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森一敏
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 2009年9月定例会 質問の全文

1.政権交代を受けて
 地位や貧富の差に関わりなく、等しく価値を持つ有権者の一票一票が、政治のあり方を決する。この当たり前の人権と民主主義のルールが永い独裁の封印から解き放たれる瞬間に私たちは立ち会いました。その力は、新自由主義構造改革の政治経済で痛めつけられ、貧困化と生存の不安定化を辿った庶民の中から、社会をかえせ!人間をかえせ!!の叫びとなって噴出したものに他なりません。今、地殻変動の最中に、地滑り的圧勝を遂げた民主党と共に、少数政党ながら我が社民党が新しい政権協議に参画するに至り、まさに隔世の感を禁じ得ません。広範な民意を体し、劣化崩落した社会を再建するために、政治経済の本来の使命である富の再配分のしくみを再構築し、平和のうちに共に生きる連帯の社会を創り出さねばなりません。私たち会派社民も、気持ちを新たにその決意を表明しておきたいと思います。山出市長におかれては、予算編成の見通しなど重大な関心を寄せると述べておられますが、  分権時代を牽引してこられた地方自治体の長として、大局に立って今次総選挙の結果をどう受け止め、新政権に何を期待しておられるのかを改めてお伺いします。

2.金沢美術工芸大学法人化について
 金沢美術工芸大学は、私が改めて申すまでもなく、今や本市が世界に誇る市民の宝とも言うべき芸術創造の拠点です。美術界には、美大が輩出した素晴らしい担い手が多く活躍していることは、折に触れて語られてきましたが、私自身、美大を卒業された美術関係者や教職員とのおつきあいを通じ、既成概念や枠組みにとらわれない大胆な発想や、鋭い批判精神が培われていることに感じ入ることが少なくありません。今日も、美大教育の中ででその芸術家精神が受け継がれていることを確かめることが出来ます。こうした金沢美大が持つユニークな存在価値が未来に亘って警鐘発展されることを願わざるを得ません。
 さて、今議会に関連する三本の条例案が上程され、この金沢美大が公立大学法人へと移行するための具体的な手続きの段階を迎えています。
 そこで、私は、2003年に国立大学法人法が、さらに翌年に公立大学法人の設立を認める地方独立行政法人法が成立する際に、教育研究界で大きく展開された議論を今一度想起し、金沢美大の法人化が、誤りなき方向で構想され、市民の負託に応える大学改革となり得るのかについて、以下に質問し、市当局の見解をお尋ねするものです。
 大学の法人化をめぐる当時の議論は、国会での付帯決議に集約されています。
 先行する国立大学法人法を可決した衆議院文部科学委員会では10項目の付帯決議が、参議院文部科学委員会では、それらの項目がより詳細に修正され、何と23項目もの付帯決議となって採択されています。その一部を引用します。そこに第一に掲げられているのは、憲法に保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、教育研究の特性に配慮した自主的・自立的な運営を確保することです。続いて、学校教育法に定められた教授会の役割への十分な配慮、学長選考会議の公正性・透明性の確保、評価業務が教職員の過度の負担にならない特段の措置、基礎的学問研究分野の継承と地域の教育文化産業基盤を支える役割への十分な配慮、法人評価委員会委員には教育研究と運営への高い識見を有する者の選任と公正性・透明性を確保すること、運営交付金の算定は、法人化以前の公費投入額を踏まえ、従前以上に教育研究に必要な所要額を確保すること、さらには、学生の進学機会を奪うことのない学生納付金の適正化、短期的評価への戒め、職員が非公務員化することによる勤務条件の整備、任期制導入に当たっては身分保障に十分な配慮を、法人移行には関係職員団体との十分な協議を行うことが盛り込まれています。ちなみに、金沢美大の法人化に直接関わる地方独立行政法人法案に対する付帯決議にも、「公立大学法人の定款の作成等に際しては、憲法が保障する学問の自由と大学自治を侵すことのないよう、大学の自主性、自立性が最大限発揮しうる仕組みとすること」が付されています。 
 これだけの付帯決議がつけられたのは、最高度に公共性と自立性が要求される国公立大学が、法人化という市場競争原理の導入によって、政治と市場経済に従属する存在となる懸念が認識されていたからに他なりません。今日、まざに日本が歴史的転換点を迎えることになった最大の要因が、この市場原理至上主義が、人間存在そのものである医療、福祉や教育、労働の領域にまで入り込んだ結果に対する痛切な反省であることを踏まえるならば、金沢美大の法人化そのものも立ち止まって反芻する必要があると思うのです。

