2025年6月定例月議会一般質問報告
【質問項目】
1.補正予算案について 
(1)米国関税措置対策について
(2)玉川図書館建築レガシー継承事業費に関して
2.公共事業における労務費の価格転嫁について
3.石川県地震被害想定に係る本市地域防災計画の見直しについて
(1)石川県地震被害想定の見直しについて
(2)原子力災害対策計画に関わって
4.差別解消のための人権・同和施策について
(1)本市市民の意識状況について
(2)人権教育・啓発活動について
(3)事前登録型本人通知制度の運用について
5.旧森紙店の保存活用と犀南地区の活性化について
6.市民のつぶやきから
「みなし仮設住宅等で生活する被災者を息長く支えたい」
◪6月定例月議会 一般質問と答弁 議席番号32番 みらい金沢 森 一敏
1.補正予算案について
(1)米国関税措置対策について
森 一敏議員:みらい金沢の一員として、以下ご質問させていただきます。第1は補正予算案についてです。その1番は、米国関税措置対策についてです。米国の相互関税、自動車関税等の経済的な影響を考慮し、海外販路開拓支援の拡充、中小企業振興特別資金関税措置対策分を創設する補正事業が計上されております。国際見本市等出店補助の引き上げ、5,000万円を上限とする融資信用保証料全額助成市内中小企業に及んでいる具体的な影響・予測は、これらにどのように反映されているのか、まずお伺いいたします。
村山 卓市長:本市では、米国関税措置に関する市内の中小企業の不安解消を図るため、今回の補正予算より前ですけれども、この4月にいち早く相談窓口を開設いたしました。現在、相互関税は停止されており、国において撤廃に向けた交渉が行われておりますけれども、経済の先行きを不安視する声がありますことから、前もって必要な支援策を講じることが肝要と考え、今回、資金繰り支援や海外販売物の拡大に係る予算をお諮りしたものであります。関税の影響が深刻化する事態にも対応できるように、引き続き国の動向を注視するとともに、県との連携も図りながら、中小企業の支援に万全を期してまいりたいと考えています。
森 一敏議員:これは大へん多くの方が心配を先行きについて、なさっておられるということで、先んじて支えますよというメッセージを出されたものと思います。今後どんな具体的な影響が及んでくるか、これは注視しなければいけないと思っております。
(2)玉川図書館建築レガシー継承事業費に関して
森 一敏議員:2点目は、玉川図書館建築レガシー継承事業費に関して。この補正額、債務負担を含め、3億8,980万円、資材単価及び労務単価の上昇に伴う工事費等の増額としておりますが、入札不調への対応を理解しております。まず、この経過をどのように受け止めておられるのかお聞きします。
村山卓市長:玉川図書館につきましては、谷口吉郎、吉生氏の親子唯一の共同作品であります。これまでも谷口建築設計研究所と十分な協議を行いながら準備を進めまして、4月に改修に係る建築工事を発注いたしましたが、資材単価及び労務単価の上昇の影響を受けまして、価格が合わずに入札不調となったものであります。創建時の建築意匠を守りながら、かつ市民への図書館サービスに支障をきたすことがないようにということで、図書館のリニューアルオープンを予定通り進めていくために、速やかに発注形態や価格を見直しまして、再度発注し、今般追加での工事の締結議案をお諮りした次第でございます。
森 一敏議員:再入札に向けて予定価格を再設定されたわけですけれども、労務費の設定はどのように考慮されたのか伺います。
木谷 哲土木局長:再入札の労務費の設定についてお答えします。再入札の予定価格についてでございますが、標準的な施工に用いる複合単価の労務費は国が定め、年一度改定されるため、見直しを行うことはできませんが、特注の建具、家具などに用いる見積単価の労務費につきましては、直近の実勢を反映した単価を採用し、再積算を行いました。以上です。
2.公共事業における労務費の価格転嫁について
森 一敏議員:公共事業における労務費の価格転嫁ということについて、2番目の質問として関連してお伺いします。本市の2024年度の入札不調において、設定予定価格では見合わないということが理由となった事例は他にもあるのか、その実態をお答えください。
川端宏樹総務局長:昨年度、価格が合わないとして応札がなく、入札不調となった件数は8件。予定価格を超過して入札したため無効となり、入札不調となった案件が1件、合計9件ございます。
