6月定例月議会一般質問 2021年6月15日 (一問一答)
森 一敏
【質問事項】
1.市民のつぶやきから 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)誰をも取り残さない経済的支援について
(2)生活困窮者救済施策について
2.ガス事業・発電事業の売却問題について
(1)譲渡を巡る本市の公共的・道義的な責任について
(2)退職派遣への法的責任
(3)公共的な地域エネルギーの存在価値を踏まえて
(4)市民参加の地域エネルギー自治へと転換を求めて
3.35人学級の法制化に伴う本市教育行政の当面のとりくみについて
【質問・答弁全文】 ー議会質問動画はこちらからー
1.市民のつぶやきから 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)誰をも取り残さない経済的支援について森議員:みらい金沢の一員といたしまして、以下、御質問をさせていただきます。
まず、1点目は、市民のつぶやきから、今日は最初にやらせていただきます。新型コロナウイルス感染症対策についてです。まず、その第1、誰も取り残さない経済的支援についてお伺いします。内閣府の発表では、昨年度の国内総生産、GDPの伸び率は、実質マイナス4.6%、比較できる25年間で最大の下落です。本市は種々の経済的支援策を講じてきましたが、対象業種の設定、営業時間帯や減収幅による線引きなどにより、支援が行き届かず苦しんでいる事業者の声を聞いてきました。ラブホテルの除外の問題もあります。5月24日にはまん延防止等重点措置の下で、県内の飲食業4団体が市長に要望書を提出されました。そこでは、料飲業界は壊滅的、貸しビル業、酒類販売、食品小売販売、青果店など、料飲業につながる業界全てが窮地にあり、周辺産業を含めた支援を切実に求めておられます。市長は支援の平等性を高める施策をどのようにお考えか、お伺いします。また、あわせて、申請を促す情報の届け方にも、保健所など本市が指導監督権限を持つことを利用した積極的な情報提供など、窮地にある個別店などに寄り添った漏れのない配慮と工夫が望まれております。併せて御所見を伺います。
山野市長:森議員の認識と私も同じで、大変皆さん厳しい状態で、直接市長室にお越しいただいた方も含めてお聞きをしているところであります。県が独自の緊急事態宣言を発出した段階で、既に石川県御当局と密に連携を取りながら支援策について話し合ってきました。まずは飲食の周辺事業につきましては、国のほうで去年の持続化給付金に倣う形で月次支援金制度というものを創設していただきましたので、そのことをきちんと発信していくということ、そして、県と市と話合いをしながら、市は飲食店をできる限りサポートしていくと同時に、県は交付金も活用しながらその周辺事業を支援していく、そんなすみ分けで全体を応援していこうということでさせていただいたところでもあります。引き続き、現場の声を国や県とも伝えていきながら、連携をしながら取り組んでいくことが大切なんだというふうに思っています。
その支援策のことにつきましても、こういう本会議でお伝えすることも大切だというふうに思っていますし、記者会見も小まめに開いて、報道機関の皆さんのお力をお借りしながら努めてきたところでもあります。各種業界団体を通して、説明会もさせていただきながら広げてきているところでもあります。可能な限り、多くの皆さんに情報が届くようにさせていただきました。いろんな御提案もいただきながら、より多くの方たちに、確実に関係者に情報が届くように努めていきたいと考えています。
森議員:おおむね了解をしております。1点だけ、ラブホの問題、今日はあまり展開できませんが、福岡県で新たに市単独の支援給付金、この中で除外規定はありません。給付を受けているという情報を得ておりますので、引き続き検討してください。
(2)生活困窮者救済施策について
続きまして、生活困窮者救済施策について伺います。生活支援課によれば、本市社会福祉協議会が受け付けている新型コロナ特例貸付、先ほどありました、すなわち緊急小口資金、総合生活支援資金の申請受理件数は、この1年間でそれぞれ4,335件、3,646件に上り、総合資金の貸付け延長の受理件数が2,414件、さらに再貸付け1,844人と高い割合です。住居確保給付金の運用状況とも併せ、生活困窮者の置かれた状況をどのように分析し、今後の課題を考慮しているのか、市長に伺います。
山野市長:令和2年度における住居確保給付金の申請件数ですけれども、新規の申請が782件であるのに対しまして、延長申請が495件、再延長が306件となっています。継続して給付を受けている方の割合は大変高くなっています。この傾向は今年度に入っても同様でありまして、依然として経済的に厳しい状況の方は少なくないというふうに思っています。生活困窮のある方にはこういう制度も利用していただくとともに、生活保護の支給も含め、丁寧な対応と支援に努めてまいります。
