講師のチョンさんは、東京都の保健師として実績を積み、上司のすすめで管理職試験に応募したところ、国籍が日本ではないことで受験を認められず、裁判を闘ってきた方です。先般最高裁は判決の中で、日本国憲法は、公権力行使に当たる職務に外国人が就くことを想定していなかったとして、訴えを退けました。彼女の言葉は、在日朝鮮・韓国人が受ける差別の下をくぐって生き抜いてきた力と、鋭い論理的思考にあふれていました。その言葉に込められた日本司法、日本という国の理不尽さ傲慢さへの怒りは、民族の垣根を越えて、人としての尊厳について問いかけるものでした。「最高裁判決は、天皇の官吏たる公務員は日本人でなければならないとの戦前の思想を今に引き継ぎ、現憲法の外国人差別の体系を完結させるもの」と指摘したことは、実に深い問題提起です。改憲を論議するとき、この視点ははずせない。時今中国での熾烈な反日行動が感情的に報道されています。しかし足元では、在日のアジア人たちが、戦後の60年間日本社会でどのようにあつかわれてきているのか見つめよとする視点は見あたりません。公式のように言われる、靖国、教科書、「領土問題」これだけではないのです。 足元の国際化は、まず金沢市一般公務員採用から国籍条項撤廃を |