市民の声をしっかりキャッチ、市政に直球勝負を挑みます。

森一敏
森かずとしサイトへようこそ
森かずとしの直球勝負
まちづくり非戦・平和福祉教育後援会リンク集サイトマップ
市議会リポート政策プロフィールごあいさつ活動の足跡お知らせ・予定
ホーム市議会リポート>07年11月個人視察報告 
 07年11月個人視察 
(2007年11月14日〜16日)

東京都武蔵野市 横河ファウンドリー株式会社
              知的障害者による企業経営のとりくみ
静岡市 市職員採用における国籍条項の撤廃について
横浜市 化学物質過敏症支援センターセミナー 「電磁波問題」1

 議員の職務である政務調査の権利を個人的にも有効に行使しようと、一期目から個人視察に出掛けてきました。07年の今年は、知的障害者の一般就労に先駆的なとりくみを展開してきた横河ファウンドリー、市職員採用における国籍条項を撤廃した政令市静岡市の視察、そして、化学物質過敏症支援センター(CS)が主催する電磁波問題セミナーの聴講を目的に、11月14日から三日間、関東に出かけました。その報告をいたします。
 15日は前泊したホテルを早朝に出て、電車を三鷹駅(武蔵野市)で下車、10:00を目指して横河電機に向かいました。わざわざ県外の企業を視察で訪問するのは、議員としてははじめてのことです。横河電機は、100%出資の特例子会社、横河ファウンドリーを1999年に設立し、障害者雇用の先駆的な事業として注目されているのです。なぜなら、社員18人は知的な障害のある人々で成り立っているのです。障害者の自立支援の要は、人間の権利である労働と自活にあることは私も異論のないところです。それをどう実現していくのか意識的にとりくんでいるところが、そのノウハウと共に注目されたのです。
 さて、関東の晴天の下、道を尋ねながら社屋に向かう道すがら、よく手入れされたサッカー、ラグビー場、武蔵野市が樹木保存のために番号付き標章をつけた街路樹を見ながら、近代的な本社社屋に到着しました。金沢のテクノパークに一昨年開業した横河電機社屋も、現代的な工夫を凝らした建築物であったことが思い起こされました。
 受付で丁重な案内を受け、ロビーにやってきたのは横河ファウンドリーの事業所を案内してくださる担当のNさんでした。初対面のNさんは、気軽にあいさつされ、私を事業所に誘導し、作業の様子を詳しく説明してくださいました。彼も、知的に障害がある社員で、設立当時からのファウンドリー社員とのことでした。仕事は楽しく、1時間ぐらいかけて通勤してくるのだそうです。横河電機は情報管理が厳重で、社内の写真撮影は原則として認めていません。様子は、リンクした横河ファウンドリーホームページをご覧下さい。
 私が案内を受けた仕事内容は、横河電機グループを中心に発注されるゴム印をパソコンと専用カッターを連動させたシステムを使って製作する事業。製品管理のためのシール印刷、社員が使用する名刺の印刷、社内で使用された紙ファイルのリユース事業、社内で出る廃棄物の分別収集でした。それそれに担当の方から丁寧な説明を受け、質問はないか尋ねられました。その表情は生き生きとしていました。
 見学が終わり、モダンな会議室で横河電機人財部の平田さんから事業説明を受けました。社設立の理念は、障害者雇用の面からの社会的な責任を果たすことと、アウトソーシングから子会社受注による効率経営を両立することにあると言われました。そのために東京都の障害者就労支援ネットワークに参加し、ハローワーク、障害児学校等の教育機関などと情報交換し、求人を出し、企業体験会を通じ、じっくりと適性と企業ニーズに合う人を見極めているといいます。また、仕事内容は、一人が複数を担当し、ローテーションも行っているようで、経験的なスキルアップもねらっているようです。
 私が見学した仕事の他に、昼時のパンの販売、お金の集計、社内メールの集配、使用済みパソコンの解体と分別などもあり、何が出来るかの発想からグループ企業に対し業務受注の積極的な要望を発信しているそうで、人事担当が企画を牛耳るような笑い話もあるようです。あくまで福祉就労ではなく、事業として成り立たせることを前提にした一般就労・独立採算企業であるとの自負は、しっかりしたものだと思いました。賃金は、技術者集団である「健常」社員と同列というわけにはいかないが、都の定める最低賃金には余裕のある賃金設定をしていると説明されました。設立から8年、グループ企業に社員が出向くとき、まだ、戸惑いをもって接しられたり、障害者と十把一絡げに受け止められたり、いわゆる偏見は払拭されてはいないと率直に言われました。想像に難くありませんが、このとりくみが、共生観念を徐々に形作っているのではないかと推測します。
 未だ特例子会社としての「集中方式」の面があるわけですが、グループ企業との業務連携を更に拡大し、ファウンドリー社員と他の社員との接点を強めていくことを考えておられるということですから、今後の展開に期待を寄せたいと思います。
 じんざい(人材)という言葉は好きではありませんが、求めているのは、技術的な能力というよりも、人とのコミュニケーション力、日常生活の普通のスキルだということで、地域での共生教育や地域生活が育てる力が有用になるといった話し合いも出来ました。
 障害者自立支援法の見直しが国会でも議論されると思いますが、以前、議会でも発言したように、私は、人としての権利である就労を支援するために、金沢・石川の就労支援ネットワークがもっと活性化し、実動するために、この横河のとりくみに学ぶべき点が多いと思います。