森議員:厚労省は、昨年末、異例にも生活保護は権利であり、ためらわずに申請をと呼びかけました。厳し過ぎる資産基準、自動車保有の禁止、扶養照会などが人々の利用をちゅうちょさせていることを改めて指摘されております。本市としての運用の留意点を伺っておきます。
また、表に現れないホームレス状態の人が、温浴施設、インターネットカフェ、駐車スペースでの車内泊などでしのいでいるとの情報もあります。これらの関係施設の調査や連携に関する取組はどうなっているでしょうか。先日、福祉的支援の立場から住居あっせんに努める市内の不動産事業者からお話を伺いました。派遣切りや雇い止めから、生活保護を申請するための住居確保やNPO法人と連携して確保している部屋への一時入室支援などに奔走しておられ、大変感銘を受けました。私も、ホームレス支援の経験からその必要性を提案してきたんですけれども、改めて本市としての公的シェルターの確保について、見解を併せて伺います。
山野市長:インターネットカフェなどの関係施設への調査のことについてですけれども、年に2回、金沢駅や公園等に出向きまして、ホームレスの方たちの実態調査を行っています。インターネットカフェなどに滞在するホームレス状態の方を支援につなげる施策、取組というものは、特に行ってはおりません。状況が変わってきているということも理解をしているところでもありまして、どのような実態があるのか、今後の研究課題であるというふうに認識をしています。公的シェルターのことについてですけれども、生活に困窮する方が安定した居住の場所の確保をしていくということは大切なことだと思っています。公的シェルターの確保に限らず、NPO法人の皆さんとの連携なども含め、どのような支援ができるのか、こちらも今後検討させていただければというふうに思っています。いろんな御意見をお聞きしていきたいと考えています。
森議員:なかなか可視化がしづらい、そういう特色があるように私も感じております。そういったところに光を当てる、実態把握をして、そして対策をぜひ具体化していただきたいと思います。
2.ガス事業・発電事業の売却問題について
(1)譲渡を巡る本市の公共的・道義的な責任について
それでは、2点目、ガス事業・発電事業の売却問題について、質問を移ります。
今日は管理者もいらっしゃるんですが、大変失礼ながら、建設企業常任委員会で度々様々にお伺いをしておりますので、今日この場では、市長に答弁をぜひお願いしたいと思っております。まず、その第1です。譲渡を巡る本市の公共的・道義的な責任について。4月13日、東邦ガスが独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けたことに、私も衝撃を受けました。市長はこの立入検査をどのように受け止めておられるのか、また、東邦ガスに対し、抗議を含め、いかなる対応を取ってきたのかお答えください。加えて、問題とされる価格協定とはどのような意味を持つことなのか。3点申しましたが、御所見をお伺いしたいと思います。
山野市長:私も、第一報を受けて大変残念に思いました。報道後、東邦ガス株式会社の役員が企業局に来庁し、管理者に対しまして4月13日に立入調査があったということ、そして、その時点で突然のことで詳細は不明であるということ、調査としては社として全面的に協力をするという報告、説明があったということも、私も報告を受けているところであります。どのような意味を持つのかということですけれども、今ほど申し上げましたように、公正取引委員会の調査中でありますので、引き続き、その推移を見守っていかなければいけないというふうに思っています。
森議員:公正取引委員会が動くということは、取引の公正性に疑義が生じる様々な情報が届けられて、それに基づいて立入検査に入ると、こういうシステムになっているわけです。ですから、調査の推移は当然注視していかなければならないんですけれども、立入検査に入ったそれほどの疑義が生じているということについては、軽く見てはいけないんじゃないかと私は考えております。そこで、4月30日に譲渡予定企業6社と基本協定を締結して、期限延長の6月30日に、または代表企業と合意する日に仮契約を結ぶとしております。今後、調査の結果、排除措置命令など罰則が適用された場合、譲渡手続を先行させた本市の道義的責任が厳しく問われることになります。この問題を軽視していないでしょうか、見解を伺います。
山野市長:今回の件につきましては、募集要項に定める資格喪失事由に該当しないということ、事業譲渡仮契約の相手方となる新会社は東邦ガス株式会社とは別の法人格を有するということ、本市の契約手続上問題がないということから、譲渡に向けた手続は引き続き進めてまいります。
