金沢大学硬式野球部OB総会
11月21日、青春時代を取り戻す時間が二年ぶりにやってきた。
35年前、私は野球青年だった。宿敵福井工大と大学選手権神宮大会出場を争った。我らは、素人も含む草の根自主管理野球。宿敵は選手集め管理徹底野球。草の根自主管理野球が管理野球に挑む。そんな熱血の日々だった。
私はこだわりの三塁手。主将はプレーイングマネージャー。4年生最後の北陸リーグは、福井工大を破って中部大会に駒を進めた。その決勝戦は、三たび福井工大。彼らは敗者復活。9回表、我らは2対0先行ででツーアウト。あと一人で油断が出たか…。私の脳裏にも、一瞬、東海大学原辰徳との対戦が思い浮かんだ。その途端、ポテンヒットから同点にされ、延長13回サヨナラ負けで涙を飲んだ。号泣した記憶がある。
今は、懐かしい思い出だ。あの歯を食いしばって耐えた時代が、今の自分を違いなく支えてくれている。
宿が取れない金沢。県外からの参加が激減した。数少ない同期も来れなかった。一抹の寂しさを感じたが…。
大学が大学法人化し、運営交付金が切り詰められて、専用グランドもなく、リーグ参加費すらままならないと聞く。オリンピックはじめ、国威発揚のスポーツは脚光をあびるが、文化的権利である裾野広い市民スポーツは貧困だ。
現役の選手たちには、自主管理野球に誇りを持ち、強豪にぶつかっていって欲しい。