空間とするとともに、そのことに意を用いながら、また、保護者が相談や交流できる空間も設けていきたいと考えております。
森 一敏議員:先日、集会に招いた世田谷の保坂展人区長から世田谷区も学びの多様化学校、こ
れを来春開設するという準備に入っておられると伺いました。私は、学びの多様化学校が新たな分離教育の場になる懸念をこれまで表明してまいりました。注目したのは、個性に合わせた多様な学びや柔軟な教育課程の編成は、区内の通常の学校教育にもフィードバックし、子どもが通い、学びたくなる学校への変容を促していく。このように説かれました。これに反映した世田谷区の教育大綱は、モアノートに掲載させていただきました。学びの権利に対する子どもたちへの宣誓が行われている文章だなと思います。
この際、学びの多様化学校の設置は、あまねく学校改革の一環でなければならないとの命題について、改めて教育長のお考えをお聞きいたします。
野口 弘教育長:学びの多様化学校設置検討委員会からの答申には、委員長からの学びの多様化学校を通常の学校と分離するのではなく、学びの多様化学校を布石として、最終的には通常の学校のあり方を問いかけ、市内すべての学校を魅力ある学校にすることを期待したいとの思いが添えられております。この思いは、私も全く同感であります。おそらく、森議員の心にも相通じるものがあるのではないかと思っておりますが、
このことから、整備を進めていく学びの多様化学校での教育環境、また、そこで学びたいと通ってくる子どもたちとつくり上げていく教育課程、一人ひとりのニーズに応じた学びの計画づくりなどが、これからの学校運営のモデルとなって、今後、本市の小中学校における多様な学びの実践につながっていくことを願っています。
森 一敏議員:今後またこれも具体的な姿が見えてくるということですので、今、教育長が御答弁されたことを全く私も賛同いたしますので、この学びの多様化学校が独り歩きしていくだけのものになるということではなくて、国連からもたびたび指摘されてきた日本の過度に競争的な子どもたちの教育環境、教育システム、これが具体的に見直されていくということを強く期待を申し上げます。
3.金沢の農業と森づくりプランの改定について
森 一敏議員:3番目、金沢の農業と森づくりプランの改定についてご質問いたします。本年は、消費者を翻弄する「令和の米騒動」、「令和の百姓一揆」が話題になりました。農業と林業の計画・実施は、命と暮らしを根底で支える重要な課題です。まず、現行プランの農業、林業それぞれにおける主要な事業の到達をどう評価しておられるかお聞かせください。
村山 卓市長:現行プランの目標の到達について、必ずしもすべてが到達しているものではありませんが、その中でも主要事業について、例えば農業におきましては、担い手の育成確保に向けた農業大学校の研修内容の充実や農業用機械等の購入支援をすることで、新規就農者数、目標である累計200人。そして集落営農組織数39組織、これを達成する見込みとなっております。
また、森づくりにつきましては、市営造林の主伐の本格実施、また民有林の整備、荒廃竹林の解消に向けた支援を行うことで、金沢産材の供給量について、昨年末時点で目標、年間2500立方メートルでしたが、これを大きく上回る9400立方メートルとなっております。いずれも現行プランの根幹をなす重要な事業でありますが、そうした中では、農林業の持続可能な、持続的な発展に向けて一定の成果があったと捉えております。
森 一敏議員:次期プランに入っていくことになりますが、計画期間はこれまでの10年間から5年間へと短期設定しております。本市としては問題意識をお聞かせください。
村山 卓市長:全国的にも農林業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本市におきましても、加賀野菜の担い手の減少や高齢化の進行のほか、高温による加賀ふときゅうりやトマトなどの品質低下、頻発するクマの出没や耕作地での鳥獣被害の増加とともに、農林業資材費の高騰やスマート農林業への対応など解決すべき課題が少なくないことから、これらに迅速かつ適切に対応するため、今回、計画期間を5年間としたところでございます。
森 一敏議員:なかなか容易ではないと思います。次期プランにおきましては、農業では認定農業者育成が指標から消えた施策上の意味、本市における担い手の所得向上、労働者あっせん事業、外国人就業のあり方、有機農業を含む環境保全型農業の普及へのテコ入れ、林業においては、主伐後の再造林促進のあり方、福祉との連携、クマ被害への対策といった取り組みへのお考えを伺っておきます。
