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森一敏
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 2007年9月定例会 質問の全文

1.国民保護計画の実施に関して                   
 
8月7日から3日間、被爆62周年の長崎市を原水爆禁止世界大会に参加するために訪問しました。核廃絶と平和を求める国内外の人々と共に、亡くなった被爆者を追悼し、被爆体験者の証言に耳を傾け、世界の核廃絶に向けて思いを新たにしてきました。
 今年の長崎市民は、直近に起こった前久間防衛大臣発言をはじめ、政府の核問題への対応にいつにも増して憤りが強く、「政治家たちは、被爆の凄まじさを分かっているのか」と不信感をにじませました。それら市民の厳しい思いは、田上富久新長崎市長の平和宣言に集約されていたと思います。
 ところで、この長崎訪問で、4月に凶弾に倒れた伊藤一長前長崎市長が、国民保護モデル計画に示された政府の核防護対策では市民に責任を持てないとの理由から、長崎市国民保護計画から核攻撃への対処を削除していることを知りました。長崎だけではありません。最近の報道によれば、全国の策定未了市町村は、7月時点でも、唯一地上戦を経験した沖縄を中心に73、4月の消防庁まとめでも、未着手が13自治体にも及んでいるとのことです。ここでも、地上戦の実態が分かっていない、計画を作れと言われたから作ったというだけではないかと、策定自治体の判断を疑問視する声が伝えられています。法定受託事務と位置づけられているとは言え、憲法の平和主義に立って、住民の平和のうちに生きる権利を保障しようと、主体的な判断を行っている自治体が存在しているとが伺われます。

 さて、国の方針通りに2月に国民保護計画策定を終えた本市は、来る11月17日に国民保護フォーラムを開催する予定と聞きます。本フォーラムを含め、「平素からの備えと予防」としての啓発活動のあり方について、以下、ご質問します。
 
本市国民保護フォーラムは、講師として帝京大学の志方俊之教授を招き、町会連合会、消防職団員、自主防災組織、市職員、関係団体などを参加対象に行われるとお聞きします。
 講師に予定されている志方俊之教授は、かつて陸上自衛隊北部方面総監を務め、現在は軍事問題評論家として、度々ブラウン管に登場しています。いわゆる北朝鮮、中国脅威論に根ざして国防軍の創設を説き、敵地先制攻撃論にも躊躇のない、9条改憲論の急先鋒を自ら認ずる論客です。志方教授が支持した米国のイラク戦争は、今日の軍事占領までにイラク民間人65万人を超える死者を生み出したとする米英大学調査チームの新たな調査結果が公表されるなど、大義なき大量殺戮の侵略であったことが一層明らかになっています。米戦死者も3000人を超すなど占領は泥沼化し、今やブッシュ政権は死に体の有り様です。このように先を見誤るような軍事優先思想の下、「イラクの脅威」なるものと「北朝鮮の脅威」なるものを関連づけ、「備えよ」と「対テロ戦争」を鼓舞し続けた志方教授は、著書『自衛隊に誇りを』で注目すべき発言を行っています。「自衛隊は日本を守ることが任務である。しかし、実際に日本が攻撃された場合、自衛隊だけで日本を守ることができるのだろうか。残念ながらそれは無理だ。(中略)国民全体で戦わざるを得ないのである。(中略)24万人の自衛隊員がそこで屍をさらすことになる。それを見た国民が『これは大変だ、あの若者たちだけを死なせてはならない』と、目覚めて立ち上がるまでの時間を稼ぐだけなのである。(中略)昔の言葉で言うと、『後に続くを信ず』である。その国民が、自衛隊を死なせたままで、相手に降伏するというのであれば、自衛隊はそんな日本の国のために生きていてもしかたがないのである。」
何やら、「一億総玉砕による国体護持」を唱えたかつての大本営のような言説ではありませんか。
 このような講師の人選は本市の裁量によって行われたのでしょうか。また、地域住民の代表者を前に、どんな教示を期待されているのかお聞かせ下さい。
 国民の生命財産と暮らしを万が一の武力攻撃事態から守るというのが、国民保護法の目的であり、それに基づいて自治体等の役割を定めたのが国民保護計画であると、国県市当局は繰り返し説明してこられました。本市の主催のもと、国民総決起による国家防衛の考え方を持つ講師が講演することは、国民保護という根本趣旨と大きく矛盾し、本市平和都市宣言の理念から逸脱し、ひいては、自治体の憲法遵守義務にも反するものではありませんか。整合性をどう考えておられますか。
 
