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森一敏
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 2007年12月定例会 質問の全文

1.08年度予算編成にあたって
 
6月に成立した自治体財政健全化法により、08年度決算から公表が義務づけられる実質赤字比率、連結赤字比率、実質公債費比率、将来負債比率の4指標の内、実質赤字比率と実質公債費比率について、総務省は、「早期健全化基準」と「財政再生基準」の値を公表したところです。中期財政計画の実施によって、財政の健全化確保に努めてきたとはいえ、公債費比率が高いことに加え、連結決算となる企業会計の赤字決算状況や企業債残高が2000億円規模に達する本市としては、楽観を許すものではないように思います。まず、山出市長に、今後の本市の財政環境に関する率直な認識をお尋ねします。
 ところで、都市と地方間の財政力格差を埋めるため、地方法人二税の配分に関する論議が行われています。私は、自治体間に亀裂を生じさせるような方策が適切であるとは思えません。04年度からの三位一体改革の陰で、全体で5兆円規模、本市に於いても76億円もの交付税削減が行われてきたことが、地方の財政運営をより困難にさせてきたことも看過できません。地方分権の趣旨に立てば、地方固有の財源として、調整機能の独自性を強める地方共有税への移行が不可欠だと考えます。この点について地方六団体の結束は揺るぎないものと思いますが、国地方の協議の状況をどう捉えておられるかお聞かせ下さい。
 さて、引き続き地方財政計画の圧縮が予想される下で、本市来年度予算編成に当たっては、基本的に前年度比95%枠を設ける緊縮型予算編成を目指すとしています。ただ、新しい貧困の時代とも言われる格差社会にあって、経済的に弱い立場に立たされている市民の暮らしを支えることはちろんのこと、豊かな福祉社会と希望ある未来をつくりだすための先行投資とも言える子育て、教育分野への支出は躊躇するべきではありません。
 一例を挙げても、老朽化し、耐震強度に不安がある中、民家に間借りして運営を続ける放課後児童クラブには、安心して活動できる場の確保への支援を求める声が高まっていますし、学力と人格形成の基盤となる学校図書館には、当面学校図書舘コーディネーターの拡充が、特別支援教育の充実には、地方交付税に基準財政需要額に算定された通りの指導補助員の配置が求められています。
「社会の劣化」を招かず、市民にとって未来に希望を見いだせる08年度予算編成に向かって、山出市長の決意のほどをお聞かせ願います。
 この項の最後に、12月補正予算案に関して一点お伺いします。予算案に、担い手育成対策費として、農業大学校第一期生修了生の就農支援費が計上されています。熱心に研修を履修し、間もなく営農の世界に飛び出そうと希望に胸を躍らせている修了生のことを知っています。大規模農業者中心の新農政の下で、初期投資も含め農業経営を軌道に乗せていくのは容易ではないものと推察します。総額220万円の支援事業は、決して大きな額ではありませんが、就農支援の一歩を記すものとして歓迎致します。この際、新たな地域農業の担い手たちへの支援が今後どのように実施されていくのか、お尋ねしておきます。

2.樹木害虫防除について
 都市樹木害虫防除検討会の会議録によれば、今2007年度の防除にあたって、委員間でかなり激しい議論が展開されたことが伺われます。初期段階の発見と効率的な防除を行いたいとする市の新たな方針が示されたことに対し、捕殺防除を基本とすることが継続されるのかどうかをめぐる議論です。もし、「効率的な防除」が農薬散布に自由度を与えることであれば、環境汚染とりわけ環境ホルモンによる人体への悪影響、化学物質過敏症の発症リスクを高めることになります。厚生労働省は、2006年3月の国会において、「有機リンは急性中毒の他情動や精神活動など高度な脳機能に慢性的な障害を引き起こす恐れがある」と公式に答弁し、5月より農薬のポジティブリスト制度を導入して、一律に基準値を設定しました。2003年の農水省通知「住宅地等における農薬使用について」に続く国の顕著な動きです。そこで、まず、今年度の樹木害虫防除の具体的な方針について改めてお尋ねし、捕殺防除がどのように位置付けられていたのかをお聞かせ下さい。
 さて、本市が使用するトレボン乳剤はピレスロイド系の農薬ですが、除虫菊由来のピレトリンと言えども呼吸器系への障害が報告されているほか、殺虫効果を高めるために化学合成したピレスロイドには、発達中の神経系、成熟した神経系への悪影響、免疫系、内分泌系への悪影響がやはり指摘されてきました。都市整備常任委員会に報告された今年1化期までの散布量データによれば、合計散布量は増え続け、一斉散布を行っていた2000年度の一割前後という状況になっています。今年度1化期では、町会関係では前年比の5.17倍、市有施設では3.32倍で、とりわけ市有施設分は対2000年度比48%の水
準にまで達しているわけです。
この散布量の増加傾向をどう受け止めておられるのか、また、来年度の具体的な防除方針がどう検討されているのかについてもお答え下さい。
 次に、多くの子どもたちで賑わう21世紀美術館は、館内施設に加えて樹木と広い芝生を管理しています。害虫駆除には、どのような配慮を加えておられるのかお尋ねします。
 
