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森一敏
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 2008年9月定例会 質問の全文

1.浅野川水害について
 7月28日に発生した浅野川洪水によるすべての被災者の方々に、まずもって心からお見舞いを申し上げます。また、救難活動、災害復旧と生活支援に当たってこられた地域住民、本市職員、消防団関係者、災害ボランティアの方々のご奮闘に敬意を表する次第です。
 私も党、会派視察を含め、この55年ぶりと記録される洪水被災地を浅野川、犀川流域全体も含めて視察を重ね、地域住民の声も多く聞いてきました。被災者の生活再建は喫緊の課題であることは言うまでもありませんし、全国各地で浸水被害が多発する中、今水害が残した教訓を今後の水防に活かしていかねなりません。
 浅野川、犀川を管理する石川県は、既に第三者委員会である「局所的豪雨に対応した河川管理検討委員会」を設置し、有識者による検討を開始しました。本市においても、総合治水対策と連関した内水管理強化検討委員会を設置し、検討を行っていくとお聞きします。 県市それぞれの第三者機関には、中立機関として実地検分に基づく徹底した検証の上に治水対策を提言されるよう求めますと共に、私たち会派社民もその動向に強い関心を払いながら、今水害発生の原因究明と再発防止対策に参画したいと考えています。以下、市民のつぶやきも交えてご質問し、見解をお尋ねするものです。

(1)浅野川洪水をどう見るのか
 さて、県は、第三者委員会に、この浅野川洪水について、今後の詳細分析に含みをもたせつつも、「最大時間雨量138ミリ、3時間雨量251ミリ、3時間流域平均147ミリの降雨は、観測史上最大で200年確率の『局所的豪雨』であった。そのために短時間に想定を上回る洪水が発生し、堤防を越えて氾濫に至った。」とのまとめを報告しています。被災に対しては、急激な水位上昇で水防対策が間に合わず、局所的豪雨に対応した新たな河川管理と水防体制が必要としています。これでは、不可抗力の天災であって、県の河川治水対策上の責任は問えないと公言しているように聞こえてくるわけです。
 果たして、浅野川水害は、想定を超える降雨による天災と片づけてよいのか、ここに水害発生の原因分析を行う上での重要な議論があると思います。
 私の手元に複数の市民団体から、7月28日未明から早朝にかけての降雨量と出水量に関する見解が寄せられています。
 浅野川天神橋基準点で県の言うように流量600立方メートルとするならば、浅野川と放水路で連結された犀川の犀川大橋基準点での流量が350立法メートル、合わせて950立方メートルです。一方、計画された流下能力は天神橋で460立方メートル、犀川大橋で1230立方メートルの合計1690立方メートルですから、浅野川と犀川全体の流下能力の58%しか出水しなかったことになります。浅野川と犀川を放水路でつなぎ、一体的な治水計画で臨んでいる県の計画からすれば、想定を大きく越えるどころか、想定に十分収まる出水でしかなかったということになります。そもそも最大雨量の根拠とされる芝原橋観測所の3時間雨量データが、近距離にある医王山観測所の2倍以上、犀川上流の本市上寺津発電所での観測データの4倍以上の数値であるのは、不自然さを感じさせます。 上流域での聞き取り調査では、確かに恐れを覚えるような降雨があったとの証言を得ていますが
測定環境や精度に問題がなかったのか、検証は行われているのでしょうか。今回の洪水が、本当に想定外のものであったと言えるのか、改めてご所見を伺います。
(2)河川管理上の責任について
 では、 公称流下能力毎秒460立方メートルを越え、堤防余裕高ぎりぎりとなったものの越流することなく流下した水が、河川改修を終え、同様の流下能力をもつとされる下流の浅野川大橋下手から応化橋までの地域でなぜ越流することになったのか。
 この疑問を解く鍵として、私も地域住民から、河川整備以降の数十年間に、川底が1メートル以上も上がっているとの証言を得ています。整備後に放置し、実際の流下能力の変化を把握することなく、机上の計画と実際との乖離を放置してきたと、行政への厳しい批判が聞かれました。その数値はともかくも、生き物である河川が日常的に運び込んだ土砂が堆積し、河床を押し上げ、流下能力が計画よりも低下していたのではないでしょうか。現地を注意深く観察すれば、大きな越流カ所はいずれも橋の上手であり、計画高水の線にほぼ一致する橋桁に流木がかかり、せき上げ流となって堤防を越えたと見られるのです。
 河川管理上の問題として、もう一点、流下能力の脆弱な浅野川にとって、生命線とも言える田上地区から犀川大桑地区に分水する放水路が、計画通りに機能したのかどうかに目を向けざるを得ません。すなわち、少なくとも設定した150立方メートルの分水が出来ていたなら、浅野川大橋下流域での越水を防ぐことが出来たのではないかという点です。湯涌へ通じる朝霧大橋の橋脚と堆積した土砂によって、設定通りの放水が妨げられたのではないでしょうか。また、犀川流域での降雨が少なかったことを考慮すれば、最大分水250立方メートルの放水も可能だったのではないでしょうか。
 防災体制の面からもやはり県の管理責任を問う声が強いのが、天神橋と浅野川大橋間にある二カ所の切り欠きへの角落としが間に合わなかった問題です。現地の聞き取りでは、遮蔽作業を委託した事業者が住民には全く知らされておらず、水防訓練でも切り欠きへの角落としについては、行われたことがないということでした。これでは、今回のような緊急時に、最も近くに暮らす住民が自主的に対処しようにもできず、防ぐことの出来る浸水被害を招いたといわざるを得ません。関係町会住民が、損害賠償を求めて県に嘆願書を提出されたのは当然のことと思います。