森議員:この間の委員会での審査の中におきまして、そういう考え方に立つという答弁を受けておりますが、これは社会通念に照らしたときに、なかなかそれもそうだなというふうにはならないなと思うのです。東邦ガスは、譲受予定コンソーシアムの43%、構成企業では1番になりますね。43%、収益が上がれば出資割合に応じて利益が東邦ガスのほうに配当として支払われていく、こういう関係になるわけです。ですから、社会通念上今疑念を持たれている、こういう企業の出資を受けて、新会社を金沢市も出資をして設立をする、このこと自体、理解を得られないんじゃないでしょうか。もう一度お尋ねします。
山野市長:ルール、規則に沿って対応をしていかなければなりません。先ほど申し上げましたように、資格喪失事由には該当しないということになっておりますので、御理解いただければと思います。
森議員:先ほどの御質問の中で、この疑いを受けている、カルテルですね、日本語で言うと価格協定になりますかね。これが問題になったというのは一体どういう意味を持つのか、このことについてちょっと明確ではなかったので、これをお尋ねしたいと思います。
山野市長:そのことは、まさに今公正取引委員会のほうで調査をなされているんだというふうに思っていますので、私が申し上げることではございません。
森議員:カルテルというのは価格協定なので、自由競争の中で、会社として許容できないようなレベルにまで競争の効果によって値段が下がってしまうと、こういうことにならないように協定を結んで競争自体を制約させるという、こういう行為ですよね。この認識は間違っていないと思うのです。そうすると、自由化の恩恵、これを一日も早く市民に提供すると、こういう理屈で今譲渡の準備が進んでいるんですけれども、ある意味で価格をつり上げて利益を確保するという行為が疑われているわけですから、これは自由化という方向性からするとまさに逆行する、こういうことが今疑われているということです。この結果が出る前に契約をしてしまうということに、私は、社会通念上理解できない、市民の理解を得られないという面がありますよということを申し上げているんです。ある意味では利用者や市民を裏切るということになりかねない、この私の問題意識をどう受け止めますか。
山野市長:森議員の問題意識としてお聞きをいたしました。
森議員:また調査の結果等が出てまいりますから、改めて議論させていただきます。
(2)退職派遣への法的責任
2点目、退職派遣への法的責任についてです。5月13日に設立された金沢ガス・電気株式会社は、現在、企業局における両部門で働く131人のうち、初年度81人もの派遣を求めております。この派遣は、公益法人等への地方公務員の派遣等に関する法律に基づく退職派遣だとし、要請に応じた本人の意思によらねばならないということは委員会の場でも再三確認をさせていただいてきました。しかし同時に、職員には加入する金沢市公営企業労働組合員としての公営企業労働関係法、略して言いますが、に基づく法的権利が担保されております。これらの法律趣旨にのっとった手続とはどのようなものでなければならないのか、市長にその認識を伺います。
山野市長:これまでも譲渡に係る事務の進捗に併せ、企業局において金沢市公営企業労働組合と交渉を行ってきたところであります。今後、譲渡関連議案等をお認めいただければ、改めて交渉を重ねるとともに、企業局において具体的な条件等について職員に説明をし、意向の確認を行うことになります。
森議員:今の御答弁では、議会へ関係議案を提出して、議決の後に改めて具体的な交渉に入る、こういう手続を答弁されました。それは議会承認ということが必須ですから、この理屈は、私は理解するんです。ただ、しかし、先ほども言いましたように、131人のうち81人なんです。半分以上、6割ぐらいでしょうか、その方々の本人意思を得なきゃいけないんです。そして一方、労働組合には団体交渉権がある、条文には労働協約締結権も明記されているわけです。この交渉を制約するような手続が先行しては法律の趣旨に反する、ここを私は懸念しているんです。これは当局も十分その意味をしんしゃくしていただかなきゃいけませんし、私ども議会もこのことを肝に銘じながら議事の手続に当たっていかなきゃならない、このことは申し上げておきます。これも今後また議論になっていくと思います。
(3)公共的な地域エネルギーの存在価値を踏まえて
3点目です。公共的な地域エネルギーの存在価値を踏まえて。先ほど、黒沢議員から、直近の気候変動対策の国の法改正、それに基づく具体的な課題、るるお話がありました。私もそのとおりだと思っております。この気候危機への対策は、低炭素、脱炭素、再生可能エネルギーの価値を飛躍的に高めると予測されております。菅政権のカーボンニュートラル政策、2030年CO246%削減目標、急展開です。国の次期エネルギー基本計画では、脱炭素、再生可能エネルギーの拡充方策が活発に議論されていると聞いております。
