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森一敏
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 2008年6月定例会 質問の全文

1.電磁波による健康被害の防止について
 「21世紀の公害」とも呼ばれる電磁波の健康被害に、住民が関心を寄せ始めています。私のところにも、市内在住のある保護者から、高圧送電線が校舎近くを通る学校に通う子どもの健康を案じる投書が舞い込んでいます。
 電磁波問題がこう呼ばれるのは、これまでその危険性があまり認識されないまま、21世紀は暮らしのオール電化、携帯電話などに代表されるIT化が一層進み、電磁波による健康被害が表面化すると考えられているからです。
 ところで、電磁波による健康被害に関して、いち早く対応に乗り出した欧米諸国の経過を少し紹介しておきましょう。電磁波被曝と健康被害の因果関係を解明する先駆けとなったのが、1979年、コロラド大学のワルトハイマー博士が発表した疫学論文とされています。博士は、配電線付近で小児白血病の発生率が倍加していると発表し、大きな論争を巻き起こしたのです。
 これををきっかけに、80年代から90年代にかけて30件以上の疫学調査結果が発表され、そのほとんどが小児白血病発症の増加を示すものでした。アメリカではアーバイン市が先駆けて漏洩規制値4ミリガウスを開始します。
 同様に北欧スウェーデンでは、1992年にカロリンスカ研究所が有名な調査結果を発表します。これは、1960年からの15年間に、30万ボルト前後の高圧送電線から300メートル以内に住む約50万人を対象に、ガンの発生率を調べたもので、最も信頼のおけるデータの一つと言われています。その結果は、日常の電磁波環境の2倍に当たる2ミリガウスを浴び続けた子どもの白血病発症率が2.7倍になるというものでした。この調査結果を受けて政府は、規制値2〜3ミリガウスを目安に直ちに対策に乗り出し、93年からは幼稚園、学校、団地などの近くの送電線の撤去、撤去困難な場合は、幼稚園の移転や送電線の地下40メートルへの埋設工事を行っています。さらに、送電線は家からは400メートル、学校などの場合は1000メートル離すよう勧告されています。
 こうした調査研究に基づき、2001年には世界保健機関WHOが、4ミリガウスを境に小児白血病発症の危険が倍増する、発がんランクでも「可能性がある」と発表しました。最近でも、高圧送電線の近くに幼少時代から住み続けると、白血病、リンパ腫のリスクを5倍にするとのオーストラリアのタスマニアでの調査が発表されるなど、警鐘を鳴らす世界の動きは止むことはありません。
 疫学調査ばかりでなく、近年電磁波の生物学的影響に関する研究も進展を見せ、EU7カ国の共同研究「REFLEX」が、携帯電話が発するマイクロ波が、脳、聴覚神経を損傷させることを突き止めています。メラトニンなど免疫ホルモンの分泌阻害による免疫力の低下、細胞からのカルシュウムの流出、脳血液関門の機能不全、神経ニューロンの破壊などの影響も知られるようになってきました。化学物質過敏症と共に、電磁波被曝の短期的な障害である電磁波過敏症患者の診療にも先駆的にとりくむ北里大学医学部名誉教授の宮田幹夫さんの講演を私も東京で拝聴してきたところです。
 こうした中、2007年6月に、WHOが極低周波電磁波の「環境保健基準」を発表しました。慢性影響に対しては、3〜4ミリガウス以上の長期にわたる電磁波被曝が引き起こす健康リスクは、「懸念を抱き続けるには十分強固」であるとし、電力、政策立案者、国、政府等に対し、予防的措置としてリスク研究の継続、低コストの予防法の実施、十分な情報提供によるリスクコミュニケーションと利害関係者全員による政策決定などを求めています。世界の趨勢は、リスクの可能性が考えられるならば、予防原則にたち、危険性を低減させるための対策を講じるというものです。
 これに対し、経済産業省原子力安全保安院はワーキンググループを組織し、日本で初の電磁場規制値の策定に動いています。ところが、その規制値案が、WHOの評価とはかけ離れ、50Hzで1000ミリガウス、60Hzで830ミリガウスという極めて甘いもので、電気事業界寄りであると関係市民団体等から規制値の見直しを強く迫られているありさまです。日本の状況は世界の趨勢から取り残されている観があります。

 
そこでまず、市長にお尋ねします。電磁波が引き起こすとされる健康被害に対応しようとする世界の流れをどのように受けとめられるでしょうか。
 次に、以下、私なりの提言として申し上げ、見解をお尋ねすることとします。
 