 私は、これら数項目に関わる河川管理者としての責任について、第一義的には県ですが、本市にも免れ得ないものがあるのではないかと考えています。この点について見解をお聞きします。
(3)上流域治山状況の把握
 
ところで、被災状況について誰もが驚いているのは、その流出土砂と流木の多さにあります。浅野川上流地域にある湯涌周辺地区では、土石流によって民家が押し流されるなど、土石流や無数の土砂崩れが発生しました。それらが濁流となって沿線の農耕地、更には下流域に広範囲の泥土を伴う浸水被害をもたらしたのです。
 今回の水害被害では、県が75年前に設置した砂防ダムが決壊するというあってはならない事故が発生しました。湯涌地区では、砕石場や道路などの開発で森が伐採されてきたことに不安を持っていたという地域住民とも出会いました。
この砂防ダム決壊と土石流発生との因果関係、上流側にある砕石場の防災対策、行政の監督は行き届いていたのか。こうした治山と防災施設の管理上の疑問点について、どのようにお考えかご所見を伺います。
(4)労災や刑事責任の究明は
 今回の水害被災には、多くの官民の関係職員が動員され、被災状況の把握や緊急復旧作業、避難所開設などに従事しました。その際にけがや過労などの労災事故は発生していないのかが危惧されます。状況と対処についておたずねします。
 また、災害における過失責任や人為的な犯罪性の有無等の捜査究明は、警察行政の任務であろうと思います。今日段階で捜査の動きがあるのかお答えください。
(5)被災者救済と復旧支援
 さて、補正予算における被災者救済と復旧支援の措置です。今水害によって、2000軒近くの一般家庭が浸水被害を受けた外、農林事業者の生産基盤に甚大な損害がでました。 本市としては、諸物価高騰のダブルパンチを受ける被災者の厳しい状況を十分に受け止めるべく、国の局地激甚災害の指定をはじめ、復旧支援体制の構築に努力して来られました。しかしながら、新設する本市独自支援金制度が1500軒近くの床下浸水世帯には適用されないことなど当該住民の思いとずれがあることや、仮設住宅に入居される被災者の住宅再建をどのように支えていくのかなど、今後に課題を残しています。また、台風シーズンを迎えて、二次災害の引き金になりかねない渓流堆積土砂への対策が急がれます。本格復旧に向けての決意を改めて伺っておきます。
(6)浅野川・犀川一体的な洪水防止対策の抜本的な見直しを
 繰り返しになりますが、県の治水体制は、浅野川と犀川を放水路でつなぎ、犀川に増水する分を内川ダムでピークカットするという体制です。今回の洪水では、犀川側に相当の余裕があったと言えますが、100年確率以上の降雨を想定するならば、河川改修をこそ急がなければなりません。
 計画策定から遅々として進まない犀川下流域赤土大橋付近の河川改修によって、流下能力を現在の毎秒820立方メートルから一気に1900立方メートルに拡大させることが出来るのでないですか。金沢市は辰巳ダムの早期建設を国県に求めてきましたが、その効果は辰巳ダムがもたらすとされる296立方メートルの実に3.6倍です。因みに、この地点での辰巳ダムの効果はわずか20〜30センチにすぎず、100年確率以上の雨が上手で降った場合、河川改修なしでは越水は免れないということですから、投資の優先順位が違ってはいないかとの思いを新たにするのです。
 犀川を踏査して流下能力に不安を感じるカ所がもう一つあります。それは、JR鉄橋の架かる本江町付近です。5対10本の古びた橋脚と新幹線高架用の橋脚一本が川幅いっぱいに川を遮っています。今回の雨によって、橋脚には架かった流木とせき上げ流の痕跡が2メートル以上の高さに残っています。左岸側の堤防高が低いのが見てとれ、その上、その下流には木が茂る大規模な中州が発達しているのです。ここでも計画高水に対応した流下能力が本当に確保できているのか調査が必要です。
 さらには、市民団体の調査によって、浅野川下流域東蚊爪地内の堤防にパイピング現象が発見されました。大規模決壊になる前に、徹底した現況調査と堤防補修が必要です