そうした中、にわかに高まっているのが自治体新電力への期待です。日本ガス協会から本市のあり方検討委員会にアドバイザーとして参加しておられた角田憲司さん、業界紙等、あるいはネット情報に度々寄稿されております。地域脱炭素の高まりに伴い、今後は再エネ、地産地消を軸にした需給一体型の自治体新電力が増えていくと予測しております。自治体主導というのは住民隅々にまで普及力を持つんです。需要家と接点を持つ都市ガス事業は影響力を発揮すると述べています。まさに本市には既に存在する両事業がぴたりと当てはまるんです。改めて、企業局経営戦略2016はもちろん、あり方検討委員会答申すらもこうした方向性を宿していたのではないかと思うのです。
数ある自治体新電力の動きの中で、私が今注目しているのは、今春地域新電力を設立した宇都宮市です。宇都宮市は、事業の公共性と公益性を担保するため、51%を新会社に出資して、ごみ焼却熱や下水汚泥を使ったバイオマス電力のほか、一般家庭の太陽光電力の買取りも視野に入れていると聞いております。これらの電力をLRT等に供給して、沿線を低炭素化、脱炭素化する政策を進めようとしております。佐藤市長は、再生可能エネルギーの地産地消によるSDGs未来都市を目指すとも述べておられます。大変注目をいたします。実は、山野市長も、環境省のホームページ上で本年2月26日に配信された動画、「ひろがるカーボンニュートラル~トップが語る脱炭素~」の中で、市内電力の20%を市の水力発電所で供給していると誇らしげに発信しておられるんです。これはもしや市長の本音かなと、私、うれしく思ったのです、正直に言いますと。各地で拡大する自治体新電力の動き、どう受け止めるのか。あわせて、トップが語る脱炭素での御自身の発言の真意について、お聞かせ願いたいと思います。
山野市長:自治体新電力のことについて、私、実は森議員の発言通告を受けて、以前から関心を持って調べたり、雑誌を読んだりしておりましたが、改めて今現在の状況はどうなんだろうと思って、自分なりに手元にある資料であったりとか、今おっしゃっていただいたネットの情報も確認いたしましたけれども、やはりこの数年、森議員、拡大をしつつあるということですけれども、むしろ課題がより鮮明になってきつつあるといったほうが正しいのではないかというふうに思っています。もちろん大切な手法の一つであるということは私も認識をしていますけれども、やはり自治体新電力が関わる最大の理由というのは、エネルギーの地産地消であります。結果として料金の高止まりという傾向が見られるということも、よく指摘をされるところであります。その中から、破綻とまではいきませんけれども、大変厳しい経営が強いられるところも決して少なくない、これから増えてくるのではないかという懸念も幾つか見られるところでもあります。
もちろん宇都宮市をはじめ、様々な自治体は最大限の努力をしていくことによって、そういう懸念を払拭すべく取り組んでいかれるとは思いますけれども、やはりその課題は大きいのではないかというふうに思っています。私は、これは民間譲渡の場合であったとしても、電力小売による地産地消やSDGsの推進などは、事業者との連携により可能だと、手法だというふうに思っています。目的は地産地消やSDGsの推進でありまして、事業者との連携ということも大切な手法だというふうに思っています。それぞれの自治体の状況に合わせた中で、適切な手法を選択していくことがあるべき姿だというふうに思っています。市内電力の20%が水力だというふうに申し上げました。これは公だろうが民間であろうが同様であります。先ほどの議論の中でも、小水力発電のことにも触れさせてもいただきました。再生可能エネルギーという視点から、水力発電ということも私は魅力的だというふうに思っていまして、金沢市の現状はそうだということをお伝えしたところであります。
森議員:確かに先行経験から学ばねばならない課題、これは自治体新電力にもあるということは確かです。そのことを私は、もちろん否定はいたしません。この間の答弁でお触れになられた小水力にしても、金沢はなかなか苦労しているわけです。現在持っている水力発電の能力と小水力を何とか増やそうとして新たに設置をしたその出力というものを比較すると、もう比較にならないんです。それぐらい大きな、これは20%というのは非常に大きいわけです。苦労してこれから造って地域エネルギー政策をやろうとしている自治体が一方である中で、これだけ大きなポテンシャルを持った設備、プラント、これを逆に金沢市は手放そうとしている、ここは非常に時代状況から逆行する譲渡になるのではないかと、大変私は懸念をしているわけです。
