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森一敏
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 2009年6月定例会 質問の全文

1.雇用危機と6月補正予算案に関して
 雇用情勢が深刻化しています。有効求人倍率は、下がり続けて遂に0.46倍。正社員の求人に限ると何とそれは0.27倍であり、調査を開始した04年11月以来最低を記録しました。完全失業者は346万人と前年同月に比べて71万人の増加。この一年間に、就業者数は107万人減少。日本では完全失業者の概念を狭くとるため、この中には、断続的な雇用状態の労働者は含まれてはいません。数字に現れない失業状態の人々は更に広範に存在しているのです。因みに、この半年間に職場を追われた非正規労働者は厚労省の発表でも23万人にも及んでいます。一部大企業で業績回復の兆しがあるとすれば、それは無慈悲な首切りやリストラ、下請け切りによってもたらされたものであり、そのために生存の危機に瀕する離職者の生活を国民の税金で支えるという不条理がまかり通ることを意味します。しかも、社会的な責任を果たすべき大企業は、200兆円に達するという内部留保を抱え込み、更にそれを上回る額の株主増配を優先させています。
 他方、政府においては、09年度補正予算に中小企業の経営支援、雇用支援、子育て支援などで時限的な事業を盛り込む一方で、政策投資銀行を通じて大企業に限定して2兆円の直接公的資金投入を可能にする、株式市場で最大50兆円までの政府保証を与える、エコポイント制で自動車・電機業界の売り上げを支えるなど、まさに不況と環境対策に名を借りた総選挙向け大判振る舞いを行っていると揶揄されています。
まず、市長は国の経済対策をどのように評価しておられるのかお聞かせ下さい。
 こうした中、県内の雇用情勢も有効求人倍率0.53倍、新規求人倍率0.89倍と極めて厳しい状況にあります。今日の本市雇用状況をどのように捉えておられるのか、また、4月から実施している緊急雇用対策事業をどう評価しておられるかもお聞かせ願います。 続いて本市6月補正予算案に、直接の雇用対策費として、国補正による緊急地域雇用創出費の追加、就労バックアップ事業費の新設、そして金沢市中小企業緊急雇用安定助成金の拡充があります。(本市直接の緊急雇用が短期間の一時的な雇用に留まることは先ほども問題指摘がありましたが、)現下の一刻の猶予もならない雇用情勢にあっては、民間での雇用を促進するために本市の役割は小さくありません。本市としてこれにどのようにとりくんで来られたのか、更に今後どうそれを強めていくおつもりかお答え下さい。 
 さて、この間に受けた雇用・くらし相談では、倒産企業が従業員に自己都合退職を強要した、雇用保険をかけてはいなかった、或いはハローワークの求人情報と面接時の条件提示がかけ離れていたといった失業者からの訴えを多く聞いてきました。新自由主義によって引き起こされた雇用主側のモラルハザードの一端です。税金を使った雇用支援が十分機能しているのかを把握し、失業者の相談を受けて企業を指導するチェック機能を自治体としても果たすべきだと考えますが、ご所見を伺います。