森 一敏議員:国は、実勢労働市場価格を反映させたとして、公共工事設計労務単価を平均6%、13年連続で引き上げております。それでも労務費を理由に、不調となるケースが起こっているわけです。他方で、総務大臣は、最新の実勢価格を踏まえた適切な価格設定を要請して、物価高騰対策重点支援地方創生交付金を活用した価格転嫁の円滑化を促しております。公共事業における労務費の価格転嫁に対する本市の考え方をお尋ねします。
高木陽一都市整備局長:本市の発注工事の積算に使用している公共工事設計労務単価につきましては、国が労働市場の実勢価格を適正に反映したものと認識をしておりまして、市独自の労務単価を作成することは現実的ではないと考えております。そうしたことから、工事発注時における直近の材料単価を反映した設計単価の採用や、契約後の急激な物価上昇へのインフレスライド条項の設計単価への適用などによりまして、物価上昇分を工事価格に反映させるよう努めてきております。加えまして、今年度からは、本市の工事価格と事業者の見積もり価格との間に、特に乖離が見られた一部の工種につきましては、直近の労務費と材料費を反映した見積もり単価を採用しておりまして、引き続き実勢価格を踏まえた適正な予定価格の設定に努めていきたいと考えております。以上です。
森 一敏議員:労務単価の設定については、国が提示をし、県も本市もそれに準拠をしてやっていくと。まあ、これは変えられないということは理解をしておりますが、実際に工事に当たる、あるいは働く方々の中に、この物価上昇に追いつかない労務単価への反映というものは、非常に切実に求めていらっしゃるわけです。ですから、知恵を働かせて、財源を有効に利用、活用して、その不安に金沢市は、公共事業、その不安に対してしっかり応えていきますよということが十分に伝わるようにしていただきたいと、そのように思います。これは要望として申し上げておきます。
3.石川県地震被害想定に係る本市地域防災計画の見直しについて
森 一敏議員:3番目の質問に入ります。石川県地震被害想定に係る本市地域防災計画の見直しについてです。第一に、石川県地震被害想定について。パネルを議長の許可をいただいて掲げさせていただきます。また、同様の資料はモアノートにも掲載しておりますので、ご参照いただければと思います。公表された石川県地震被害想定では、本市の直下を走り、最も確率が高いとされる森本富樫断層帯。これが動いた場合の衝撃的な推計数値が並びました。対象断層は国の知見を得て、四本から九本、合わせて九本に増やしたことにより、県内全体として。被害想定がより深刻なものとなりました。とはいえ、令和6年能登半島地震の被災状況は反映されておりません。
これが令和6年の震源をプロットしたものです。これが150キロに及ぶ断層帯の連動と言われておるもので、歪みはその両端に今溜まってきているんじゃないかという専門家の指摘があります。この地震の影響によって起こった被災状況については、石川県の今回の被害想定の見直しには反映されていないということですね。これは非常に不安が募ります。それから、能登半島北部に隣接する海域断層、能登北部に隣接をする海域断層は、まだ評価が定まっていないということも指摘をされています。また、金沢市以南の海域、ここには断層は一つも書かれていないわけですけれども、この金沢以南の海域については、まだ調査もされていないと。そして、これらの、特に1番と2番ですね、金沢で言えば、隣接する森本富樫断層帯と邑知潟断層帯、これが連動したらどういう地震被害になるのかという、この連動の場合の被害についても推定されていないと伺っているわけです。
これは気象庁が調査報告をした、公表されているデータなんですけれども、今ほど、石川県の海域の金沢以南このイエローがある、このここもイエローがある、これは先ほど指摘したわけですけれども、この部分については、この評価用データ不足範囲として示されているわけですね。ですから、ここは分からないと。これが最新の石川県の地震被害想定の一つの顔ではないか。ひょっとすると、これは非常に重要なポイントかもしれないと私は思っています。今回の石川県の地震被害想定の内容をどのように受け止めておられるかお尋ねをします。
村山 卓市長:今回公表されました県の地震被害想定調査結果においては、森本富樫断層帯で災害震度7の地震が発生した場合、本市の被害状況、建物被害が6万棟に及ぶこと、死者も関電死を含めて2,000人を超える、最大で12万6,000人が帰宅困難者となるということで、極めて憂慮すべき内容となっていると認識をしております。昨年、元日の能登半島地震の経験を踏まえ、その
対応について課題を検証しました。このたび、地域防災計画の第1次の改定を行いましたが、それとともに、避難所の環境改善、備蓄品の拡充に今取り組んでいるところであります。改めて、今回の地震被害想定も含めて、災害対応力をより強化したいという思いを強くしたところであります。