 15日は、横河ファウンドリーを後にして、東京駅に跳んで帰り、新幹線に乗り換えて静岡市へ。東海道新幹線こだまのホームが複数あって、私はうっかりと間違えて予定の列車に乗り遅れてしまいました!そんなわけで遅刻して静岡市役所に到着した次第でした。静岡市では、政令市に移行してから人事委員会が設置され3年目です。人事委員会任用課の村上課長、橋本副主幹が応対してくださいました。
 一般職採用から国籍条項を撤廃したのは、旧静岡市の時代川崎方式で名高い川崎市が一般事務職採用から国籍条項を撤廃した翌年(1997年)のことでした。政令市に移行し、国籍条項があった旧清水市も含め新政令都市静岡市として新たに撤廃都市と勘定されていたのでした。
 97年当時に「外国籍市民採用基準」をつくり、今日より細分化した職内容のリストを作っていました。自治大臣が発言した「当然の法理」つまり外国籍定住者はつけないとされる「公権力行使」、「公の意思形成」にかかわる職種です。要は採用はするが、これらの職にはつけない。加えて課長職以上には任用はしない。つまり川崎方式をとっていることが分かりました。実際の採用はH16年、H17年採用試験で合格者が出て、二人の外国籍職員が働いているとのことでした。新たな撤廃自治体とは言えないことが、視察して分かったのですが、課長の話では撤廃の理由がはっきり記録として残っていない、特別な在日の運動があったわけでもなさそう、ということで、これまた肩を張らずに自然に行われたのだとすると、それはそれでおもしろいわけです。こだわりの強い金沢市と比べて・・・。
 意見交換では、静岡市人事委員会は、任用のありかたを含め、次なる検討が必要になってくると認識していて、政令市の人事委員会担当者会に、課題提起したいと考えているということでもありました。政令市レベルでの差別撤廃、足元の国際化の水準が高まることになるのか、関心を持ちます。

 明けて16日は、夜、横浜市の開校記念館で、化学物質過敏症支援センターが主催する連続セミナー「電磁波セミナー」に参加しました。子どもが小さい頃、家族旅行で横浜スタジアム野球観戦し、この開校記念館を見学したことを思い出しました。見えない環境問題ともいわれる電磁波の健康への影響調査について、東北大学大学院理学部助教の本堂毅さんの講演を受けました。EUでのラットや培養細胞を使っての病理学的な研究が随分進み、日本の規制値より相当小さい電磁波被爆値で、発ガンにつながるDNA損傷やDNA発現が起こることが実証されてきていることが説明されました。北欧で国費を投入した大規模な疫学調査が小児白血病のリスクが増すことを警告してきましたが、疑いが深まり、予防原則による被曝防止対策が求められると強調されました。科学的な見地での問題提起でおもしろかったのは、科学者は事実の探求が仕事、その科学を監視するのは市民の責任、科学に対するシビリアンコントロールが日本では全く行使されていない。これでは、まともな科学者が力を出しようが無く、無力感を感じているというくだりです。総務省はずさんな研究でもって、影響が小さいとの結論を導きだし、ちゃんとした研究結果を無視している。このことに市民が怒りを持って民主主義を発揮しなければ、この国は変わらないと力説されました。
 歴史的景観政策、道路政策として電線類地中化をすすめる金沢市。学校の敷地や周辺を高圧電線が通過する学校。携帯電話、パソコン・・・電磁波環境に自覚を持って向き合うために、勉強を続けたいと思うのです。電磁波測定もそろそろ始めなければならないのですがなかなかそこまで手が回らなくて反省です。

 以上、雑ぱくですが視察報告を終わります。
  


ホームへ戻る
△ページの先頭へ
Copyright(C)森かずとし事務所.All Rights Reserved.