湯涌夢二館前広場で、東北大震災復興支援コンサート
5月31日日曜日。イージーTAKUさんやソプラノの東あさこさんなど、地元で活躍するミュージシャンが、趣旨に賛同して演奏した。私は、主催者の湯涌やまねの主人吉田さんに促され、武満徹・谷川俊太郎の「死んだ男の残したものは」を歌わせてもらった。
ベトナム反戦から生まれた同曲。兵士こそ送らなかったが、軍需品から血液まであらゆるものを沖縄や全国の米軍基地からベトナムに送り、民衆の殺害に使われた。侵略加担の歴史は既に刻まれている。いま、その兵まで送り出さんとする安倍政権。沖縄、福島へと続く苦悩は、根続きだ。その思いから、私はこれを歌う。
1.
死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった2.
死んだ女の残したものは
しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった
着もの一枚残さなかった3.
死んだ子どもの残したものは
ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった
思い出ひとつ残さなかった4.
死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった5.
死んだかれらの残したものは
生きてるわたし生きてるあなた
他には誰も残っていない
他には誰も残っていない6.
死んだ歴史の残したものは
輝く今日とまた来るあした
他には何も残っていない
他には何も残っていない