森 一敏議員:昨年度の段階から課題検証会議でしたかね、これらからの知見を得ながら、第1次の改定は済ませているということなんですが、私が今ほどご指摘をしましたように、県の被害想定自体、非常に深刻な内容を持っているわけですけれど、それでもまだ不確定な部分が相当にある。で、このことを市民の皆様がわがこととして受け止めていくということが、これだけで被害はとどまらないかもしれない。オオカミ少年ではありませんけれども、そう言わざるを得ないような現在の状況もあるということを踏まえなければならないと思います。本市はこれを受けて第2次改定作業に着手するわけですが、主要な観点とスケジュールについてお聞かせください。
村山 卓市長:来月にも専門家や地域の代表者等で構成する震災対策アドバイザー会議を設置いたしまして、避難所のあり方、孤立集落対策、帰宅困難者対策、備蓄品目および数量の見直しなどについて検討するものとしております。併せまして、より効果的でわかりやすい予防対策や建物の耐震化などの減災対策をさらに進めていくという必要があると考えておりまして、これによって被害をなるべく抑えていく、少なくしていく、そのような取組をしていくことについても議論を深めてまいりたいと考えております。今年度内に第2次地域防災計画の概要をまとめまして、明年5月の防災会議で改定したいと考えております。
森 一敏議員:先ほど見ていただきました森本富樫断層帯は、もし動いた場合、これは確率が高いと言われているわけですけど、直下を活断層帯が走っているということは、地表に揺れだけで
はなく、地表が割れると。地表変位と専門的に言うそうですけれども、こういうことが随所に起こってくるというようなことも想定されるわけなんですね。ですから、当然、今ご答弁をいただいた内容は、十分に議論を深めていただいて、最も効果的な現在取り得る対策というものの向上。それを市民と十分に共有するということが必要ではないかなと思います。そうした点についても含めて、鋭意、検討を進めていただきたいと思います。
(2)原子力災害対策計画に関わって
森 一敏議員:続きまして、原子力災害対策計画にかかわってお尋ねをします。一年前の本議場で、市長は複合災害の視点も取り入れた原子力災害対策を行うことが、大変重要な課題であるとの認識を示されました。その上で、県地震被害想定の結果を踏まえて、原子力災害対策計画についても見直すと答弁をされております。見直しの観点と改定のスケジュールを改めて伺います。
村山 卓市長:昨年の6月定例月議会の時点では、県の地震被害想定の見直しにおきまして、原子力災害に係る見直しも行われるものと想定をしておりました。一方で、今回公表された県の地震被害想定の調査結果では。原子力災害に関する想定見直しがありませんでしたので、現時点では、本市の原子力災害対策計画の見直しを行うことは難しいと考えております。
森 一敏議員:600ページほどあると聞いております石川県の地震被害想定の見直しの内容に、原子力災害が想定されていない。だから、金沢市としては行うのは困難である。こういうことで
す。もともとですね、石川県に地域防災計画があって、その中に原子力防災計画編というものが位置づけられているんですね。ですから、被害想定というのは、地震の物理的な要素、それから、それによって引き起こされる様々な社会的な困難。命や暮らしを守る。こうしたことについて計画を定めていくということですから、必ずしも原発災害に特化して被害想定がなされていなくても、地域防災計画を様々な知見を踏まえて改定をしていくということは、十分にできるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
村山 卓市長:県の地震被害想定による県の方の原子力災害に関する見直しがない中で、市だけで計画を見直すということになると、これは非常に複合的な課題が存在してきます。例えば、その被害についてどのような方々が原子力施設からの近くから避難しなければいけないかということ、あるいは我々が避難しなくてはならないか、様々なパラメーターと申しますか、変動要素が出てくるというように思いますので、まずは県の方の想定の見直しがなされることを踏まえないと、我々独自の計画の策定は難しいと捉えています。
