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森一敏
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 2010年6月定例議会 本会議質問の全文

1.大乗寺丘陵総合公園整備と常設子どもプレーパークの設置について
 17年間にわたって整備を進めてきた仮称大乗寺丘陵総合公園が、本年度管理棟「見晴らしハウス」を建築し、来年度中の駐車場の最終整備を残してほぼ工事を完了することになります。市街地近郊に、総工費108億8600万円を投じて完成される総合公園です。完成の暁には、山側環状道路に接する地の利を生かし、幅広い年齢層が利用でき、市民の多様なニーズに応える「生きた公園」となることを願ってやみません。
 さて、この大乗寺丘陵総合公園整備にあたって、私は2005年12月議会で、当時暫定的に公園内に設置され、実験されていた暫定プレーパークを本格的な子どもプレーパークとして常設すること、建設される管理棟をプレーリーダーが利用できるものとし、プレーリーダーの養成と将来的なプレーリーダー制度の確立を支援することを求めました。
 私の質問に対し、山出市長は、「自然を残し、子どもが自由奔放に、触れて、遊んで、走って、学べるゾーンにしたい。本格的なプレーパークに近いものではなかろうか。管理棟をプレーリーダーが利用できるよう、前向きに検討したい。」と答弁されました。加えて当時の石原教育長は、「子どもの安全を見守り、活動の手助けをするプレーリーダーの存在は不可欠と認識している。人材育成にとりくんできた自遊創生団の今後の自主的な活動を支援していきたい。」と答えておられます。この前向きな答弁から4年半。整備のゴールが見え始めた今、改めて子どもプレーパークの設置に関わっていくつか質問致します。

 まず、丘陵総合公園の完成予定図を見ると、プレーパークの設置場所として想定されるのが、「山城風遊び場」と標記されたエリアです。具体的な設置場所に関する本市の考え方を伺います。
 さて、本来のプレーパークは、一過性のイヴェントとして活用される場ではなく、そこに行けば必ずプレーパークがあるというものであるべきです。ハードとしての公園施設全般の管理とプレーパーク運営という継続的なソフト事業の融合を現段階でどのように構想しておられるのかお尋ねします。また、「見晴らしハウス」が、プレーリーダーやプレーパークの運営に携わる担い手が利用できる施設として建築されるのか、ご所見を伺います。
 ところで、暫定プレーパークが設置されたきっかけは、教育委員会の子ども自遊空間サポート事業にありました。そこから生まれた自遊創生団が緑と花の課と連携して、暫定プレーパークが試行されました。子どもが自ら遊ぶことの重要性について、NPO法人日本冒険遊び場づくり協会は、提言書「『外遊び』の力を次の世代に」で次のように述べています。今の子どもたちはいろいろな面で元気がないと言われておりますが、夢中になって遊ぶことができていると思っていますか。大人の世代が子どもたちと真剣に向き合い、今まさに「遊びの力」に着目し、そして十分に「外遊び」ができる環境を子どもたちのために取り戻す行動をして行かなければならないと考えます。 遊びは、子どもが持っている独自の力に気づき、自分でその力を育てる機会でもある。遊びを通して、子どもたちは生きていくために必要なさまざまな力を、子ども時代に身に付け成長する。自主性、ものごとをやり抜く気力、創意工夫する力、協調性、思いやり、コミュニケーション能力、忍耐力、判断力、勇気、危険を回避する安全能力。つまり、自分のしたいように遊んでいるうちに、結果としていろいろなことを体得する。また、人生に対して前向きな姿勢を培うことにつながるのである。私も全く同感です。
 そして、同提言は、行政には子どもの遊びに配慮したパークマネージメントの確立を求めています。指定管理者の選定も含め、公園管理者の子ども観が問われます。子どもの利用推進にアイディアと能力をもつ担い手を評価、発掘、奨励し、選定するシステムの開発が必要です。本市においても、このような遊びの力を認識し、子どもたちの豊かな遊びをコーディネートしようと活動するNPO団体などが生まれています。
こうした市民団体と十分連携し、本市の拠点的な子どもプレーパークを誕生させるための公園管理のあり方をこれから鋭意練り上げて頂きたいと思います。ご所見を伺います。

