雪の仁川から3年ぶりに来てくれた 寒波襲来の下 尹奉吉義士殉国90周年

雪の仁川から3年ぶりに来てくれた

 韓国独立運動家尹奉吉義士が、植民地支配に対する抵抗闘争として上海爆弾事件を起こし、金沢で処刑されて19日で90周年になります。

 コロナで途絶えてきた、韓国月進会との平和友好交流が、ようやく再開できました。

 17日は、午後から歴史認識を問う学習集会を開きました。チラシを掲載します。

 そのために、雪の仁川から、月進会名誉会長李佑宰さんが86歳かくしゃくしやくとしてやってきました。ソウルは雪、この天気…飛べるのか、いつ着けるのか、やきもきしましたが、良かった良かった。

 彼ら韓国の友人が敬愛してやまない山出元金沢市長を表敬し、歓迎夕食交流会で旧交を温めました。

寒波襲来の下 尹奉吉義士殉国90周年

 少し長く書きますが、ご容赦ください。

 日本の植民地支配に抵抗した独立運動家尹奉吉義士が、金沢で処刑されて90年を迎えました。1932年4月29日、独立運動の一環として上海爆弾事件を起こし、12月19日、24歳の若い命を絶たれました。

 この90周年を記念して、3年ぶりに韓国から、李佑宰月進会名誉会長が、高齢をおして金沢にやってきました。また、尹奉吉義士の生誕地忠清南道禮山郡議会の訪問団21人も昨日、野田山の暗葬之跡を訪れました。

 私たち尹奉吉義士共の会は、月進会日本支部と共に、この90年を記念し、12月18日に日韓・アジアの平和連帯を目指す学習集会を開きました。

 「関東大震災時の朝鮮人虐殺と日本の歴史認識」と題し、ジャーナリストの加藤直樹さんが講演しました。

 東京・関東圏の現地を踏査して実証的にこの事件の実相を把握した加藤直樹さんは、近年の史実否定のナショナリズムには、日本人に根深い大日本帝国臣民の大国意識、裏を返せば、韓国・朝鮮、中国などアジアへの差別意識が横たわっていると指摘しました。憲法に保障された主権者意識の未成熟とも。私の課題意識とも重なります。

 李佑宰名誉会長は、植民地支配被害国民が、未だに南北民族分断に置かれていることへの不条理、深い「恨」(ハン)について触れました。87歳の自分は、平和的南北統一のために身を捧げたいと熱弁をふるいました。アメリカのアジア支配の下で、戦争のリスクがあるのはどこか? それは韓半島以外にない。それを阻止するのは、韓日の市民連帯しかないと。

 日本の「戦争する国」への動きをよく把握しての一言でした。

 この三日間、義挙90周年の重さを痛感しました。戦後責任に連なる世代として、この負の歴史の清算と新しい人間的な関係を紡ぐ活動に関われる幸せを思います。

 同時に、敵基地攻撃能力の保有、そのためのミサイルシステム配備、軍事予算倍増と増税(安全保障三文書改訂閣議決定)の暴挙が強行されている今日、平和的生存権を担う主権者として、平和連帯の責任を痛感します。

 韓国の客人たちからは、今日、それぞれ金沢を発ちました。私たちへの敬愛の念と金沢への深い感謝の言葉を口々に。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。