森 一敏議員:金沢市の現行の原子力災害対策計画ですね。この中に避難者を受け入れるということですね。それから場合によっては、金沢市民にもヨウ素剤を服用してもらうということ。それから屋内退避、これらが現段階で明示されているわけですね。それがどのような困難に直面するのか。そしてまた、それで十分なのか。こういうことについて、私も県と無関係に金沢市が見直しを行えるかというと、なかなか難しい面があるということはいえます。甚大な能登半島地震があって、去年もパネルを見ていただきましたが、相当の被害、逃げられるんだろうかというように思われるように、被害が複合的に起こる可能性があるということを指摘をさせていただきました。市長もその条件については理解をしてくださったと思っております。今のご答弁を踏まえると、石川県に対して、原子力防災計画の見直しですね、これについて求めていただかなきゃいけないと思うんですが、どうでしょうか。
村山 卓市長:本市の原子力災害対策計画については、県の地域防災計画に基づいて策定をしておりますが、県の方では、本年夏ごろに地域防災計画の改定が予定されていると聞いております。その内容を注視していきたいと考えております。引き続き、原子力災害に対して、県との協力体制を協議調整していきたいと考えています。
森 一敏議員:石川県の計画編ですけれども、今年の5月に見直されているんですね。これは国の改定が部分的にあったことを反映するということで、地震の被害想定というものを踏まえて見直すということはやっていません。今夏ということをおっしゃったので、ぜひそこを踏み込んでいただくと、働きかけをしていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。 その(福島の)過酷事故から14年が経過をして、被災体験の風化が懸念される中、志賀原発を有する北陸電力の株主グループから、最も確実な原子力防災である脱原発への経営転換を求める株主提案が株主総会に提出されております。本年も先日、金沢市に総会への出席と議案賛同を求める要望が行われました。そこで、昨年の総会対応、会社提案に賛成する評決態度はどのような検討を経てなされたのか伺います。
村山 卓市長:昨年の株主総会ですけれども、他の公務の都合により欠席をいたしまして、提出議案に対する賛否については、書面による議決権を行使いたしました。会社提案の議決権の行使に当たりましては、法令等に逸脱していないことや、会社経営に関する事項について、経営責任を負う取締役会の判断を尊重した上で賛成をしております。
森 一敏議員:取締役会の判断を尊重したと、こういうことであります。私の手元に京都市の関係資料があるんですが、京都市は、隣県福井に関西電力の原子力発電所が立地しておりまして、それから、資料としては触れませんが、大阪市、より南にある大阪市ですね。ええ、ここも同様なんですけれど、株主、大株主として脱原発へ経営転換を求める株主提案をずっと出し続けているんですね。このように書いてあります。持続可能な社会の実現や貢献、原発に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制の構築。本会社は原子力発電に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制の早期構築を目指す。京都市は大株主の立場でこのような議案を提出しておるということなんですね。金沢市の対応とは、だいぶ隔たりがあるなということを思います。ぜひ、基礎自治体としての主体性を発揮して、株主総会に対応をしていただきたいと、改めて私、求めたいと思うんですが、今回の株主総会に対する対応、これについても併せてお伺いします。
村山 卓市長:基礎自治体として、そして株主として、しっかりと対応してまいりたいと考えておりますけれども、今期の株主総会の出席について、他の公務の状況等により、今後判断したいと考えております。また、提出議案に対する賛否については、本市のこれまでの対応、また株主提案の理由も踏まえて、慎重に検討を重ねた上で議決権を行使したいと考えております。
森 一敏議員:住民の安全、そして安心、健康、当然、株主としては電力会社の今後の持続可能な安全経営ですね。これらに資するというのが京都市の判断であろうと、このことを重ねて申し上げておきたいと思います。
4.差別解消のための人権・同和施策について
(1)本市市民の意識状況について
森 一敏議員:4点目の質問です。差別解消のための人権・同和施策について伺います。1番目、本市・市民の意識状況についてです。2016年の部落差別解消推進法から9年が経過をしました。この間も、被差別地区をあぶり出す書籍の発行、職権を利用した身元情報の不正な入手、インターネット上の差別拡散、外国籍市民へのヘイトスピーチなどが社会問題化してまいりました。差別に関する本市、市民の意識の状況、現況と課題を市長はどのように認識されているか伺います。