地域住民のリーダーや身近な消防防災関係者が受けるべき啓発の内容とは、仮想敵国を刷り込み、軍事優先思想を振りまくことではありません。戦争の惨禍から教訓として戦争違法化のルールを積み重ねてきた国際人道法の歴史と到達点に学び、日頃から平和のための地域づくりを目指す意識の醸成にあると考えます。今後の啓発の中でいかに国際人道法を学ぶのか、市当局ならびに教育委員会のお考えをお聞きします。
 
私たちは、平和運動センターとも結んで、国民保護計画に対して多面的な観点から論じ、市民の側に立った不断の見直しに資する市民公聴会の開催を求めてきました。その場が国民保護フォーラムであるならば、講師による一方的な講演ではなく、異なる立場の発言者を立ててのシンポジュウム形式で行うべきだと考えます。講師の人選も含め、国民保護フォーラムを一旦白紙に戻し、そのあり方を再検討することを求めますが、見解をお聞きします。

2.志賀原子力発電所の核暴走事故に関して
 3月15日に、北陸電力が志賀原子力発電所1号機で発生した臨界事故を8年間にわたって隠していたことが発覚しました。各地の原発での同様の不正報告や偽装検査、さらには東京電力柏崎刈羽原発が、7月16日発生の新潟県中越沖地震で放射能漏れ事故を発生させたことなどによって、今や原子力発電の安全性に対する信頼は地に落ちています。
 志賀原発から直線距離で50数キロメートル地点に立地する本市は、北陸電力の株式209万4千株を持つ第10番目の大株主でもあります。その大株主たる金沢市ご当局に、以下の点申し上げ、見解をお尋ねすることとします。
 さて、本年6月8日に開催された北陸電力株式会社の株主総会における年度報告書の冒頭に、「株主のみなさまへ」と題する取締役の文書が掲載されています。「当社グループは、平成11年6月の志賀原子力発電所1号機の定期検査中に、原子炉において臨界事故を起こすとともに、国及び自治体に報告しておりませんでした。このような重大な事故を発生させ、かつ報告していなかったことは誠に申し訳なく、深く反省しお詫び申し上げます。」これに続けて、異常事象の第一報を国に通報する仕組み、発電所情報の国等への伝送などの「隠さない・隠せない仕組みの構築」、法令遵守の意識改革、そして原子力本部の志賀町への移転、金沢に地域共生本部を設置すること、社外有識者からなる再発防止対策検証委員会の設置などの対策を講じるとしました。
 一方、経済産業省は、北陸電力の報告書を受けて原子力安全・保安院が提出した「制御棒引き抜け事象に関する調査報告書」を根拠に、4月20日、「発電設備の総点検に関する評価と今後の対応について」を発表しました。そこでは、他の電力会社と同様に、志賀原発の臨界事故隠しは原子炉等規制法などに抵触しているとしながらも、国への報告体制の変更命令を行っただけで、運転停止命令は出しませんでした。
 これらに対し、原発の安全性を憂慮する各地の市民団体や原子物理学の専門家などから、厳しい批判が上がっています。
 まず、事故の重大性の認識がない。通常の原発運転でいうところの臨界状態ではなく、制御不能の核暴走状態を言う「即発臨界」である。ただ、脱落した制御棒が89本中3本だけで、しかも2本は途中で止まっていたことで、15分間も続いた「即発臨界」が局所的なものに止まったのは、幸運と言うべきである。事故の実態を具体的に知るために最も必要な炉心出力を測定する平均出力領域モニタの記録は公開されていない。
 第2に、放射能汚染の懸念がある。北陸電力は環境への放射能漏れも作業員の被曝も無かったとしている。しかし、臨界によって中性子線が照射され、核分裂による放射性ガスが発生する。定期検査中に原子炉の蓋が開いている状態で起こった臨界事故であるから、環境への放射能の放出と、作業員6人の被曝が危惧される。放射線放出量に関連する燃料集合体の損傷具合を調べる徹底調査は行われず、日立製作所が持っているはずの事故直後の放射線管理区域の汚染測定値も公開されていない。
 第3に、構造的改善がなされていない。核燃料間に重力に逆らって制御棒を下から挿入しなければならないところに沸騰水型原発の構造上の欠陥がある。ところが、事故原因を作業員の手順ミスに求めていることから、制御機能の構造的な欠陥を、故障しても危険な事態に行かない「フェイルセイフ」の設計に改造する事故再発防止策がとられていない。 このように、北陸電力の報告をほとんど追認し、幹部の責任を不問にしたまま、運転再開を容認する国、原子力安全・保安院にはもう住民の安全を任せておけない、次はとりかえしのつかない大事故が待っていると、石川の市民団体が全国に呼びかけて、「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名」が展開されるに到っています。8月段階で呼びかけ団体は21県64団体、呼びかけ人121人へと署名運動は拡大しています。
 加えて、原発震災への不安が高まっています。3月22日に発生した能登半島地震では、立地調査において過小評価していた断層が動き、万が一をも超える想定とされてきた「限界地震」を上回る加速度を記録しました。宮城沖地震を受けた東北電力女川原発、そして、中越沖地震の柏崎・刈羽原発と、3つも続けて「あり得ない程大きい想定地震」を上まわる地震が実際起きたことになります。当時、1、2号機とも運転を停止しており、その間に地震が発生したのは、せめてもの救いでした。一昨年の2号機差し止め判決が、現実の脅威を言い当てた格好です。2000年以降マグニチュード6前後から8に到る大地震が13回も起こるなど、地震活性期に入ったと言われる今日、原発震災への抜本的な備えとして、原発依存からの脱却が現実的な課題となっていることを申し添えておきます。