2.「人体の不思議展」の開催について
 
「人体の不思議展」が、再び21世紀美術館市民ギャラリーでこの8月に開催予定と伺っています。本展覧会は、ドイツのハイデルベルク大学のハーゲンス博士が開発した遺体防腐処理技術プラスティネーションを施したヒトの全身や器官標本を有料で一般公開するものです。本市でも2005年の夏に開催され、広坂周辺が連日大渋滞となる盛況ぶりでした。私も展覧会を観た者の一人ですが、実物の人体標本の展示に強い違和感を覚えました。
 この間、本展覧会には、全国で多くの疑問と問題指摘が相次いできました。福島県立医科大学で医科学思想史を専攻する末永恵子氏がそれらを集約した内容で2009年に発表した「『人体の不思議展』の倫理的問題点」には、傾聴すべき論点が提示されています。
 その第一は、根源的な問いである死体の尊厳とその使用目的についてです。遺体にも尊厳を見いだす観念は、洋の東西を問わず長い歴史文化的な環境の中で普遍的に形成されてきました。そのために、葬祭儀礼を通じ、遺体は尊厳ある存在として丁重に扱われてきました。その精神は、我が国の刑法第190条にも反映し、死体の損壊は罰則を持って禁止しています。従って死体解剖保存法では、死因調査、医学教育、医学研究に死体の利用を限定し、その際には礼意を失わないように求めているのです。既に国会では、「人体の不思議展」の国内展が、刑法の死体損壊罪に抵触するのではないかとの質問が行われています。
 そこで、次に、「人体の不思議展」がその目的とする人体や健康に関する教育活動の実態が、医学研究や社会教育の視点から合理性があるかが問題となります。展示標本そのものの医科学性に疑問が投げかけられ、展示会場の運営にも遺体に対する礼意の配慮が欠けていることが指摘されています。そのことが、展示会場に怖い物見たさの見世物小屋を彷彿とさせる光景を現出させます。ホームページでは、販売グッズや割引クーポンが宣伝され、「週刊東洋経済」誌上で、現在の企画元マクローズの取締役がマーケティングの達人として紹介されています。本展覧会は、営業利益を目的とする興業に他ならないのです。
 第三に指摘されているのが献体詐称の問題です。中国人の「献体」とされる人体標本について、適正な献体手続きがなされているのか、さらには一般公開までもが事前了解されていたのか、根拠ある説明がなされてはいません。遺体の提供元とされた南京大学はその事実を否定し、名義の無断使用に抗議声明を発していますが、誠意ある対応はありません。
 このような重要な問題点をはらむ「人体の不思議展」をめぐる環境は大きく変化して来ました。本展覧会の前身であり、ハーゲンス博士が主催した「人体の世界展」に対して、2004年ドイツの解剖学会が、献体に関するの解剖学会の原則にことごとく反するとの批判声明を行ったのを皮切りに、近年では09年3月ベネズエラのチャベス大統領が人体展の世界巡回はモラル低下の証と批判、同年4月、フランスの裁判所が死体処置新法に基づいて人体展の中止命令、さらに7月にはハワイ州で人体展禁止が法制化されるなど、国際的に人体展の倫理的問題への厳しい措置が広がっています。
 一方、国内でも、当初後援団体に名を連ねていた日本医師会や日本医学会などの中央の医学・医療団体は、2007年度以降後援を降りています。昨年3月から始まった那覇展では、那覇市をはじめ一旦後援を了承したすべての後援団体が後援を取り消す事態となりました。県内においても石川県保険医協会が本市に対して貸館の中止を要請したのに続き、県医師会が主催者側に展覧会の中止を要望するに至っています。

 そこで、まず、山出市長に国内外で問題視されてきた人体標本展示への認識を伺います。
 次に、2005年開催時の市民ギャラリー貸館、名義後援の許可をどう振り返っておられるかをお聞きします。第三に、本年開催の会場使用許可にあたって、21世紀美術館の指定管理者である芸術創造財団がいかなる検討を行い、どのような評価を持って会場使用の許可を行ったのかお答えください。また、会場使用許可を取り消すお考えはありませんか。
 さらには、名義後援の申請、子どもたち、市民並びに職員への宣伝協力の要請に対してはどう対応されるおつもりか、お聞かせ願います。
 市長が議会冒頭の提案理由説明に際し、日仏自治体交流会議の成果を述べられました。その金沢宣言では、文化芸術が両国の交流と対話の普遍的な手段であると謳っています。それは即ち人権と人倫に関する普遍的な価値を共有する自治体としての連携への決意でありましょう。この名誉ある地位を汚すことのない適切な対応を求めて、質問を移ります。