村山 卓市長:人権問題に関する市民意識調査を令和3年度に実施をいたしました。その中では、インターネットによる人権侵害や、ヘイトスピーチを含む外国人の人権問題への関心度、前回調査から10ポイント以上高くなるなど、市の取組などを通じて、以前よりも身近に捉えられるようになっているというようにデータが出ております。一方で、部落差別や同和問題への関心度については、前回調査とあまり変わっておらず、さらなる啓発が必要な人権問題もあると捉えています。人権問題への関心については、SNSの広がりとともに高まりつつあるというふうに捉えていますが、若年層においては、身近でない問題に対して関心度が低いという現状があります。市民に一定の関心と高い、新しい認識を持ってもらえるように、若年層からの世代に応じた継続的な周知啓発に取り組んでいく必要があると捉えております。
(2)人権教育・啓発活動について
森 一敏議員:人権教育や啓発活動というものの重要さ。こういうご答弁だったと思いますが、石川における部落差別の存在を認め、人権同和教育啓発が開始されたのは、全国から遅れること1990年代の初頭でありました。これを担ってきたのは、石川県同和教育研究協議会であり、本市においては、金沢市同和教育研究協議会です。本市がパートナーシップを結んで連携してきた同協議会では、世帯交代が進み、働き方改革も求められる中、自治体職員や教職員をはじめ、若手世代への継承が課題となっております。本市として、人権教育研究、研修機会の確保や環境整備にさらなる配慮が必要です。議長並びに教育長のご所見を伺います。
村山 卓市長:部落差別については、人権問題における重要な課題であります。新規採用職員や管理職を対象とする人権研修や、全階層を対象とした人権問題講演会など、さまざまな研修を実施してまいりました。市民一人ひとりの人権が尊重される社会を実現するために、こうした研修を通しまして、職員が人権問題への理解と認識を深め、より高い人権感覚を持って職務を遂行することができるよう、継続して取り組んでまいりたいと考えています。
野口 弘教育長:ご質問にお答えいたします。本市では、教職員研修におきまして、人権研修を毎年実施しており、特に初任者から3年目までの若手教職員に対しましては、同和教育をはじめとする人権研修を重点的に実施し、人権意識の啓発に努めております。加えて、平成30年度からは、毎年、全校長を対象に、石川県や本市の部落差別、同和施策について研修を実施しております。同和施策に対する確かな理解に基づいて、学校を運営していくということは、教職員による人権教育の研究や研修への積極的な参加につながるものと考えており、引き続き、人権教育等の充実に取り組んでまいります。
(3)事前登録型本人通知制度の運用について
森 一敏議員:3点目、事前登録型本人通知制度の運用についてお尋ねします。職務権限を悪用
した住民票の写しや戸籍謄本等の不正取得による個人の権利侵害を防ぐため、第三者や代理人にそれらを交付した際に、本人に通知する 事前登録型本人通知制度を、本市も一昨年10月より導入をしております。現時点での登録者数、制度運用の評価、課題についてご所見をお伺いします。
南 憲一市民局長:事前登録型本人通知制度の登録につきましては、令和5年10月に開始して以来、本年5月末までに174人が登録し、本制度を利用しています。窓口で相談があった際にご案内することで、登録者数も徐々に増えてきており、特に制度上の課題や問題があるとは考えていませんが、この制度を通じて不正請求を抑制することが、市民の安全・安心につながるものと考えており、引き続き制度についての周知を図ってまいります。
森 一敏議員:174人の登録ということです。これが多いか少ないかというのは、いろいろと考え方によるけれども、十分に知る機会をつくるように心がけていただければ。この制度が十分に機能するように期待します。
5.旧森紙店の保存活用と犀南地区の活性化について
森 一敏議員:本市指定保存建造物である旧森紙店の保存活用事業は、文化芸術的活用に向け、今年度実施設計を行います。まず、改修整備の概要と実施スケジュールをお尋ねします。
津田 宏文化スポーツ局長:旧森紙店の改修整備につきましては、金沢町家の保存継承に係る情報発信の場、文化芸術的な体験や活動発表の場、地域の子どもから大人、また、観光客も立ち寄れる場とする、3つのコンセプトに基づき行うことをしており、令和9年度の開館を目指し、明年度から改修工事に着手していきたいと考えております。
森 一敏議員:この建物の保存と活用については、かねてより地域住民からも高い関心が寄せられてきています。この間、地域の声にどのように対応してこられたかも聞かせてください。