 
そこでまず基本的な質問として、これら付帯決議に表現された法人化への懸念や課題に関する議論をどのように受け止めておられるのか山出市長にお尋ねします。そして、地方独立行政法人法では義務づけられてはいない金沢美大の法人化に、美大のいかなる将来像を求めておられるのかも併せてお尋ねします。
 
次に、上程されている法人の定款を念頭に伺っていきます。
 国立大学法人として先行した金沢大学では、国立大学としての使命や教育研究機関としての理念が、経営の論理に従属することがないよう、法にもとづき学長が大学を代表し、外部理事の慎重な登用、教授会の位置づけなど、運営組織における教学側の意思尊重に努めることによって、大学の自治を維持してきたと聞いています。法人金沢美大の定款においては、理事長が学長となるとの規定です。経営審議会委員並びに教育研究審議会委員からなる理事長選考会議の役割は重要です。
本市として、美大の歴史的そして社会的使命を果たしうる理事長の選考にどのような想定を織り込んでおられるのかお尋ねします。
 
また、定款には、この間大学の意志決定機関として機能してきた教授会の位置づけが見られません。学校教育法にもとづき、学問の自由と大学の自治に主要な役割を果たしてきた教授会の機能は、大学法人の中でどのように位置づけられるのでしょうか。
 教員の身分は非公務員となります。地方独立行政法人の職員の中で公立大学法人の職員が非公務員とされたことについて批判がありました。非公務員化する以上は、身分の保障に最大限の措置が必要なことは言うまでもありませんが、賃金や勤務労働条件を決定する労使交渉の新たな仕組みが構築されなければなりません。定款はもちろん、法人化推進審議会が策定した法人化基本方針にも具体的な言及がありません。ご所見を伺っておきます。
 さて、大学法人が重視するのが評価と説明責任の履行、地域連携、そして産学官の連携です。評価と説明責任の履行が過大な業務量になって、本来の研究と教育を圧迫する弊害が金沢大学はじめ全国の大学現場から指摘されています。教職員の協力協働によって力を発揮する教育・美的探求と創造の場における適正な評価と説明責任のあり方について、いかがお考えでしょうか。
 加えて、連携事業については、既に金沢美大においては、造形芸術総合研究所を基軸に、21世紀美術館やものづくり産業との連携事業に実績を重ねてきました。法人移行後にさらなる拡充が求められるとなれば、落ち着いた美の探求や時間をかけた創造活動が後方に追いやられるという本末転倒が懸念されます。大学法人の基本的なあり方としてそのバランスをどのようにお考えかも伺っておきます。
 
最後に、大学法人の財政についてです。国立大学法人は、中期計画に伴って運営費交付金の毎年1%削減が方針化され、実施されてきました。その結果が研究費の不足であり、それを補うために産業界との連携による外部資金の調達に奔走せざるを得ないいびつな財政構造がもたらされました。大学本来の基礎研究がおろそかにされる傾向も懸念されています。本市において、金沢美大の法人化に伴って一般会計から運営費交付金が支出されます。法人化基本方針策定の趣旨に盛り込まれた「効率的な大学運営」が、運営費交付金の削減により大学の過大な自助努力を強いるものであってはなりません。本市市民共有財産である金沢美大の法人化に当たって、将来にわたって本市として果たすべき財政的責任を明確にしていただきたいと思います。市長の決意を込めたご答弁を求めます。