これは見解を求めるつもりはないんですけれども、今政府で進めている様々な気候変動対策のエネルギー政策の転換、あるいは進化、こういうものに深く関与をしておられる学識者の方のお話を聞く機会がありました。その中でおっしゃっているのは、金沢市企業局は、規模は小さくてもベースにクリーンエネルギーを持つ、これは水力、液化天然ガスから水素を生成できるエネファームの活用、先ほどお触れになりました。水力発電所で生み出す電力により、水系の豊かな水資源を電気分解して水を生成するなど、再エネ政策を先導的に展開できる潜在能力を持っています。こうおっしゃっています。値段の問題は、最終消費者にとっては、いろいろ確かに課題は出てくるかもしれません。しかし、売電する側からすると、特に公営の電力を持っているということになれば、そこからの利益は上がるんです。20円台中段ぐらいには行く可能性が十分にあるというふうに今言われています。そうしますと、そうして売電した利益を、これは自由化の中ですから、自ら売電、得た利益を様々な社会政策に還元するという富の市民への還元の仕方というものもあるわけです。既に発電の施設を持つ金沢市の利益が高まるという側面もあるということを押さえておく必要があります。行政の施策によって外部流出なく、地域社会に還流させることができる、このことが今の、ロードマップも先週発表されましたけれども、地域における脱炭素、それを政策的にしっかりと公的にやっぱりコントロールしていくという責任、これを地方自治体に求めているということではないかと思います。そのこととこの御指摘は非常に関わりがあると私は思います。首をかしげておられるので、もう一回答弁してください。今私が申し上げたことに対して、市長の御所見があるならばお答えいただきたいと思います。
山野市長:公の発電を持っているから利益が上がるということについては、その先生のお言葉です、森議員の考えかどうかはともかくとして、やや違和感を覚えたところでもあります。手段と目的を分けて考えることが必要なんだというふうに思っています。これは先ほど申し上げたことですから繰り返しませんけれども、多くの皆さんに御理解をいただけるように、これから丁寧に説明を重ねていかなければいけないということも感じさせていただきました。
森議員:エネルギーをめぐる情勢は、この1~2年で急速に変わってきております。民間との連携の手法についても時代遅れということにならないように、十分に検討していく必要があるということを申し上げておきます。
(4)市民参加の地域エネルギー自治へと転換を求めて
4番目です。市民参加の地域エネルギー自治へと転換を、私は求めたいと思っております。2回にとどまっておりますが、市が主催した市民説明会は意義がありました。厳しい意見もたくさん出ましたが、市長御自身がお受けになりました。地域エネルギーに対し、強い関心を持つ市民の存在が確認できたということです。譲渡方針決定過程のブラックボックス、情報を出さない、選定における情報の非開示など強い批判は、裏を返せばエネルギー政策への参加意識、横文字で申し訳ありませんが、シビックプライドと言うそうです。自らの都市に対する誇り、この高まりでもあると思います。環境未来都市としての発展のチャンスが来ているのではないでしょうか。民間独占への橋渡しではなくて、市民に直接責任を果たそうじゃありませんか。譲渡が拙速な御判断となれば、あまりに責任が大きいです。仮契約は6月30日にこだわらず、代表企業との合意により延長し、市民参加で地域エネルギーについてじっくりと協働する、市長がおっしゃった諸課題も含めて、協働するテーブルを設定しませんか。市長の御所見を伺います。
山野市長:2回説明会を行い、私も出席させていただきました。いろんな御意見もお聞かせいただきました。ちょっと今はコロナで止まりましたけれども、これから説明会をさらに重ねていきたい、いろんな御意見をお聞かせいただきたいというふうに思っています。その御意見の中から、参考になる御意見も取り入れていきながら取り組んでいきたいというふうに思いますし、加えて、森議員と意見交換をさせていただいているのも、やはり市民の代表である議員の皆さんを通して市民の皆さんと意見交換を重ねていくことだというふうに理解をしておりますので、できる限りその回数を増やしていければというふうに思っています。
森議員:残り3回の具体的スケジュールが、参加希望者に送付をされております。残り3回は3回として、きちっとやっていただきたいと思います、もちろん。しかし、それだけではとどまらない市民との対話の場、これの具体化をぜひしていただきたい、そのためには譲渡の契約は急ぐべきではない、このことを申し上げておきます。
3.35人学級の法制化に伴う本市教育行政の当面のとりくみについて