2.貧困問題への対処について
(1)生活保護について

 最後のセイフティネットである生活保護の受給者が全国で急増しています。その数3月段階で生活保護世帯人員は165万4612人に達し、前年同月比で凡そ8万8千人もの増加です。13年間連続して前年を上回り、1965年以来の水準となりました。
 本市に於いても、受給世帯人員が累増していると側聞しますが
、まず、受給人員並びに新規受給人員の推移がどうなっているのかお聞かせ下さい。
 次に、生活保護申請窓口での面接、要否調査、受給後の家庭訪問、就労指導までを担当するケースワーカーの不足から、過重労働に陥り、決定の遅れや自立支援も行き届かないことが全国で問題になっています。一人当たり80世帯とされるケースワーカーの標準配置基準も、報道機関の全国調査では9割の自治体で満たしていません。本市の配置基準は満たされているのかお答え下さい。
 さて、こうした財源不足や職員数の抑制を背景とする、窓口でのいわゆる「水際作戦」が問題視されてきました。特に「働ける健康な人」や住所を持たないホームレスは申請の意思を示しても、説得を受けて返される事例が後を絶たず、批判が高まった厚労省が、この3月18日付けで、生活保護要員の増員、「稼働能力活用」の解釈や現在地保護の徹底を中心とする二つの課長通知を出して、自治体を指導しました。私は、申請同行等を通じ、本市生活支援課が使命感を持って対応する姿に接してきましたが、本市はこの厚労省課長通知をどう受け止め、生活保護事務に当たっておられるのかお伺いしておきます。
 ここで、具体的な課題について申し上げます。まず、困窮の淵にあるホームレスが野宿生活から脱却することの難しさを、私自身、支援者による夜回り活動に参加することから学んでいます。容易ではないのが住居の確保です。不動産事業者や家主の理解と協力が不可欠です。住居確保を支援するネットワークの構築や公的保証制度など仕組みづくりが必要です。本市における進捗をお聞かせ下さい。
 次に、生活保護受給後に尊厳あるくらしを取り戻すには、就労や社会参加などの生きがいを見いだすことが極めて重要です。支援活動を行う元ホームレスの方は、「この活動がなければ自分はだめになってしまう」と述懐し、自身の体験をもとに、野宿者の健康状態や要望の聞き取り活動をしながら、生活再建に踏みだすよう働きかけています。こうした当事者と支援者のネットワークに所管課が連携し、自立支援のしくみをつくり出していくことが必要ではないでしょうか。見解をお聞かせ下さい。また、ホームレスの中には、長年の野宿生活から病気を患っているケースがあります。緊急に診療が必要となったときに、市立病院が公的な役割を果たすことが期待されます。受け入れ態勢についてお聞きします。
 最後に制度上の根本に関してお伺いします。年越し派遣村の村長を務めた湯浅誠さんは、セイフティネットの崩壊状況を指して「失業とともに住居を失い、一気に生活保護に到る日本は、滑り台社会だ」と告発していますが、社会保障費2200億円の抑制の下で、最後の砦としての生活保護も老齢加算の廃止、母子加算の廃止等によってその安全網が脆弱化させられてきました。
 受給世帯が全国最多の大阪市では、この4月、受給申請数が倍増し、過去最高額の予算を計上したにも拘わらず、早くも補正の計上が避けられず、来年度予算に初めて保護費の全額国庫負担を要望することを決めた模様です。
公的扶助である生活保護が、国の法定受託事務である基本に立ち返れば、4分の1地方負担を廃止し、国の責任ですべての財源を担保するよう制度見直しを求めることは道理であろうと思います。市長の見解を伺います。
(2)子どもの貧困について
 日本の将来にわたる危機として危惧されているのが家庭における貧困の連鎖、すなわち子どもの貧困の問題です。家庭の経済格差が子どもの教育格差となり、将来の可能性をも左右する状況が急速に拡大しています。2007年に公表されたOECDの「子どもの貧困率」に関する報告書は、衝撃を与えました。可処分所得の中央値の半分以下の所得にある家庭の比率が、17歳以下の子どもが生活する家庭ではOECD平均を上回る14.3%に達し、母子家庭などの一人親家庭では57.9%とOECD平均の4倍という驚くべき数値でありました。なお信じ難いことに、日本だけが政府の介入による所得再配分後の貧困率がさらに悪化しているのです。社会保障が却って貧困に拍車をかける逆転現象は、広く薄く支援措置を講ずる日本のやり方に起因するものです。この子どもの貧困の実態は「豊かな国で進行する貧困」と評され、国際社会から日本の子どもたちの行く末が案じられています。まず、こうした子どもの貧困について、教育長のご所見を伺います。
 さて、子どもの貧困化は、学校教育に於ける要保護者と準用保護者の合計である就学援助対象者の推移に現れます。国会提出資料に依れば、2006年度にその総数141万人と10年間で倍増しています。この間には、三位一体改革で準要保護者に対する国庫補助が廃止、一般財源化されており、それ以降、自治体によっては、認定基準の厳格化や援助支給額の減額が行われたことが指摘されています。
 そこで、教育長に、本市の就学援助対象者の推移とそれに対応した予算措置が行われてきたか、お答え願います。また、補正予算案には、国の補正により参考書、クラブ活動費用などを支給する制度改正が盛り込まれていますが、本市としての低所得家庭の子どもへの教育支援をどう充実していかれるのかお聞かせ下さい。
 他方、学校現場からは増加する給食費や教材費などの学納金滞納への対応に苦慮する声が多く聞かれます。そのしわ寄せが出入りの教材販売事業者にも及ぶ実態があるとも聞きます。教育活動に専念する意味でも、担任個々の対応ではなく、教育委員会としての公的対応が求められます。滞納対策について、いかがお考えかお尋ねします。