また、地域によっては、薬剤散布を求める圧力が未だに高いとも側聞します。薬害や化学物質過敏症に対する意識啓発は、十分に効果を上げてきているのでしょうか。
 さらに、潜在的には10%程度存在していると推計されている化学物質過敏症患者の実態は、本市に於いてどの程度把握されているのでしょうか。防除作業従事者の暴露防止対策も重要です。私が面談したある患者さんは、依然として症状が重く、医療・保健機関の支援を必要とされております。前回の質問の際に、私は呼吸器系に専門機能を擁し、総合病院である市立病院に化学物質過敏症の診療部門を立ち上げることを提案しました。環境ホルモンの問題がこれほど注目され、化学物質対策が急務とされている今日、医療・保健機関とも連携し、発症者の実態把握、専門相談、治療にわたって、積極的な支援施策が講じられるべきであると考えます。この件について再度見解を伺います。
 この項の最後に、住民の樹木害虫への過剰な反応を防止するには、幼少の頃から昆虫等に親しませることが有効であるとも指摘されています。生態系や虫を理解する教育を行い、不必要な農薬散布を排除する市民意識を育てることも大切です。教育委員会とも連携して、学校現場に資料提供を行うなどの支援を提案してきました。検討の状況はいかがでしょう。

3.新金沢交通戦略にもとづく公共交通政策について
 第一の柱であるまちなかでの歩行者・公共交通優先の交通体系の一環として、ふらっとバスの新規ルートが長町を中心としたまちなか地域に設置される運びとなりました。新路線の設置を求めてきた者の一人として、まずもって、精力的に動いてこられた市長はじめ関係所管のご努力に改めて敬意を申し上げるものです。
 さて、もう一方の柱である郊外とまちなかを結ぶ公共交通体系の充実では、特定路線でのバスの増便、環状バス等の種々の交通実験が積極的に展開されています。
先月、運賃の引き下げが利用者増につながるかどうかを見極める目的で実施された「ノーマイカーデー」の結果をどのように分析評価しておられるのかお聞かせ下さい。
 次に、公共交通施策の推進には、公共交通事業者との意思の疎通が重要であることは言うまでもありません。とりわけ、乗り合いバスを運行するバス事業者との連携は不可欠です。しかしながら、続行中の実験を含めて、本市が事業者側に求める利便性向上策の収益性に関する評価予測に於いて、本市と事業者側との間にずれがあるやに聞きます。また、輸送業務を担う職員の間にも、雇用に関する先行き不安が払拭されていないとの実情も聞いています。本市の公共交通を支える地場公共交通事業者との協力関係を高めるには、何らかの採算割れ補填制度の創設といった新たなパートナーシップの検討も含め、一層の協議が必要と考えます。今後の協議にどのような方針で臨まれるのかをお答え下さい。
 三点目に、具体的な課題を一つ申し上げます。私は以前に、駅前中央交差点右折車線での渋滞緩和のために、中央車線のバスレーン化を提案し、当時の所管から一時的な混雑状態が見られるので、対策について検討したいとの答弁を得ています。あれから3年余りが経過しましたが、バス運転手から依然として渋滞の時間帯があり、列車への円滑な乗り継ぎを保障する定時運行に支障があるとの報告を受けています。再度、駅前中央交差点の右折中央車線を時間を区切ってバスレーンにすることを求めますが、ご所見をお尋ねします。

4.国民保護啓発への警鐘
 去る11月17日、金沢市国民保護フォーラムが開催されました。私も聴講者として参加し、講演に耳を傾けました。9月議会では、いたずらに仮想敵国の脅威を煽り、不安と緊張を高める場にしないという点では、市長に同じ思いがあると理解を致しておりました。しかしながら、実際の講演内容、とりわけ志方教授の講演は、世界各地で起こったテロといわれる事件を因果関係を省いて列挙し、想定上脅威となる国の実名を上げて、いつ日本で起こってもおかしくないとの漠然とした不安を煽るものでした。そして結論として、危機管理を徹底するには国家緊急事態法を制定しなければならない、それには憲法改正が必要との改憲論を展開しました。すなわち国家緊急事態法によって戒厳令を布告し、軍の武力で民主主義と人権を停止させる権限を国家に与えよと述べたのです。私はその根拠とされるテロ発生の具体的な分析を示すよう質問しましたが、明確な答弁はありませんでした。
 1945年ヒトラーの軍事顧問だったヘルマン・ゲーリングは、以下のスピーチを行っています。「もちろん人々は戦争を欲しない。しかし、結局は国の指導者が決定する。そして、人々をその政策に引きずり込むのは、実に簡単なことだ。反対の声があろうがなかろうが、人々が政治指導者の望むようになる簡単な方法とは・・。国が攻撃されたらと彼らに告げるだけでいいだけだ。それでも戦争回避を主張する者たちには、愛国心がないと批判すればよい。そして国を更なる危険にさらすこと、これだけで充分だ。」
 国民保護を理解するためにあのような講演内容が適合しているとするならば、国民保護とは、自治体、住民の戦争体制協力法と見なされても反論が出来ません。今後行われるであろう啓発活動や国民保護訓練は、憲法遵守義務に則り、戦争犯罪を許さず、市民が平和裡に生活するための知識素養を身につけられる内容とすることが必須です。