村山 卓市長:認定農業者については、地域農業の中心となる担い手として大切な存在でありますので、今もこのことには変わりはありません。その上で、地域プランにおきましては、この認定農業者の育成に必要となる担い手への農地集積の促進、さらにはスマート農業導入による農作業の効率化・省力化がより重要と考えまして、そのことを指標としております。
また、労働力確保や気候変動対策とともに、高収益化と省力化、これが農業と森づくりの共通の課題でもあります。次期のプランにおきましては、労働力確保に向けた福祉との連携、アクティブシニア等の活用、減農薬、減化学肥料栽培技術の普及拡大、熊などの鳥獣被害への効果的な
対策、そして、市営造林の主伐の推進、金沢産材の利用拡大に向けた取り組みの充実、そういったことを、課題解決に向けて、具体的な施策として明示したところであります。次年度以降、その具現化に向けて取り組んでいきたいと思います。
森 一敏議員:国政における農林水産業に割く予算の配分割合というのは驚くほど小さいです。今、金沢市新プランに向かって、これ策定中でありますけれども、それに対応するには、それ相応の財政措置が必要だろうと思っておりますので、今後、本格化する予算編成の中で、それが目に見えるようなものになるように期待をしたいと思います。
4.市民のつぶやきから
森 一敏議員:最後に、市民のつぶやきからお尋ねします。障害があるからと、遠足送迎や合宿時の付き添いを親が求められるのは理不尽だという声があります。
本市は、障害者の権利条約、障害者差別解消法に基づく共生共学を支える仕組みとして、特別支援教育支援員の配置、特別支援教育サポーターの派遣、医療的ケア児を支援する学校看護師の配置など、合理的配慮として制度化してまいりました。これらにより、個別のニーズに応えるとともに、学習集団として子どもたちをつなぐ条件整備に努めててきたと思います。
この経過を評価しておりますが、時間の推移とともに、教育現場のニーズに応えきれない制度の制約が見られるように思います。配置人数と配置時間、時間単価の引き上げ、専門職としての学校看護師の処遇の引き上げなど、いずれも財政措置によるところが大きい課題であります。それらを拡充する方向での見直しが必要ではないかと思いますが、市長の見解を伺います。
村山 卓市長:森議員から評価いただきましたとおり、医療的ケアをはじめとする特別な制度や支援を必要とする児童生徒一人一人の教育的ニーズをに応じた支援が行われるよう、これまで。特別支援教育支援員や学校看護師の配置等の充実を図ってまいりました。
障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちが、その能力や可能性を最大限に発揮し、共に学び、相互に人格と個性を尊重し、認め合っていくということ、とても大切なことだと捉えております。財政措置の課題だけではなく、例えば特別支援教育支援員等の確保といった課題の解消が必要となってまいりますが、今後も保護者のニーズになるべく寄り添って支援の充実が図られるよう、教育委員会と連携して取り組んでいきたいと思います。
森 一敏議員:学校看護師さんなんかは、特別支援教育サポーターに支払う時給では、なかなか
確保が難しい。まあ、具体的に言うと、そういうような問題があるわけですね。ですから私、この質問では、財政措置は大事ですよということを申し上げておりますので、そのことについて再度お答えをお願いいたします。
村山 卓市長:繰り返しになりますけれども、保護者のニーズに寄り添った支援の充実が図れるように、連携して取り組んでいきたいと考えています。
以上
◪議会議案の動向について
みらい金沢から提出した一覧順5、6、7は、いずれも自民系の反対により、少数否決で不採択終わりました。
賛成多数、全会一致採択は、1~4、8、12でした。私は、1の辞職勧告決議案には退席し、2、3と8、9~12までに賛成しました。4には、保守層の中絶忌避の思想を見てとり反対しました。
非核三原則の見直し、スパイ防止法(国家情報局設置も関係)などの非核平和主義の破壊、思想信条の自由や知る権利を抑圧する治安立法の類いが目論まれています。地方から民意としてダメだの意思表示に取り組む必要があります。 まさに、平和主義の国是は試練に立たされています。