3.犀奥高三郎山登山道整備について

 登山のガイドブックに、シャクナゲに彩られる犀奥の秀峰と評されているのが、高三郎山です。金沢市内からもそのアルペン的な勇姿が望め、犀川の景観とも相俟って市民に人気のある山とも記されています。実は私も、20代のはじめに犀川ダムから高三郎に向かって山道を歩いた経験がありますが、時間の制約があり、途中で引き返したことを思い出します。高三郎山は金沢市から白山に到るルートに位置し、急峻な山道は究極の白山ルートとしてワンゲル学生のチャレンジの対象になってきました。
 ところで、この高三郎山は、山域全体が金沢市に属している数少ない山なので、2000年に本市が予算を計上し、ナカオ山岳会と金沢大学ワンダーフォーゲル部に委託して標柱を設置しています。また、1996年以降は、本市のスポーツ振興課が所管する登山道整備の助成金を活用し、現役ワンダーフォーゲル部とOB会が連携して周回登山道の整備が行われてきました。
 ところが、助成金が2008年に打ち切られたため、今年は、金沢大学ワンダーフォーゲル部OBとナカオ山岳会が手弁当で登山道の整備活動を行ったとの記事が地元紙に掲載されました。このままでは、早晩整備作業もおぼつかなくなり、登山道はすぐに藪で埋まってしまう、そうなると復活は難しいと関係者から心配する声が上がっています。そこで、私見を申し上げ、市長のご所見をお尋ねするものです。
 まず、着目したいのは高三郎山へ到る周回登山道の価値についてです。この山の持つ価値は、先ほど述べた登山愛好家のものばかりではありません。山頂付近は、石川県が犀川源流自然環境保全地域の特別地区に指定する多様な動植物のDNAの宝庫です。厳しい保全措置によって守り続けなければならないことは言うまでもありませんが、登山道の廃道によって隔絶した自然界に戻すのではなく、定期的に現地を調査し、現況を把握し、その価値を市民に啓発することで自然保護意識が更に高められるのです。
 加えて、人の暮らしと歴史に関わる価値です。高三郎山一帯は、犀川の源流倉谷川、二叉川の源であり、本市の水瓶である犀川ダムとは切っても切れない間柄です。この源流域は、本市が「水道水源の保全に関する条例」によって、水源地涵養にとりくむエリアも含み、市民の生命を直接支える地域でもあります。ダム建設に伴い離村した山麓の倉谷には江戸時代から昭和にかけて金山があり、400戸、2000人の集落を形成していました。そこで生じた労働争議や戦後のエネルギー革命で衰退した炭焼き産業など、その歴史を留めるものは、川原にある精錬所跡地と山中の坑道入り口ばかりとなり、知る人も僅かとなっています。このまま、廃道とともにこの歴史もまた埋もれてしまうのでしょうか。
 本市は石川県と連携し、国連大学高等研究所オペレーティングユニットを誘致しました。研究所のテーマは「環境と持続可能な開発(里山の保全活用、伝統文化の継承等)」や、人材育成と聞きます。奥深い豪雪地帯に多様な動植物の恵みを受けながら、狩猟、金採掘、炭焼きなどの産業を興し、自然と共生した奥山の人々の歴史は、まさにオペレーティングユニットの研究が光を当てることによって、金沢市民に止まらず、持続可能な世界を目指す世界の人々の共有財産ともなるでしょう。登山道は、そのための重要な社会資本という新たな性格を帯びていると言えます。

 こうした観点に立つとき、自然と共生する奥山の歴史と暮らし文化を丸ごと継承・啓発する本市固有の資源として位置づけた保全施策が求められると考えます。かつて、この登山道整備の助成金を指示されたという山出市長に、犀奥の登山道を含めた一帯の保全整備について、本市としてどう対処すべきか、ご所見を伺います。

4.市民のつぶやきから
(1)殺鼠剤による愛玩動物の薬害防止について

 市民から、大切な飼い猫の死が、近くの田んぼの周りに撒かれた殺鼠剤による中毒死と疑われるとの訴えを受けました。診療に当たった獣医師に依れば、血液の状態からクマリン系の殺鼠剤ワルファリンの服毒によるものと考えられるとのことでした。獣医師会の調査協力からも、過去に同様の殺鼠剤中毒例が複数あったことが伺われます。耕作地域の市街化がすすみ、農業用害獣駆除薬剤による愛玩動物の中毒被害が発生していないのか、実態の把握が必要です。市街地にある耕地での殺鼠剤使用の実態調査を行い、薬剤使用時に周辺へ周知する等の措置を検討すべきと考えますが見解をお尋ねします。
(2)キゴ山ふれあいの里研修館の施設について
 高齢者団体の研修でキゴ山ふれあいの里研修館を利用している市民から、宿泊部屋が二段ベッドになっており、高齢者の利用には不都合があるとの声が寄せられました。近年の里山ブームと外環状道路の供用によって、ふれあいの里一帯を訪れる市民も増え、市民憩いの場として賑わいを見せています。元々は青少年の利用を目的につくられた施設ではありますが、周辺の再整備に努力されている折、バリアフリー改修を行い、様々な年齢層や障害のある市民も広く利用し、自然体験を楽しむことの出来る施設へと衣替えしてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いします。

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