3.改憲国民投票法リーフレットの配布について
 「ご存知ですか?平成22年5月18日から『憲法改正国民投票法』が施行されます。」このようなタイトルが付されたリーフレットが、今年度に入り、本市市役所の窓口等に並べられました。総務省が08年度予算3800万円を投じて500万部作成し、全国の自治体窓口で配布を始めたものです。ちなみに、今年度予算には、市区町村に投票人名簿システム構築のための総額46億9千万円もの交付金がつけられています。
 このリーフレットを配布した総務省に対し、憲法擁護という当たり前の願いを持つ全国の市民から厳しい批判があります。総選挙を前に、この6月、憲法審査会規定を強行採決したものの、2007年の安倍内閣時に、これも強行可決された改憲国民投票法に付された18もの付帯決議は、具体的に検討解決されてはいません。その一部を挙げれば、一般的国民投票の是非、投票権者の範囲、成人年齢の見直し、最低投票率の検討、有料広告規制、地位利用行為の明確化、罰則構成要件と選挙運動の峻別など、まさに、制度の根幹に関わる論点であり、課題は山積しています。周知すべき内容が全く煮詰まっていない段階での広報は、まさに見切り発車のフライングと憲法学者からも問題視されています。
 ことは国の最高法規であり、主権者国民が政治権力を統制するための憲法に関わることがらです。何より問題なのは、憲法第99条によって、憲法遵守義務を課されている行政官庁である総務省が、あたかも来年に国民投票が行われるかのような誤解を招きかねない表現で憲法改正キャンペーンの先棒を担いでいることです。総選挙に示された民意は、改憲を政治課題として優先せず、まさに憲法理念の具現である雇用、社会保障、福祉制度の立て直しを求め、平和のうちに生きたいと願うものであったことが改めて浮き彫りになりました。
 まず、本市にて、このリーフレットは、どこで、どれだけの枚数が配布されてきたのかお聞きすると共に、配布は自治体として義務づけられたものなのかをお伺いします。
 その上で、国と同様に憲法擁護義務を有する本市には、多数の民意に背き、ミスリードを招きかねないリーフレットの配布を即時停止するよう求めます。また、総務省に対し、配布の取りやめと、国民投票法に付された付帯決議に関する国民への正確な説明責任を果たすよう求めて頂きたいと思います。ご所見を伺います。 

4.オオキンケイギクの駆除について
 
河川敷や河原を散策していて、鮮やかな黄色の花が群生しているのに足を止めた市民は少なくないでしょう。この花は、同じキク科で花の外観が似ているキバナコスモスよりは、葉が狭くとがっていて、花の期間が6月から7月にかけてと短い多年生草本オオキンケイギクです。北アメリカ原産のこの花は、観賞用、緑化用にと1880年に移入され、その後、全国に拡がりました。ところが、繁殖力が極めて強く、現在まで各地で野生化し、大群落をつくり、在来植物を駆逐して生態系を乱す悪影響が問題となってきました。
 そこで、2006年2月1日付けで、このオオキンケイギクは特定外来生物に指定されることになり、栽培・譲渡・販売・輸入などが原則禁止となりました。本市においても、確認できただけで犀川河川敷、金腐川土手沿道などで群生が見られ、一部住民が引き抜き駆除にとりくんできたと聞きます。石川県の外来生物問題を扱うホームページを検索しますと、本種が能登から加賀まで広く分布し、手取川河川敷や加賀産業道路等の法面に確認されていると記載され、検索者に向けて「種子をまいたり許可なく栽培することは法律で禁止されています。」と呼びかけられています。しかしながら、石川県内の対策は特になしと記載されているのです。従って、大多数の県民市民はこの問題について認識がないまま、特定外来生物指定以前から継承した種子によってオオキンケイギクを栽培し、新たな種子が雨水などによって流出し、河川等で繁殖を拡大させるという循環が起こっていると考えられます。
 このまま放置すれば、10年20年の単位で本市固有の植物生態系が乱され、取り返しのつかない事態に陥ることも懸念されます。実際に、個人住宅の庭や鉢植えでオオキンケイギクと見られる植物が栽培されているのを見かけることもあります。河川管理者による駆除と地域住民の協力、そして正確な情報を市民が共有することが急がれます。そこで、以下ご質問致します。

 まず、本市として、オオキンケイギクの繁殖状況をどのように把握しているのかお答え下さい。次に、石川県と連携して駆除計画を策定し、来年初夏の着果時期までに適切な駆除作業を行うと共に、特定外来生物指定種であることの市民個々への周知と、栽培禁止の徹底を呼びかける啓発活動が必要です。これらについて、ご所見をお伺いします。


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