 そこでまず、第10位大株主として、本市は、臨界事故隠しの問題について、どのように受け止めておられるのか、また、先般の北陸電力株主総会において、真相究明と徹底した再発防止策を求める厳しい対応を行ったのかどうかお聞かせ下さい。
 次に、運転再開には、県ならびに地元志賀町の合意が必要です。安全協定を無視した臨界事故隠しは、原子力防災計画の実効性をも疑わせるものです。核暴走事故がいかに広範囲で人体に甚大な損害をもたらすものであるかは、1979年の米国スリーマイル島原発事故、1986年のチェルノブイリ原発事故、そしてあの東海村JCO臨界事故で、人類史的な教訓を残しています。本市においても、市民の安全を守る立場から、国、県、地元志賀町に対し、事故実態の徹底糾明、並びに抜本的な再発防止策がないままの運転再開には応じないよう要請すべきです。
 北陸電力においては、夏場のピークの時点でも、原発電力以上の電気を他社に売電するほど、原発施設は余剰施設となっていると言われます。さらに今後、消費者負担も含め、使用済み核廃棄物の処理に巨額な経費が想定されています。電力の自由化で巨額な原発コストは経営上のお荷物になるとも言われています。
核汚染という最悪の環境破壊を防ぐためにも、本市として北陸電力に対し、原発から撤退し、自然エネルギーの開発を強めるよう働きかけるべきだと考えます。以上について、市長の見解を求めます。

3.市民のつぶやきから
(1)認知症高齢者介護施設における人権擁護について

 
先日、市民の方から、認知症を患う家族が以前入所していた介護施設で、入所者のプライバシー配慮が十分ではなかったとの訴えを聞きました。その方が直接施設側に繰り返し改善を申し入れたところ、認知症の高齢者への対応だからと見解が食い違い、預かってやっているのにと言わんばかりの印象も受けたと話されました。
 あの高松のグループホームの事件から、施設の劣悪な職員配置、待遇の問題、介護従事者の人権感覚、経営者の人権感覚、福祉マインドが大きな課題となりました。現場では、人権に配慮した介護に努力が傾けられているものと思いますが、こうした問題は、一般には、当事者はもちろん、家族も自分から声を出しにくい立場があって、問題がなかなか外に出せない事情もうなずけます。
各施設に於いて、入所者の基本的人権を守る対応が十分とられているのか、その把握と指導体制は万全と言えるのか、また、人権を尊重した介護を推進するために本市としてどうとりくみを強めるのか、お考えをお聞かせ下さい。
(2)地域住民と愛玩動物との共生について
 
ちょうど、今、改正動物愛護法に抵触するおそれのあるワニの事件が金沢発の全国ニュースとなっておりますが、以前私は、本会議の場で、愛犬家のマナーの問題について質問しました。その後、猫の飼育放棄、住民が野良猫にえさをやることによって、野良猫が増え、家の周囲が糞尿で汚される、庭が荒らされる、車が傷つけられる、えさの食い残しがカラスを呼び、カラスの糞でまた周囲が汚されてほとほと困っているなどといった、付近の住民の相談が複数寄せられています。もちろん、飼う側の責任において、適切に飼育している市民は少なくないのですが、一部に感情的なもつれが起こり、動物愛護者、愛玩動物と地域住民の共生は、なかなか難しいものがあるのも現実です。そこでまず、お尋ねします。本市行政として、野良猫に係るこうした問題にどのような機動的な対応を行っているのでしょうか。
 
私は、こうしたマナーに絡む問題は、市民共生の場としてのパブリック・「公共」の意識を醸成するまちづくりを行う中で解決を図ることが望ましいと考えています。今議会で「マナー実践都市宣言」が準備されています。この問題でも、全市的な地域ぐるみの一大啓発キャンペーンも必要かと思いますが、今後のとりくみをいかに構想しておられるかをお尋ねします。

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