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森一敏
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 経済同友会終身幹事 品川 正治さんの講演に触れ

 2006年7月26日、27日、福岡市の県中小企業振興センターを会場に、広範な国民連合主催全国地方議員交流会が開催されました。私は、二度目の参加で、「米軍再編と自治体、議会の役割」分科会の座長として論に参加しました。ここでは、中でも感銘深かった経済同友会終身幹事という財界のリーダーを担ってきた品川正治さん(集会初日に82才)の講演要旨を紹介します。「憲法第9条は、中国戦線最前線の体験から得た私自身の揺るぎない座標軸だ。今や憲法という旗は、自衛隊を海外派兵するまでにボロボロになったが、その旗竿は国民が握っている。これからが国民の出番だ。私は孤立してはいないし、悲観してもいない。」そう語った品川さんの言葉は、淡々としてしかし決然とし、21世紀の規範としての第9条を守り育てようとの熱いメッセージが込められたものでした。お元気なうちに金沢でも語って頂きたいと思います。

「日本の進路と憲法第9条」
                       品川 正治

【私の信条をまず】

 私は1924年生まれ、大正二桁で今日82才になる。(拍手)本当の戦中派だ。少国民でも予備役でもない。現役で兵隊に取られ、二週間で前線に送られた。その最後の世代だ。
 だから、国家と国民、国家とは何か、思想形成期に苦しみ抜いた。あと2年で俺は死ぬ。学んでおかねばならない。読んでおかねばならない本。焦り、一分を惜しんで勉強した。泣きながら寮歌を歌った。前線送り故、いじめにはあわなかった。そかし、その晩にも戦闘になるかも知れない。
 国が起こした戦争というとらえ方は間違っていた。戦争を起こすのは人間、止めるのも人間だ。戦争と人間の関係についての座標軸をしっかりもってほしい。天変地異ではない。本当の戦争体験を通して身につけた私自身の座標軸だ。
 福祉、教育とかは、人間の問題だ。それを市場に任せるというのは、我慢がならない。政治をないがしろにした考えだ。

【戦場で武装解除】
 占領軍は8月に武装解除されたが、戦闘軍は遅れて11月に武装解除された。俘虜収容所に収容された。そこで激論になった。「終戦」という言葉が語られた。「なぜ敗戦と言えないのか!」と士官も激高していた。しかし、戦闘部隊員には、「終わり」で結構じゃないか。二度と戦争はすべきではない。中国の人民を苦しめることは二度としたくない。その意味で「終戦」でいいのだ。

【日本国憲法】
 復員したら、日本国憲法草案が出ていた。大本営発表、詔勅にない言葉の魅力を感じた。「二度と戦争しない」日本人の叫びだった。贖罪の気持ちでもあった。日本人は中国人にどうやって謝るのか。8割から9割の国民が賛成していた。9条2項は、血を流し贖罪の念にかられてつかんだ特別の理念だ。
 しかし、日本の支配政党はこの60年間一度もその決意をしなかった。海外派兵までしてしまった日本。9条2項はボロボロだが、旗竿は国民が握っている。
 9条2項は「正義の戦争」も認めていない。これは独自だ。中国やフランスでは通用しない。世界に立った一つと言って良い。しかし、21世紀の国家の理念としては最高のものだ。戦争をなくし、飢餓をなくし、疫病をなくす。貴重だ。我々が旗竿を放したら、この地球上から消えてなくなってしまう。
 改憲を立党の精神としている自民党は、軍がないことを欠陥のように思っている。平和憲法の国には敵国などあり得ないのに。

【戦争とは何か】
 若い世代には、戦争とは何かを普遍的に伝える必要がある。
 まず第一は、戦争は価値観転倒させる。戦争に勝つことが、人権や自由すらにも優先する。勝つまでは我慢しろとなる。
 第二には、すべてが動員される。免れることはない。社会科学を含め、学問までが動員され、大量破壊兵器を生み出す。あのドイツは、イスラエルに一言もものが言えないように傷を残している。
 第三には、戦争指導部に権力権限がすべて集中される。

【軍事同盟と改憲】
 アメリカは戦時国家だ。その三つの特徴をもっている。そのアメリカに日本政府は価値観を共有していると表明している!小泉さんだけではなく、マスコミがそうなっている。平和主義の日本が、戦争国アメリカと価値観を共有するなどあり得ない。その破綻がいろいろと出てきている。アメリカの動員は徹底している。世銀の長はウォルフォヴィッツだ。財政赤字をどう分からないうちに処理していくかを考えている。国連代表はヴォルトンだ。「国連につべこべ言わさない」と言っている。
 米英は完全なる軍事同盟だ。日本をどう巻き込み動員するかが最大のテーマだ。憲法を変えなければできないぎりぎりまで来ている。国内の改憲派以上に大きな改憲の要素だ。日本国民が竿を放すのかどうかが大きな問題だ。
 
【経済の問題】
 日本がアメリカと違うところは、修正資本主義でやってきたことだ。資本家のための資本主義ではない。アングロサクソン型の覇権主義ではない。利益は国民に返しましょうと。そのための条件が今は逆転した。
 戦後は、復員兵や集団就職などで労働力に恵まれた。また、日本がどれだけ輸出しても文句は出なかった。しかし、そのままではやっていけない時代になった。バブルのエネルギーをため込んでいた。「失われた10年」は、悩みの中にあった。そこに「改革」の言葉で小泉が登場してきた。彼は改革の後のビジョンを一度も語ってはいないが、言葉の先頭に立ってきたことはまちがいない。
 第一は、市場原理主義だ。
 人間のことまで市場に丸投げする。今は、アダム・スミスの時代ではない。ただ利益だけを求めてうごめく過剰資本に何を任せようと言うのか。
 第二は、規制緩和だ。
 「改革なくして成長無し」は、大企業のための規制緩和となった。大企業の権力への自由だ。大企業と中小企業が競争できるはずがない。地方はやっていけない。
 第三は、官から民へ 大きな政府から小さな政府へ
 日本は既に大きな政府ではない。借金が大きな政府だ。(笑い) その借金は誰のためのものか。金融大資本のために、100兆も国債やゼロ金利によって家計から取っていった。なのに、公務員削減や給料削減問題へと目をそらしている。米国型への誘導だ。一位のアメリカを追い抜くことを覚悟しているのか。アメリカとぶつかることを。「グローバリズム」とはアメリカの戦略用語だ。経済用語とは認めない。

【ことは憲法だ】
 ことは憲法だ。国民投票がある。国民がノーと言ったらすべてが変わる。支配層の戦略も、日中関係も、アメリカの国際戦略も。今私たちは、世界史的な変革に直面している。国民の出番が来ているのだ。80年生きて、いい死に場所を与えてもらったと思っている。よし!やろうという気持ちだ。経済化にはデモクラシーはない。下請けは言いたくても言えない。国民投票はだからこそ怖い。一人一票なのだ。

【国民保護体制について(会場からの質問に答えて)】
 日本の改憲派は甘い、危なっかしくて見ていられない、とアメリカは見ている。小選挙区制による国会。イラクで本当に戦闘状態に入れられてしまうのではないか心配だった。党派を超えて、国民的な声で即座に撤退せよの体制をつくることが大切だ。その力を身につけなければならない。陸自は戻ったが空自は深入りしている。国民保護体制も、日本の奥に米軍との一体化の問題であることを見逃してはならない。

               於  2006.7.26 福岡市県中小企業振興センター


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