では、3点目、35人学級の法制化に伴う本市教育行政の当面の取組について伺います。公立小学校の学級編制を35人に引き下げる公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、長いですが、3月31日に成立しました。これにより、小学校において本年度2年生を皮切りに、5年間に1学年ずつ学級定員の上限を40人から35人へと引き下げることになります。学級編制の標準を引き下げるのは、1980年以来、実に40年ぶりのことになります。教育長にまずこの法改正をどのように受け止めておられるのか、また、本市にとり、特に重要となる課題とは何かを伺います。あわせて、全国中核市教育長会会長の立場から、今後の決意もお聞かせいただきたいと思います。
野口教育長:お答えいたします。少人数学級の実現につきましては、学校で子どもたちの指導に携わっている教員の長きにわたる強い要望の一つでありました。私が教員だったときは、50人を超えたクラスを持ったこともあります。それが45人になり、今は40人、それが35人になろうとしています。このたび、今お触れになりましたが、約40年ぶりに法改正が行われました。本当によかったな、また大変にうれしいな、このことが今の私の率直な思いであります。また、そうした中で、本市といたしましては、学級数の増加に伴う教員の確保、また、さらなる指導力の向上が特に重要な課題であるのではないかなと考えております。このたび中核市教育長会の会長を拝命いたしました。今後ではありますけれども、まずは中学校においても35人学級が確実に、そしてできるだけ早期に実現できるように、全力で国に働きかけていきたいと思っています。
また、もう1つ、これは恐らく中核市の教育長さん、みんな御理解いただいていると思っているのですけれども、今学校現場を回っていまして、特に大変だなと感じているのは特別支援学級です。8人という子どもたちが、最高ですけれども、1学級で8人の子どもたちが学んでいます。何とかこの人数を緩和できないか、また、1つのクラスに異学年の子どもたちが学んでいる実態もあります。こうしたことも改善できないのか、そのことを考えております。そのことも中核市の教育長さんたちと議論をしながら、国に働きかけていきたいと思っています。以上でございます。
森議員:金沢市において特にこれから解決していかなければならない課題というものを、具体的に示していただいたと思います。文科省のほうは萩生田文科大臣が、これも誰一人取り残さない日本型の教育、これを発展させていきたいと、これはスタートだと、このようにおっしゃっています。その中で、教員免許法、あるいは研修体系、これらが教員のなり手不足を招いてきた、その問題点といいますか、これもこれから改善に向けて検討しなきゃいけないというようなことなどなど、様々な課題が附帯事項を含めて文科省からの通知の中にも明示されておりますので、ぜひ前向きな取組をお願いしたいと思います。
ところで、石川県、本市とも、小2から小4、そして中1に、加配教員の転用による35人以下学級の運用実績があります。学級編制上の法制化の効果は、向こう3年間は実感できないのが、期待外れ感なきにしもあらずとなるかもしれません。教育長は、加配転用による高学年以降の35人学級運用について、かつて前向きな御答弁をなさっておられるんですが、法制化を受けてその展望についてどのように考え、取り組んでいかれるのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
野口教育長:お答えいたします。小学校の高学年以降の学年におきまして、習熟度別少人数指導のために加配された教員を35人学級へ転用することにつきましては、学校の実情、また校長の要望等を踏まえながら弾力的に運用できるよう、これまでも県に強く求めておりましたが、引き続いて県のほうにも要望していきたいと考えております。なお、これは特に強くこれから国にも唱えないといけないと思っておりますけれども、35人学級の実施に当たりましては、加配されている教員の配置は、教育の今日的課題への改善に必要不可欠なものであると強く考えております。加配定数を削減することなく、必要な教員数が確保されるよう、これから国や県に働きかけてまいりたいと思っております。ありがとうございます。
森議員:時間外勤務の80時間超えをゼロにしたいという3年間で取り組んだその結果について、所管の委員会でも具体的な報告がなされているのではないかと思っておりますが、全体としての定数改善、小学校高学年における教科担任制という課題も今言われてきておりますし、トータルで教員を増やさなきゃいけない、この課題は非常に重要だと、私もそう思います。ぜひ今のお立場を最大限有効に力に変えて、国に対して強く促していっていただきたい、このことを要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
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