その第一は、リスクコミュニケーションを十分に図ることです。電磁波の健康被害をめぐる論争も含め、市民にはあまりにも情報が不足しています。本市に於いては、福祉健康部門や教育環境部門、さらには都市整備部門、企業局なども連携し、電磁波問題に関するリスクコミュニケーションの体制を整えていくことが大切であると考えます。
 第二には、具体的な対策として、まず市内の送電・配線線対策に関して申し上げます。 昨年国の原子力安全・保安院が報告した「磁界低減技術とコスト評価」では、電磁波低減技術として10の技術を掲げ、それぞれについてのコスト評価を示しています。そのまとめとして、報告は、新設では「逆相化」、「コンパクト化」、「高鉄塔化」、「ルート変更」が、既設では「逆相化」、「鉄塔のコンパクト化」が検討に値するとされていますが、本市市域に於いて、送電線に何らかの低減技術が採用されているのでしょうか。私自身の電磁波測定では、高圧送電線が近くを通過する市内の学校では、平地部分で10〜15ミリガウスを記録しましたし、別の学校では送電線により近い4階のベランダでは100ミリガウスもの値を記録しています。とりわけ、このような学校や保育所に近接する高圧送電線への対策について早急に北陸電力と検討する必要があるのではないでしょうか。
 また、本市の景観政策として無電柱化事業があります。高いコストを指摘される電線類の地中化を、本市は中心市街地の幹線道路において、積極的に進めてきました。埋設路面では、0.2ミリガウス程度と配電架線下での測定値の10分の1ほどに電磁波の漏洩が抑えられています。電気事業者の埋設時の配電線処理によって、抑制効果があらわれているもの考えられます。課題は、地表に設置されている変圧器が、常時60〜100ミリガウスの電磁波を放出し、通行者がその脇を気づかずに行き交っていることです。変圧器に人が不用意に触ったり、近づいたりできないように対策を講じる必要があります。
 さらには、今後の無電柱化事業がまちなかを対象とするため、軒下配線等による「金沢方式」の可能性調査が当初予算に盛り込まれましたが、居住空間近くに配線することから、電磁波被曝の危険が高まる懸念があります。この観点も念頭に置く必要があります。
 第三には、電化製品に取り巻かれた現代の日常生活の中で、いかにして電磁波被曝を避けるかについてです。電磁波は発生源からの距離の二乗に反比例して減衰します。つまり、電化機器から距離を取る暮らし方を意識することが大切です。被曝を最小限に留める携帯電話の使用方法にも意識が必要です。また、不特定多数の人が集まっている空間での使用の自粛など、周りの人に受動被曝をさせない配慮ができるよう市民啓発と教育も必要です。とくに電磁波の健康影響をより受けやすいのが子どもたちです。学校において学びの機会がつくられるよう学校現場と連携すべきです。
 第四には、その学校に於いては、電磁波被曝リスクへの配慮を十分に行うことです。授業で子どもたちが使用するパソコンから放出される電磁波への対応などが必要となります。通信波が飛び交う無線LANは有線化する、電磁波漏洩が小さな機種の導入、開発が進む電磁波遮蔽用品の利用など、可能なところからの実施を検討すべきです。
 その他にも市庁舎内の事務環境から都市計画や住宅政策、さらには電磁波過敏症対策のような医療保健分野の対応も含め、幅広い課題があると考えられます。庁内横断的な政策検討体制の構築を提案致します。以上について、見解をお聞かせ下さい。
2.ホームレス支援対策について
 この間、本市は生活支援課を所管として金沢市ホームレス問題連絡協議会を設置し、現地での面談、支援活動に汗を流してこられたことにまずもって敬意を表したいと思います。 さて、2002年にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立し、厚生労働省は三度の全国実態調査を行いながら、自立支援に関する基本方針を策定、就業支援と自立支援を中心とする予算化事業を進めてきました。全国実態調査の結果によれば、調査を開始した2003年から2007年、そして直近の今年4月と、25200人余から18500人余、さらには16000人余とその人数は調査の度に減少の傾向を辿っています。まず、本市における実態の推移をどのように把握しておられるかをお尋ねします。
 ところで、ホームレスに関わってきたボランティアは、この実態把握について疑問を呈し、「実態の7割程度だろう。若年層や女性のホームレスは見落とされがちだ。また、生活保護の適用で何らかの屋内生活に入った人が増えているが、働いて生きることや人とつながって生きるという人間らしい暮らし方ができるようになったとは言えない。」と述べています。ここ金沢でもホームレスに長く関わってきたある市民は、「ホームレスは、どこで寝ているのかな。数年前から見えなくなった。」と状況を表現しています。「かつては一部ながらホームレスと関わる一般市民も見られたが、まちが整備され、安心・安全が強調されるに従って、公共スペースからのソフトな排除、住民による管理が進んだ結果として視野から消えているとしたら、問題は根が深い。」とも述べています。
 