3.犀川JR鉄橋付近の流下能力に関わって
 浅野川水害からやがて二年。梅雨入り、真夏の気まぐれ降雨、そして台風シーズンと続く降雨の季節を前に、水害防止にとって気がかりな課題が何点かあります。私がこれまでに指摘してきた問題点に対して動きがないものの一つに、犀川左岸JR鉄橋が架かる本江町付近の流下能力不足があります。端的に申し上げれば、本江町側JR鉄橋下の堤防がその上下流に比べて極端に低くなっていることと、鉄橋を支える10本の橋脚を守るために河床高を高めた結果、橋脚によるせき上げも相俟って流下を大きく妨げている問題です。16年前に県が測定業者に委託して行った調査によれば、左岸堤防は右岸に比べ最大で1.74メートル低く、橋脚付近の河床高が下流に比べて1.8メートルも高くなっているデータが残されています。この箇所の流下能力について、かつて県は河川整備委員会に1,750立方メートル以上の流下能力を報告していましたが、市民団体の指摘を受け、1,000立方メートルへと下方修正した経緯もあります。しかしながら、この数値にも大いに疑問があります。12年前の平成10年7月の台風時に、堤防天端すれすれまで水位が上がっていたとの証言を付近住民から聞いています。そのときの流量は毎秒400立方メートル前後。橋脚にひっかかった流木によるせき上げ効果を考慮しても、流下能力はせいぜい600立方メートル程度ではないかと推測されます。このように考えると、城南一丁目地区の堤防改良が終了した現段階で、この本江町付近がもっとも危険度が高い箇所となりますが、県水防計画では、今年度も危険箇所に指定されてはいません。隠された危険箇所ではありませんか。
 そこで、お尋ねします。もっとも危険箇所と指摘される本江町付近の流下能力の実態を本市としてどう認識しておられますか。
 次に、この付近の流下能力を阻害している要因にJR鉄橋があります。以前私はこの橋脚の撤去掛け替えを提言したことがありますが、2014年の新幹線開業までにそれを実施することがもっとも現実的な対応だと思われます。開業前の新幹線架橋を北陸本線の仮設線として利用し、築1898年つまり112年も前の耐震性にも大いに疑問がある橋脚を付け替えるのです。突拍子もない提言と感じられるかもしれませんが、国、県、JRとも協議し、JR鉄橋橋脚問題に速やかに対応して頂きたい。ご所見を伺います。
 最後に、堤防高が明らかに不足している左岸側の堤防かさ上げは、当面できる応急的な処置です。付近住民に説明の上、対策を講じるよう求めます。併せてお答え願います。

4.市民のつぶやきから  観光都市金沢のいくつかの課題について
 国内外の諸都市との交流が活発化する中、市民の中に観光に対する関心と意識が高まってきているのを感じます。観光とは平和産業であり、その土地土地の素晴らしい価値あるものを地域を越えて共有する営みです。その発展が歴史や文化の相互尊重を促し、地域の経済循環、雇用創出にも寄与します。いくつかの市民のつぶやきを踏まえ、課題を提起します。まず、補正予算案に上程されている観光分野における民間提案型雇用創出事業の具体的な内容をお尋ねします。一般市民、NPOなど市民団体が提案し、参画する中で市民に密着した観光施策を練り上げるしくみが今日的に意義を持つと思われます。併せて本市の考え方をお聞かせください。次に、観光地を汚すゴミのポイ捨てへの対応です。とりわけ、観光地周辺に捨てられる空き缶の多さに、商店街・町会で美化活動に汗を流す住民から、憤りの声が届きます。観光地に設置されている自動販売機に缶ポストが設置されていません。捨てようにも捨てられず、放置されることが少なくないのです。利用者のモラルもさることながら、自動販売機を設置して営業収益を上げている事業者の責任も看過できません。確実な空き缶回収を伴う自販機設置や空き缶回収なき自販機設置を認めないなど、条例化を含め、事業者に対する行政としての指導強化を求めます。ご所見を伺います。
 さて、外国人観光客に対する接客向上に一案申し上げます。鳴り物入りでオープンした金沢観光交流サロンですが、まいどさんの献身にもかかわらず、利用者増に苦戦中と伺います。このサロンに、外国人観光客が利用する周辺飲食店が外国語のメニューをつくったり、接客に必要な外国語知識を得たりするワークショップやコーディネート機能を持たせてはいかがでしょうか。また、路線バスを利用する外国人観光客が目的地に向かう路線を乗り違えるケースがあることを運転手から聞きます。バス事業者と連携し、路線図の工夫や外国語案内の充実にとりくむ必要がありそうです。これらについて、ご所見を伺います。
 この項の最後に、本年が韓国誘客集中イヤーであることに鑑み、昨年にかけて韓国からの観光客が減少した点に関連してお尋ねします。為替変動が影響したことは否めませんが、韓国禮山郡と相互交流を重ねてきた立場から、金沢の魅力を発信するとりくみがどのように進捗してきたのか気になるところです。その成果と課題についてお答えください。

5.任期満了を控える市長の心境を聞く
 さて、5期二十年の任期を残り半年を残すところとなった山出市長に、進退の質問が続いてきました。是々非々を基本に、会派社民は一貫して市長とともに、金沢の平和都市としての発展、地域経済の活性化に協働してきました。とりわけ近年、財政的に厳しい中、世界同時不況に直面する待ったなしの雇用対策に、果敢に財政出動して陣頭指揮に当たられたことを高く評価するものです。市長ご自身の進退について質問を重ねることは致しません。私は、長年、市政の最高責任者として歩んでこられた山出市長の現時点での率直な心境をお尋ねして、質問を終わることに致します。

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