 世界連邦運動も後押しして、ようやく日本政府も戦争犯罪を裁く国際刑事裁判所への批准を終えたところです。本市が今後行う啓発活動においては、是非とも国際社会が飽くことなく追求してきた戦争違法化の歴史、国、自治体の責務である軍民分離や文民保護のあり方等、国際人道法の趣旨を学ぶことが出来るように内容を検討をするよう求めます。ご所見をお尋ねしておきます。

5.点字訳選挙公報の発行について
 視覚障害のある方々の関係団体が、選挙公報の点訳版の発行を求めて本市選挙管理委員会に要望を強めておられます。言うまでもなく、参政権は、何人にも等しく認められ、憲法上も保障されている基本的人権にほかなりません。視覚に障害があるという理由で、投票判断に必須の候補者情報が得られず、権利行使に制約を受けている状態は、選管による人権の侵害、参政権への差別とのそしりも免れないことと思われます。まずもって、選挙管理委員会としての認識を伺います。
 さて、選挙公報の点訳版の発行は、公職選挙法第169条の2項に「掲載文またはその写しを原文のまま掲載しなければならない」と規定されているため、それができないとされています。ところが一方では、公職選挙法の総則には、選挙管理委員会は、選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならないとの規定があります。そこで、啓発活動に位置づけて「選挙のお知らせ」や「選挙広報」等の名称で事実上の点訳選挙公報を発行し、配布している自治体は少なくありません。石川県選挙管理委員会も、点訳版選挙公報を発行し、視覚障害者の選挙権行使を保障するようになりました。この点訳版可否
の解釈をめぐり、国会でも議論された経過があるようですが、
点訳版選挙公報が発行できないという明確な法的根拠はどこにあるのか、また、「選挙のお知らせ」や「選挙広報」といった点訳選挙公報は、法の趣旨に反するとお考えなのか、ご所見を伺います。
 選挙管理委員会としての責務は、選挙の平等と公正な執行に責任をもち、すべての有権者の参政権行使を保障することにある。このことに何の異論もないでしょう。点訳版作成にかかる時間的技術的な問題は、技術革新によって、かなり解消されたとも言われています。広義の点訳版選挙公報発行に向け、具体的な対応を求めますが、見解をお尋ねします。

6.全同教大会そして全国一斉学力テストについて
 実りの秋を締めくくる11月、第59回全国人権同和教育研究大会が本市を中心に開催されました。全同教大会には、差別の現実から深く学ぶことを原点に、子どもと向き合い、子どもたちひとり一人に自らの存在価値と全人的な「生きる力」としての学力を保障すること、身近な人々の生き方に学び、なかまとつながり共に歩む集団をつくること、その延長に差別を許さない人権文化の確立を目指して、心血を注いだ教育の実践レポートが全国の学校や地域から持ち寄られました。その数140本、総参加者が1万3千人、教職員にとっては、無意識にある差別性や自らの立ち位置が鋭く問い直される厳しい実践検証の場
でもあります。本市の教職員も6割が参加されたと聞いています。
まず、全体集会に来賓出席された須野原副市長ならびに石原教育長に、感想をお尋ねしたいと思います。
 ところで、この全同教大会は、10月末に結果が公表された全国一斉学力到達度・学習状況調査に対して、調査結果が競争や学校間の序列化を煽る要因にならないよう、十分な配慮が必要であると注意を喚起し、一面的な学力調査ではなく、学びの意欲を育み、全人的な「生きる力」としての学力保障と教育の機会均等の具体化につながる条件整備につなげられるものでなければならないと、論評しています。折しも、PISAの国際学力到達度調査06年度実施結果が報じられていますが、私は、大騒ぎされる順位の動向以上に、日本の子どもたちが置かれている状況が映し出されているような次の数値に愕然とします。先般の全国調査に依れば、中学1年生の4.1%がうつ病に罹っており、中学3年生の抑うつ傾向となると何と30.4%にもなるのです。OECD諸国では、孤独を感じる子どもの割合が6%前後であるのに対し、日本のそれは30%という結果も出ています。国連が98年と04年の二度、日本政府に対し子どもを追い込みすぎていると勧告を出しています。それを裏付けるような数値です。おそらくは本市とて例外ではないでしょう。
 今、都道府県の平均点順位や全国平均点との差異に目を奪われ、子どもを点取り競争に一層駆り立てる教育へと雪崩を打っているように思われてなりません。文科省は来年4月に第2回調査を決めていますが、全員調査が本当に必要か、今回の結果の扱いが果たして適切かなど、主体的で冷静な再検討が求められています。教育長の見解を再び伺います。


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