そこで、現場での面談や支援活動を通じ、具体的にどのような支援を行ってきたのか、また、併せてホームレス問題連絡協議会で情報交換を行ってきた本市として、今日のホームレスの生活の状況についてどのように学んできているのかをお聞かせ下さい。
 全体からすれば、ホームレスは極めて少数の方々かもしれません。しかし、年間に億万長者が7万人ずつ増える一方で、全就業人口の3分の1である1740万人が非正規雇用労働者となり、とりわけ女性や若年層では半数を占めると言われます。年収200万円に満たない世帯人口も1000万人という急速な格差と貧困の進行に、自己負担にシフトする社会保障制度の劣化が追い撃ちをかけています。これまでは若年層のホームレス化を吸収する機能を果たしてきた家庭の能力が低下し、貧困の世代間継承が起こっている状況では、新たなホームレス予備軍は、むしろ増加していると思われます。すなわち、問題はまさに社会のありようを問われる私たち市民全体のものと受け止めるべきです。
 野宿生活者の尊厳あるくらしのために、積極的な雇用政策を行うことが何よりも求められています。厚労省の全国調査でも、ほとんどのホームレスがいかに収入の安定した職場を切望しても、それがかなえられずに来たこと、そして日雇いや段ボール、空き缶回収に頼る気の遠くなるような心細い暮らしを強いられてきたことが明らかにされています。ロンドンで生まれたストリート雑誌「ザ・ビッグイッシュー」が、ホームレスに売り手という仕事を創りだす運動として日本にも導入されて5年が経過します。地域で人としてつながり合うなかで経済的にも精神的にも自己決定に基づいて自立していく道を応援する斬新な手法として話題になりました。
こうした市民団体の発想にも学びながら、生活保護水準以上の収入が確保できる就労の権利保障を具体化する必要があると思います。行政として、安定就労のための雇用政策をどう具体化していかれるのかお聞かせ下さい。
 他方、ホームレスへの偏見の解消も欠かせません。ホームレスが居着くことを理由に公衆トイレの設置を住民が拒否したり、環境悪化の原因として苦情が寄せられることもあります。また、不審者として警戒の対象になる場合もあるでしょう。これらは、本当に不幸な出会い方と言わなければなりません。そして、実際には、全国で逆にホームレスが不満のはけ口とされて殺傷される悲しい事件が繰り返されているのです。ホームレスへの偏見を取り除き、地域の温かな眼差しの中で、人間らしい暮らしを取り戻していける環境を創らねばなりません。本市としてどのような対策を講じて行かれるのかお尋ねします。
3.市民のつぶやきから
(1)後期高齢者医療制度に
 後期高齢者医療制度が4月からスタートしました。該当年齢層の方やご家族からは、「ひとくちに言うて、高齢者は肩身の狭い思いで生きていかんなん。」と嘆きの声を聞いてきました。新たな保険料負担や年金天引きの他に、多くの該当者の保険料負担が老人保健制度より下がるとした厚労省の試算モデルが実態をカバーせず杜撰であったこと、かかりつけ医制度の医療制限はほとんど周知されていないこと、さらには終末期相談支援料など、事前の説明との食い違いや説明不足が露呈しています。「年寄りは早く死ねというもの」との批判に政府は慌てて負担軽減の制度修正に追われていますが、75歳以上の高齢者と65歳以上の障害者を切り離して一括りにし、医療費抑制を優先する制度への根本的な批判は収まりません。
 こうした声に、法律制定を受けてのこととは言え、制度の実施主体である県の広域連合の設立を承認してきた者の一人として、忸怩たるものを禁じ得ません。参議院で可決した野党共同提出の制度廃止法案は衆議院で店ざらしの状態です。
同世代でもある市長は、この市民の嘆きをどう受け止められるのかその率直な思いと制度改革に向けた国への働きかけの決意を改めて市民に語りかけて頂きたいと思います。
(2)大型自動二輪の駐輪場を
 まちなかへの自家用車の乗り入れを抑制し、歩行者優先のまちづくりにとりくむ本市は、市内中心部や金沢駅前に公営の駐輪場を整備してきました。ところが、自動二輪車を利用し、自家用車利用の自粛に貢献しようとする市民から、自動二輪車の駐輪場がなくて困っているとの声を聞きます。その事実を確認すると共に、本市としての対応を求めます。
(3)市営住宅のバリアフリー化に当たって
 
本市に於いても、市営住宅のリフォーム、建て替えに当たって、高齢化時代を踏まえたバリアフリー化にとりくんでいるところと承知しています。先頃、介護施設を訪問した際に、そこで働く職員と利用者の方から、送迎時に出入りするバリアフリー化されたはずの公営住宅が、エレベーターに車いすでの移動に十分なスペースが確保されていない、また、雨や雪を避けることのできる屋根付き玄関スペースも十分ではないとの意見を聞きました。本市市営住宅のバリアフリー化に当たって、介護を受ける立場の入居者に配慮した設計がどのようになされているのかお尋ねします。

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