 
このように、両河川とも、現状の流下能力の拡大と、既に築かれている堤防の状態を徹底して調査し、必要な対応を急ぐことが喫緊の課題です。具体的には全域で発達する中州の浚渫、河床の掘り下げ、堤防の徹底調査です。また、つり構造の橋への掛け替えを含めた橋脚対策も検討すべきです。河川管理に対する国庫補助の拡大を含め、大胆な発想に立って安全対策を国県に声を大にして求めていただきたいと思いますが、決意を伺います。
(7)都市型水害防止本市総合治水対策
 都市型水害の特徴は、内水による浸水被害です。本市では、総合的な治水対策に当たって、前提となる時間雨量を50ミリから55ミリと設定しています。昨年度の都市整備常任委員会でも、この設定が最近の降雨傾向に対応できるのかとの質問が出されています。私も、今般の降雨をふまえ、再度、時間雨量の想定をかさ上げしておく必要がないかお尋ねします。また、都市の中に雨水貯留機能を回復させることや遊水池の確保、農地・森林の保全など土地利用のあり方まで全般にわたる検討を鋭意進めていただきたいと思います。その際に、有識者や職員ばかりではなく、地域住民の生活に根ざした知見を十分に吸収した対策を目指し、水害防止の地域力を治水対策に生かせるよう、住民参画の体制を確立するよう求めます。今後の検討方針についてお考えをお聞きします。

2.政教分離の遵守について
 今年もあと二ヶ月すると、62回目の憲法発布の日がやってきます。武力を放棄し、平和主義を世界に誓って国際社会に復帰した我が国は、日本国憲法第99条憲法遵守義務で「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と、国民一般ではなく公権力を担う公職者に対し、憲法遵守の厳しい戒めを課しています。軍国主義の精神的支柱となって人々を戦争に駆り立てた国家神道は解体され、人々には信教の自由が保障され、公権力には政教分離の原則が課されることになりました。私は、基本的人権である内心の自由と平和主義を結ぶ重要な憲法原理だと理解しています。
 ところが、近年、この政教分離があいまいになっていることに危機感を募らせ、行政に襟を正させてほしいと要望する住民の声に接しています。

(1)名古屋高裁違憲判決
 その第一に、本年4月、角光雄白山市長が、白山比盗_社御鎮座二千百年大祭奉賛会発会式に職員を伴って公用車で出席し、祝辞を述べたことが憲法の政教分離に反すると、名古屋高等裁判所が住民訴訟の控訴審において憲法違反の逆転判決を言い渡しました。出席こそしなかったものの、奉賛会役員に名前を連ねる山出市長は、この判決を市長としてどのように受け止めておられるかをまずお聞きします。
(2)金沢ケーブルテレビ節談説教番組
 次に、金沢ケーブルテレビネットの放映番組に関して申し上げます。同テレビネットは、「この人に聞く」において、今年7月5日を皮切りに節談説教を紹介する90分番組を7月中に計31回にわたって放映しました。節談説教は、浄土真宗の教義を節回しをつけた独特の語り口で聴衆に語りかける伝統的な説教の手法です。番組では、名人とうたわれる節談説教師がアナウンサーの質問に答える形で、説教の内容や歴史、人生観を語ります。
 さて問題は、放映した株式会社金沢ケーブルテレビネット、制作協力を行った株式会社北陸メディアセンターは、共に石川県並びに本市をはじめ県内10市町が出資する第三セクターです。本市は、07年度までに金沢ケーブルテレビネット総資本金の6.2%に当たる1億1200万円を出資し、監査役として都市政策局長を派遣していますし、北陸メディアセンターには、4.8%に当たる4000万円を出資し、取締役に副市長、監査役に同じく都市政策局長を派遣しています。さらには、施設整備と番組製作に関わる補助金として、両社にはこれまでに4億円を上回る支出を行っています。すなわち、両社は、出資、補助金つまりは公金の支出、そして役員派遣を通じて行う公共事業としてのコミュニティメディアの性格をもつと言わなければなりません。
 それが布教という宗教活動に関与したと見なされ、住民によって、県に対して既に監査請求がなされていると聞きます。私も、放送法に定める規範である「公共の福祉」、「不偏不党」に抵触し、さらには、第20条「信教の自由・政教分離・国等の宗教活動の禁止」、第89条「公の財産の宗教団体等への支出利用の制限」の憲法規定に逸脱していないかとの疑念を抱くのです。
そこで、株式会社北陸メディアセンター取締役でもある森副市長に、この放映番組に提起された問題をどう認識するか、また、どう対処すべきとお考えか併せて見解をおたずねします。
(3)歴史伝統文化保存施策と政教分離
 この政教分離原則の遵守を巡っては、とりわけ歴史都市を標榜し、世界遺産を目指す本市にとっては、その判断が難しいものがあろうと思います。歴史遺産や文化遺産には、宗教的な背景をもったものが少なくなく、近年力を入れるその継承保全や内外の市民への発信、さらには教育活動に至るまで、どこまでのどのような公的な関与が許されるのかを絶えず熟慮しなければなりません。今後の施策の展開に当たって、政教分離原則を遵守するための統一的なガイドラインを設けて誤り無きを期すことを提言致します。市長のご所見を伺います。

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