津田 宏文化スポーツ局長:旧森紙店の保存改修につきましては、令和5年度の基本計画策定に際して設置した検討会に、地域の代表の方に参画いただきました。地域からは、地元住民や市民、観光客が 気軽に立ち寄ることができる施設として、交流が生まれることを期待する声が寄せられました。そうした地域の意見を反映し、基本計画では、文化芸術イベントや アート体験、創作活動を通じて、幅広い世代の地域住民と来街者が交流できる空間としていくことを 盛り込んだところです。
森 一敏議員:この旧森紙店は、犀川を渡った野町・広小路エリアに立地しております。周囲には多彩な寺宝を持つ寺町寺院、未来のまち創造館、旧野町小学跡地、国道157号線を渡れば、西茶屋街へと通じています。さらに、室生犀星記念館、犀星ゆかりの雨宝院へと導線がつながっています。蛤坂では、名匠初代宮崎寒雉作、市指定文化財の梵鐘の音を聴くことができます。さら
に、谷口吉郎・吉生記念建築館を経て、野町六斗の広見、静音の小径へとひと回りできます。このエリアでは、松尾芭蕉の句碑、室生犀星の歌碑など、文化的、歴史的に価値のある 本物に触れることができるわけです。旧森紙店が結節点となり、来街者と地域住民が交流する場となれば、犀南地区への誘客と地域コミュニティの 活性化にも資するものと思います。まさに、歴史と文化の回廊です。開館予定は2027年度ですから、これから活用に向けた 2年間の検討期間は大変重要です。本市としてどのような課題意識と体制で臨んでいかれるか、お考えをお聞かせください。
村山 卓市長:旧森紙店の周辺には、議員ご指摘のとおり、寺町内重要伝統的建造物群の保存地区をはじめとして、にし茶屋街や 谷口吉郎・吉生記念金沢建築館、室生犀星記念館などの歴史的文化資源が数多く集積をしております。そうした立地特性を 最大限に生かしていくために、地域コミュニティの活性化に資する 交流機能に加えまして、デジタル技術を積極的に活用して、周辺の歴史的文化資源などの情報発信機能を備えることによりまして、誘客と回遊性向上にも資する本市文化観光の発信拠点としての活用を検討していきたいと存じます。また、多様な機能を効果的かつ効率的に発揮していくために、施設運営には 民間事業者のノウハウやアイデアを取り入れることも検討してまいりたいと考えております。
森 一敏:2年間、十分に検討して、期待の持てる施設の開館というものに、ぜひともつなげていただきたいと思います。
6.市民のつぶやきから
「みなし仮設住宅等で生活する被災者を息長く支えたい」
森 一敏議員:では最後になりますが、市民のつぶやきからです。みなし仮設住宅等で生活する被災者を息長く支えたい。令和6年、能登半島地震発生から1年5ヶ月が過ぎました。ふるさとを離れて、被災者生活を余儀なくされている 本市での世帯数はどのように把握しているのかお答え下さい。
高木陽一都市整備局長:能登半島地震で被災して、県内の他の市町から、本市のみなし仮設住宅に避難された世帯数につきましては、県が取りまとめておりまして、6月10日時点で 1,332世帯でございます。また、公営住宅に避難されている世帯数は 133世帯でありまして、合わせて 1,465世帯となっております。
森 一敏議員:金沢で生活するそうした被災者を支えたいとの思いが、社会福祉士会、市社会福祉協議会、市民ボランティアが連携し、福祉用具情報プラザを活用して運営する あつまらんけ~のとの支援活動を生みました。長期化する金沢での暮らしを地域コミュニティでも支えようと、地域版あつまらんけNOTOが 地域包括支援センター、地区社協、地区民生児童委員協議会などの協力で実施されてまいりました。これらの支援活動の経過と 今後について伺うとともに、その意義をどう評価しておられるか、市長に伺います。
村山 卓市長:金沢市社会福祉協議会が行いますあつまらんけ~のとは、能登半島地震の発災直後から現在まで1年6か月にわたりまして開催されております。被災者同士の交流や 物資の支援の場として 延べ1万人を超える方々に 参加いただいております。また、各地域の地区社会福祉協議会などが行うあつまらんけNOTO地域版については これまで29回、延べ448人の参加がありました。
こうした取組は、避難者への必要な情報や 物資の提供、不安や孤独感の軽減といった大きな役割を果たしておりまして、開催にご尽力いただいている関係者の皆様方に対しては、心より感謝と敬意を表したいと思います。今後とも継続して開催していくと伺っております。本市としても、引き続き、社会福祉協議会等の関連団体と連携を取りながら、能登被災者支援に尽力したいと存じます。
森 一敏議:ご答弁いただく時間もないと思います。その社会福祉協議会を中心にした息長く支える活動というものを、場の確保と財政的保障、この面から本市として、ぜひ積極的に関与していただきたい。これ申し上げて終わります。